はじめての3Dプリンタ『Ender3 V2』を昨年末に購入し数ヶ月が経ちました。
モノ作りは非常に楽しく、趣味で大いに役立ってくれています。
ドローンの趣味の方にも今後使ってみたいと考えていますが、現在は主に電子工作用途の趣味をメインで使っています。
自分でモデリングしたパーツを3Dプリンタでカタチに出来る・・・こんな便利なことはありませんよね!
パーツ作成はCADでのモデリングもそうなんですが、CADで作成した寸法(理想値)にいかに近づけて3Dプリンタで造形出来るかも重要かと思います。
単品でのパーツ造形ではそれほど気にすることはないかもしれませんが、パーツ同士をハメ込んだりスライドや回転などさせて可動させるとなるとその寸法は非常に重要になるかと思います。
CAD上ではパーツ間の干渉やクリアランス等問題ないのに実際に造形させパーツを作成してみるとうまく狙った寸法が出せず?干渉したりハマらなかったり・・・なんてことはこれまでよくありました。
寸法精度が要求されるものはテスト出力させ実際組み合わせてCADの寸法調整やスライサーの設定を変えてみたり・・・なかなか時間がかかる作業でもありますが、これも3Dプリンタの楽しみの1つでもあります。
そんな事でもう1台3Dプリンタ『Artillery Genius』を導入しました。
これでテスト出力させている間にもう1台で他のパーツを出力させたり、また1台は通常運用しもう1台をカスタマイズさせ3Dプリンタ自体の精度がどれくらい変わってくるかなどを知る上でも役立ちそうです。
と便利になる予定でしたが・・・実際にはそんなに甘いものではなく・・・
最近の3Dプリンタって私が使っているような安価で手に入る機種でもかなり高い精度で造形物を出力させることができかなりハイテク機器かと思いきや、いろいろと調整等やっているとそのほとんどがアナログ的な要素に大きく左右されることが分かります。
その1つとしてフィラメントによるものも大きな要因の一つかと思います。
3Dプリンタ歴数ヶ月が経ち数種類のフィラメントもこれまで使ってきました。
同じメーカー製の同種フィラメントを使い同じ設定で出力させても使う色により微妙に造形物の出来上がりが異なってきたり・・・なかなか難しいものがあります。
また全く同じフィラメントを使っていてもその保管環境により造形に大きく影響してくることも分かりました。
3Dプリンタで使われるフィラメントは湿気を吸収しやすく、フィラメントに水分があると造形にいろいろと悪影響が出てきます。
そんな事からフィラメントの保管にはドライボックスを使いシリカゲルで湿度を下げるなどの工夫をみなさんされているかと思います。
しかしながらドライボックスでいくら湿度を下げて保管していても、既にフィラメントに取り込まれてしまった水分は除去することは出来ないようですね。
シリカゲルはあくまで水分がフィラメントに取り込まれないように防湿管理する用途で使用するもので、一度取り込まれてしまった水分を除去するには高温でフィラメント自体を加熱し除去するしかないようです。
ナイロン系のフィラメントなどではその吸湿も早い(吸湿しやすい)ようですが、PLAフィラメントでもその影響が最近出てきました。
3Dプリンタ購入と同時にテスト用として一緒に購入したPLAフィラメントがあるのですが、同メーカー製の比較的最近購入したものと比べ造形中頻繁に「パチッパチッ」と鳴るようになりました。
これは完全にフィラメントに吸着した水分が排出時にノズルの加熱により蒸発?して音が鳴るというものですね。
これが出てくると造形物表面にブツブツしたものが出たり、フィラメントが不規則(余分に?)に押し出されたりするようです。
最近では造形後はできるだけドライボックスにフィラメントを戻すようにしていますが、古いフィラメントを使って比較してみると明らかに吸湿の影響を受けているようです。
2台の3Dプリンタを運用するようになり毎回ドライボックスにフィラメントを戻すのも手間になってきたので、フィラメント保管ボックスの見直し、そしてフィラメント加熱器もそろそろ導入しなくてはということで少し調べてみました。
どれがいいのか、いろいろと迷っています!
目次
フィラメント加熱器&保管用ドライボックスについて考える!
フィラメント保管用ドライボックス
フィラメント保管用ボックスはナカバヤシ キャパティ ドライボックス(27L)を現在使っています。
3Dプリンタ用途で使われている方も多いドライボックスとなりますが、綺麗にフィラメントスプール(1kg製)を並べて収納することが出来ます。
密閉性もいいようでシリカゲルにより内部の湿度を20%以下まで下げることが出来ます。
そしてBluetoothによりスマホからも管理ができるSwitchBot温湿度計を使いフィラメント管理をしています。
非常にいい組み合わせでフィラメント管理も楽に出来ています。
フィラメント保管用としては非常に便利なドライボックスとなりますが、毎回造形後にフィラメントを外しドライボックスに移して保管・・・となるとなかなか手間ではあります。
運用しながら使えるドライボックス
そして以前Twitterで教えて頂きましたが、ダイソーのケースなどを使いDIYされている方も多いようですね!
長期間使わないフィラメントはドライボックスに移し、頻繁に使うものはケースに入れたまま湿度管理をしながら運用と・・・なかなか便利な使い方ですよね!
遅かれ早かれ3Dプリンタをやられている方はこのようなケースを使って運用する形になりそうです。
ダイソーのジョイントラックをカスタムしてKP3の土台ができました😆
電源ユニットはTPUで作成したパーツで固定してます! 上部にフィラメントボックスをギリギリ設置できました🤣 ステッピングモータのStep数の調整頑張ります!(新しいノズルは、調整完了後に搭載します!)#Kingroon_KP3 pic.twitter.com/t4copOfz6V— Reiya@3Dプリンター歴1年🔰 (@ReiyaSalt) March 23, 2021
私もこのようなケースをDIYで作ってみようと考え、ケースやPTFEチューブ・穴を開けるためのドリル等の購入を検討していたのですが・・・非常に良さそうなケースが販売されたようです。
上記DIYで作ろうと考えていた構造そのもののケースとなっています。
こういう要望の多い?(需要がある)ものってどこかしらメーカーさんが作っちゃうんですよね!
ちょうどDIYでこのような保管ケースを作ろうと考えていたところなので非常にタイミングがよく・・・
最近3Dプリンタ関連の事にハマっていることもあり海外サイトさんからレビューのお話を頂いたので近々使ってみたいと思っています。
実物がまだ届いていないのでどのような製品か見てみようと思います。
上記DIYケースのようにフィラメントを除湿保管しつつそのまま運用出来るというケースとなります。
製品ページには完全気密加工されていると記載されているようです。
このようなケースでは気密性が重要となりますが・・・どの程度のものなのか気になりますね。
使い勝手等の事はまだ分かりませんが、DIYでケースを自作する手間が面倒なんて方にも良さそうですね。
2~3個使って3Dプリンタを運用すれば便利そうです。
ケースは形状や付属品によりType①~③の3パターン用意されているようです。
Type①とType② は1kgフィラメントスプールを1本収納できるサイズのケースとなり、Type③は2本収納出来る形状となっています。
【Type①】フィラメント1本収納ケース
1kgフィラメントスプールを1本収納できるドライボックスとなります。
フィラメント排出口は上部と前面の2ヶ所あります。
ベアリングで回転するスプールホルダーが付属しており、このホルダー内にシリカゲルなど除湿剤を入れる形状となっているようです。
【Type②】フィラメント1本収納ケース+Bluetooth温湿度計付属
上記Type①と形状は同じで付属品にBluetoothに対応した温湿度計が付属しています。
【Type③】フィラメント2本収納ケース
こちらは1kgフィラメントを2個収納できるサイズとなっています。
フィラメント排出口は上部2ヶ所、前面背面に各1ヶ所の計4ヶ所となっているようです。
こちらは上記Type①②のようなスプールホルダーを使う形状とは異なっており、フィラメントスプール(直径20cm)に対し内径4.8~6.8cmの穴に対応しているようです。
実際に使ってみて詳しくレビューしたいと思いますが、気密性や使い勝手が良ければDIYで自作する手間がなく2~3個欲しいところです!
【2021.05.31追記】上記ドライボックスレビューしました!
上記Type③ドライボックスが届きレビューしました。
サイズ感が微妙で使い勝手が悪いのでType③はあまりオススメできません!
ご購入を検討されている方は、Type① or Type②の方がいいかと思います。
そこでDIYでフィラメント送り出し機能が付いたドライボックスを製作しました。
こちらはパーツの用意や製作に手間がかかりますが、非常に使い勝手のいいものが出来ました!
スプーラーや温湿度計ブラケットをモデリングしたものを公開しました。
興味ある方はどうぞお試し下さい。
フィラメント加熱器
次にフィラメント加熱器についてです。
フィラメントの保管にいくら気を配っていてもどうしても一度吸湿してしまったフィラメントは加熱して処理する必要があります。
3Dプリンタをやるなら1台は持っておきたいところですが、あまり製品の選択肢がなくずっと迷っています。
フィラメント加熱器といえば、eSUN eBOXやSUNLU FilaDryer S1、Polymaker PolyBoxをよく見かけます。
また、フードドライヤーを使って加熱されているなんて話もよく聞きます。
フィラメントの管理にあまり時間や手間を取られたくない私としては(超面倒くさがり屋です)、加熱器でフィラメントを加熱後はそのまま運用なんてのが私としては理想的なのですが・・・
フィラメント加熱器は、加熱して出てきた水分を外部に逃がす(または吸湿剤で吸湿する)構造上?あまり気密性が高いものではないという話も聞きました。
気密性があるものなら加熱後にそのまま運用出来たりなんて思ったりするのですが・・・
この手の製品もあまり選択肢がないようで上記メーカー製のものを使われている方が多いようですね!(PolyBoxは加熱機能はありません)
またSovol SH01というフィラメント加熱器が最近発売されたようです。
1kgフィラメントを2本同時に加熱できるようで気になっていますが・・・少しフィラメント加熱器を比較して見ていきたいと思います。(個人的にどれにするか迷っています!)
SUNLU FilaDryer S1
SUNLU製フィラメント加熱器FilaDryer S1です。
湿気を帯びたフィラメントを加熱・乾燥させるフィラメント加熱器となります。
乾燥温度(加熱)は35~55℃で設定することが可能(1℃単位で調整)、デフォルトの乾燥時間は6時間(設定可能時間0~24時間)となっています。
ボックス内に2本のローラーを付けフィラメントを乾燥させながらの出力もできるようです。
また500gフィラメントスプールなら2本同時に収納も出来るようです。
フィラメント径1.75mm/2.85mm/3.00mm、スプールサイズΦ210×85mmに対応しているので1kgまでのフィラメントスプールで問題なく使えそうです。
製品サイズは271mm×243×100mmと結構コンパクトなんですね。
このサイズなら私の作業部屋でも2~3個くらいは置けそうです。
【追記】Sunlu S1フィラメントドライヤーをレビューしました!
eSUN eBOX
eSUN製のフィラメント加熱器eBOXです。
使われている方も多いと思います。
4段階の加熱設定ができフィラメントの加熱乾燥を行います。(タイマー機能付き)
また挿入したフィラメントの重量の測定(スプール重量設定も可能)もできるようです。
上記、温度や加熱時間・重量等の設定は前面液晶パネル横のボタンから設定するようですがUI的に使いづらいと言った話もよく聞きます。
1kgフィラメント1本を本体内に内蔵でき、本体サイズは239×215×104mmで重量750gとなっています。
SUNLU製とほぼ同サイズでこちらもコンパクト(スマート)な形状となっていますね。
乾燥は加熱のみでケース内部にシリカゲル等の吸湿剤を入れるためのポケットもあるようです。(SUNLU製のものはないようです)
内部加熱ヒーターの電力は36Wとなっており内部温度を最大50℃まで加熱することが出来るようです。
『SUNLU FilaDryer S1』『eSUN eBOX』ともに形状から気密性に関してはあまり期待できないようですね。
加熱乾燥後はドライボックスに移して保管という形になりそうですが・・・
フィラメントを頻繁に変えないので有れば、手間ですがカバー部をシール等で覆うと良いかと思います。
(厳密には白い部分の最下部繋ぎ目も覆わないとですが)赤線部がわりとスカスカです。 pic.twitter.com/2qDxMKoPY7
— Tori3 (@Tori3_ekusu) March 20, 2021
【追記】eSUN eBOX Liteフィラメントドライヤーをレビューしました!
eSUN eBOXの後継機にあたる新商品eBOX Liteフィラメントドライヤーをレビューしました。
Sovol SH01 Filament DryerBox
上記、SUNLU製のFilaDryer S1・eSUN製のeBOXが3Dプリンタ界隈でよく目にするフィラメント加熱器かと思います。
フードドライヤーを使って加熱するという話もよく聞きますが、フィラメント加熱器って意外と製品ラインアップが少ないようですね。
PolyMaker製のPolyBoxというケースもありますが、こちらは加熱機能が付いていないので今回のフィラメント加熱器を探している私としては除外しました。
そしてSovol SH01という上記製品と比べ少し大型なフィラメント加熱器も最近発売が開始されたようです。
1kgフィラメントスプールを2個収納でき加熱乾燥が出来るようです。
加熱温度は40~50℃となっており、前面パネルに温度および湿度をリアルタイムで表示させることが出来ます。
発売されたばかりでレビュー等ほとんど上がっていませんが、製品ページにある動画を見ると上記2つの加熱器より気密性に関しては良さそうな感じです。
そして2本同時に加熱できるフィラメント加熱器って他にもあるのかな?
【2021.5.1追記】Creality Filament dry box
Createからも新たに『Filament dry box』の販売が開始されました。
加熱時間は前面のノブで2/4/8時間の調整が可能なようです。
こちらも1kgフィラメントスプールを1本収納でき、サイズも97×237×265mmとコンパクトに収まっているようです!
最後に!
フィラメントドライボックスや加熱器を見ていきました。
そろそろ梅雨シーズンも到来し夏場の湿度管理のことも考え導入したいと考えていますが、3Dプリンタ関連の情報って海外からのものが多く国内の情報がほぼ出てこないのが残念なところであり、いろいろと迷っています。
フィラメントはAmazonなど国内サイトから多数メーカー製のものを容易に入手することが出来るので手元にストックを置いておくなど私はあまりしませんが、それでも開封後使いきれなかったフィラメントがどんどん手元に増えていっています。
数ヶ月前に買ったフィラメントを使い造形に影響が出てくるなど実際に体験すると・・・
3Dプリンタをやられている方ならみなさん通る道ですよね!
いろいろ考えるのも、これまた3Dプリンタの楽しみの一つということで・・・。
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