3Dプリンタ『Creality3D Ender3 V2』が私のもとにもやって来ました!
来てからというもの楽しすぎて常に稼働させている状態です。
今年1番の買い物当たり商品となりました。
いろいろと趣味などやっていると行き着く先には必ずと言っていいほど3Dプリンタの存在が見え隠れします。
前々から興味はあったのですが、モデリングや3Dプリンタ本体の設定や調整やらが非常に大変なんて話を聞いていたので二の足を踏んでいたのですが・・・そんなものどっかに吹っ飛んでしまいました。
自分が紙に書いて設計し3D CAD(Fusion360を使っています)でモデリングしたものが3Dプリンタを使って実際に形になると、もう感動モノです!
いやぁ〜楽しい!
もっと早く買っとけばよかった!
3Dプリンタっていろいろと覚えることがあって難しそう!
私もそうでしたが、そんな考えから導入を躊躇されている方も多いと思います。
確かに自分でモデリングをしようと思えばCADの知識が必要ですが、STLデータ(完成した造形物のデータ)はWeb上に多数公開されているのでまずはそういった物を使い3Dプリンタを始めてみるのもいいかと思います。
とは言っても私の場合は全く逆の考えでした。
CADなんて全く初めてだったので、とりあえずCADソフト(Fusion360)をある程度使えるようになってから機種選びをしようという考えから始めましたが、これはこれで結果的によかったかなと思います。
3Dプリンタが来るまでにモデリングの練習で作った数々の物を実際に出力させて形にしてみると、ホント感動しました!
最近では家庭用で使える比較的安価な機種も多数増えてきたこともあり導入に関する敷居はかなり低くなっていると思いますが、買った後の材料(フィラメント)のランニングコスト、またそこそこの機体サイズとなるので設置場所などの問題があるかと思います。
今回ご紹介する3Dプリンタ『Ender3 V2』は私にとって初の機体となるため他の機種との比較とかは出来ませんが、この機種をご検討されている方のために詳しく見ていきたいと思います。
Ender3 V2は現在Banggoodでは28,000円位の価格で販売されています。
同価格帯ではANYCUBIC MEGA-SやTRONXY XY-2 Proなどを候補として考えていたのですが、今回Banggoodさんのご厚意に甘えてこのクラスでは1番人気となっているEnder3 V2をご提供して頂きました。
上記MEGA-SやXY-2 Proは国内のAmazonでも購入可能ですが、Ender3 V2に関しては2020年12月現在、Amazonでは扱われておらず海外サイトからの購入となるようです。
Ender3シリーズは、初代Ender3からEnder3 Pro、そしてEnder3 V2へとアップグレードされており現在Ender3シリーズでは最新の機種になるようですね。
もう書きたいことが山ほどあるのですが、今回は『組み立て編』としてEnder3 V2を組み立ててテスト印刷まで出来る状態にしてみたいと思います。
あっ、そうそう。
このEnder3 V2は完成品として届く機種ではなく半完成状態で届く為、ご自分で組み立てる必要があります。
この組立が必要っていうのも初めての機種選びとして意見が分かれるところだと思います。
こんな精密機械を自分で組んでちゃんと動いてくれるのか?
これ私も非常に不安なポイントの一つでした。
組み立てはポイントさえ事前に見ておけば普通に組んで2時間もかからず完成するかと思います。
組立方法を紹介した動画も付属のSDカードに入っています。
私は事前にTwitterで教えてもらっていたもっと分かりやすい海外の方の動画を見ながら組んだのですが、Z軸のセンサーの位置やX軸のベルトの取り付け方法などが付属の取扱説明書や上記動画を見てももうまく分からず4時間ほどかかってしまいました。
このあたりも踏まえ、Ender3 V2を購入しこれから組んでいく方のために詳しく紹介していきたいと思います。
Creality3D Ender3 V2【組み立て編】
冒頭でAmazonでの販売の話をしましたが、3Dプリンタって精密機械なので海外サイトからの購入に少し抵抗がありました。
箱が潰れて到着したなんてことはよくありますからね(実際に商品が壊れていた事はありませんが)。
その点だけ海外サイトからの3Dプリンタ購入に少し抵抗があったのですが、綺麗な状態で届きました。
そういう輸送時のトラブルも考えてか、箱を開けると各パーツがかなり頑丈な緩衝材で覆われていたのでこれなら安心かな!
緩衝材に覆われたパーツが上下2段で収納されていました。
大小合わせると、そこそこのパーツ点数になります。
まずは全てのパーツを確認。
購入前にいろいろ調べていましたが、ビスなどが足りないなんて書かれていた方もいたのでまずはチェックですね。
取扱説明書には詳しく組立方法が書かれています。
また付属のSDカードの中には組立動画も入っていますが、以下のYou Tube動画をご紹介しておきます。
取扱説明書や付属動画ではどうしても分かりにくい箇所があったので、私はこの動画のみ見ながら組んでいきまいた。
これから組まれる方は、この動画と取扱説明書を補足的に見ながら組んだ方が分かりやすいかと思います。
そしてさらに補足として本記事で追記していきたいと思います。
ACケーブルは日本のコンセントの形状に合うUSプラグタイプを選択しましたが、このようにアース端子が付いた3ピンタイプのものが付属しています。
電源タップなどで3ピン対応のものをお持ちでないなら変換プラグも一緒に購入しておくのがいいと思います。(変換プラグは付属していません)
ビスの不足があると組めなくなるので取扱説明書を見ながらチェックして下さい!
不足パーツがないことが確認できたら早速組んでいきます。
組み立てに必要な工具類は全て付属しています。
組みながらビスが何本か余って作業が止まっていたのですが、数本予備で入っているようです。
取扱説明書には特に明記されていませんが予備ネジに関しては記事後半に書いておきます。
ガラス製ビルドプレートを取り外し作業開始
Ender3 V2はガラス製のビルドプレード(造形物を出力する天板)が使われています。
組み立てで何度も横に向けたりひっくり返したりと・・・ガラス製なので外して作業するのが安心です。
金属製のクリップ(2ヶ所)で固定されているだけなので、クリップを引っこ抜いてビルドプレートを取り外しておきます。
あと作業に関しては、事前にある程度広いスペースを確保しておくのがいいかと思います。(狭い場所では結構大変です!)
既に取り付け済みのビスを増し締めする
Ender3 V2は半完成の状態で届きます。
到着時、既に取り付けられている部分のネジをまずは増し締めしておきます。
取扱説明書では特に明記されていませんが、かなり緩んでいました。
わざと緩めていて完成後に全体を増し締めしてゆがみ等をなくすのかな?
なんて思っていましたが、上記動画では最初の段階で増し締めしているようです。
左右中央にある4本のビスを増し締め。
そして裏面の中央にあるビス4本も増し締めします。
また裏側のケーブルを束ねているインシュロックの頭が到着時出っ張っていたため、最終的なレベル調整の際のガタつきの原因となりました。
横のラバー部分より低い位置にズラしておきましょう。
Z軸リミットスイッチの取り付け
次に左右のポールとZ軸リミットスイッチを取り付けていきます。
正面から見て左側のポールには下側に穴があるものを使います。
そして右側のポールには2ヶ所穴が空いています。
M5×45と書かれた袋に入っているビスを使い機体底面から左右ポールを取り付けます。
次にZ軸リミットスイッチの取り付けです。
T字ナットが取り付けられているので少し緩めてポールの溝にスライドさせ締め付ける感じとなります。
基本的にこのリミットスイッチはスイッチ下部に付いている突起部分が土台部分にあたる位置(最下部)で取り付けるのだと思いますが・・・
Z軸ステッピングモーターの取り付け
次にZ軸用ステッピングモーターの取り付けです。
左ポール後ろ側にM4×18ビス(2本)を使いZ軸用ステッピングモーターを取り付けます。
そしてT-type screwの取り付けです。
ステッピングモーター先端に付いている2ヶ所のビスを緩め奥まではめ込み再び締め付けて固定する感じです。
真っ直ぐに立つように取り付けますが、なかなかこれが大変でした。
X軸用ポールの取り付け
次にX軸ステッピングモーター部分にポールを取り付けていきます。
M4×16ビス(2本)を使って取り付けます。
少し大変ですが以下写真のように取り付けていきます。
エクストルーダー & ベルトの取り付け
次にエクストルーダーとベルトの取り付けです。
この部分が取扱説明書では分かりづらい箇所でした。
エクストルーダー部分を先程取り付けたポールの溝に滑車を合わし横から滑らせてはめ込みます。
こんな感じですね。
次にこちらのパーツをM4×16ビス(2本)を使い先に取り付けておきます。
次にベルトを取り付けていきます。
まずはこんな感じでローラーの下をはわせていきますが先端に金属部分があるのでグイッとローラーを動かすと乗り越えてくれます。
ステッピングモーターのギア部分から折り返す感じとなります。
先端の金属部分を溝に引っ掛けて片側を固定します。
そして反対側にはベルトのテンションを調整するこちらのパーツを使い固定していきます。
青色のネジ先端をクルクル回すとこのように分解できます。
このようにベルトを通し、
先程取り付けたM4×16ビスを一旦外してこのように取り付けます。
さらに反対側はM4×14ビス(1本)を使い固定します。
そしてベルト先端の金属部分を溝に挟み込んで固定して完了です。
ベルトのテンションが緩いようなら青色ノブを回して調整します。
機体への取り付け
先程ベルトを取り付けたパーツを機体本体へと取り付けます。
左右ポールの溝部部にローラーが上手く引っかかる位置、そしてT-type screwが上手く穴に合う位置に取り付けます。
あとはステッピングモーターを手でクルクル回して下ろしていきます。
冒頭で紹介した動画では、ステッピングモーターを回しある程度下げるとあとは指1本で軽く押すとスルスル~っと下まで降りていってました。
はじめてだとこのあたりの加減も分からず少し不安でした。
ステッピングモーターを回し無駄な抵抗(摩擦)を感じることなく下まで下がれば問題ないようです。
問題なく出力出来ています。
上部ポール & 操作パネルの取付
上下に問題なく動かすことが出来れば上部ポールをM5×25ビス(4本)を使い取り付けます。
次に操作パネルを取り付けていきます。
Tスクリューナットを緩めて溝にはめ込み締め付ける形となります。
裏側にプラグを差し込んで操作パネルの取り付けは完了です。
フィラメントリールガイドの取り付け
フィラメントのリールを固定するパーツを取り付けていきます。
M5×8ビス(2本)とM5Tナット(2本)を使って固定します。
ケーブルの取り付け
最後にケーブルの取り付けです。
先程、操作パネルのケーブルは取り付けたので残りは5本。
プラグに文字が振られているので間違えることはないと思います。
まずは4本ケーブルのEプラグはエクストルーダーのステッピングモーターに接続。
次に4本ケーブルのXプラグは、X軸用ステッピングモーターに接続。
そして2本ケーブルのXプラグは、X軸用リミットスイッチに接続。
ヒートベット裏から出ている4本ケーブルのZプラグは、Z軸用ステッピングモーターに接続。
最後に2本ケーブルのZプラグは、Z軸用リミットスイッチに接続して完了です。
で、すいません。
ちょっと前後しちゃいますが、エクストルーダーにPneumatic jointをレンチで取り付けフィラメントを送り出すチューブ(名称が?)を差し込み付属クリップで固定します。
ここでちょっと注意点なんです!
テスト印刷をした際にこのチューブが何度も外れ印刷が出来ず・・・
https://twitter.com/smartphone_jp1/status/1335270411647373312
取扱説明書や動画でも紹介されていませんでしたが、このチューブを差し込む際にグイッと奥まで差し込むと引っ張っても抜けなくなる位置があり、そこまで押し込む必要があります!
以上でEnder3 V2くんの完成です!
お疲れさまでした!
余ったパーツはこちら。
M4×18ビス、M5×45ビス、M5×25ビスがそれぞれ1本ずつ余り予備となります。
またノズル等の予備もそれぞれ付属している感じです。
実際に出力させるには、ベッドのレベル調整ともう少し作業が必要です。
電圧スイッチの調整
電圧スイッチの調整です。
日本国内で使用するには115Vに合わせておきます。(230Vの状態で届きました)
電源スイッチは後部にあります。
これ正面に付けてほしかったですね。
正面にはMicroSDカードスロットルとMicroUSB端子(ファームウェア更新用?)があります。
そして右側は、交換用ノズルやレンチ等収納できる小物入れとなっています。
あとは作業前に外していたビルドプレートを取り付けて完成です。
ベッドのレベル調整
組み立てに関してはこれで完成なんですが、実際に出力させるにはベッドのレベル調整が重要となってきます。
電源を入れ[Prepare]から[Auto home]を選択すると原点(X:0 Y:0 Z:0)の位置にノズル先端が移動します。
ノズルが原点に移動したら次に[Disable stepper]を選択します。
これでステッピングモーターが解除され手で自由に手で動かすことが出来る状態になります。
この状態でベッドとノズルの距離を約0.1mm(コピー用紙1枚分)になるように調整していきます。
ベッドとX軸を動かしベッド四隅の位置のノズルの高さをノブを回しながら調整していきます。
少し引っかかりがあるくらいがいいと思います。
何度かこの作業を繰り返し四隅でちょうどいい具合になるように調整していきます。
Z軸リセットスイッチの調整が必要?
上記方法でレベル調整を行い問題なければこの項目は飛ばして下さい!
私の場合、上記方法でベッドのレベル調整を行ったのですがトラブルがありました。
レベルの調整自体は問題ないと思うのですが、電源を入れ動かした時にベッド自体の位置が低すぎてどうしてもヒートベッド底面がY軸のステッピングモーター(後ろ側中央にあるモーター)上部に擦れてしまい・・・
結果的にZ軸用のリミットスイッチの位置を上に5mm程上げ固定し、再度上記方法によりレベル調整をやることにより解決しました。
同様なトラブルが無ければこの項目は飛ばして下さい!
テスト印刷をやってみる
ベッドのレベル調整が終われば実際に出力させる事が出来る状態になります。
あとは3D CADソフトなどで作ったSTLファイルをスライサーソフトを使い印刷時の各種設定(ノズルやベッドの温度、サポート材の有無、印刷速度等)を行いEnder3 V2で読み込めるファイルに変換する必要があります。
今回こちらでは『組み立て編』ということでスライサーソフトの使い方等割愛させていただきますが、簡単に概要だけ書いておきます。
付属SDカードの中にはWindows用のスライサーソフトCreality Slicerが入っています。
Macには対応していないためMacをお使いの方はUltimaker Curaというスライサーをダウンロード&インストール必要があります。
そして付属フィラメントでいろいろとテスト印刷をやってみました。
付属SDカードの中にサンプルデータ(STLファイル)がいくつか入っていますが、3Dプリンタ購入前にモデリングの練習としてFusion360を使ってモデリングしたものをいくつか出力してみました。
スライサーでの調整等含め全く初めての状態でしたが、驚くほど綺麗に出力出来ています。
コレは驚きです!
自分でモデリングしたものが実際に形になるのは、ホント感動ものです!
これはいろんな趣味で活用できそうですね!
付属のフィラメントはテスト用のため少量です。
いろいろと出力させて試すには事前に用意しておいた方がいいですね。
フィラメントに関してもいろんなメーカー製のものがあり全く初めての私としては非常に迷ったのですが・・・
とりあえずまずはCreality 3D純正フィラメントを購入しました。
綺麗に出力でき、ベッドへの定着もよくほぼ失敗なく印刷できています。
またSUNLU製PLAフィラメントも寸法精度がよく綺麗に出力できるので最近よく使っています!
こちらのレビューも参考にしてみて下さい!
【2021.4.16 追記】BLTouch化(オートレベリング)させてみました!
BLTouchと呼ばれるセンサーを取り付けオートレベリング化しました。
レベル調整が格段に楽になり、そしてビルドプレート上の全ての面で均一なノズル高を実現することが出来るようになりました。
【2021.4.16 追記】2台目の3Dプリンタ『Artillery Genius』もやって来ました!
2台目の3Dプリンタとなる『Artillery Genius』もやって来ました!
非常に静音設計の3Dプリンタで、ダイレクトエクストルーダーやデュアルZ軸機構・フルカラータッチパネルLCDなどEnder3 V2と機能&性能等の比較レビューをしました。
こちらも参考にしてみて下さい!
最後に!
初3Dプリンタで他機種と比較したわけではありませんが、3万円ほどで買える比較的安価な3Dプリンタとしては十分満足できる性能だと思います。
といいますか、ここまで精度高く出力できるのは驚きです。
一般家庭レベルで使うには十分な性能じゃないでしょうか?
本文中に書いたようにトラブルなどもあり組み立てには4時間以上、私の場合かかってしまいました。
結果的な話ですが、この組立の過程も3Dプリンタの構造やレベル調整(最も肝となる部分)などを理解するいい機会となりました。
今回、Ender3 V2の[組み立て編]ということでスペック的なものをあまりご紹介していませんでしたが最後に簡単に仕様をまとめておきます。
設置場所や印刷させたいサイズの参考にして下さい。
Ender3 V2 製品仕様 | |
機体サイズ | 475×470×620mm |
プリント可能サイズ | 220×220×250mm |
形成方式 | FDM |
機体重量 | 9.6kg |
フィラメント | PLA/TPU/PETG |
フィラメント直径 | 1.75mm |
サポートOS | Mac/WindowsXP/7/8/10 |
スライサーソフトウェア | Simplify3D/Cura |
3D CADやスライサーソフトなど3Dプリンタ関連の勉強はまだ始めたばかりで基本的なことしか出来ないのですが、3Dプリンタくん最強に遊べるオモチャ、いや機械ですね!
比較的安価で入手しやすいこの価格帯の3Dプリンタは他にも多数あるようですが、興味がある方やこれから購入を検討されている方は参考にしてみて下さい。
Creality3D純正のPLAフィラメントも良かったのですが、最近はSUNLU製のPLAフィラメントも使うようになりました。
歯車のような寸法が要求される造形物でもCADのモデリング通りの寸法を実現してくれるようで、こちらもおすすめです!
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