11月26日発売 書籍『わかる!電子工作』にArduinoで動かす4足歩行ロボットを掲載して頂きました!

【電子工作】TP4056充電モジュールを使い18650リチウムイオン電池を充電する方法!

電子工作やラジコンなどのホビー用途でリチウムイオン電池を使う場面は結構あります。
乾電池と比べ、サイズの割に大きな電力を取り出すことが出来る便利な電池となります。
そのため、製作物の駆動用の電源として使うことも多いかと思います。

Arduinoを使った電子工作を普段楽しんでいますが、製作したロボットやラジコンなどを動かす際の電源選びは毎回悩みながら選定している項目の一つです。

最近製作したこちらの4足歩行ロボットでは3関節の合計12台のサーボモーターを制御して動かすロボットとなりますが、安定した電力供給ができる電源が必要で、SG90というマイクロサーボを使っているので重量も重くなりすぎず、できればサイズも小さい電源の方が取り回しもしやすくなります。

乾電池からの電力供給でも問題なく動くのですが、18650などのリチウムイオン電池やリポバッテリーを使うと乾電池よりも大きな電圧を取り出せサイズもコンパクト、重量も軽くすることが出来るため製作物の電源として重宝します。

18650リチウムイオン電池はモバイルバッテリーなどでも使われている充電できるタイプの電池となりますが、乾電池の1.5Vと比べ定格で3.7V(満充電時4.2V)の電圧を取り出すことが出来ます。
単3電池と比べると少し大きいですが、約3倍ほどの電圧を取り出すことが出来ます。

電子工作用途でも使われることが多いこの18650リチウムイオン電池ですが、リポバッテリー同様その取扱には結構気を使います。

過充電させると発熱や発火などの危険性もありますし、過放電させてしまうとすぐに内部のセルがダメになり使えなくなってしまいます。

そんな便利だけど少し取り扱いに注意が必要な18650リチウムイオン電池ですが、電子工作などで製作したものに組み込んで電源として使われる方多いと思います。
その際に電源として使う以外にリチウムイオン電池自体の充電も出来れば便利となりますよね!

今回は18650リチウムイオン電池を安全に使え充電も同時に行えるTP4056充電モジュールをご紹介したいと思います。

TP4056チップの過充電保護に加え保護回路(DW01/8205A)が入っているので、18650などのリチウムイオン電池や1セル リポバッテリーの充電に便利に使えるモジュールとなり電子工作用途で使われている方も非常に多いと思います。

18650リチウムイオン電池 充電モジュール(TP4056)

こちらが18650リチウムイオン電池などで使えるTP4056充電モジュールです。

USB端子から18650リチウムイオン電池を充電する事ができ、また18650リチウムイオン電池から外部に(使用機器に)電力を供給する事も出来る便利なモジュールとなります。

Amazonなどでも1個単価100円くらいで入手出来る安価なモジュールとなりますが、これがかなり優秀なヤツなんです!

使い方は非常に簡単です。
それでは詳しく見ていきましょう。

TP4056 リチウムイオン電池充電モジュール

非常に小さなモジュールですが、18650リチウムイオン電池などを扱う際に非常に便利に使えるモジュールとなります

TP4056モジュールは単一セル(3.7V)のバッテリーを充電出来るモジュールです。
4.2Vの固定電圧を持つバッテリーを充電できるモジュールなのでリポバッテリーなどの充電も可能となります。(モジュール内の抵抗値の変更が必要な場合があります)

TP4056充電モジュール ピン配列

TP4056充電モジュールのピン配置を見ていきます。

入力端子としてUSB端子(今回使用しているものはMicroUSBタイプのものとなります)と[IN+][IN-]端子があります。
18650リチウムイオン電池を充電するための電源を入力する端子となります。
USB端子からの5V入力や[IN]端子に接続した外部電源からの5Vのどちらでも使用できます。

出力側の端子は2系統あります。
まず1系統目が18650リチウムイオン電池を接続し充電するための端子[B+][B-]です。
18650リチウムイオン電池の[プラス]と[マイナス]を接続し、入力側(USB端子)からの電力供給により充電する事ができます。

もう1系統が外部への出力端子(使用機器への給電)となる[OUT+][OUT-]です。
こちらは18650リチウムイオン電池から外部に電力を供給する事ができます。

18650リチウムイオン電池はこの充電モジュールに繋いだままで充電や外部への電力供給が出来るということですね。

電源として使う以外に充電も行うことが出来るので、製作物に組み込むなど電子工作用途では便利なモジュールとなります。
接続も非常に簡単で扱いやすいモジュールとなっています。(画像引用:Amazon)

また、TP4056充電モジュールにはステータス確認用の2つのLED(赤色と青色)が搭載されています。
充電中は赤色LEDが点灯し、充電が完了すると青色LEDが点灯します。

TP4056 & DW01Aチップで二重の保護

具体的な使用例は後ほどご紹介します。(非常に簡単です!)
先にTP4056充電モジュールのボードに搭載されているパーツの構成を簡単に見ておきます。

ボード中央にあるIC(チップ)が充電用のICとなるTP4056チップで、出力側にあるのがリチウムイオン電池の保護ICとなるDW01Aと8205A(MOSFET)となります。
リチウムイオン電池を充電するためのICと保護用のICがセットになったモジュールとなります。

18650リチウムイオン電池には、少し背が高く電池内部に保護回路が内蔵されているタイプのものがあります。
このTP4056充電モジュールにはリチウムイオン電池の保護回路が内蔵されているので、保護回路が内蔵されていないタイプの電池でも安心して使えそうですね。

充電用IC TP4056と保護IC DW01Aチップ概要

このモジュールに搭載されている充電用IC TP4056と保護用IC DW01Aの機能(仕様)はこのようになります。

充電用IC TP4056の機能
  • 過充電の防止(最大4.2V)
  • 充電電流(最大1A)
  • 温度監視機能(オプション扱い)
保護用IC DW01Aの機能
  • 過充電防止
  • 過放電防止(2.4V)
  • 過電流防止機能

リチウムイオン電池の定格電圧は3.7Vとなっていて満充電時で4.2V、終止電圧は2.8Vが電圧特性となっています。

リチウムイオン電池を扱う際に最も注意したいのが過充電です。
本来4.2Vが満充電となるリチウムイオン電池ですが過剰に充電を行うと、発熱や発火の原因となります。
充電用IC TP4056と保護用IC DW01Aの両方に過充電の防止機能が付いているので二重で保護されているようです。

また、リチウムイオン電池は一定電圧以下で放電し続けると内部のセルが一気に劣化し使用できなくなります。
保護用IC DW01Aには過放電防止機能も付いているので、使用による過放電を防ぐことも出来るようになっています。(過放電電圧2.4V)

また過電流の保護機能も付いているようです。

安価なモジュールなのに結構優秀ですね!
TP4056の詳細に関して詳しくは、こちらのデータシートでご確認下さい。

参考 TP4056データシートMicrocontrollerslab.com
MEMO
このTP4056充電モジュールは1セル専用となっています。
直列接続して2本のリチウムイオン電池の充電などは想定されていないようです。
2本直列に繋ぐと過充電となる4.2Vのカットオフ電圧に引っかかり充電ができなくなります。

また並列接続ではカットオフ電圧には引っかかりませんが、それぞれの電池の内部抵抗や劣化具合により特定の電池が発熱したりと・・・2セル以上のバッテリーではバランス充電が必要となりますが、本モジュールの仕様では1セル専用(1本のリチウムイオン電池)となっています。

充電電流について

上記TP4056のデータシートを見ると、モジュール上の抵抗値を変えることにより充電電流を変えることが出来るようです。
初期状態の充電電流は最大となる1Aとなっています。

回路図でRprogと書かれた抵抗があります。

ボード上ではR3にあたり1.2kΩのチップ抵抗が付けられています。

この抵抗を取り外し抵抗値の違うものを取り付けることにより充電電流を変えることが出来るようです。
データシートでは抵抗値に対する充電電流はこのようになっています。

18650リチウムイオン電池で使う場合は特に変える必要はありませんが、例えば容量の小さなリポバッテリーの充電で使いたい場合などで1C充電が基本となるので電流値を下げたい場合で使えますね。

またTP4056 ICには温度監視機能もあるようです。
データシートを見るとTP4056 ICの1番ピンがそれにあたるようです。

サーミスタなどを繋げれば、バッテリーの温度が異常に高くなったりまた低くなったりした場合に充電を停止するなどで使えるようですね。

実際に使ってみる!

安価な割に優秀なモジュールなのでいろいろと書いてしまいましたが、使い方は非常に簡単です。

【使用例①】リチウムイオン電池の充電

まず18650リチウムイオン電池への充電です。
TP4056充電モジュールの出力側端子[B+]と[B-]に18650リチウムイオン電池を接続します。(18650用電池ボックスを使っています)

あとは入力側にUSB端子を接続し給電すれば充電が開始されます。
充電中は赤色LEDが点灯します。
データシートにあるように充電開始時は最大となる1Aの充電電流が流れるのでボードが結構熱くなります。

充電完了時(4.2V)には青色LEDが点灯します。
18650の容量や充電開始時の電圧にもよりますが、私の手元にあったものでは約2時間半から3時間くらいで充電出来ました。
使い方は簡単ですね。

リチウムイオン電池を充電するための専用充電器も持っていますが、18650リチウムイオン電池は電子工作用途で使うことが多くUSB端子からサクッと充電出来れば便利なので、このような18650リチウムイオン電池チャージャーを3Dプリンタで作ってみました。
接続は上記と同じです。
簡単にリチウムイオン電池充電器が作れちゃいますね。
便利なモジュールです!

【使用例②】使用機器への電力供給

次に外部(使用機器)への電力供給で使ってみます。
[OUT+][OUT-]から出力することが出来ます。
18650リチウムイオン電池からの出力なので3.7~4.2Vが出力されます。
この充電モジュールを経由して過放電を防止しながら使用機器への電力供給が行えるので安心ですね!

Arduinoボードへの電力供給で使ってみたいと思います。
Arduinoの駆動には、[5V]端子に5Vを接続するか[Vin]端子に7~12Vあたりの電圧を印加することによりArduinoボードを駆動する事ができます。

【Arduino入門編⑮】Arduino Unoへの電力供給(外部電源)および電源出力端子の使い方!【追記】

TP4056充電モジュールからの出力は3.7~4.2Vとなるので、昇圧系のDC/DCコンバーターを間に挟めばいけますね!

DC/DCを7Vに調整しVin端子に繋げてみました。
ちゃんとArduinoが起動しました。

ステータス確認用LEDの点灯パターン

TP4056充電ボードに搭載されている2つのLED(赤色と青色)の点灯パターンをまとめておきます。
このような点灯パターンになっています。

ステータスLED点灯パターン
充電中赤色LEDが点灯
充電完了青色LEDが点灯
18650電池未接続青色LEDが点灯(赤色LEDが薄く点滅)
エラー時2つのLEDが消灯

入手しやすく使いやすい充電モジュールです!

TP4056は1セル用の充電モジュールとなるので、上記のような18650リチウムイオン電池の充電やマイコンボードの駆動用、小型モーターを動かすなど製作物にも組み込みやすく便利に使えます。

以前このような小型はんだ吸煙機を作ったのですが、サイズを極力小さくしたかったので本モジュールは組み込まずUSB端子からの電圧を昇圧モジュールで上げFANを回す構成としました。
このような製作物で18650リチウムイオン電池を使って駆動し、USB端子から充電もできるといった便利な使い方もできますね!

【3Dプリンタ】縦置き&横置き両対応の小型はんだ吸煙器を作ってみました。これ結構便利です!【STLデータ公開】

TP4056充電モジュールは単体販売のほかにも、今回使った18650用電池ボックスやDC/DC昇圧モジュールがセットになったものも販売されています。

また今回使った充電モジュールはMicroUSBタイプのものですが、USB Type-Cタイプの充電ボードも販売されています。

【追記】オシロスコープキット(DSO150)をバッテリー駆動にカスタマイズしました

便利な充電モジュールなので、オシロスコープキットDSO150に組み込みバッテリー駆動できるようにカスタマイズしてみました。

DSO150単体で駆動することができ使い勝手が非常に良くなりました。
持ち運びも可能なのでハンディータイプのオシロスコープとして使うことも出来ます。
DSO150ユーザーの方は、このカスタマイズ非常にオススメです!

【電子工作】DSO150オシロスコープをバッテリー駆動にカスタマイズ!【STLデータ公開】

最後に!

TP4056充電モジュールは、18650リチウムイオン電池などの充電や使用機器への電力供給も行える便利な充電モジュールですね!

そして使い方は非常に簡単!
安価で入手もしやすく保護回路もしっかりと搭載されているので、電子工作用途などで便利に使えるモジュールです。

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