今回はThingiverseにあった面白いデータをお借りして不気味な壁掛け用ウォールハンドを作ってみました。
Thingiverseには非常に多くの面白い作品が投稿されており無料で試せるのはいいですね!
今回ご紹介する壁掛けできるウォールハンドなんですが、個人的に非常に思い入れがある作品となります。
そこそこサイズが大きくかなり不気味な作品となっていますが、造形時にサポートが必要なくインフィル密度0%で出力させればフィラメント消費量も少なくてリアルなハンドが作れます。
そして全4種類のモデルが用意されており、面白い作品なので速攻で全種コンプリートさせてやろう・・・と思ったのが半年以上前の話となります。
というのも、どうしても1種類だけ上手く造形することが出来ず・・・そしてようやく残りの1つも作ることができ無事に全4種類をコンプリートさせることが出来ました。
昨年末に初めての3Dプリンタを購入し、最近ではスライサーソフトCuraも少しは使えるようになってきたので上手く出力出来るように設定できましたが、作者さんの投稿ページにはスライス時の出力設定(印刷設定)など詳細な記載がなかったので3Dプリンタ初心者の私としては非常に手間取りました。
ある程度3Dプリンタをやられている方からしたら非常に簡単な解決方法でしたが、他の方の作品をお借りしていろいろと作っているとそのあたりの知識も付いてくるのでいいですね!
それではThingiverseに投稿されていた不気味でリアル、そして作っておもしろいウォールハンドを見ていきたいと思います。
目次
壁掛けできる不気味なウォールハンドを作ってみました!【Thingiverse】
Thingiverseには面白い作品が多数投稿されています。
私も3Dプリンタを使うようになりFusion360を使ったモデリングの勉強もやるようになりました。
そしてオリジナルで作って使ってみて良かったものをThingiverseにアップするようになりました。
ちなみにこちらは私のThingiverseページとなります。
お暇があればぜひ立ち寄ってみて下さい!
そして今回は、自立させて飾ってもよし、そして壁掛けも出来る奇妙でリアルなウォールハンドのご紹介です。
Thingiverseのこちらのデータをお借りして作ってみました。
非常にリアルなモデルとなり全4種類のハンドが用意されています。(Baby Hand/Creepy Hand/Devil Hand/Short Hand)
ぜひ全種コンプリートしてみて下さい。
投稿ページにはあまり詳細な出力設定が明記されていませんが、全モデルサポート無しで造形ができます。(BabyHandのみサポートが必要です)
また、インフィルを0%に設定しウォールラインのみの出力で強度的にも(PLAフィラメントを使いました)全く問題ありませんでした。
中身は空洞なのでフィラメント消費量も抑えられます!
一応こんな感じにスライサーを設定しました。
ごく普通な設定で問題ありませんでした。
オリジナルデータの通常サイズでの造形時間およびフィラメント消費量とともに各モデル見ていきましょう。
かなり高さが大きなモデルもあるので、スライサーで縮小して出力させ全体の大きさを何となく統一させるとデスクなどに飾る場合はいいかと思います。
- 積層ピッチ:0.2mm
- ウォールライン数:2
- インフィル:0%
- サポート:なし(※BabyHandはサポートが必要!)
Baby Hand(造形時間:約2時間20分 フィラメント消費量:約17g)
一番小さなハンドくんです。
キーボードの上に置けば何か雰囲気出ますね!
Devil Hand(造形時間:約3時間30分 フィラメント消費量:約23g)
このモデルは非常にリアルです!
スライサーで反転させて両手ペアで作ってみました。
グレーフィラメントを使っていますが、左右で少し色味が違いますね。
ちなみに右がRepRapper PLAグレー、左がSunlu PLAグレーフィラメントを使っています。
Short Hand(造形時間:約5時間 フィラメント消費量:約40g)
こちらはSunlu PLAグレーフィラメントを使っています。
Sunlu製のPLAフィラメントか各色結構使っていますが、グレーフィラメントに関しては上記のように色の濃淡が目立ちやすく出る場合があります。
ノズル温度の設定値により完全になくすことも出来ますし、出しやすくする事もできます。(ノズル温度を比較的低く設定すると出やすくなるようです)
Sunlu製フィラメントは他の色も使っていますが、グレーフィラメントのみこのようにグラデーションのような色味の濃淡が現れる場合があります。
今回はこの濃淡が逆に生かされ良かったのでこれを採用しました。
そして各モデル底面には壁掛け出来るようにビスなどをはめ込む穴が作られています。
Creepy Hand(造形時間:約5時間20分 フィラメント消費量:約48g)
上記の3つのモデルは先ほどの設定で問題なく出力させることが出来ました。
そして冒頭でもお伝えしたように、残り1つ「Creepy Hand」だけは少し設定を変える必要がありました。
一番大きなモデルとなり高さが約24cmほどあります。
造形途中で失敗すると結構の痛手となります!
このモデルの底面には少し段差があるのですが、3Dプリンタを始めた当初はこれが影響しどうしても上手く出力が出来ずに諦めていました。
具体的にはこんな感じとなります。
スライサーで確認してみると1層目から7層目まで段差が付けられています。
対策方法が分かってしまうと簡単なことなんですが、半年前の私はどうスライスしていいものかと・・・
仮に底面にサポートを入れたとします。
そしてスライスして確認してみます。
進めていくと7層目で底面が描き終わりますが、それまでこのように少しブリッジ形状のような造形が続きます。
おそらくこのブリッジを描く時に段差などが発生し上層部分でこの影響が出てきてノズルが造形物に当たって失敗や汚い造形となっていたのかな?と思います。
このように底面部分に段差がある形状のものを公開されているのをたまに見かけます。
どのような意図があるのでしょうかね?
今回の上記モデルに関しては単純に底面に軽い傾斜を付け、設置させて飾る際にいい具合に造形物が傾くといった意図もありそうですが・・・?
まずは上記モデルの解決策です。
ある程度3Dプリンタをやられている方ならもう簡単です!
これ解決するのに私は半年ほどかかってしまいました。
少し傾斜しているということなので、モデルを選んで【回転させる】項目を選択し【平らに置く】を選択すれば、傾斜した底面を上手くビルドプレートに平行に置くことができ解決できました。
あとは他のモデル同様にサポートなしのインフィル0%に設定すれば綺麗に出力させることが出来ました。
他のモデルとサイズ感を合わすため70%に縮小して出力させました。
デスクに飾るにはこれくらいのサイズの方がよさそうです。
非常に簡単なことでしたが、サポートブロッカーを使って傾斜部分のサポートを調整したり・・・いろいろと四苦八苦した結果、ようやくたどり着けましたが分かってしまえば簡単な事でしたが非常に勉強になりました。
スライサーって(Ultimaker Curaを使っています)、調整方法や設定項目が非常に多いわけですが自分が思ったように操れるようになるには、このような事の積み重ねなんだろうなーなんて思ったりしております。
このCreepy Handは他のモデルと比べ少しサイズが大きくなっています。
オリジナルのデータは高さが239mmもあります。
造形可能エリアが高さ方向に最大250mmの私の使っているEnder3 V2でギリギリ可能なサイズとなっています。
壁掛け用としては等倍出力させて飾ればかなりリアルな感じになりそうです。(下写真は等倍で出力させています)
ようやく半年がかりでこちらの作品全4種コンプリートする事が出来ました!
やったぜ!
これまで抱えていたウヤムヤの1つが解決しスッキリしました。
今回は傾斜した底面をビルドプレートに接地する事により解決できましたが、このように底面が合っていないモデルデータって結構Thingiverseにアップされています。
その大半はモデリング段階でのミスだと思われますが・・・
毎回こう上手く底面設定ができればいいのですが、設計ミス等により上手くいかない場合も多々あります。
折角なのでその事例みたいなものを1つ見てみたいと思います。
モデリング段階での高さ調整ミス!?
こちらのモデルも以前から作ろうと思っていましたが、スライサーでのスライス段階でどうにも上手くいかず・・・
参考 Minimal SD Card WalletThingiverseSDカードケースなんですが、積層ピッチを0.12mmでスライスするとこのようになります。
左半分のパーツが少し高くなっているということですね。
CADで確認すると左部分が0.08mm底面から高くなっていました。
0.08mmの高さの違いだとサポート設定しても入ってくれません。
そして、このモデルでは先ほどの【平らに置く】では底面をビルドプレートに上手く接地させることも出来ません。
この部分の高さを揃えていない理由が全く見つからないのですが、おそらくモデリング時のミスだと思われます・・・
この事例では、積層ピッチを0.16mm以上に上げる事により解決できました。
積層ピッチが0.12mmでも初期レイヤーのみの変更でもいけますね。
これで上手く造形することが出来ました。
意図して底面に傾斜を付けている場合もありますが、このように微妙な高さの違いにより上手くスライスできないモデルデータも場合も多々あります。
公開されているものでこのようなデータをたまに見かけますが、モデリング上でのミス?やデザイン的な問題?などありそうですが、スライサーの知識がもっと身に付くとある程度は対応できそうではあります。
いろんな作品を出力させていると今回のように気付くことも多いと思います。
最後に!
という事で今回は奇妙でリアルな壁掛けできるウォールハンドを作ってみました。
PLAフィラメントで綺麗に造形することが出来ました。
今回使ったフィラメントはRepRapperとSunluのPLAフィラメントを使いました。
PLAでは共に扱いやすく綺麗に出力できるフィラメントなのでよく使っています。
初歩的なスライサーの設定で全種作るのに半年ほどかかってしまいましたが、フィラメント消費量も少なく造形でき面白い作品なので興味ある方は作ってみて下さい。
返信ありがとうございます~!わざわざ造形物の確認までしてくださってありがとうございます、やはりサポート必須なのですね、やり方が悪いのか・・・と悩んでいたので良かったです!w 早速印刷してみます!また面白い造形物あったらぜひ紹介お願いします~
こんにちは!記事いつも楽しく読ませていただいています。
プリントしたモデルの紹介もとても面白いので、もっと見てみたいです!今回のものは技術的な解説もあり興味深かったです。また、使ったフィラメントの詳細な情報ありがたいです、次買うときに参考にします!
早速私もこのモデルを印刷しようとしているのですが、BabyHand(キーボードの上に乗せてある手)をスライスしたところ、サポートなしではつくれないようで、スライスした時点で空中に浮いてしまう部分が出てきてしまいます。その部分は無視してサポートなしで印刷できるということでしょうか?
こんにちは!
ご質問ありがとうございます。
確かにBabyHandはサポートを入れた方が良さそうですね。
記事内でもご紹介した通り、1つだけ上手く出力ができず半年ほど経ってしまったためすっかり設定を忘れていました。
造形したBabyHandを確認しましたが、サポート除去の跡が少しあったので「サポートあり」で出力したものと思います。
スライサーでも確認してみましたが、親指部分(その他の部分も少し)は途中で宙に浮いた部分が出てくるので・・・これはサポートが必要ですね!
大変失礼しました。
面白いモデルなのでぜひ作ってみて下さい\(^o^)/