電子工作やホビー用途でよく使われるサーボモーターと言えば、まずSG90があげられます。
非常に小型で重量も9gほどのマイクロサーボとなりますが、そこそこ強いトルクがあることから便利に使える定番サーボモーターになります。
SG90は安価で入手もしやすく使いやすいサーボモーターなので私も電子工作用途でよく使っています。
9gほどの小型サーボとなりますが、この程度のサイズ(重量)のロボットを動かす場合では十分なトルクを得ることが出来るので使いやすく便利に使えるサーボモーターだと思います。
工作用途でよく使われる定番的なサーボモーターは他にもいくつかありますが、今回はMG996RをArduinoを使って動かしてみたいと思います。
MG996Rはこのサイズのサーボモーターでは定番的なものとなりいくつか持っていましたが、製作物に組み込んで使う機会がこれまでなかったことから手元に眠っていました。
現在製作している4足歩行ロボットでこのMG996Rサーボモーターを使う機会ができたので、Arduinoを使っていろいろとテストしてみました。
定番サーボMG996RをArduinoで動かしてみる!
こちらがMG996Rサーボモーター(互換品)となります。
重量は約55gとなりSG90(約9g)と比べるとかなりサイズが大きいですね。
MG996RはMG995の改良版としてリリースされた製品のようでToworPro製のものが正規品となるようです。
MG995のギアと制御回路を改良したオール金属ギアのサーボモーターとなります。
SG90と比べかなりパワー(トルク)が増している分、消費する電流値も大きくなっています。
そのためArduinoで直接動かすことが出来ないため、サーボ駆動用の外部電源等を用意する必要があります。
MG996RとSG90 スペック比較
サイズはかなり違いますが、共に定番サーボとなるのでMG996RとSG90の製品スペックを比較してみました。
MG996Rには180°タイプのものと360°全回転タイプの2種類ありますが、今回使っているのは180°タイプのものを使っています。
MG996R | SG90 | |
ギアタイプ | メタルギア | プラスチックギア(樹脂ギア) |
サイズ | 約40.7×19.7×42.9mm | 約22.2×11.8×31.0mm |
重量 | 約55g | 約9g |
動作電圧 | 4.8~6.6V | 4.8V(~5.0V) |
ストールトルク | 9.4kg/cm(4.8V) 11kg/cm(6.0V) | 1.8kg/cm(4.8V) |
動作速度 | 0.19s/60°(4.8V) 0.15s/60°(6.0V) | 0.1s/60° |
回転角度 | 0~180°タイプ or 360°タイプの2種類 |
MG996Rの詳しいデータシートに関してはこちらを参考にして下さい。
参考 MG996Rデータシート秋月電子通商また、SG90に関してはこちらの記事を参考にして下さい。
MG996R 外観チェック
MG996Rの外観をチェックしていきます。
正規品となるTowerPro製のMG996Rを見ていくのがいいのですが、既にロボくんに組み込んでいてバラすのが大変なのでこちらでは互換品となるMG996Rを見ていきます。
互換サーボは多数のメーカーが販売しており微妙な違いなどあるようですが、ほぼ同じ形状&構成が同じだったこちらの互換サーボを見ていきます。
まず付属品です。
こちらがMG996Rに付属しているサーボホーンと固定用のビス等一式となります。
付属しているサーボホーンの種類が微妙にTowerProのものと異なっているようです。
TowerPro製のものには片羽ホーンが付属していましたが、こちらの互換品では6羽のものが付属していました。
それ以外は大きな違いはないようです。
サーボ端子はSG90と同じJRタイプのコネクタとなっています。
内部は全てメタル製のギアが使われています。
サーボホーンを取り付けるファイナルギア部分は確かTowerPro製のものではベアリングが使われていましたが、こちらの互換サーボでは白いプラスチック製?のものが使われていました。
このあたりが互換サーボって感じですね!
制御基板で使われているチップも正規品と異なっているようです。
この手の定番サーボは互換品が多数販売されています。
互換サーボを使って失敗やトラブルなど大きな問題はこれまであまり経験がないので、工作用途では安価で入手出来る互換サーボをよく使っています。
SG90で言えば、互換サーボの方がケーブル取り付け位置が微妙に変更されていてそれが逆に製作物に組み込む際に干渉しにくく(TowerProのSG90では干渉によりよくケーブルが断線することがありました)使いやすかったりする場合もあります。
昔中華サイトで買ったMG996RはTowerProと書かれたシールが貼られていましたが、内部を確認するとギアがメタル製ではなく樹脂ギアだったこともあったりと・・・。
このあたり互換品を使う場合注意が必要で、ちゃんとしたショップで購入するのがよさそうですね!
現在製作しているロボくんは12個のMG996Rを使う構成で考えていますが(サーボ構成を変更するかもしれませんが)、これだけの数のサーボを正規品で揃えようと思うと結構なお値段になってしまいます。
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動作チェックをして問題ない互換サーボを使うようにしていますが、どうしても正規品を使いたいという方はTowerPro製のものを選ばれるのがいいかと思います。
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ロボ製作が落ち着いたらTowerPro製のMG996Rの写真も添付しておきます。
ArduinoでMG996Rを動かしてみる
それではArduinoでMG996Rサーボモーターを動かしてみたいと思います。
簡単なテストスケッチを組んでみました。
Servoライブラリを使った簡単なものとなります。
スケッチはSG90などのサーボモーターを動かす場合と同じです。
サーボモーターの制御方法に関してはこちらの記事を参考にして下さい。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 | #include <Servo.h> Servo servo; void setup() { servo.attach(3); // デジタルピンD3にサーボのSignal(オレンジ)を繋ぐ } void loop() { servo.write(0); // サーボを0°の位置に動かす delay(1000); servo.write(90); // サーボを90°の位置に動かす delay(1000); servo.write(180); // サーボを180°の位置に動かす delay(1000); } |
SG90では2-3個程度ならArduinoの5V端子に直接接続しても動かすことが出来ますが(あまり望ましくありませんが)、MG996Rを動かすには無負荷でも300~800mA程の大きな電流が必要となってくるようです。
そのためArduinoとは別にサーボを駆動するための外部電源を用意する必要があります。
ACアダプター(5~6V 1A以上のもの)や乾電池(1.5V×4)などで動かすことが出来ます。
接続はこんな感じ、簡単ですね。
サーボ駆動用に外部電源を接続しています。(今回は安定化電源を使って動かしました)
GNDのみArduinoと共通に接続しています。
Arduino | MG996R | 外部電源(5-6V) |
D3 | Signal(オレンジ) | |
GND | GND(黒) | 外部電源(マイナス) |
VCC(赤) | 外部電源(+) |
ちなみにこちらはSG90と比較した動画です。
製品スペックにあるように同じ電圧での動作速度はSG90よりは少し遅くなるようですね。
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トルクはさすがにSG90と比べるとかなり強くなっています。
このサイズのロボくん(まだ前足だけですが)を動かすのにも十分なトルクが得られそうです。
正直違いが分からない感じです!
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このサイズでトルクもあるサーボモーターなので、SG90と比べるとその動作には大きな電流が必要となってきます。
上記動画では6個のMG996Rを動かしていますが、接地させていないほぼ無負荷の状態ですが瞬間的に2Aほどの電流が流れています。
乾電池1.5V×4本でも動かすことは出来ますが、複数のMG996Rを同時に動かそうと考えると大きな電流が取り出せるリポバッテリーや18650などのリチウムイオン電池などを使うのがよさそうですね!
このように製作物にサーボモーターを組み込む場合、例えば上記ロボットでは関節部分の可動域(パーツ同士がぶつかる角度)がありますが、これを越えて動かそうとしても動くことが出来ないためサーボモーターに負荷がかかり大きな電流が流れサーボ破損の原因にもなります。
SG90を使ったロボットを作った時に何度か壊したことがありますが、安定化電源があると動かしながら電流値の確認が出来るので電子工作の動作テストでは安定化電源があると便利ですね。
電流値や消費電力など数値で確認しながら動かすことが出来ます。
またI2Cでの接続となりますが、PCA9685サーボドライバを使えばArduinoの5Vとは別系統でサーボ駆動用の電源を取ることができ、複数台のサーボモーターを動かす場合にも便利に使えます。
また、サーボモーターのテストではサーボテスターがあると非常に便利なのでこちらも参考にして下さい。
最後に!
SG90同様にこのサイズのサーボモーターとして定番的なものとなるMG996Rですが、ちょうど製作していたロボくんにこのサーボモーターを使おうと考えていたので簡単にまとめてみました。
SG90くらいのサーボなら正規品も互換品も大した価格差はないのですが、このサイズのサーボになると結構お高くなり複数台使いたい場合はちゃんとした互換サーボなら価格的に工作用途では重宝します!
お財布に余裕がある方は正規品を購入した方がトラブルなどは少ないとは思いますが・・・。
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