3Dプリンタという趣味にハマってしまい気付けば3台の機種を使い運用するようになっていました。
趣味部屋の設置スペースさえ拡張出来れば、もう1台増やしてもいいかな?なんて考えてもいます。
初めての3Dプリンタを購入した時は、まさかたった1年で3台にまで増えるとは思ってもいませんでした。
しかし3Dプリンタを複数台所有するということは、限られた時間を有効に使えるという意味でも大きなメリットがあります。
3Dプリンタでの造形は思ってた以上に非常に時間がかかるものとなります。
趣味に割くことが出来る限られた時間を使うわけですから複数台を同時に動かすというのは、テストや試作などモノ作りでは非常に役立ちます!
そして3台もの3Dプリンタを使っていると、それぞれのポジションや使用用途みたいなものもある程度決まってきます。
Ender3 V2は初めての3Dプリンタということもあり、気になる箇所をいろいろとカスタマイズさせてきました。
BLTouchによるオートレベリング化やデュアルZ軸化、ダイレクトエクストルーダー化などなど・・・
その中でも標準で搭載されている4つのFANを全て交換し静音化させたカスタマイズは非常にいいものでした。
3Dプリンタを使っていて一番気になるのが造形中の騒音だと思います。
それが毎回、そして長時間ともなると受けるストレスは大きなものとなります。
FAN交換による静音化は大きく造形精度が上がるものではありませんが(冷却能力は上がります)、体感的に受ける効果は非常に大きく、造形中の騒音が一気に解消され受けるストレスも大きく軽減します。
3台もの3Dプリンタを使い運用していると、何か造形させたい時にどの3Dプリンタを使って出力させるか?の選定基準にもなってしまいます。
そんな事から私の場合、FAN交換により大きく静音化されたEnder3 V2、そして元々静音設計がされているArtillery Geniusをメイン機として使う事が多く、標準状態だとFANの音が爆音なKP3Sはあくまでそのサブ機的な使い方をしていました。
しかし2万円ちょっとと非常に安価で入手する事が出来るKP3Sなんですがその造形精度は非常に良く、上記2機種に全く劣っているわけではありません。
そんな事からKP3Sも静音化させてあげることにしました。
安価で入手出来る機種なので静音化だけのために高価なパーツを使うのはコスパが悪くなってしまいます。
そして静音化のためにFANの冷却能力(風量)を犠牲にしてしまっては意味がなく・・・
比較的安価で入手しやすいFAN構成でKP3Sの静音化を行ってみました。(Ender3 V2ではFANだけで1万円以上のコストがかかってしまいました)
いくつかFAN構成を試してみましたが、静音化を重視するならさらにFANの選定は変わってくるかと思います。
今回はFUNの風量&騒音値のバランスのいい組み合わせで組んでみました。
【KP3S 静音化対策】FANの構成を変えてみる!
KP3Sには造形物冷却用の5015FAN、ホットエンド冷却用の3010FAN、メインボード冷却用の4010FAN、そして電源(PSU)ボックス内にある冷却用の6015FANの計4つのFANが使われています。
ともに24V駆動タイプのFANとなっています。
KP3Sユーザーの方ならお分かりだと思いますが、造形物冷却用の5015ブロアーファンは非常に爆音です。
KP3Sの静音化にはこのFANの交換は必須になるかと思います。
FAN交換による静音化の優先順位はこんな感じだと思います。
FAN | サイズ | 状態 |
造形物冷却用FAN | 5015(24V) | 爆音 |
ホットエンド冷却用FAN | 3010(24V) | うるさい |
電源ボックス冷却用FAN | 6015(24V) | ややうるさい(振動による異音や振動等も発生) |
メインボード冷却用FAN | 4010(24V) | 比較的静か |
KP3Sで静音化を望むのであれば、ノズルまわりの2つのFANは交換したいところですね!
電源(PSU)ボックス内のFANの交換
まず既に行っている電源ボックス内のFAN交換の話です。
KP3Sの電源ボックスには24V駆動の6015(60mm×60mm×15mm)FANが使われています。
Ender3 V2の電源FANと比べるとまだ我慢できるレベルの騒音ですが、振動や異音の発生も多いことからまずこのFANを大型サイズのものに交換しました。
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FANを大型化する事により風量がかなり増加するため低回転の静音タイプのFANを使うことが出来ます。
Ender3 V2では12VタイプのNoctua NF-A8という8025FANを使いました。
このFAN、非常に優秀でほぼ無音で動いてくれます。
KP3SでもこのFANを使う予定でしたが在庫がなく入手出来なかったことからこちらの12V駆動の低回転タイプのサイレントFANを使っています。(低回転と言っても風量はかなり増加します)
12V駆動タイプのFANとなるためDC/DCコンバーターで降圧(24V→12V)させる必要があります。
そしてFANサイズを大きなものに変更しているので、電源ボックス内に収めることが出来ないためこのようなFANカバーを作成しました。
Ender3 V2でも同様な形状のカバーを使っていますが、排気が非常にいいケースとなっています。
電源ボックスの静音化はこれでバッチリでした!
Ender3 V2の電源ボックスでは内部の温度が上がった時だけFANが回転する仕様となっているので造形中でも半分くらいは止まっているので感覚的にはほぼ無音なんですが、KP3Sの電源ボックス内のFANって常時回転する仕様のようですね。
FANを大型化して風量がかなり上がっているので、さらに電圧を落として運用してもいいかもしれません!
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ノズルまわりのFANの交換
次にノズルまわりのFANの交換です。
造形物冷却用FANとして使われている5015FANがあまりにも爆音すぎてこれまで気付きませんが、個別で各FANを回してみるとホットエンド冷却用の3010FANも結構うるさいFANだということが分かりました。
KP3Sで静音化によるFAN交換を行う場合、このノズルまわりの2つのFAN交換は必須になるかと思います。
ホットエンド冷却用のFANは、静音化と冷却能力のことも考え30mmサイズより40mmサイズに上げた方がいいかもしれませんね!
40mmサイズのFANでは4010や4020あたりのサイズになってくるかと思いますが、今回はEnder3 V2でも使っている『AINEX OMEGA TYPHOON 薄型・究極静音タイプ 』FANを使うことにしました。(4010サイズです)
非常に静音といいますか、最大で回してもほぼ無音のFANとなります。
12V駆動タイプのFANなので、DC/DCコンバーターを使い降圧(24V→12V)する必要があります。
次に造形物冷却用の5015FANです。
40mmサイズのFANを2つ使ったツインFAN構成にするか迷ったのですが、今回はGDSTIME 5015FANを1機使う構成にしました。
完成イメージはこんな感じ!
5015タイプのブロアーファンはEnder3 V2でも2機使っているFYSETCのFANを使う予定でした。
安価な割に非常に静音で風量もあり気に入っているFANなのですが、現在入手が困難ということでGDSTIMEのFANを使うことにしました。
GDSTIMEの5015ブロアーファンは12V駆動タイプ・24V駆動タイプの2種あります。
さらにそれぞれボールベアリングタイプとスリーブベアリングタイプがあり、全4種類から選択できます。
静音化を重視して選ぶなら12V駆動のスリーブベアリングタイプになりますが、今回24Vのボールベアリングタイプを選択しました。
12Vスリーブベアリングタイプに比べると騒音値は高くなりますが、その分風量も大きく上がります。
もともとKP3Sに付いている5015ブロアーファンは非常に爆音というイメージしかありませんでしたが、これ単体で回してみると結構風量が高いFANになっています。
詳しいデータシートなどを見ながら比較したわけではありませんが、静音化のために風量が落ちてしまうと冷却能力も落ちてしまうということで今回は24Vボールベアリングタイプを選択しました。
標準FANよりも風量は上がっているようです。
このFANの回転はスライサーで回転数を制御出来るので、回転数を下げれば結果的に静音化につながります。
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こちらは以前作ったハーフタイプのスタックボックスなんですが、KP3S標準FANを80%で造形させた時ブリッジ部分が大きく傾斜しているので少しデコボコしてしまいました。
FAN交換後、同様に80%に落として出力させてみましたが綺麗に造形できています。
FANの風量が上がっているからなのか?
それとも今回使わせて頂いたFANダクトが3方に吹出口がありそれが上手く冷却に作用しているのか?
どちらにしてもいい感じです!
大抵のFANでは100%で回すとどうしても騒音は大きくなりますが、少し絞ることでかなり静音になります。
風量&騒音値で考えるとバランスの取れた構成になったたかと思います。
GDSTIMEのFANは動作も綺麗な音で非常にいい印象を受けます。
他のタイプのFANと比較できていませんが、Amazonで安価で入手出来るものの中では品質がいいものだと思います。(他メーターのFANも2つほど試しています)
GDSTIMEは最近Amazonにストアがオープンしたようですが、購入後Amazon経由で『1年以内に品質に問題が生じた場合は無料で交換いたします。』といった内容のメッセージが届きました。
使用による不具合等の1年交換保証みたいなアフターサポートがあるようですね!
ということで、GDSTIMEの5015ブロアーファン(24V)とAINEXの4010 FAN(12V)の構成で今回組んでみました。
FANカバーはこちらを使わせて頂きました。
参考 4010/5015 fan and 3DTouch mounter for Kingroon KP3S 3.0Thingiverseホットエンド冷却用のFANは今回12V駆動タイプのものを使っているので、DC/DCコンバーター(MP1584)を使い降圧(24V→12V)させる必要があります。
降圧モジュール用のこのようなミニケースを作成しKP3S本体内に取り付けました。
造形物冷却用の5015FANは今回24Vタイプのものを使っているので、単純にFANの交換だけで問題ありません。
標準で付けられているFANをカットし新しく取り付けるFANをダイレクトにはんだ付けしてしまうのが稼働によるトラブルも少ないかと思います。
今回は数種類のFAN構成でテストしていたのでXHタイプのコネクタを取り付けました。
一応、メインボードのFAN端子も見ておきます。
[FAN]と書かれた端子が造形物冷却用の5015FANに繋ぐ端子で、電圧を可変(PWM制御)による回転数を制御出来る端子となります。[24V/12V]と書かれた2つの端子はホットエンド冷却用FANおよびメインボード冷却用FANに繋ぐ端子となっており、出力電圧は24Vで固定されています。
ついでなのでボード冷却用FANも静音タイプのものに交換も考えましたが、こちらのFANは今回のFAN構成で動かしてみてもほぼ気になるものではなかったので今回交換はしていません。
もし交換されるなら上記のAINEX 4010FANが最適だと思います。
12V駆動タイプのFANなので、同様に降圧コンバーター(MP1584)を使い12Vに降圧し取り付けるだけなので簡単です!
今回の構成で体感的に大きく静音化でき冷却能力も上がっていると思います。
100%でFANを稼働させてもこれくらいの騒音レベルとなります。
通常ではかなりFANの回転数を落として運用すると思います。
さらに騒音レベルは下がりそうですね!
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いかなる不具合等も自己責任でお願い致します!
最後に!
私のKP3Sくんは体感、非常に静音になりました!
3Dプリンタ本体のカスタマイズは普段の使い勝手が大きく変わってくる部分なのでやっていて非常に楽しいのですが、所詮は道具なので使い込んであげるのが一番ですね。
そして使っていると構成も変わってきたりするので、その都度カスタムさせてあげるのが楽しいと思います!
KP3SのFAN交換による静音化&冷却能力は向上したので、カスタムした電源ボックスをKP3S本体に一体化させるためのケースの製作も考えていますが・・・
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使い勝手が良くなるとさらに良くしたい・・・楽しくなってきますね!
ノズルまわりの構成や使用用途などによりFANのサイズや構成等変わってくるかと思いますが、参考になればと思います。
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