書籍『はじめてのM5StickC』のご紹介!記事掲載して頂きました。

【Curaテクニック】造形物に入る縦ラインの継ぎ目線(シーム)を目立ちにくく調整してみる!

3Dプリンタで造形物を作る時、特定の位置に縦方向に継ぎ目のようなラインが入る場合があります。
なかなか厄介なもので綺麗に造形できていてもこのラインが入ることにより場所によっては見た目が悪くなったり、パーツ同士の接合部分など寸法精度が要求される部分などでは問題になる場合があったりします。

今回はこのラインを消すことは出来るのか?
というお問い合わせを頂いたので、私の分かる範囲で普段やっている調整方法をご紹介したいと思います。

造形物に入る縦ラインの継ぎ目線(シーム)の調整方法!

シームの発生

今回、こちらのDIYして作ったフィラメントドライボックスの記事を見て作って頂いた方からお問い合わせを頂きました。
「造形物に入る縦ラインを消すことは出来るのですか?」
こういったお問い合わせとなります。

【3Dプリンタ】フィラメント送り出し機能が付いたドライボックスをDIYしてみました!(ダイソー密封容器5.5L使用)

3Dプリンタの造形では形状により特定の位置に縦方向で継ぎ目のようなラインが入ることがあります。
これをシーム(つなぎ目)と呼ぶのですが、これを完全に消すのはなかなか大変となります。

上記記事ではベアリングを使用してフィラメントスプールを回転させるスプーラーを紹介していますが、ローラー部分にこのシームが入ると僅かではありますが確かにフィラメントスプールの回転が悪くなりそうではあります。
ご質問頂いた方は、おそらくそのことを懸念してお問い合わせしてくれたものだと思います。

FDM方式の3Dプリンタでは1層ずつレイヤーを重ねていき積層していきます。
そのため、各レイヤーを描く時に開始点と終了点が出てきます。
このシームは造形物の各レイヤー、内壁と外壁の開始位置で発生します。

例えば上記記事で作ったローラー部分のパーツをスライスして1層ずつどのように描いているのか確認してみるとこのようになります。(今回ウォールライン数を2で設定しています)

開始のノズル位置はこちらとなりますが内側なのでこの部分にシームが発生しても見えないので問題ありません。

そしてウォールライン数を2で設定しているので2本目のラインが最内側に描かれます。
その開始位置でシームが見える場所で発生します。

外壁に関しても同様で最外側の開始位置で発生するシームは見えてしまいます。

このようにノズルが終了位置で一旦止まり次のレイヤーに移動して開始する際に余分なフィラメントが残り(排出され)、それが各レイヤー同じ場所で繰り返されるのでシームと呼ばれる継ぎ目のようなラインが縦に入ることになります。

シームの発生を抑えるにはリトラクションやフローの調整など関係してくるかと思いますが、今回はCuraの設定項目にある『Zシーム合わせ(Z Seam Alignment)』の調整に関して見ていきたいと思います。

シームの発生する位置をCuraで確認

シームが発生する原理は分かったかと思います。
そしてスライサーソフトCuraにはこのシームの発生を抑える設定項目が用意されています。

まずはシームが発生する位置を確認しておきます。
シームは各レイヤーの開始位置に発生し、見える位置としては最外壁と最内壁の開始位置になる事は分かりました。
そして現在のバージョンのCura(4.11.0)ではその位置をスライスして視覚的に確認することが出来ます。

先ほどのモデルをスライスし全体を見てみます。
カラースキームから色分けで各項目を確認することが出来ます。
【開始】という項目が白で表示されています。
この部分がシームとなり造形物表面にラインとして現れてしまいます。

MEMO
Curaの設定を日本語表記にしています。
英語表記の方が分かりやすそうですが・・・私はこれで慣れちゃったので日本語表記での説明で進めていきます!

Zシーム合わせ(Z Seam Alignment)による調整

シームが発生する位置が確認できました。
ここからCuraの設定項目『Zシーム合わせ(Z Seam Alignment)』を設定してシームの発生する位置を変えたり、目立ちにくくしていきたいと思います。

まずはZシーム関連の設定項目がアクティブになっていない場合は、【ウォール(Walls)】項目にあるこちらをクリックして表示項目を選択できる状態にします。

Zシームの調整項目はこのあたりとなります。

チェックマークを入れると先ほどの【ウォール】の項目で選択出来るようになります。

ここからZシームの設定をしていくわけですが、造形物の形状によりどう変わっていくか少し見ていきましょう。

シームを任意の位置で発生させる!

まずはこちらの造形物を例にやってみます。

スライスしてみるとこの位置にシームが入っています。

実際に造形してみるとやはりスライサーで確認した位置に縦ラインのシームが出ていますね。

まずはシームの位置を変えてみたいと思います。
この造形物はこのような向きで使おうと想定し現在モデリングしているパーツとなります。

つまりスライスした手前が下側となりその位置にシームが入ると目立ちにくい位置となります。

【Zシーム合わせ】に[ユーザー指定(User Specified)]を選択し、【Zシーム位置(Z Seam Position)】を仮に[前左]を選択しスライスしてみます。
指定通りシームの位置が左前になりました。
この造形物の場合、使用する際に目立たない位置となります。

また【Zシーム合わせ】に[鋭い角(Sharpest Corner)]を選択するとシームはこの位置になります。
このように[鋭い角]を選択すると角などの鋭角な部分から造形が開始されます。
結果として目立ちにくい位置にシームをもっていくことが出来ます。

実際に造形してみると角部分にシームがあるのでほぼ分からなくなりました。
角がある造形物では有効な手段となります。

これを使えば、例えばモデリングの段階で縦方向にスリットを入れるなどすれば、そのスリットの角部分にシームを持っていくなどの方法が使えます。

このように任意にシームの位置を変えたり、角に持っていくことにより目立ちにくくさせることが出来ます。

シームの発生を分散させる!

次に冒頭で出てきたスプーラーのローラー部分ですが、このような円形状のものでは角部分が存在しないので上記の方法ではなかなか難しくなります。

同様に位置を変えることは出来ますが、円形状のものでは角がないためどこに移動させても目立ちにくくする事が出来ません。

ローラーのように1ヶ所にシームラインが出てしまうと動きが悪くなるなどの理由でどうにかしたい場合は、シームをランダムに出すことも出来ます。

先ほどの【Zシーム合わせ】の項目で[ランダム(Random)]を設定すると、シームの位置を各レイヤーランダム(開始位置をランダムにする)に配置する事により分散させる事ができます。

スライスしてみるとこのように開始位置である白ポイントがランダムに配置されているのが分かります。

造形物表面に小さなブツブツが出来てしまいますが、特定の位置にラインが入ることはなくなります。
実際にこの設定で造形してみるとこのようになりました。
少し表面は荒れますがローラーとしてはこちらの設定の方がいいかもしれません。

またパーツ同士を接合するなどの場合、特定の部分に縦ラインにシームが入ってしまうと寸法的に入らなくなったりする場合もあるので、ランダム設定で分散させるのはいい方法かもしれません。

基本的なZシームの設定方法をご紹介しましたが、【ユーザー指定】の項目からシームの位置をX方向Y方向で指定する事などもできます。

最後に!

CuraのZシームの調整で、ある程度は目立たないように出来ました。
あとはリトラクションなど他の設定項目で調整していく形になるかと思います。

現在の私が分かる範囲でご質問に答える形で書いてみましたが、Zシームの調整だけでも大きく変わってくるので参考になればと思います。

それにしてもCuraって設定項目が多すぎていろいろと覚えるのも大変ですし、試すのも大変ですよね!
一つずつ確実に理解しながらやっていき、またご紹介できればと思います。

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