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【Panel by JLCPCB】JLCPCBに面付け依頼する場合、エッジレールを付けておけば基板製造番号(発注番号)をそちらに逃がすことが出来るようですね!

自作基板の製作を始めて1年ほどが経ったのですが、回路や基板設計、また発注方法に関してなどよく分からなくまだ疑問に思っていることがたくさんあります。
そんなことから基板を発注する際には何かしらそのような自分の中の疑問点を取り入れ設計や発注を行って少しずつ解決するようにしています。

そして最近面付け(パネライズ)した基板を発注することも多くなってきたのですが、その際に基板製造番号(発注番号)の入る位置に関して少し試してみました。

具体的には、単一基板データ(ガーバーファイル)を入稿しJLCPCBに面付けを依頼する[Panel by JLCPCB(JLCPCBによる面付け)]というオプション項目を選択し面付け基板を作成する場合には、エッジレールを付けておけば基板製造番号を無料でそちらに逃がす(入れる)事が出来るというものです!

[Panel by JLCPCB]基板製造番号をエッジレールに逃がす!

基板製造時にPCBの任意の位置に基板製造番号(発注番号)というものがシルクプリントされてしまうのは、どの基板製造メーカーを使っても同じだと思います。

基板の表または裏、特に入る位置が決まっているわけではない?ようでスペースが空いている箇所に自動的に毎回入ってしまいます。
これはPCB製造工程で他のPCBと区別するために入れられるもので、1基板に対して1ヶ所必ず入ります!

I/Oラベルがある位置の近くといった他のシルク文字等に被ってしまうと見にくくなり、基板自体の見た目も悪くなりかねません!
大抵の場合、目立たない位置や端子等で隠れる部分に入るように位置を指定したり、有料となりますがこの発注番号自体を削除するオプションを選択するかと思います。

JLCPCBでは発注項目の中に[Remove Order Number(発注番号の削除)]というオプション項目が用意されています。
通常は指定なし[No]が選択されているので任意の位置に発注番号が入ってしまいますが、[Specify a location(場所の指定)]を選択すると無料でこちらが指定した位置に発注番号を入れることも出来ます。
また[Yes]を選択すると有料(1.52ドル)となりますが完全に発注番号を削除する事も出来ます。

そして今回の話は、JLCPCBに面付けを依頼する場合にエッジレールを付けておけば特に指定なし(無料)で発注番号をそちらに入れることが出来るというものです。

面付け基板の基板製造番号(発注番号)はどこに入る?

面付け(パネライズ)といっても同種基板や異種基板の面付け、またVカットやスリット、スロットを入れるなどカット方法もいろいろとあるため発注方法も異なるわけですが・・・

基本的に基板製造番号(発注番号)は1基板に対して1ヶ所入るので、例えばこのように自分で面付け基板としてデータを作成したものでは目立たない位置に入るように指定すれば無料となります。

JLCPCBではこのように『JLCJLCJLCJLC』とシルクを入れればこの位置に発注番号が入ります。

そしてJLCPCBでは通常発注の際に使用する単一基板データ(ガーバーファイル)を使い面付け基板として製造するように依頼することも出来ます。
[Panel by JLCPCB(JLCPCBによる面付け)]というオプション項目を選択して発注する方法です。

この面付け依頼はVカットによる同種基板の面付けに限定されますが、通常作業で作成した単一の基板データを使い面付け基板として製造依頼できるので、面付け基板データをこちらで用意する手間がかからず便利となります。

[Panel by JLCPCB(JLCPCBによる面付け)]による発注方法に関して詳しくはこちらの記事も参考にして下さい!
【JLCPCB】面付け基板の発注![Panel by JLCPCB]を選択しVカットによる面付け基板を発注する手順
MEMO
[Panel by JLCPCB(JLCPCBによる面付け)]は、同種基板のVカットによる面付けに限定されます!

面付け方法は限定されますが面付け基板データを用意する手間がなくコストも安いので便利な面付け発注方法なんですが、発注番号の扱いに関してよく分からなかい部分があったのでJLCPCBの中の人に伺いながらいくつか試してみました!

基板製造番号(発注番号)の入る位置を指定すると!?

まず[Panel by JLCPCB(JLCPCBによる面付け)]を選択して発注番号の入る位置を指定するとどうなるのか?
単一の基板データに[JLCJLCJLCJLC] というシルク文字を入れそこに発注番号が入るように指定する方法ですね!

こちらの単一基板データでは発注番号が入る位置を指定しています。

これを[Panel by JLCPCB(JLCPCBによる面付け)]で1×2面付け基板、

そして発注番号が指定位置に入るように選択して発注すると・・・。

このように面付けされた2枚の基板ともに指定位置に発注番号が入ってしまいます。

面付け枚数を変えても同様に全ての基板に製造番号が入ってしまいます。

エッジレールに基板製造番号(発注番号)を入れる!

ここからが今回の本題です。
[Panel by JLCPCB(JLCPCBによる面付け)]では面付け枚数を指定して製造する以外にエッジレールを入れることも出来ます。

エッジレールとはコンポーネントと基板エッジ間のクリアランスを増やすために入れる捨て基板のようなもので、SMTの工程で実装機が基板の位置を把握出来るように認識マーク(フィデューシャルマーク)を配置するなどの用途で使用されるものです。

参考 How to add edge rails/fiducials for PCB assembly orderJLCPCB [Panel by JLCPCB(JLCPCBによる面付け)]では両面(On 2 Sides)または四面(On 4 Sides)全てに最小5mm幅からエッジレールを入れる指定が出来ます。

仮に両面に5mmのエッジレールを付けると、面付け後の基板サイズは5mm+5mmでトータル横方向に10mm大きくなることになります。

両面エッジレール

四面エッジレール

そしてエッジレールを付けた面付け基板の発注では[Remove Order Number(発注番号の削除)]の項目は[指定なし(No)]を選択するとJLCPCBでは自動的にエッジレール側に発注番号が入る仕様になっているようです。

エッジレールはパーツ実装後には切り離すので、無料で注文番号がこちら側に入ってくれるのはありがたいですね!
また、エッジレール込みの基板サイズが100mm×100mm以内であれば基板製造料金や送料も通常発注の時のようにかなりお安く製作することが出来ます。

最後に!

面付け基板データをこちらで事前に用意して発注する場合は目立たない位置に入るように指定すれば問題ないのですが、単一基板データを使い[Panel by JLCPCB(JLCPCBによる面付け)]を選択してJLCPCBに面付け依頼を行う場合は、先述のように下手に発注番号が入る位置を指定してしまうと面付けした全ての基板に入ってしまうため、今回のようにエッジレールを入れておき無料で発注番号をそちら側に逃がすという方法もあるので知っておくと便利ですね!

前々から発注番号の処理でよく分からなかった部分だったので今回いくつか試してみました。
何かの参考になればと思います!

またJLCPCBでの基本的な基板発注方法に関してはこちらの記事も参考にして頂ければと思います。

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