電子工作用途でボタン電池(コイン電池)を扱うことは結構あると思います。
ボタン電池を使ったテスト回路をブレッドボード上で組む際に上手くマウントし電源を取ることが出来るボードがあると便利なことから、以前CR2032やLIR2032ボタン電池をブレッドボードの電源レーンに差し込んで使える電源モジュール基板を製作しました。
市販品では出来ない使い方もできたりと何かと便利なので重宝しています!
そして最近CR1220電池を扱った回路を試作していたのですが、上記CR2032用の電源モジュール基板が便利だったので同コンセプトでCR1220ボタン電池用のブレッドボード電源モジュール基板も製作してみることにしました。
目次
CR1220ボタン電池用ブレッドボード電源モジュール基板の製作!
ボタン電池にはサイズや電圧の違いによりいくつか種類があります。
今回電源モジュール基板として製作するCR1220ボタン電池は、直径が12mm、高さ(厚み)が2.0mmの指先にも乗るほどの小さな電池となり出力電圧は3.0Vとなっています。
リモコンやミニゲーム機などの電池として使われているのをよく見かけるかと思います。
小型で出力電圧が3Vあるので、用途にもよりますが例えばATtinyといったマイコンを駆動するのにも十分使うことが出来ます。
電池容量が少ないので用途は限定されますが、電子回路の駆動電源を小さくすることが出来るので便利に使える場面も多いと思います。
マイコンを使った自作基板の製作などでボタン電池を扱うことが結構あり、そのテスト回路を組む際にブレッドボードに差し込んで使える電源モジュール、特に電源レーンに直接差し込んで使えるタイプのものがあると便利なことから製作してみました。
ブレッドボードの電源レーンに直接電源供給を行う
ブレッドボードで使える電源関係のモジュール基板はこれまでいくつか製作してきたのですが、テスト回路等を組む際にあると何かと重宝します!
そしてブレッドボードでボタン電池を使うための電源モジュール基板はいくつか市販されているようですが、電源レーンに直接差し込んで電源供給が出来るタイプのものは販売されていないようです。
今回CR1220ボタン電池用のブレッドボード電源モジュールを製作したのですが、以前製作したCR2032用のボードの使い勝手が非常に良かったので、ボードサイズやコンセプトはそのまま流用して製作しました。
ブレッドボードの電源レーンに直接差し込んで使えると電源ラインの配線が不要で何かと便利となります。
横にあるジャンパーピンを抜くことで電源レーンへの供給を無効にすることも出来ます。
また電源レーン以外にもう1ヶ所電源供給用の端子を付けています。
こちらも同様にジャンパーピンの抜き差しで有効、または無効にすることが出来ます。
全体の回路構成は非常にシンプルなものです。
830穴と400穴ブレッドボードでは電源レーンが半ピッチズレている!
一般的によく使われる片側5列タイプのブレッドボードには830穴タイプのものとハーフサイズの400穴タイプのものがあります。
この両タイプのブレッドボードの電源レーン部分を比較してみると半ピッチ(2.54mm/2)ズレていることが分かります。
これは設計時にピンピッチをどうするか非常に迷った項目です!
2ヶ所から電源を取れる構成にしているので、使うブレッドボードを限定しないとピンピッチが変わるので使えないということですね!
使い勝手を考え830穴タイプのものに合わせることにしました。
基本的な使い方として830穴タイプのブレッドボードにこのように差し込んで、電源レーンと下部の2ヶ所から電源を取れる構成にしています。
このピッチに合わせたのは片側6列タイプのブレッドボードでも使えるようにしたかったからです。
私がよく使うブレッドボードにサンハヤトさんの『SAD-101 ニューブレッドボード』という片側6列タイプのものがあります。
電源レーンが片側にしか無いのですが、6列タイプなのでESP32といったマイコンボードを使う際に便利なブレッドボードです。
このブレッドボードでも使えるようにピンヘッダーの位置&ボードサイズを調整して製作しています。
またハーフサイズの400穴ブレッドボードで使う場合は2ヶ所同時に電源を取ることが出来ませんが、ブレッドボードの電源レーンで使いたい場合は上部のみピンヘッダーを取り付ける、または下部のみにピンヘッダーを取り付ければブレッドボード上の好きな位置に差し込んで使うことが出来ます。
この構成は、以前同コンセプトで製作したCR2032用の電源モジュール基板で使い勝手が良かったのでそのまま採用しました。
ピンヘッダーの取り付け方法を変え2ボード製作しておけば、想定出来る使い方にほぼ対応出来ると思ます。
JLCPCBに基板発注
基板の発注はJLCPCBを使いました。
基板製作料金(5枚)と送料(OCSを選択)を合わせて500円ほどで製作することが出来ます。
基板データ(ガーバーファイル)をダウンロード出来るようにしておきます。
何かの参考になればと思います。
CR1220 Bread Board Holder(Gerber)
発注項目の選択はこんな感じです。
デフォルトで選択されている項目で発注すれば問題ありませんが、基板製造時に任意の位置に入ってしまう製造番号を基板裏の目立たない位置に入るように指定しています。
基板裏のこの位置に製造番号が入るように指定しています。
配送方法はOCS NEPを選択すればトータル500円ほどで製作することができ、発注から10日ほどで手元に届きます!
JLCPCBでは他社と比べ圧倒的に安く基板を製造してもらうことができ、安価な送料にも関わらず到着が早くて毎回助かっています!
JLCPCBの基本的な基板発注方法に関してはこちらの記事で詳しく紹介しています。
あわせて見て頂ければと思います。
電池ボックスやピンヘッダー、スイッチの取り付けだけなのでパーツの実装は簡単に出来ると思います。
使用パーツ一覧
今回使用したパーツ一覧です。
CR1220電池ホルダー | Amazon / AliExpress / 秋月電子 |
スライドスイッチ (6P DPDT 2.54mmピッチ) | AliExpress / 秋月電子 |
ジャンパーピン | Amazon / AliExpress / 秋月電子 |
最後に!
以前製作したCR2032用のブレッドボード電源モジュール基板の使い勝手が良かったので、同様のコンセプトでボードサイズや構成等を合わせたCR1220用の電源モジュールを製作してみました。
CR2032用よりサイズを小さくすることも出来たのですが、先述のように400穴タイプや830穴タイプ、また片側6列タイプのブレッドボードでの使用を考えるとこのボードサイズがベストだと思います。
同様なボタン電池用の電源モジュールは安価で販売もされていますが、ブレッドボードの電源レーンに直接差し込んで使うことも出来れば使い勝手もよく便利だと思います。
同構成のCR2032用電源モジュールの方は、こちらの記事を見て頂ければと思います。
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