ブレッドボードやユニバーサル基板を使った試作回路を組む際に、Type-C端子のピッチ変換基板(DIP化基板)は何かとよく使います。
安価に販売されているため、手元の在庫が無くなればその都度購入する…という使い方をこれまでしていました。
特に16ピンタイプの変換基板は種類も豊富で、USB2.0用途であれば十分実用的ですし、入手性も良好です。
しかし、いざ使おうとしたときに在庫が切れていたり、微妙にピン配置が思っていたものと違ったり、シルク表記が分かりにくかったりと、小さなストレスを感じることもありました。
秋月電子さんで販売されている「USB Type-CコネクターDIP化キット」も以前よく使っていましたが、欲しい時に在庫切れしていて…ということも少なくありませんでした。
それならいっそ、自分の用途に合わせたものを作っておいた方が便利なのでは?
と、以前自作ボードを製作したことがあります。
市販品よりも使いやすいレイアウトに仕上がったこともあり、今ではこのボードを常用しています。
設計データさえあれば、必要な時にいつでも発注して手元に増やせますし、JLCPCBなどを利用すれば1枚あたり100円もかからず作れてしまうのも魅力です!

そして今回、引き出すピン配置やボード形状を変えたものを新たに製作してみました。
ブレッドボードでの回路の組み方やパーツの配置は毎回様々なので、ピッチ変換基板も使用用途に合わせていくつか種類を用意しておくと、配線の取り回しがしやすくなり便利になると思います。
Type-Cコネクタ ピッチ変換基板の製作!
USB2.0タイプのType-Cピッチ変換基板は手元にいくつもありますが、自分の環境で使いやすいレイアウトのものを自作しておくと何かと重宝します。
市販品は安価で手に入りやすいものの、ピン配置やレイアウトが使いにくかったり、欲しいタイミングで在庫が無かったりすることもありますからね!
その点、自作してしまえば自由度は大きく、自分の用途に最適化したボードを用意できます。
今ではJLCPCBのような海外PCB製造メーカーを利用すれば、1枚あたり100円もかからず製作出来てしまいます。
設計データさえ作っておけば、必要な時にいつでも追加発注できるため、消耗品として気軽に使えるのも嬉しいところです。
それでは、今回製作した16ピンタイプのType-Cピッチ変換基板について紹介していきます。
ボード構成
今回製作したボードの構成です。
一般的によく使われるUSB2.0対応の16ピンType-Cコネクタで扱われる全てのピン(VBUS / GND / CC1 / CC2 / D+ / D- / SBU1 / SBU2)を引き出したブレークアウトボードです。
各ピンを上下に並べることで、ブレッドボード中央の溝を跨いで挿せるレイアウトとしています。
VBUSやGNDが上下に配置されていることで、ブレッドボード上で電源ラインの取り回しがしやすくなるよう意識しています。
基板レイアウト的には配線の引き回しがやや面倒となりましたが、D+ / D- や CC1 / CC2 を隣接配置し、各ピンのシルクプリントを大きく取ることで、ブレッドボード上での使い勝手は非常に良くなったと思います。
以前製作した変換基板とはピン配置やレイアウト思想を変え、ブレッドボード上でシンプルに各ラインを配線出来る構成に特化した形としています。
CCピン(CC1 / CC2)は基本的にR1 / R2 に5.1kΩのプルダウン抵抗を接続して使用する想定ですが、用途に応じて無効化できるようジャンパーパッドを設けています。
切断する場合はカッター等でパッド中央をカットすれば分離可能です。
また、Type-C端子のシールド部分は通常時GNDへ直結されていますが、これも背面のジャンパーパッドで切断出来るようにしています。
あまり使うことはないと思いますが、ジャンパーを切りパッドに接続することで、用途に応じてシャーシGNDとして独立させることも可能です。(専用パッドは用意していません!)
以上が今回製作したType-Cピッチ変換基板のボード構成となります。
JLCPCBに基板を発注
基板の発注は、今回もJLCPCBを利用しました。
今回製作したType-Cピッチ変換基板の基板データ(ガーバーファイル)をダウンロードできるようにしておきます。
何かの参考になれば幸いです。
発注項目については特に特殊な設定はしていませんが、以下のような内容で発注しました。
ピッチ変換基板は使用頻度が高いため、個別基板として10枚発注しておきました。
実装パーツは、Type-Cコネクタ・LED・抵抗と少数ではありますが、作業効率を考えてステンシルもあわせて発注しました。
ボードサイズが約26mm×20mmのため、作業しやすいようステンシルサイズを60mm×60mmにカスタムしました。
以前はサイズに関係なく同価格(7ドル)でしたが、現在はサイズが小さいほど価格や送料が安くなるようになったのは嬉しいポイントです!
以上の内容で、基板およびステンシルを発注しました。
基本的なJLCPCBでの発注方法は、こちらの記事で詳しくまとめています。
あわせて見て頂ければと思います。

基板の到着
配送方法にOCS Expressを選択し、今回はちょうど春節期間を挟んでしまったこともあり、発注からおよそ2週間ほどかかり基板が手元に届きました。
小型基板ですが、綺麗な仕上がりです。
シルクプリントも大きく見やすく、実際にブレッドボード上で配線を行う際にピン名称が分かりやすく、使い勝手は良さそうです!
試作中は意外とこうした視認性が効いてきます。

パーツの実装
それではパーツの実装です。
今回の基板はパーツ点数は少なく、0603サイズの抵抗やLEDなので手はんだでの実装も可能ですが、Type-C端子はブリッジしやすいのでステンシルがあると安心です!
ステンシルを使ってはんだペーストを塗布します。
この作業では、いつも以下のツールを使用しています。
ステンシル越しに均一にはんだペーストを塗布出来るので、仕上がりも安定します。
綺麗に塗布できました。
実装には、いつも愛用しているMHP50を使用しました。
コンパクトで温度制御も安定しており、試作基板の実装作業で非常に便利に使えるミニリフロー装置です。
ホットプレートサイズ(50mm×50mm)に収まる基板サイズだと、リフロープロファイルを使った温度制御も出来るのが便利です!

そして、Type-C端子はパッドサイズやピッチが非常に小さいので目視チェックだけではどうしても難しくなるため、、これまでは実装後に毎回テスターを使って短絡・ブリッジ箇所がないかの確認を行っていましたが・・・
現在製作中のType-C短絡チェッカーが役立ちました!
Type-C端子以降に回路やパーツが接続された状態でもブリッジ箇所のチェックが行えるため、検証作業が非常にスムーズになりました。

また、Type-C端子のブリッジチェックでは、このようなプラグタイプ(オス型)のブレークアウトボードがあると便利です。
テスターを使った導通確認を容易に行えます。

私は上記を自作しましたが、市販品も多数販売されているので1台持っておくと重宝すると思います。
使用パーツ一覧
今回使用したパーツです。
| パーツ | 定数 | 入手先 |
| LED (0603) | D1 通電LED | AliExpress |
| USB端子 | J1 Type-C(16P) | AliExpress / 秋月電子 |
| 抵抗 (0603) | R1/R2 5.1kΩ R3 2kΩ | AliExpress |
| その他 | ピンヘッダー | ーーー |
最後に!
今回、USB Type-C 16ピンタイプのピッチ変換基板を新たに製作しました。
市販されている変換基板は手軽で安価に入手できますが、自分の用途や作業環境に合わせて設計したボードは、やはり使い勝手が一段と良くなります。
ブレッドボードでの配線のしやすさや電源ラインの取り回し、データラインやCCラインの扱いやすさなど、細かな違いが試作時の快適さに直結します。
設計データが手元にあるわけなので、必要な時にいつでも追加製造出来るのも自作の大きなメリットですね!
1枚あたりのコストも非常に低いため、消耗品としても気兼ねなく使える点も魅力です。
また、前バージョンのボードやフル結線タイプ(24ピン)のピッチ変換基板もこれまで製作しています。
こちらも使いやすいので見て頂ければと思います。


これらとあわせて用途に応じて使い分けられるレパートリーが手元に増え、試作や検証環境がより柔軟に出来そうです。
今後の自作基板製作や評価作業でも、これらボードが活躍してくれそうです!

























コメントを残す