書籍『はじめてのM5StickC』のご紹介!記事掲載して頂きました。

【Ender3 V2静音化対策その②】ホットエンド冷却用&造形物冷却用ファンを交換してみました!格段にファンの騒音が改善され冷却性能も向上!【Hydra FAN Duct】

3Dプリンタを使うようになり半年以上が経ち、現在Ender3 V2の静音化対策をやっております。
3Dプリンタを使っていて一番の不快ポイントとしてFANの風切り音が大きいことが挙げられます。
これは使われている機種にも大きく左右されるかと思います。

私の使っている2台めの3Dプリンタ『Artillery Genius』は非常に静音設計となっています。

【3Dプリンタ】Artillery Geniusレビュー!基本性能は非常に高い機種となるようです!

この機種と比べてしまうとどうしてもEnder3 V2の造形中のFAN騒音は非常に大きく感じ、隣で作業などしていると不快に感じるレベルとなります。

そんな事でEnder3 V2での静音化対策をやっています。
3Dプリンタの静音化には静音ボードに交換しモーター駆動音を下げたりモーターダンパーなどを使う方法もありますが、物理的にうるさいFANの交換による静音化を現在やっておりその効果は非常に高い感じです。

前回はEnder3 V2で特にうるさい電源(PSU)冷却FANとメインボード冷却用FANの交換を行いました。

これは非常に効果が高く、この2つのFANが静音化されると(ほぼ無音です)次に気になるのがホットエンド冷却用のFANだと思います。

このFANは電源投入時から動き出し常に駆動しているFANとなりますが、標準で搭載されているものは非常にうるさいものとなります。

上記FAN交換による効果が非常に大きかったことから、今回はこのホットエンド冷却用FANとさらに造形物冷却用FANの交換を行ってみました。
折角この2つのFANの交換をするという事で冷却性能の事も考え、Ender3シリーズでは人気のあるHydraというFANダクトに交換してみました。

結果から言いますと、ビックリするくらいの静音化が出来ました。
非常に良かったカスタマイズなのでご紹介したいと思います。

注意
ファンの電源を取り扱うカスタマイズとなるので十分注意して作業を行って下さい!
いかなる不具合等も対処致しかねますので自己責任でお願い致します。

【Hydra Fan Duct】ホットエンド冷却用&造形物冷却用FANを交換し静音化させる!

Ender3 V2で使われているFAN(ファン)は全部で4つ

Ender3 V2には標準で4つのファンが搭載されています。(他のEnder3シリーズでも同様です)
電源(PSU)ユニットに搭載されているファンが12V駆動のものとなり、それ以外のファンは24V駆動のものが標準で取り付けられています。
サイズはどれも小型タイプのファンとなっており、かなりの騒音が発生します!

Ender3 V2で使われている4つのFAN
  1. 電源(PSU)冷却用ファン 60mm×60mm×15mm(DC12V)
  2. メインボード冷却用ファン 40mm×40mm×10mm(DC24V)
  3. ホットエンド冷却用ファン  40mm×40mm×10mm(DC24V)
  4. 造形物冷却用ファン 40mm×40mm×10mm(DC24V)

Ender3 V2では上記4つのファンが標準で搭載されています。
一番不快(うるさい)ファンは、電源(PSU)冷却用FANとメインボード冷却用FANだと思います。
この2つのFANは上記標準構成のものでは冷却性能が低いため造形物出力中は全開で回転し止まることはほぼありません。

FAN交換による静音化を考える場合、まずこの2つの交換からやられるのがいいと思います。
FANを大型化し回転数の低い静音FANを使うことによりかなり静音化させることが出来ます。
冷却性能が増すので、造形中(負荷がかかった状態)でも半分は止まっている感じです。(動いていても気付かないレベルなんですが)

【Ender3 V2静音化対策その①】電源(PSU)用ファン&メインボード冷却用ファンを交換してみました!効果は非常に大きいのでオススメです!

そしてここからが今回の本題です。
上記2つのFANを交換し静音化が出来ると、次にノズルまわりのFANの騒音が気になってきます。
特にホットエンド冷却用FANは常に回っているものとなり標準のものは非常に騒音が大きくなっています。
そこで今回、ホットエンド冷却用と造形物冷却用の2つのFANの交換も行ってみました。

この2つのFANを交換するということで、折角なので冷却性能のことも考えファンダクトもカスタマイズする事にしました。

Ender3シリーズでは人気のあるHydraファンダクトが非常に良さそう?ということで今回のカスタマイズではこのファンダクトを採用することに・・・したのですが、これがEnder3 V2ではなかなか上手くいかずかなり手間取りました。

【Hydraファンダクト】Ender3 V2インサートナットバージョンを作成

Ender3用ファンダクト(Ender5やCR10Sなどにも対応)としてThingiverseに上がっている人気なもので、Hydraファンダクトというものがあります。
造形物冷却用ファンを2機搭載したツインFAN構成のものとなり、風向解析などもちゃんとされていて良さそうです。

こちらがオリジナルのHydraファンダクトとなります。

参考 Hydra Fan Duct & Tool Change System for Ender 3 Ender 5 CR10Thingiverse

ここで困ったことが1点。
そもそもEnder3用に作られたものなので、Ender3 V2で使う場合ベースプレートの穴位置が合っていないという問題が発生します。

Ender3 V2で使われているベースプレートって他のEnder3シリーズの機体とは微妙に穴位置が異なっているんですよね!
この穴位置問題、これまでいろいろと悩まされてきたのでCADで作成。

そして上記オリジナルのHydraファンダクトはロックナットで固定する形状となっています。
SNSでご意見頂きロックナット形状ではズレ(スベる)が生じるということから、インサートナットバージョンで新たにベース部分を作成しました。

こちらがHydraファンダクトのリミックスとして作成したEnder3 V2に完全対応させたインサートナットバージョンとなります。
パーツ固定箇所は全てインサートナットを封入する形状に作り変えています。

参考 Hydra Fan Duct Ender3 V2 Insert nut version and Direct Drive Titan MountThingiverse

またエクストルーダーをダイレクト化させている場合、数タイプオリジナルのものでも提供されていますが、私が使っているTitanエクストルーダーをマウント出来るものがなかったので、Titanエクストルーダー用マウントヘッドも新たに追加で作成し上記データに入れています。

今回ホットエンドはEnder3 V2標準のものを使っています。
BLTouchブラケットもこれに合うように調整し上記リミックスデータで追記してアップしています。

Ender3 V2でHydraファンダクトを使用する場合、上記リミックスとして作成したベースデータ(Side-Mount & Rear-Mount)を使えばマウントが可能となります。

左右のファンダクト部分はオリジナルのものに5015や4010タイプのデータが数種類アップされているので自身の環境に合わせて作成しマウントして頂ければと思います。

ちなみに私の現在の構成は、ホットエンド冷却用ファンに4010サイズのFANを使い造形物冷却用ファンは5015サイズのものを使っています。

FANの選定

ホットエンド冷却用FAN

ファンの選定は非常に迷いました。
自作PC等やられている方ならある程度の基準みたいなものがあるかと思うのですが・・・

まずはホットエンド冷却用ファンですが、Hydraファンダクトでは40系のファンが使えます。(40mm×40mm)
海外のコミュニティーなど覗いてみるとNoctuaの4020(40mm×40mm×20mm)を使われている方をよく見かけますが・・・(Hydraに限った話ではありません)

今回は『AINEX OMEGA TYPHOON 薄型・究極静音タイプ [ 40mm角 ] CFZ-4010LA』を採用しました。

4010サイズの12V FANとなり、安い割に非常に静音設計となっています。
ほぼ無音です!
調べてみると3Dプリンタ用途で使っている方も多いようですね!

このファンは3ピンタイプとなっています。
今回電圧制御のみで使用するので白ワイヤー(回転数検知)は使いません。
そのためケーブルを少し加工する必要があります。
次で紹介する5015 FANにプラグを統一するため、今回JSTプラグを取り付けました。

MEMO
上記AINEXのファンは12V駆動タイプとなるため、Ender3 V2の取り付けにはDC/DCコンバーターによる降圧(24V→12V)が必要となります。

造形物冷却用FAN

次に造形物冷却用FANは、『FYSETC(Toaiot) 5015 FAN』を使いました。
こちらのFANは24V駆動タイプとなるので、DC/DCコンバーターなどを介す必要なく交換が可能です。
延長ケーブル(1m)も2本付属していました。

ToaiotってFYSETCの3DプリンタDIYブランドのようですね!
静音タイプのファンはあまり24V駆動タイプのものはないようですが、こちらのファンはかなり静音化されているようです。

5015のツインFAN構成となるため、通常運転ではファンの駆動は70%ほどで十分なようです。
ここまで落とすとかなりの静音となっています。

24V FANなのでこちらは電圧調整の必要がなくそのまま交換ができます。
このように並列接続でケーブルを作成しました。

今回はこのようなFAN構成でカスタマイズしていきました。

取り付け

オリジナルのHydraファンダクトの方に詳細な取り付け方法(PDF)が配布されています。
そちらを見て頂きながら、今回Ender3 V2用にリミックスとして作り変えたものは使用するビス寸法等が少し異なっているので見ていきたいと思います。

まずはメインとなるSide-Mountパーツ & Rear-Mountパーツにインサートナットの封入です。

3Dプリントパーツ同士を結合する部分は全てインサートナットにしています。

インサートナットはこちらを使用しました。

インサートナット封入時に(ハンダゴテ使用)溶けた樹脂がネジ穴部分に入るのを防ぐため、各穴少し深めにモデリングし溶けた樹脂の溜としています。
また真鍮のスペーサーナットを使うと上手くネジ穴に溶けた樹脂が入り込むのを防ぐことが出来ました。

上記作業が出来れば取り付けていきます。

8mmスペーサーは標準で使っているものを使い回せます。

Ender3 V2の穴位置に完全対応させており、ベースプレートとの取り付けはこのようになります。

このベース部分の取り付けが出来れば、あとはオリジナルの方からお好みのファンダクトやエクストルーダー取り付けヘッドを選んで取り付けていけば問題ありません。
今回ファンダクトには5015タイプのNarrowタイプ(吹出口が狭いタイプ)を使いました。

また私が使っているTitanエクストルーダーではオリジナルで提供されているものではマウント出来ないため、Titan用ヘッドパーツも新たに作成しました。
ヘッドパーツの固定にはM3×8(計5本)で固定します。


数種類のM3ビスを使用しますが、3DプリンタではM3系のビスを使うことが多いのでこのようなセットモノを1つ持っておくと便利だと思います。

配線

Ender3 V2では、ホットエンド冷却用FANと造形物冷却用FANはともにメインボードからの24Vで駆動する構成となっています。

今回、造形物冷却用ファンにはFYSETCの24Vファンを使ったのでそのまま交換が可能ですが、ホットエンド冷却用ファンには12V駆動のAINEXファンを使っているためDC/DCコンバーターを使い降圧(24V→12V)する必要があります。

降圧コンバーター(LM2596)をEnder3 V2のフレームにマウントできるパーツも作成しました。
フレームのVスロットに固定できる形状となっています。

今回の場合、使うDC/DCコンバーターは1台なのでシングルタイプを使います。
また12V FANを2台使う場合はツインタイプのデータを使って下さい。

参考 LM2596 Module Cover for 4040 frame mountThingiverse

こちらがEnder3 V2のメインボードとなります。
私のはV4.2.2メインボードとなりますが、V4.2.7の場合も配置は同様となります。

今回交換するFAN端子は以下となり、共にメインボードから24Vが供給されています。
ちなみに造形物冷却用FANは標準で黄色と青色のワイヤーが使われています。
使い回す場合、極性は黄色がVcc(24V)で青色がGNDとなっています。(極性注意して下さい!)

今回ホットエンド冷却用FANに12V駆動タイプを採用したので、DC/DCコンバーターを介して電圧を12Vに落とします。
DC/DCコンバーターは上記ケースを使用し背面のVスロットに固定しました。(今回はシングルタイプのケースを使用)

DC/DCコンバーターの使い方も一応簡単に説明しておきます。
コンバーターの入力側(メインボードと接続)の24Vを電圧調整用ノブを回しテスター等で12V出力になるように調整します。

ファンの接続は標準で付いているケーブルをカットしてはんだ付けしてもいいのですが、今回はJSTプラグ式にしました。
メンテなどの際もこちらの方がいいかな?このあたりはお好みで!

今回使ったFYSETCファンには延長ケーブル(1m)が2本付属していたのでこれを使ってもいいかと思います。
取り回してみると少し短く感じ並行コードではないため、今回はこちらの並行コードを使用しました。
参考までに!

完成!

非常に良好、そしてメチャ静音になりました。
横で作業などしていても全く気にならないレベルにまで静音化することが出来ました!

そして冷却性能も大幅に上がっています!
Hydraファンダクトに交換する前にブリッジ形状のテストをしましたが、標準FANダクトでは全く成功しなかった140mmのブリッジも造形できるようになりました。

もちろん通常速度ではこの距離を綺麗に造形することは難しいので、ブリッジ部分だけFANを全開に回し速度も落としています。
特定部分の造形のみパラメーターを変更する方法はこちらを参考にして下さい!

【Curaテクニック】フィラメントベンチマークに最適!高さ(レイヤー)を指定して各種パラメーターの変更を行う方法!

最後に!

結果的にEnder3 V2に搭載されている4つのファン全てを交換してしまいました。
その効果は非常に大きく、かなり快適になったのでオススメのカスタマイズだと思います。

今回はファンダクトも交換して少し大掛かりな作業となりましたが、Ender3 V2でHydraファンダクトに興味ある方は使ってみて下さい。

また標準構成でもホットエンド冷却用ファンのみ交換してみるのもいいかと思います。
このファンは電源投入時から常に動いているファンとなり標準のものは非常にうるさいですよね。
今回使った4010ファンならEnder3 V2標準ファンカバーにも取り付けが可能ですし、以前作ったこちらのファンダクトでも試せるのでいいかと思います。

【Ender3 V2】標準で搭載されているストックFANで出来るファンカバーのカスタマイズ!【STLデータ公開】

Ender3 V2では非常に効果が高いカスタマイズだったので個人的に大満足しております!

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