これまで壊れた?Arduinoボードを修理&復活させる試みをいろいろと試してきました。
正常に動作しなくなったArduinoボードの故障原因は、ソフトウェア的な問題とハードウェア的な問題に分けられます。
ソフトウェア的な問題としてブートローダーやUSB-シリアル変換を行うチップに書き込まれているファームウェアの破損によりスケッチの書き込みやシリアルポートとして認識されないなどがあげられます。
こららは頻繁に起こるものではありませんが、例えばボードの容量(フラッシュメモリ)を超えるスケッチを書き込もうとするとブートローダーまで上書きされてしまう事は稀に起こります。
これらソフトウェア的な問題であれば、ブートローダーやファームウェアを新たに書き込むことによりArduinoを復活させることが出来る場合があります。
そしてハードウェア的な問題としてよく起こるのが電源系統の故障があげられます。
電源ラインにある電圧レギュレータの破損ですね!
Arduinoを使った電子工作を2年ほどやっていますが、これは何度も経験しています。
Arduinoはよく考えられて作られたボードですが特定の間違った接続などをすると破損の原因となります。
Arduinoに搭載されている電圧レギュレータの交換は比較的簡単に出来るので、ボードが起動しない場合やI/O端子からの出力電圧が低すぎるなど安定しない場合は電源ラインにあるパーツの破損が疑われるのでパーツ交換により復活出来る場合があります。
電源系統が破損したArduinoボードをレギュレータチップを交換して修理する!
冒頭でお話したように電源ラインにあるレギュレータチップの破損はArduinoボードに限らず間違った接続をするとよく起こります。
例えばこちらはMB102というブレッドボード用電源ですが、5Vと3.3Vの電源をブレッドボード上に手軽に作ることが出来るので結構便利に使える電源モジュールです。
この電源モジュールを使う際にブレッドボードを間違った向きに差し込んでしまい、ブレッドボードの電源レーンの正負が逆になってしまい破損させてしまったことは何度もあります。
完全に搭載されているレギュレータへ逆電流が流れ破損してしまうパターンですね!
この事はArduinoボードでもよく起こりがちです。
Arduinoを破損させてしまう要因として面白い記事があります。
Arduinoはよく出来たボードですが、特定の間違った接続をすると簡単に破損する原因にもなってしまいます。
電源系統の故障としてレギュレータチップの破損はこれまでArduinoでも何度か経験しました。
Arduinoはボードによって異なりますが、VIN端子やDCジャックからの外部電源がサポートされています。
外部電源はボードに搭載されている5Vレギュレータを通して安定した5V電圧を作り出し、ArduinoのマイコンチップATmega328PやUSB-シリアル変換チップとなるATmega16U2に電源を供給しています。
この電源ラインの3端子レギュレータチップが破損すると、外部電源からの電源供給が出来ないのでArduinoが起動しなかったり、ボードが起動してもI/O端子や5V端子からの出力電圧が極端に低い電圧になったりしてしまいます。
またUSB端子からの給電では起動するものの同様に出力電圧が安定しない場合もあります。
Arduinoの電源供給方法に関しては、こちらの記事でまとめているので合わせて読んで頂ければと思います。
こちらは上記が原因で起動はするもののI/O端子や5V端子からの出力電圧が5Vよりかなり低い電圧になってしまったArduino Nanoです。
外部電源端子となるVIN端子に7V以上の電圧をかけても5V端子やI/O端子からの出力は3V前後となっているため、完全に5Vレギュレータチップの破損が考えられます。
3端子レギュレーターって結構簡単に壊れちゃうんですね!
Arduinoはボードによって電源系統の回路構成は変わってきますが、ほぼ全てのボードで外部電源がサポートされているのでVIN端子やDCジャックからの外部電源には5V出力の3端子レギュレータチップが搭載されています。
Arduino Unoではこのパーツで、本家Arduino UnoではNCP1117ST50T3Gという5V3端子レギュレータが使われています。
またArduino Nanoでは基板背面にLM1117IMPX-5.0というレギュレータが取り付けられています。
電源系統の破損でArduinoが起動しない場合や起動しても出力電圧が上記のように安定しない場合はこのパーツの破損が考えられるので、パーツ交換により復活出来る場合が多いと思います。
Arduinoのボードによって使われているレギュレータチップは異なりますが、UnoやNanoでは1117シリーズのチップが使われています。
代替えチップとして入手しやすいものでAMS1117-5.0があります。
この5Vレギュレータチップは互換Arduinoボードでもよく使われているチップです。
表面実装パーツとなりますが、それほど小さなパーツではないので通常のはんだゴテでも交換作業はそれほど難しくないと思います。
本家Arduino Unoで使われているNCP1117ST50T3Gはデータシートによると入力電圧は最大20Vまで対応していますが、AMS1117-5.0では12Vとなっているなど多少違いはありますが、外部電源としてそれだけ高い電圧で使うことはあまりないと思うので問題にならないと思います。
この5Vレギュレータチップの交換でArduino UnoとNano、そして電源モジュールMB102を復活させることが出来ました!
最後に!
Arduinoボードの電源ラインの破損、特に今回のようなレギュレータの破損はArduinoを使い始めた頃は間違った接続により起こることが多いと思います。
ボードが起動しない、または出力電圧が安定しないなどのArduinoのトラブルは電源ラインの問題が考えられます。
USB端子や外部電源VIN端子からの給電によりArduinoボードの5V端子やI/O端子からの出力電圧が5Vよりかなり低いなどテスターを使えば簡単に調べることが出来ます。
レギュレータチップの破損が原因ならチップ交換により復活出来る場合が多いので参考になればと思います。
コメントを残す