電子工作用途でボタン電池(コイン電池)を扱うことがこれまで何度かあり、ブレッドボードでテスト回路を組む際にCR2032やLIR2032を上手くマウント出来る小さな電源モジュールがあると便利なのに・・・と前々から思っていました。
もちろんスルーホールタイプの電池ホルダーを使えばこのように直接ブレッドボードに差し込んで使うことは出来るのですが、抜けやすいため接触不良なども結構起こりやすく、そして電源スイッチもあった方が便利ですよね!
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いくつか市販されている製品もあるようですが、ブレッドボードで使うなら直接電源レーンに差し込んで電源供給を行えると便利です。
・・・という事でブレッドボードでCR2032やLIR2032ボタン電池を使うための電源モジュール基板を製作してみました!
目次
CR2032 / LIR2032 ブレッドボード電源モジュールの製作!
ボタン電池には12mmや16mmなどサイズがいろいろとあるのですが、よく使われるものにCR2032電池があります。
電化製品のリモコンなどでよく使われている直径20mmで高さが3.2mmの丸くて小さなボタン電池ですね!
小型で出力電圧が3Vあるので使用するマイコンチップなど用途によっては回路の駆動電源を小さく出来るので便利に使えます。


またCR2032と同サイズのものに充電出来るタイプの二次電池としてLIR2032があります。
CR2032とLIR2032はどちらもサイズが同じなのでほぼ同じ用途で使用できますが、電圧特性が異なっています。
LIR2032はリチウムイオン電池なので3.7V(満充電時4.2V)とCR2032とは扱う電圧範囲が変わってきます。
今回これら2032サイズのボタン電池CR2032やLIR2032をブレッドボードで使うための電源モジュール基板を製作してみました。
CR2032やLIR2032電池を使うための同様なモジュール基板はいくつか市販されているようですが、ブレッドボードの電源レーンに直接差し込んで電源供給も出来るタイプのものは販売されていないようです。
このようなブレッドボードの電源関係のモジュール基板はこれまでいくつか製作してきましたが、ブレッドボードを使ったテスト回路を組む際に電源レーンに直接電源供給が出来るものがあると非常に便利に使えます!


電源ライン
コンセプトはこんな感じです。
ブレッドボードの電源レーンに直接差し込んで使うと電源ラインの配線が不要で電源供給が出来るので何かと便利だと思います。
またボード下部にも電源ラインを作りこちらからも電源を取れる構成にしています。
この上下2ヶ所の電源ラインは横にあるジャンパーピンを抜くことで無効にも出来るようにしています。
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回路構成はこのような非常に簡単なものです!
830穴と400穴ブレッドボードでは電源レーンが半ピッチズレている!
一般的によく使われる片側5列タイプのブレッドボードには830穴とハーフサイズの400穴のものがあります。
そしてこの両タイプのブレッドボードの電源レーンを比べてみると半ピッチ(2.54mm/2)横にズレています。
これは設計時に困った項目でした。
上下2ヶ所のピンヘッダーの位置がボードによって変わってしまうということですね!
使い勝手を考え830穴タイプのものにピッチを合わせることにしました。
基本的な使い方として830穴タイプのブレッドボードでこのように差し込んで2ヶ所から電源を取れる構成にしています。
ハーフサイズのブレッドボードで使う場合では半ピッチずれるので、電源レーンに差し込んで使いたい場合は下部の電源ラインに接続するピンヘッダーを取り付けずに使用するか、または下部の電源ラインのみを使用する形になります。
また私がよく使うブレッドボードにサンハヤトさんの6列タイプのものがあります。
幅広なのでESP32開発ボードを使う際などで便利に使えるブレッドボードです。
このブレッドボードでも上下2箇所で電源が取れるように基板サイズを調整しています。
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基板発注(JLCPCB)
基板の発注は今回もJLCPCBさんにお願いしました。
基板製作料金および送料を合わせて500円程度(基板5枚の料金です)で製作することが出来ます。
他社と比べてトータルコストが圧倒的にお安く出来るのでオススメです!
基板データ(ガーバーファイル)をダウンロード出来るようにしておきます。
何かの参考になればと思います
またJLCPCBでの基板発注方法に関してはこちらの記事で詳しく解説しているので合わせて読んで頂ければと思います。

小さな基板なので基板製造番号のシルクが任意の位置に入ると見た目が悪くなるので、上記基板データでは追加料金無しで製造番号が基板裏の目立たない位置に入るようにしています。
基板発注時に以下項目にチェックを入れておくと、JLCPCBでは製造番号を無料で指定位置に印刷する事が出来ます。
送料区分はOCS NEPを選択しトータル500円ほどの基板となりますが、発注から8日ほどで手元に届きました。
JLCPCBさんはいつも早くて安い、基板の試作では毎回助かっています!
使用パーツ一覧
使用パーツの一覧です。
使用パーツ一覧 | |
CR2032電池ホルダー | AliExpress |
スライドスイッチ(6P DPDT2.5mmピッチ) | Amazon / AliExpress / 秋月電子 |
ピンヘッダー & ジャンパーピン | Amazon |
LIR2032充電モジュール基板の製作
今回製作した電源モジュール基板はCR2032電池とLIR2032電池の両方が使えます。
製作当初はLIR2032で使う場合に充電も出来るように充電回路も組み込んでいたのですが・・・
ブレッドボードで使うことを大前提としているので基板サイズが大きくなると使い勝手が悪くなるのと、充電時に間違ってCR2032電池を使ってしまったりとミスがあると危険なので、LIR2032充電用のモジュールは別基板として製作することにしました。
こちらも後日詳しくご紹介できればと思います。(追記しました)

【追記】CR1220用ブレッドボード電源モジュールも製作してみました!
CR2032ボタン電池用ブレッドボード電源モジュールの使い勝手が良かったので、同コンセプトでCR1220用ボードも製作してみました。

最後に!
このようなブレッドボード用の電源モジュールがあるとテスト回路を組む際に何かと便利ですね!
特にCR2032のようなボタン電池を使ったテストでは、このようなボードが無いと上手くブレッドボードにマウントするのが難しいので必須だと思います。
同様な市販されているモジュールもありますが、ブレッドボードの電源レーンに直接差し込んで使うことも出来るタイプのものは販売されていないようなので製作してみたのですが・・・やはり便利です!
















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