Arduinoはほんとよく出来たマイコンボードです!
電子工作初心者の方でも難しい回路などを組むことなく、ある程度のことなら比較的簡単に動かすことが出来ます。
Arduinoを使った電子工作が人気なのも納得できますね!
当ブログにもArduino関連の事を書くようになり、SNSなどからも質問やお問い合わせを多数頂くようになりました。
Arduino関連の質問やコメントの中でよく頂くのが、Arduinoボードへの電源供給方法についてです。
Instagramでは海外の方からも結構この質問頂くんですよねー!
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ArduinoボードはUnoやNano、Megaなど多数のボードがあります。
ボードによって多少の違いなどありますが、主な電源供給方法はほぼ同じです。
Arduinoボードへの電源供給は、USB端子からの供給の他にDCジャックからや[Vin]端子、[5V]端子を使って供給することができます。
その使い方など、初めてArduinoを使われる方は少し戸惑うかもしれませんね!
Arduinoボードへの電源供給方法に関してご質問等頂くことが多いことから、よく使われるArduino UnoとNanoについて詳しく見ていきたいと思います。
目次
Arduinoへの電源供給方法 まとめ
マイコンボードへの電源供給はその動作の安定に重要となってきますが、Arduinoの場合それほどマイコンに詳しくない方でもあまり難しいことを考えることなく扱えるように考えられ上手く作られています。
Arduinoへの電源供給には、USB端子からの給電以外にDCジャックや[Vin]端子、[5V]端子を使って行うことが出来ます。
Arduinoは多数のボードがあり、その仕様など多少異なる部分がありますが主な電源供給方法は同じです。
こちらではよく使われるArduinoボードとなるArduino UnoやNanoへの電源供給方法を詳しく見ていきたいと思います。
Arduino Unoへの電源供給方法
Arduinoでよく使われるボードと言えばArduino Unoではないでしょうか?
ジャンパーワイヤをそのままI/O端子に刺すことができ、電源の供給方法も多いことから一番使いやすいArduinoボードだと思います。
基本的にArduino Unoの電源供給方法が分かれば、他のボードでもその仕様はほぼ同じなので理解しやすいと思います。
Arduinoボードへの主な電源供給方法に関しては、以前こちらの記事でもまとめているので合わせて見て頂ければと思います。
【Arduino Uno】USB端子からの電源供給
まずUSB端子からの電源供給です。
これはArduino Unoに限らず多くのArduinoボードではUSB端子が付いていて電源の供給以外にスケッチの書き込みなどでも使われます。(USB端子が付いていないArduinoボードもあります)
Arduino Unoへの一番簡単な電源供給方法ですね!
PCとの接続でArduinoを駆動するのに必要な5Vの電圧をボードに供給する事が出来ますが、電流に関しては最大500mAまでしか供給する事が出来ません。
I/Oピンに繋いだLEDや省電力のサーボモーター程度なら動かす事も出来ます。
『モバイルバッテリーを使って動かすと動作が不安定になるのはなぜ?』
という質問を多く頂きます。
スマホなどの充電で使うモバイルバッテリーは、USBケーブル経由で5Vの電圧を供給する事が出来ます。
これをArduino UnoのUSB端子に繋げると一応動かすことは出来ますが・・・
しかしモバイルバッテリーはスマホなどへの過充電を防ぐために電流がある程度以下になると自動的に給電を停止する仕様になっているものが多いと思います。
数秒~1分くらいはArduinoが動いてくれますが、モバイルバッテリー側の仕様で自動的に給電が停止してしまうことが多いのであまりオススメ出来ません!
【Arduino Uno】DCジャックからの電源供給
次にDCジャックからの電源供給です。
DCジャックが付いたArduinoボードは、Uno以外にMegaにも付いています。
Arduino Unoにはボード上に5Vレギュレータと3.3Vレギュレータが搭載されています。
レギュレータとは、出力される電圧・電流を常に一定に保つように制御する回路のことを言います。
Arduino Unoを駆動するための5Vや3.3Vの電圧を作り出す回路ですが、DCジャックはこのレギュレータと繋がっています。
そしてDCジャックから電源供給を行う場合、7~12Vの電圧が推奨されています。
この範囲の電圧をDCジャックから給電することにより、レギュレータを通して安定した5Vや3.3Vの電圧を作り出してくれるようになっています。(5Vレギュレータはマイコンチップとも繋がっていてArduinoを駆動する電源にもなっています)
『DCジャックに印加する電圧が5VでもArduinoが動くのですが、それより高い電圧が必要?』
というご質問もよく頂きます。
確かにDCジャックに5Vの電圧を印加してもArduino Unoを駆動することは出来ます。
しかしDCジャックは5Vレギュレータを通してマイコンチップ(ATmega328P)と繋がっているため、5Vよりある程度高い電圧を加えなければ電圧降下によりマイコンチップに安定した5Vを与えることが出来ません!
そのためDCジャックに5Vの電圧を印加した場合、I/Oピンや[5V]端子からの出力は5Vよりかなり低い電圧となってしまいます。([3.3V]端子の電圧も同様に低くなってしまいます)
こちらの動画は、DCジャックに印加する電圧を徐々に上げていった時の[5V]端子の電圧を計測したものです。
DCジャックに印加する電圧が5Vでは[5V]端子からの出力電圧がかなり低い値となっています。(I/Oピンからの出力電圧も同様になります)
DCジャックからの電源供給では7~12Vが推奨されています。
動画からも分かるように、7V付近で出力される電圧が5Vとなりその後は電圧を上げても5Vで一定の値となっているのが分かります!
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DCジャックから電力を供給する場合、7~12Vの範囲の電圧を印加する事によりレギュレータを通してArduinoのマイコンチップや次で説明する[5V]端子に安定した5Vの電圧を供給する事が出来るようになっています。([3.3V]端子も同様にレギュレータを通して安定した3.3Vが供給されます)
USBケーブルのみを使ってPCとArduinoを接続している場合、PC側の問題(USBハブを使うなど)でArduinoへの電源供給が低下しArduinoボードが不安定になる場合があります。
このような場合、外部電源としてDCジャックからの給電も同時に行うと動作が安定するようになります。
USB端子からの電源供給とDCジャックからの供給を同時に行っても大丈夫?
結論から言うと全く問題ありません。
と言いますか、この使い方が一番安定したArduino Unoの使い方だと思います。
Arduinoのボードはよく考えられて作られています。
USB端子およびDCジャックから同時に電源供給を行った場合、安定して電源供給を行える方(電圧が高い方)に切り替わるようになっています。
例えば、DCジャックからの電圧が7V以下になると(正確には6.6Vくらいです)レギュレータを通して作られる電圧も5Vから段々と下がっていきます。
その時点でUSBから安定した5Vが取り出せるのであればUSBからの給電に自動的に切り替わってくれます。(その逆もです)
このあたりよく考えられていますね!
冒頭でArduinoはマイコン初心者の方でも扱いやすいと言った理由の一つです!
DCジャックからの電源供給は7~12Vの範囲なので、直流安定化電源を使えば簡単にこの範囲の電圧を作り出すことが出来ます。
電子工作で安定化電源があると非常に便利となります!
また、9V電池や乾電池(1.5V)なら5~8本使えばDCジャックからの電源供給で安定してArduino Unoを動作させることが出来ます。
eneloopなど充電できるタイプのものは1.2Vくらいなので6本以上入る電池ボックスがあれば必要な電圧を作り出せます。
乾電池だと1本の電圧が低いので本数が多くなりますが、18650などのリチウムイオン電池を使えば2本で必要な電圧を作り出すことができコンパクトに使えるのでオススメです!
[Vin]端子からの電源供給
次に[Vin]端子からの電源供給方法です。
[Vin]端子は多くのArduinoボードに搭載されています。
この[Vin]端子は上記DCジャックからの電源供給方法と同じです。
またUSB端子から5Vが供給された状態でも[Vin]端子に7~12V(正確には6.6V以上)の電圧が供給されているとUSB端子からの供給が自動的に遮断されるようになっています。
DCジャック同様に安定した外部電源として使うことが出来るようになっています。
この[Vin]端子もよく5Vと間違いやすいのですが、5Vの電圧印加だとDCジャックの時と同様にマイコンチップや[5V]端子への供給が5Vより低くなってしまうのでお間違いなく!
[5V]端子からの電源供給
Arduino Unoには[5V]端子と[3.3V]端子というものも搭載されています。
基本的にこの2つの端子は外部に安定した5Vや3.3Vを供給するための端子となります。
例えば、ブレッドボード上に組んだ回路にArduino側から5Vを供給する場合などですね!
こんな感じにArduino側から5Vを供給する事が出来ます。
しかし5Vの安定した電圧を作れるのであれば、この[5V]端子を使ってArduino Unoに電源供給する事もできます。
この[5V]端子はマイコンチップとも繋がっているので、5V以下の電圧だとArduinoの安定動作に影響が出ます。
また5V以上の電圧になるとマイコンチップの破損の原因にもなってしまうので、このような使い方では注意が必要です!
基本的にArduinoから外部に5Vを供給する形で使われますが、安定した5Vを印加することが出来るのであればArduinoを駆動するための電源としても使えます。
例えば、Arduinoを2台使いたい場合などで便利に使えます。
Arduino2台分の電源を用意するのが手間となる場合(USBケーブルを2本PCに繋ぐなど)、1台のArduinoをUSB端子やDCジャックなどから通常通り電源供給をして、[5V]端子と[GND]端子同士を2台目のArduinoに繋ぐといったやり方です。
これで2台目のArduinoにも5Vを供給することが出来るので、電源が一つだけで完結でき便利に使える場面は多いと思います。
こんな感じに1台のArduinoから複数台のArduinoに電源を供給する事も出来ます。
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また、Arduinoには[3.3V]端子もあります。
この端子も3.3Vレギュレータを通して作られているので、[5V]端子同様に外部に安定した3.3Vを供給する事が出来ます。
以上がArduino Unoへの電源供給方法となります。
基本的に他のArduinoボードでも同様に使うことが出来ます。
Arduino Nanoの電源供給
それではArduino Nanoの電源供給方法も簡単に見ておきます。
と言っても、Arduino Unoと全く同じです。
Arduino Nanoのピン配列など詳しくはこちらの記事を参考にして下さい!
Arduino NanoにはDCジャックが付いていませんが、[Vin]端子から同様に電源供給を行うことが出来ます。
[Vin]端子はArduino Unoと同様にレギュレータを介して5Vの電圧を作り出しマイコンチップや[5V]端子に繋がっています。
[Vin]端子に7~12Vの範囲で電圧を印加することにより安定した5V電圧をNanoボードに供給する事が出来ます。
また、[5V]端子も同様です。
外部に5Vを供給する以外にも、安定した5Vを外部から接続出来るのであればArduino Nanoを安定して動かすことが出来ます。
こちらも5V以下の電圧ではArduinoの動作が不安定になったりI/O端子からの出力が5V以下になります。
また5V以上の電圧を印加するとマイコンチップの破損にも繋がるので注意が必要です!
Arduinoボードへの電源供給方法 まとめ
以上がArduinoボードへの電源供給方法となります。
ボードによってUSB端子がないボード(Arduino Pro Miniなど)やDCジャックが付いていないなどボードの仕様は異なりますが、基本的な電源供給方法は他のボードも同じとなります。
- USB端子からの供給(5V)
- DCジャックからの供給(推奨7~12V)
- [Vin]端子からの供給(推奨7~12V)
- [5V]端子からの供給(5V)
最後に!
よく使われるArduino UnoやNanoの電源供給方法を見ていきました。
Arduino Unoの電源供給方法が分かれば、他のボードではDCジャックやUSB端子の有無などボードの仕様に違いなどありますが基本的には同じとなります。
以上がArduinoボードへの安定した電源供給方法となります。
Arduinoを始めた頃は勘違いして使っていた事なども含めまとめてみました。
例えば、DCジャックに5Vの電圧を印加してもマイコンチップは5Vピッタリじゃないと動いてくれないというものではなく、Arduino自体は動いてくれるわけですが・・・
マルチメーターでI/Oピンなどを計測してみると、逆接続保護ダイオードや三端子レギュレータの電圧降下により実際には[5V]端子の出力は3.3Vくらいまで低下していて、当然マイコンチップもこの電圧で動作することになります。
ATmega328Pは3.3Vだと16MHzでの動作は微妙なところだと思います。
Arduinoはオープンソース・ハードウェアなので公式サイトに回路図などの詳細なデータが公開されています。
興味ある方は、詳しく見てみるのも面白いかと思います!
[…] https://burariweb.info/electronic-work/arduino-power-supply-method-summary.html […]