Kingroon KP3Sを使うようになり4ヶ月ほどが経ちました。
2万円で買える3Dプリンタとしては非常に綺麗な造形ができ、私の使用用途ではその精度も全く問題なく運用出来ています。
Ender3 V2やArtillery Geniusと共に主力3Dプリンタとして稼働してくれています。
1ヶ月ほどKP3Sを使った段階でレビュー記事を以前書きましたが、ほぼその感想は変わっていない感じですね。
各所カスタマイズさせてきたEnder3 V2なんかと比べてみても見劣りする部分がほぼなく、この価格で入手出来る3Dプリンタとして私の用途では満足出来る機種となっています。
しかし造形エリアが一般的な?3Dプリンタと比べるとかなり狭くなっているため(180mm×180mm)、大きなものの造形ではパーツを分割しないといけない等の制約を受ける場面も多々ありました。
その点を考慮し使用用途が合致すればメインマシンとして運用もでき非常にコスパの高い機種になるかと思います。
これまでKP3Sを数ヶ月使ってきてそろそろ自分の使用環境や用途などもある程度見えてきたので、少しずつ気になる部分をカスタマイズさせてみたいと思っています。
とは言ってもKP3Sってほぼ触る部分がないような気がしますが!
KP3Sユーザーの方が一番気になる部分と言えばやはり標準FANの騒音だと思います。
KP3Sには、電源(PSU)ボックス内の冷却用FAN・メインボード(マザーボード)冷却用FAN・ホットエンド冷却用FAN・造形物冷却用FANの4つのFANが搭載されています。
電源とメインボード冷却用のFANはさほど気になりませんが(Ender3 V2ではこの2つのFANも爆音でした)、造形物冷却用FANだけはビックリするくらい爆音となっています。
この5015 FANの交換は優先順位的に高いと思います。
先にこのFANを交換したいところですが・・・狙っていた5015 FAN(Ender3 V2でも使ったFYSETC 5015)が入手出来ないことから、今回は電源(PSU)ボックスをKP3S本体と一体化のみさせてみました。(代替ファンは入手していますが)
このFAN、安価な割に風量もありかなり静音なので気に入っているのですが、入手出来る時に予備を買っておけばよかったなと思ったりしています・・・。
3Dプリンタって使用環境や用途などによりカスタムさせたい構成も変わってくるかと思います。
私の場合ですがKP3Sを数ヶ月運用してきてFANの騒音の次に気になっていたのが電源ボックスの処理です。
KP3Sは本体と電源ボックスが分離した形状となっていますが、正直この電源ボックスって結構邪魔なんですよねー!
エンクロージャーの使用で電源ボックスを分離させている方が都合がいい場合もありますが、当面私の場合は使う予定がないので邪魔な電源ボックスを本体と一体化させてみました。
KP3Sは非常に小さくコンパクトな機種となりますが、私の使用用途では電源ボックスを一体化する事により本来のコンパクトさが生かされ機動性も上がり使いやすくなりました。
私の使っているEnder3 V2やArtillery Geniusではそのサイズから一度設置してしまうとその位置からほぼ動かすことはないのですが、これだけ小さなKP3Sなので自由に設置場所が変えられるというのは使用環境にもよりますが使いやすくなる方多いのではないでしょうか!
目次
【KP3S】電源ボックスを本体と一体化させる!
もっと早めにFANの静音化や電源ボックスの処理をやりたかったのですが・・・
現状3台の3Dプリンタを使い運用しているのですが、ある程度使っているとそれぞれの立ち位置みたいなものが決まってきます。
Ender3 V2の静音化は非常に良かったカスタマイズとなり、出力時もほぼ無音に近く横で作業していても全くストレスを受けることもなくなりました。
またArtillery Geniusは元々かなり静音設計がされている機種となり精度もいいことからこの2機種をメインマシンとして使い、KP3Sはこの2台のサブ機的な使い方をしています。
KP3Sも静音化によりかなり使い心地が変わってくるかと思いますが、FANの交換(サイズの変更?)により電源ボックスの一体化の形状も変わってきます。
もともと電源ボックス用のFANは8025 FANに変更を想定してケースを設計していたのですが、電源FANに関してはそれほど気になるものではないため標準FANのまま(または静音60cmFANに交換)で問題なさそう・・・ということでFANの交換の前に電源ボックスを本体に一体化を先にやってみました。
電源ボックスには6015 FANが標準で使われていますが、単独で聞いてみると交換の必要あるかな?なんて思ってしまいますが、他のFANを変え静音になると気になってくるんでしょうね!
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Thingiverseにシンプルな一体化ケースが公開されていたので、今回こちらのデータを使わせて頂きました。
参考 Simple kingroon kp3s base with PSUThingiverseThingiverseには他にも電源ボックスとKP3S本体を一体化させるためのケースがいくつか公開されていますが、造形エリアの狭いKP3Sで出力可能にするためにパーツを分割しているものが多いようです。
パーツが分割されているため結合部の見栄えが個人的に気になり(正面に入っていたりして)・・・今回使わせて頂いた上記のデータではパーツの切れ目がなく上手くKP3S本体と一体化させることが出来るシンプルな形状に作られています。
出力したケースに電源ボックスを固定しKP3S本体下にごっそりと取り付けるという形状のものとなっています。
邪魔な電源ケーブルや電源スイッチを真後ろに持っていけるため使い勝手もいい感じです。
出力前に気になったところは製作者様のページにも書かれていますが、一体化後の本体底面と電源ボックスとの隙間が5mm程しか取れないということです。
本体のメインボード冷却用FANの排気口は干渉していないので問題ないのですが、この5mmほどのクリアランスで電源FANの風を逃がすことが出来るのか?
この点だけ気になったのでさらに5mmほどかさ上げして作り直そうかなとCAD上で確かめてみましたが、7mmほどのクリアランスはあるようなので大丈夫そうかな?ということで出力してみました。
実測したものでは8mmほどの隙間が取れるようなので排気に関しては問題ないかと思います。
KP3Sの電源一体化ケースとしてシンプルな形状で上手く作られていますね!
当初、完全静音させるためにEnder3 V2でも使ったNoctua 8025 FANを想定し電源ボックス用のケースを設計していましたが・・・ただこの一体化ケースを使うと電源ボックスのFANサイズの変更が出来ません。(先述のようにCADの知識があればケースをかさ上げしてしまえば簡単に出来ますが)
標準FANでも特に問題ないため(他のFANを変えて静音化させと気になるかもしれませんが)、一体化を優先して今回このケースを使いました。
標準の電源FANには6015サイズのFANが使われていますが、60mmサイズのFANならAINEXの60FANは非常に静音なので他のFANを交換して気になるようであれば交換してもいいかなと考えています。
折角なのでメインボード冷却用の4010FANも交換してもよかったのですが、今回は一体化のみとしたいと思います。
ちなみにメインボード冷却用FANには、こちらもAINEXの4010FANを一応用意していますが、必要ないかな?
Ender3 V2ではノズルまわりにこのFANを使いましたが、12V FANなのでDC/DCコンバーターを使って降圧(24V→12V)する必要がありますが、風量もありほぼ無音で最適なFANになるかと思います。
まずは爆音の造形物冷却用5015 FANを変えてみて必要なら交換してみたいと思います。
一体化ケースの出力&組み立て
今回使わせて頂いた一体化ケースは、造形エリアの狭いKP3Sでも斜めに配置して出力できるサイズとなっています。
私はEnder3 V2を使いましたが、1パーツの出力に約13時間程かかりました。(2パーツ構成です)
電源ボックスの固定には元々付いているM4×6ビス3本が使い回せます。
3本固定でも問題ありませんが、私のKP3Sには予備ビスがプラス4本入っていたので4点固定させました。
あと本体との固定にはM3×30ビスが7本必要となってくるので別途用意しておく必要があります。
六角ビスでは作業しにくいのでこちらのプラス頭のビスを使いました。
KP3Sの底面パネルは全8ヶ所で固定されていますが、一体化させる時に底面パネルのネジ穴がズレないようにこの1ヶ所は固定しておき他の7ヶ所をM3×30ビスで固定する形状となっています。
もともとKP3Sの底面パネルのネジ穴部分って結構雑な作りとなっているので、7ヶ所のビス止めをする際に穴位置がズレたりと結構大変でした。
一応AC側の配線の確認です。
元々このように配線されています。
一体化ケースに収納するために一旦ケーブルを外し繋ぎ直す必要があります。
簡単な配線ですが、電源まわりなのでくれぐれも注意してくださいね!
あとスライサーの設定ですが、ビス固定なのでウォールラインは4以上入れておいた方がよさそうですね。
インフィルは40%に設定しました。
PLAで作りましたが強度的には問題なさそうです。
バックパネルの1ヶ所ネジ穴部分は電源ボックスと壁のクリアランスが取れない部分なのでスライサーで切られてしまいます。
薄壁設定で埋めておいた方がいいかもしれません!
シンプルで継ぎ目もなくいいケースですね!
非常に綺麗に出力できました。
なんか既製品みたいですね。
今回、SunluブラックPLAフィラメントを使いました。
PLAフィラメントはRepRapper製のものとSunlu製のものはお気に入りでいつも使っています。
非常に綺麗に造形できます。
【追記】電源ボックス静音化のために8025ファンカバーを作ってみました!
今回ご紹介したKP3S本体と電源ボックスを一体化するためのケースとの併用は出来ませんが、電源ボックス静音化のために8025サイズのFANに変更するためのFANカバーを作ってみました。
KP3Sの静音化をする場合、最終的に電源ボックスのFANの騒音も気になってくるかと思います。
KP3Sの電源ボックスで使われている6015 FANは振動や異音が発生しやすい(SNSでもよく耳にします)ことから80mm FANに変更するためのFANカバーを作ってみました。
8025や8020など80mmサイズのFANは静音タイプのものが多く販売されており風量もアップするので、電源ボックスの静音化には最適なサイズになるかと思います。
【追記】ノズルまわりのFANを交換し静音化させました!
電源ボックス内のFAN交換に続き、ノズルまわりのFANの交換も行ってみました。
KP3Sの静音化を望むのであればノズルまわりの2つのFAN、爆音となる造形物冷却用の5015ブロアーファンとホットエンド冷却用の3010FANの交換は必須になるかと思います。
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全体的に静音化できたKP3Sですが、やはり本体と一体化させた方が何かと便利?
ということで、今回ご紹介した一体化ケースを修正し静音化した電源ケースを収納出来るものを検討中です・・・
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【追記】静音化でカスタムした電源ボックスを一体化出来るケースを作成しました!
振動や異音が発生する電源ボックスのFANを交換しました。
FANサイズをアップさせたため一体化ケースに収めることができなくなったため、ケースの形状を一部修正し再製作しました。
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最後に!
3Dプリンタは使用する環境や用途などによりその構成も変わってくるかと思いますが、電源ボックスが分離されているからKP3Sの機動性が活かせないとお考えの方は参考にしてみて下さい。
私の場合、現状KP3Sはサブ機的な使い方をしています。
いつの間にか3Dプリンタの数が3台にまで増えていましたが、ミニサイズを生かした機動性の高い機種を1台作っておくとリビングでテレビを見ながら出力させたりと何かと私の環境では便利に使えそうです。
そのための静音化のためFANもいくつか入手しテストしていますが、またご紹介できればと思います。
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