はじめての3Dプリンタ『Ender3 V2』を購入して半年ほどが経ちました。
使っていて気になる所を少しずつカスタマイズさせていますが、今回はダイレクトエクストルーダー化(Titan)させてみました。
FDM方式の3Dプリンタにはエクストルーダー部分の形状(構造)によりボーデン式とダイレクト式に分けられます。
Ender3 V2標準仕様ではプリントヘッドからエクストルーダー部分が切り離され長いPTFEチューブで繋がれたボーデン式が採用されています。
これに対してプリントヘッドにエクストルーダーを直接取り付けるダイレクト式はボーデン式のようなフィラメントの送りをガイドするための長いPTFEチューブがないことからエクストルーダーから押し出されたフィラメントを直接ノズルまで誘導することができ、フィラメントの排出が安定しやすくなるなどのメリットがあります。
そのためTPUやナイロン系などの柔らかいフィラメントでもボーデン式と比べ安定感が増します。
またフィラメントの押し出しや戻す動作がモーターと追従しやすくリトラクションが速くなります。
その反面、プリントヘッドにエクストルーダーが乗っているのでその分造形可能エリアが狭くなってしまったり、プリントヘッドの重量が大きく増えてしまうためX方向・Y方向の動作による慣性力が付きやすくなるといったデメリットも発生します。
ボーデン式 or ダイレクト式でそれぞれ長所・短所があり一長一短ではありますが、今回Ender3 V2をダイレクト式のエクストルーダーに変更してみました。
Ender3 V2用のダイレクトエクストルーダーキットはいくつか販売されていますが、今回はCreality公式から販売されているこちらのTitanギアを使ったダイレクトエクストルーダーキットを使いました。
Ender3 V2 Titanエクストリーダー用ブラケットを作成!
Ender3 V2のダイレクトエクストルーダー化に関しては別記事でも詳しくご紹介したいと考えていますが、このキットを使う場合、付属ブラケットの寸法に少し難があるようで注意が必要です!
プリントヘッドを固定している標準ブラケットをキット付属の長いブラケットを使用してエクストルーダー部分を一体化させる構成なのですが・・・
この付属ブラケットを使うと寸法的にどうしてもエクストルーダーのステッピングモーターが本体フレームに接触してしまいます。
Ender3 V2専用キットなのに・・・困ったものです!
またエクストルーダーからノズル方向にフィラメントをガイドするためのPTFEチューブも寸法的に真っ直ぐつなぐことが出来ないようです。
そのためキット付属のブラケットは諦め、標準ブラケットの上に固定するためのブラケットを新たに作成しました。
ThingiverseにはEnder3用のダイレクトエクストルーダーブラケットがアップされていました。
こちらはEnder3やCR10用にサイズ調整されているようでEnder3 V2では少しサイズ変更が必要なため修正し作成したものを今回使用しました。
上記データはEnder3用のためプリントヘッド部分のカバーを固定するためのネジ穴の位置が違うためEnder3 V2用に修正しています。
また標準で使われているスペーサーを取り付けるための穴径も少し大きくしハメ込む際の破損対策もしています。
ブラケットの取り付け
今回作成したEnder3 V2専用のTitanエクストルーダーブラケットはこちらとなります。
標準ブラケットの上に取り付ける形となります。
以下、ThingiverseからSTLデータをダウンロードできます。
標準で使われているスペーサー2つをハメ込みます。
プラハン等で軽く叩くと綺麗に入り固定されます。
後ろ側部分に2mm突き出る形状となります。
26mm厚までのパンケーキサイズのステッピングモーターに対応しています。
これ以上厚みが大きくなるとフレームに接触してしまいます。
ガイドのチューブも問題ありません!(この部分は標準状態なので)
出力の際は上記オリジナルデータでも指定されていますが、インフィル50%・4つの壁層等の設定で出力させました。
この設定で今回PLAで出力させましたが、強度的にはこれで全く問題なく稼働できています。(ABSやPETGの素材を使ったことがないため今回PLAを使いました)
【追記】静音化対策&冷却能力向上のためカスタマイズしました!
本記事でご紹介したTitanエクストルーダーを使い静音化対策&冷却能力向上のためFANダクトをカスタマイズしてみました。
HydraファンダクトをEnder3 V2に完全対応させTitanエクストルーダーをマウントできるように修正しリミックスとして製作したものとなります。
こちらもSTLデータを公開しましたので、興味ある方はこちらの記事もご覧下さい!
最後に!
Ender3 V2のダイレクトエクストルーダー化に関しては別記事で詳しくご紹介したいと思っています。
ブラケットデータを使いたいというお問い合わせを頂いたのでデータの方を先に公開させて頂きました。
ご要望があるということは、私同様にこのキットを使ってステッピングモーターがフレームに接触する等の問題があったのだと思うのですが・・・CrealityのEnder3 V2専用キットなのに!
ダイレクトエクストルーダー化、特にTitanギアでは1/3減速ギアとなっておりトルクが増すため小型サイズのモーターで駆動出来るようでプリントヘッドの重量増加も抑えられるので良さそうですね!
いろいろとテスト出力&調整をしていますが、目に見える大きな変化としてはこのようなスリット形状の出力ではボーデン式の場合フィラメントの押し出しや戻しの動作(リトラクション)が大きくなり糸引きも多く発生しやすい造形になるかと思います。
このような形状の場合、もう1台所有しているダイレクト機のArtillery Geniusを使っていましたが・・・PLAに関しては全く糸引きの発生はなくなったようです。
このあたり、また別記事で詳しくご紹介出来ればと思います。
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