月刊I/O 2022年5月号『Raspberry Piで作る電子工作』に記事を掲載して頂きました!

【Raspberry Piを遠隔操作】VNCでリモート接続して他のPC環境から操作する方法!

Raspberry Piを使うようになり最初に驚いたのが、VNCで他のPC環境(WindowsやMacなど)からRaspberry Piを動かす事が出来るということです。
ラズパイってほんともうミニPCですよね!

私のやっている電子工作用途ではマイコンボードは使いやすく相性がいいことから、これまでArduinoやESP-32などのマイコンボードを使った電子工作を楽しんできました。
Raspberry Piと比べマイコンボードだとディスプレイやキーボード・マウスといった周辺機器も必要なく、ブレッドボードを使い回路を組みプログラムを走らせればすぐに動作テストさせることが出来ます。

当然Raspberry Piでも同様な事は出来ます。
しかしRaspberry Piはシングルボードコンピュータに分類できることから、マイコンというよりは小型なコンピューター(PC)という位置付けになるかと思います。
コンピューターなのでマイコンボードとは違いOSを用意する必要があり、そしてディスプレイやキーボードなどの周辺機器も必要となってきます。
このあたりが電子工作用途で使う場合、用途にもよりますがマイコンボードと比べて導入の敷居が高い部分だと思います。

先述のようにRaspberry Piはシングルボードコンピュータの部類に分類でき、Arduinoなどのマイコンボードを使いGPIO端子に接続したセンサーやモーターなどを制御するといった用途でも同様に使うことが出来ます。
そしてOSが搭載されたコンピューターなので、普段PCでやっているようなブラウザを使ったりファイル操作をしたり、他のPCからリモート操作したり・・・このようなことも出来てしまいます。
まさに小型PCって感じですね!

Raspberry Piを使うようになり最初に驚いたというか便利だった機能が、VNC(Virtual Network Computing)を使うとラズパイのデスクトップ画面を他のPCに表示させ動かす(制御する)事が出来るということです。
Raspberry Piには電源ケーブルのみを接続し、他のPC環境でラズパイの画面を見ながら操作するということです。
もちろん単なる画面の転送だけではなく、キーボードやマウス操作も使えるため非常に便利な機能となります。

記事執筆時(2022.5月現在)、ラズパイ公式のRaspberry Pi OSにはデフォルトでこのVNC機能が搭載されていて設定自体は非常に簡単です。
PCからリモート操作でRaspberry Piを操作することが出来るとラズパイ運用の幅も広がります。

Raspberry Pi OSでのVNCの設定から操作方法、そしてファイル転送など基本的な使い方を見ていきたいと思います。

【Raspberry Piを遠隔操作】VNCでリモート接続して他のPC環境から操作する!

冒頭でご紹介したようにRaspberry Piはシングルボードコンピュータに位置付けられ、OSを用意したりディスプレイやキーボード・マウスといった周辺機器も用意する必要があったりと、電子工作初心者の方が始める場合(私もそうでした)、その敷居は結構高く感じられます。

Raspberry Pi OSのインストール&初期設定までの手順!【公式Raspberry Pi Imager】

Arduinoなどのマイコンボードでは、電源に接続しプログラムを用意すれば動かすことが出来ます。
しかしRaspberry Piでは操作するための周辺機器も用意する必要があったり・・・初めてだとなかなか導入までが大変です!

しかしRaspberry PiにはVNCという便利な機能が標準で用意されています。
VNC(Virtual Network Computing)を使い他のPC環境(WindowsやMacなど)からRaspberry Piをリモート操作することが出来ます。
Raspberry Piには電源ケーブルのみを接続し、他のPC環境のディスプレイやキーボード・マウスを使って操作することが出来るということです。
これは非常に便利な機能ですね!

VNCの設定を済ませたRaspberry Piでは、他のPCから操作する事が可能でその場合Raspberry Piには周辺機器との接続が必要なくなります。

VNCとは?

VNC(Virtual Network Computing)とは、リモート操作するために必要なソフトウェアになります。
他のPC環境からRaspberry Piをリモート操作するために必要となります。

リモート操作される側にあたるRaspberry PiにはVNCサーバーを実行しておきます。
そしてネットワーク(Wi-Fi)経由で操作する側にあたるPC(WindowsやMacなど)にクライアントソフトとなるVNC Viewer(インストールする)を使って接続することにより、Raspberry Piをリモート操作する事が出来るようになります。

操作する側PC(Mac/Windowsなど)VNC Viewerを使って操作する
操作される側Raspberry PiVNCサーバーを立てる

これからRaspberry PiとPCにVNCの設定を行っていきますが、実際にリモート操作している画面がこちらとなります。
MacからRaspberry Piをリモート操作しています。
MacにRaspberry Piの画面がそのまま表示され、Macに接続しているキーボードやマウスを使ってRaspberry Piの操作を行うことが出来ます。
普段PCでやっているリモートデスクトップ操作と全く同じ感じですね!

VNCを使いリモート操作するメリット

Raspberry Pi OSにはVNC機能(ソフトです)が標準で用意されています。
ディスプレイやキーボード、マウスといった周辺機器をRaspberry Piに繋ぐ必要がなく他のPC環境から操作することが出来るのでRaspberry Piには電源ケーブルのみの接続で完結します。

Raspberry Pi側はシンプルな接続になるので、通常使用以外にも何かにラズパイを組み込んで使う・・・こんな場合にも便利に使えそうですね!

通常Raspberry Piの使用には、このようにケーブルをディスプレイと接続しているため使用できる場所もディスプレイ付近と限られてしまいます。
またキーボードやマウスもUSB端子と接続しているので、有線タイプのものを使っている場合配線が結構大変となります。(私は無線タイプのものを使っています)

VNCで他のPCからリモート操作を行う場合、Raspberry Piには電源ケーブルのみの接続が可能となりその配線もスマートに完結できます。
Raspberry Piをディスプレイ周辺に設置する必要もなくなるので、このように電子工作用途でGPIO端子を使う場合などでも便利に使えます。

また個人的に使っていて便利に感じるのが、PC側とRaspberry Pi側でのクリップボードの共有が出来るという点です。
例えば電子工作用途でネットで調べたサンプルコードをコピーして動かしたい場合がありますが、PCのブラウザでコピーしたものをRaspberry Pi側にペーストする事も出来ます。
Raspberry Piにもブラウザは搭載されていますが、圧倒的にPCの方がレスポンスが良く普段使い慣れたPC環境で作業する方が効率がいい場合もあります。

またRaspberry Pi用のディスプレイやキーボード・マウスなど専用周辺機器を持っていない場合にも便利に使えます。
Raspberry Piの初期設定にはこれら周辺機器との接続が必要となってきますが、ディスプレイはHDMI端子が付いていれば使えるので初期設定時のみご自宅のテレビを使い他のPCで使っているキーボードやマウスを一時的にRaspberry Piに接続して初期設定を完了させ(VNCの設定も)、その後はVNCによるリモート環境でRaspberry Piを使うといった使い方も出来ます。

それではVNCの設定をやっていきます。

Raspberry Pi側の設定

VNC(Virtual Network Computing)を使ってリモート操作するには、Raspberry Pi(操作される側)にVNCサーバーの設定をして、PC(操作する側)にクライアントソフト(VNC Viewer)のインストール&設定が必要となってきます。

まずRaspberry Pi側の設定を行っていきます。
Raspberry Pi OSには、このVNC機能が標準で用意されているので新たにソフトをインストールする必要がなく簡単な設定で使えるようになります。

①VNCの有効化

まずVNC機能を有効にします。
左上のスタートメニューから[設定]→[Raspberry Piの設定]へと進みます。

[インターフェイス]の項目で[VNC]を[有効]に設定します。

設定完了後、再起動する事により設定が反映されます。

VNCが有効になり、画面右上に[VNCアイコン]が表示されます。

②IPアドレスの確認

次にRaspberry PiのIPアドレスの確認です。
VNCを有効にすると[VNCアイコン]が画面右上に表示されるようになっています。
[VNCアイコン]をクリックすると現在接続されているIPアドレスが表示されます。
このIPアドレスは次のPC側の設定(VNC Viewer)で必要となるのでメモしておきます。

これでRaspberry Pi側の設定は完了です。

PC側の設定(VNC Viewer)

次にRaspberry Piを操作するPC側の設定です。
VNC ViewerというクライアントソフトをPCにインストールします。
多数対応OSがありますが、こちらではMac版で進めていきます。

以下ベージからダウンロード(無料)が可能です。

参考 ダウンロードページReal VNC

ダウンロードしたdmgファイルをダブルクリックし、アプリアイコンをアプリケーションフォルダに移動(ドラッグ&ドロップ)して完了です。

VNC Viewerを使ってリモート接続してみる

リモート操作したいPCにVNC Viewerのインストールが出来ました。
これでいよいよRaspberry PiをPCからリモート操作する事が出来ます。
今回Mac版のVNC Viewerをインストールしましたが、他のOSでもVNC Viewerの使い方は同じです。

VNC Viewerを立ち上げます。
初期状態ではこのような画面となっています。

まずリモート操作するRaspberry Piの登録です。
[File]から[New connection]を選択します。

[VNC Server]に先程Raspberry Piで事前に確認しておいたIPアドレスを入力します。

次に[Name]ですが、これは分かりやすい名前なら何でもOKです。
例えば複数のmicroSDカードを使ってOSを使い分けている場合、pi1やpi2のようにご自身で分かりやすい名前にしておけばいいかとと思います。

以上入力できたら[OK]をクリックします。

先程のメイン画面に接続先としてRaspberry Piが登録されました。
ここからRaspberry Piに接続を開始します。
アイコンをダブルクリックします。

Raspberry Piのユーザー名とパスワードを入力します。
こちらはRaspberry Pi OSをインストールした際に設定したユーザー名パスワードになります。
入力が完了したら[OK]をクリックします。

PC画面(今回Macを使っています)にRaspberry Piのデスクトップ画面が表示されれば成功です。
もちろんPCのキーボードやマウスを使ってRaspberry Piを操作する事が出来ます。
これは便利な機能ですね!

画面解像度の設定

VNCの設定が出来ました。
VNCで接続したRaspberry PiをPCからリモート操作する場合、もうRaspberry Piにはディスプレイやキーボード・マウスを接続する必要がなくラズパイには電源ケーブルのみ接続しあとはPCから操作する事が出来ます。
大変便利な機能ですね!
OSインストール時の初期設定を除き、大抵のことはこのリモート操作で出来ると思います。

そして画面解像度の設定です。
Raspberry Piにディスプレイを接続せずリモートで他のPCから操作する場合、画面表示が小さくなる場合がありました。
使われるモニターとの相性もあるようですが?、デスクトップ画面の解像度を指定する事で解決出来ます。
また希望する任意の解像度に設定することも出来ます。

設定は簡単です。
スタートメニューから[設定]→[Raspberry Piの設定]へと進み、[ディスプレイ]を選択します。
[ヘッドレス解像度]の項目に希望する解像度を選択して完了です。

画面解像度選択後、再起動すると設定内容が反映されます。

VNC Viewer メニュー画面

PCにインストールしたVNC Viewerのメニュー画面も見ておきます。
画面上部センター付近(白い帯があります)にマウスカーソルを移動するとメニューが表示されます。

[全画面表示]、[スケーリング調整(Auto or 100%)]、[ファイルの転送]、[その他設定]ボタンです。

Raspberry PiとPC間でファイルのやり取り(転送)を行う

Raspberry PiのデータをPCにコピーしたり、逆にPCにあるデータをRaspberry Piにコピーするといったファイルのやり取りを行う場合、Raspberry PiにはUSB端子が付いているのでUSBメモリを使ってファイルのやり取りを行うことも出来ますが、VNCで接続したリモート環境でファイル転送機能を使い双方向でファイルのやり取りを行うことも出来ます。

PCからRaspberry Piにファイルを転送(コピー)する

まずPC側にあるファイルをRaspberry Piに転送(コピー)する方法です。
VNC Viewerのメニュー画面を開き、[Transfer files]アイコンを選択します。

[Send files]をクリックします。

転送するファイル(またはフォルダ単位でも可能です)を選択すればRaspberry Pi側に転送(コピー)されます。

転送先はRaspberry Piのデスクトップとなります。

Raspberry PiからPCにファイルを転送(コピー)する

次にRaspberry Pi側にあるファイルをPCに転送(コピー)する方法です。
これはディスプレイを繋いだRaspberry Piからの操作、またはVNC Viewerを使ってリモート接続されたRaspberry Piのどちらからでも可能です。

Raspberry Piのデスクトップ画面右上にある[VNCアイコン]を右クリックしメニューを表示します。
[File Transfer]を選択するとファイル転送画面が表示されます。

あとは同様に[Send files]から目的のファイルを選択すればPC側のデスクトップに転送(コピー)されます。

MEMO
日本語名のファイルやフォルダは文字化けするようです!

最後に!

Raspberry Piを他のPC環境から操作出来るのは非常に便利な機能だと思います。

Raspberry Piの使用用途によりVNCを「使う or 使わない」はあると思いますが、Raspberry Pi OSに標準で用意されている機能で設定自体は非常に簡単なのが良いですね!

初めてRaspberry Piを導入する場合、ディスプレイやキーボード・マウスといった周辺機器を用意する必要がありラズパイ導入のネックになると思いますが、本記事でご紹介したように手持ちのもので初期設定さえ済ませてしまえば、あとはVNCでPCからリモート操作出来るので用途によってはそれら周辺機器をあらたに購入しなくてもいいという選択肢も生まれます。(一応持っておいた方が便利ではありますが)

Wi-Fi環境やPCのスペックなどにより変わってくるかと思いますが、VNCを使ってRaspberry Piをリモート操作する場合も遅延の発生はほぼ無く便利に使えます。

便利な機能なのでRaspberry Pi OSを使われるのであれば設定しておくことをオススメします!

Raspberry Pi OSのインストール&初期設定までの手順!【公式Raspberry Pi Imager】

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