月刊I/O 2022年5月号『Raspberry Piで作る電子工作』に記事を掲載して頂きました!

【Fusion360】視点操作に特化した左手デバイス『3Dconnexion SpaceMouse Wireless』が非常に使いやすい!3D CADの必須アイテムですね!

3Dプリンタを使うようになり1年半ほどが経ちました。
気付けば3台の3Dプリンタを運用するようになり、主に電子工作などの趣味用途で楽しんでいます。

3Dプリンタってホント便利な道具ですよね!
大抵のものはThingiverseなどの3Dプリントデータ共有サイトにSTLデータが公開されているので、無料でダウンロードして使うことが出来ます。
趣味や日用品などジャンルを問わず公開されているデータを使い3Dプリンタで造形させて活用する事が出来ます。

そんな便利な3Dプリンタなんですが、公開されているデータを使うだけでは満足できない場合が出てきます。
例えばドローンのカメラマウントを作りたいとか、釣りで使う自作ルアーを作りたいなど・・・自分の使用用途に合った(サイズや形状など)何かしらオリジナルの製作物を作りたい場合、CADを使った設計が必要となってきます。

逆に言うとCADである程度自分がイメージした物が作れるようになってくると非常に楽しく、3Dプリンタを使った製作物の幅が一気に広がります。

この1年半3Dプリンタを使ってきた私個人の感想ですが、既存のデータ(公開されているものなど)を使うだけならすぐに飽きちゃいそう?っていうのが正直な印象です。
自分の用途に合ったものを自由に作れる、これが3Dプリンタを使う最大の利点だと思います。
そんなことから3Dプリンタを購入後にCADソフトの使い方を勉強される方多いと思います。

私の場合は全く逆でした。
CADソフトを使う事自体全く初めてでしたが、3Dプリンタを購入前にFusion360を使いある程度自分のイメージするものが作れるようになってから3Dプリンタを導入しようと考え・・・結果的に3Dプリンタ購入まで3ヶ月ほどかかってしまいましたが。

CADって面白い!CAD上で作った製作物を3Dプリンタを使って形にしてみたい・・・これが私のCADと3Dプリンタとの出会いの始まりだった気がします。

そして今回は3D CAD用のデバイスのご紹介です。
CADソフトはいろいろとありますが、私はFusion360というソフトを使っています。(それ以外まだ使ったことがないです)

Fusion360は個人利用(商用不可)で使う場合、ほぼフル機能が無料で使えるため3Dプリンタをやられている方で使いっている方多いと思います。
Fusion360の場合、主にマウスとキーボードの特定のキー(Shiftキーなど)を使って視点操作を行います。
この組み合わせで特に使いづらいということはないのですが、CADの視点操作に特化したデバイス『3Dconnexion SpaceMouse』を使うようになると非常に快適すぎて・・・もうマウス操作には戻れなくなりました!
レスポンスが非常に良く作業効率も上がるため、CAD作業での必須アイテムだと思います。

3Dconnexion SpaceMouseの特徴
  • 視点操作が圧倒的にスムーズになる!
  • ズームイン/ズームアウト・回転・水平垂直移動など全ての動作を一連にヌルヌル動かすことが出来る !
  • マウス操作を同時に行える!

CAD必須アイテム!3Dconnexion SpaceMouseが快適すぎる!

こちらがCADソフトの視点操作だけに特化した左手デバイスとなる3Dconnexion SpaceMouseです。

SpaceMouseはFusion360やSolidWorks、AutoCADなど主要CADソフト全般で使える視点操作に特化したCAD用のデバイスとなり、Blenderなど3DCGソフトにも多数対応しています。

参考 サポートされているソフトウェア3Dconnexion

CADでの使用では、左手でこのSpaceMouseを使い視点操作を行い、右手は通常のマウスという二刀流的な使い方をします。
そのため、左手のSpaceMouseでCAD上の物体を回転や移動させたりしながら右手のマウスでコマンドを選ぶなど別の操作を同時に行うことも出来ます。

動きの自由度が高いデバイスとなり初めて使う場合、直感的に使えるようになるまでは慣れが必要となってきます。(私の場合、3日程度でほぼ慣れました)

Fusion360のマウスを使った視点操作では、マウスホイールをクリックしながらCAD上の物体を移動、ホイールを回してズームイン/アウト、シフトキーを押しながらマウスホイールをクリックして回転を行うのが基本操作となります。

このような全ての動作をSpaceMouseの場合、ホイールの傾けや回転、押し込みなどの動作で行います。
基本的な動作自体はマウスと変わりませんが、SpaceMouseのホイール操作だけでこれらの視点操作を非常にスムーズに行うことが出来ます。

直感的に操作できるようになると、回転させながらズームさせ上下に動かすなど動作を一連に連続して行うことも出来るようになります。
マウスではこの個々の動きを一連の動作として動かすことは出来ませんよね!

SpaceMouseは使い慣れてくるとCAD上の物体を動かしたり視点を変えたりといった動作をスムーズに直感的にヌルヌル動かせるようになり、作業効率の上がる非常に優秀なデバイスだと思います。

SpaceMouseを使うきっかけ

少し余談ですが、このSpaceMouseを使うきっかけについてです。
Twitterの3Dプリンタ界隈の方々がOrbionという同様にCADで使えるデバイスをDIYして作られているのを知りました。

電子工作で普段使っている手持ちパーツで作れることから私も作ってみようと考えていたのですが・・・
パーツの寸法が合わずデータの修正作業をしていた時にCADの設計を本業でやられている海外の方にInstagramでこのSpaceMouseの存在を教えて頂きました。

SpaceMouse自体は新しい製品ではなくマイナーアップデートは何度か行われているようですが、10年ほど前から販売されている製品のようですね。

 

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このようなデバイスは当時スペースボールと呼ばれ、1993年にスペースシャトルコロンビアで使用され宇宙で初めてロボットアームを操作したようですね。
その3年後、3DconnexionがSpaceMouseとう製品を発表したなんてコメントも頂きました。

上記DIYして作るOrbionは、ジョイスティックとロータリーエンコーダーという組み合わせで動かしています。
ジョイスティックの上下左右の動きとエンコーダーの回転(左回転/右回転)と押し込みという動作になり、トータル7通りの動きですかね!

対してSpaceMouseの場合、この動きにさらに上下左右の押し込むという動作とホイールを持ち上げるという動作が加わり12通りとなります。
CADの視点操作の自由度は非常に高いものとなりますが、その操作には慣れが必要となってきます。
またSpaceMouseでは通常のマウスとの同時使用も可能となっています。

3DプリントパーツでDIYして作るOrbionも非常に興味深いのですが、入力デバイスなので製品として販売されているものを使った方が精度的なものは当然良くなるかと思います。

そのような事からCADの視点操作だけのデバイスとして考えると少しお高いのですが、既製品として販売されているSpaceMouseの購入に至りました。
結論から言うと、大正解です!

SpaceMouse製品ラインナップ

SpaceMouseにはプロ仕様?のものからベーシックモデルまで数種類の製品がラインナップされています。

ディスプレイや多数のショートカットキーが付いたSpaceMouse EnterpriseSpaceMouse Proなど完全にCADを本業とされている方が使うようなモデルもありますが、こちらでは一番ベーシックなモデルとなるSpaceMouse Wirelessをご紹介します。
ホイール操作自体は全てのモデルで共通となっています。

SpaceMouse Wireless

こちらが3DconnexionのSpaceMouseシリーズの中で一番ベーシックなモデルとなるSpaceMouse Wirelessです。

同モデルにはワイヤレス機能がなくUSBケーブルでの有線接続のみとなる下位モデルのSpaceMouse Compactもあります。

SpaceMouse Wirelessモデルでは、ワイヤレスでの接続のほかにUSBケーブル(MicroUSB端子となっています)を使った有線接続でも使えます。

付属品には、SpaceMouse本体の他に専用ケース・USBドングル・MicroUSBケーブルが付属します。

SpaceMouse自体は非常に小型コンパクトな形状なのでノートPCと一緒に持ち出す場合、専用ケースが付いているのはありがたいですね。

USBドングルも非常に小さいので(ロジクールのUnifyingレシーバーとほぼ同サイズです)、ノートPCでCADをする場合も挿しっぱなしで問題ないサイズ感です。

SpaceMouse本体は片手に収まるコンパクトボディーとなっていますが、ホイール・ショートカットキーを除きメタルボディーとなっているためズッシリとそこそこの重量があります。(約440g)
底面に付けられたラバーのストッパーとこの重量があればデスクで使用する場合も滑ることはまずなく安定して使えると思います。

センターのホイール以外の物理ボタンは、背面にスライド式の電源スイッチと左右にショートカットキーが各1つずつ付いています。

本体への充電は背面の電源スイッチ下のMicroUSB端子から行います。
電源スイッチをONにした時、またはスリープ状態から復帰した際にホイール下のLEDが青く点灯します。
PCと接続し充電しながら有線での接続で使用することも出来ます。

PCの動作やCADソフトのコマンドを左右のショートカットキーに4つずつ合計8個まで割り当てることも可能です。

基本的な操作方法

先述のようにSpaceMouseの操作は初めての場合、少し慣れが必要となってきます。
というのも、ホイールを動かす動作が多く自由度が高いためです。

ホイールを前後左右に倒すという動作にさらに前後左右に押し込むという動作が出来るようになっています。
それにプラスしてホイールを左右に回転させる動作、そして下に押し込む動作や上に引き上げる動作が加わります。
最初は非常に戸惑うと思います。

購入前に操作方法を紹介した動画を予習的にいくつか見ていましたが、このような入力デバイスは実際に使って慣れるのが一番だと思います。
頭で回転やズームインはこの動き・・・など考えながら使っていると動作がもたつきます。
このようなホイール操作が出来るんだ!程度で先入観を入れずに実機を触って操作に慣れるのがいいかと思います。
このあたりが操作の自由度が高いSpaceMouseなので慣れが必要と何度か言ってきた理由となります。

でも安心して下さい。
簡単なトレーニングソフトもいくつか用意されています。(後述します)

私の場合Fusion360での使用のみとなりますが、ほぼ3日ほどでマウスと同程度の操作ができるようになりました。

そして1ヶ月ほど使って本記事を書いている時には、もう何も考えなくても直感的にヌルヌルと操作できるようになっています。
ここまで来るともうマウス操作には戻れない感じですね!

3Dconnexion公式サイトで紹介されているSpaceMouseの操作方法を解説した他の動画はこちらから確認することが出来ます。

参考 操作ムービー3Dconnexion

専用ソフト『3DxWare10』のインストール

SpaceMouseを使うには、3DxWare10という専用ソフトをPCにインストールする必要があります。(全モデル共通ソフトです)
無線動作でのペアリングやホイール操作による各動作の割り当て、ショートカットキーやマクロの設定など一括してこのソフトで行うことが出来ます。

3DxWare10は、こちらから対応したOSを選択しダウンロード&インストールを行って下さい。

参考 3DxWare103Dconnexion

また基本的な設定方法等に関してはこちらのマニュアルを参考に進めて下さい!
USBケーブルを使った有線接続では必要ありませんが、ワイヤレスでの接続にはデバイス設定(ペアリング作業)が必要となってきます。

参考 製品設定マニュアル(Mac編)3Dconnexion

上記マニュアルに各種設定方法が詳しく書かれているのでこちらでは割愛しますが、Fusion360で使う場合ズームイン/ズームアウトはデフォルト設定から入れ替えた方が使いやすいかもしれません。

2-3日使って慣れてくると徐々に直感的に動かせるようになってきますが、私の場合ですが最後までどうしてもズームインとズームアウトの設定だけが直感的にはいかず・・・デフォルト設定を入れ替えることにより使いやすくなりました。(参考までに)

またスティック動作の検知精度が高いため少しの動き(ホイールの傾き)も拾ってくれるのはいいのですが、慣れるまでは少し動作スピードや反応精度をデフォルト値より低めに設定しておくのがいいかと思います。(各動作個別で設定できます)

そして専用ソフト3DxWare10にはTrainerソフトも付属しています。(一緒にインストールされます)

全てのホイール動作を組み合わせて使うのは、初めてだとなかなか思った通りに動いてくれないと思います。
まずはこのソフトを使い、個別動作でのホイール操作に慣れるのがいいかと思います。

またホイール操作に慣れ余裕が出てくると、左右2つのショートカットキーによく使う機能を割り当てるのもいいかと思います。
左右に4つずつ合計8つの機能を割り当てることが出来ます。
Fusion360のコマンドで言うと、コピーやペースト、C面取りやフィレット、押し出しなど設定しておけば便利だと思います。

3Dconnexion SpaceMouse Wireless主な製品仕様

主な機能6自由度(6DoF)センサー
無線および有線での接続
2つのプログラマブルボタン(ショートカットキー)
 ワイヤレス・接続方式3Dconnexion 2.4GHzワイヤレステクノロジー
USBケーブル(MicroUSB)
 バッテリーバッテリー連続使用時間:約1ヶ月
充電可能リチウムイオンポリマー
 サポートされているOSWindows/Mac/Linux(詳細はこちら)
 保証期間3年間
 パッケージ内容物3Dconnexion SpaceMouse Wireless
3Dconnexion ユニバーサル2.4GHz USBレシーバー
MicroUSBケーブル(1.5m)
専用キャリーケース

最後に!

SpaceMouseはCADの視点操作に特化したCAD専用のデバイスとなるため、初めて使う場合はその操作に慣れが必要となってきます。

初めて実機に触れ操作した時、その操作方法に頭が混乱しましたが・・・慣れてしまい何も考えなくても直感的にホイール操作が出来るようになると驚きの操作性を発揮してくれるデバイスだと思います。

マウスでは出来ないヌルヌルとしたスムーズな動き、手の上で転がすような感覚で操作する事が出来ます。
左手デバイスとなるので、右手に持っているマウスはこれまでと同様に使うことができ、同時使用なんてことも出来ます。

CADの視点操作だけのためにこのような専用デバイスが必要か?なんて思われるかもしれませんが、CADの操作って面を指定して押し出しや新たなスケッチの作成の繰り返しが基本となり常に視点を動かしているわけなので、この視点操作がスムーズになると作業効率も上がるかと思います。

また、私はCADソフトはまだFusion360しか使っていませんが、例えばSolidWorksなど他のCADソフトも併用して使われている方も多いと思います。
このソフトの視点操作はどうだったかな?なんてことになりそうですが、SpaceMouseは主要なCADソフトは全て対応しているので共通操作で視点操作が出来るのもいいのではないでしょうか?

CADの視点操作に特化した専用デバイスとなり、それだけのためにと考えると少しお高いですが・・・入力デバイスって一度その環境に慣れちゃうともう戻れないってのが正直な感想ですかね。

CADを使っていろいろと作っていると、少しずつではありますが複雑な形状のものも作れるようになってきます。
そうなってくると、これまでマウスとキーボードを使ってコツコツ視点操作をしていた時と比べより作業効率は上がってくるかと思います。

ほんと使いやすいです、SpaceMouseくん!!

3Dconnexion SpaceMouseの特徴
  • 視点操作が圧倒的にスムーズになる!
  • ズームイン/ズームアウト・回転・水平垂直移動など全ての動作を一連にヌルヌル動かすことが出来る !
  • マウス操作を同時に行える!

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