11月25日発売 書籍『Arduinoと3Dプリンタでロボットを作ろう』を出させて頂きました!

PCBWayの透明レジン『UTR-8100』はPANTONEカラーを指定して染色(Dyeing)が出来る!超綺麗なケースに仕上がりました

基板製造を主力とするメーカーで、3Dプリントサービスを提供されるところが最近増えてきました。

PCBWayもその一つとなり高品質な基板製造で知られるメーカーですが、3Dプリントパーツの製造やCNC加工、板金加工など多くのサービスを展開されています。

PCBWayの3Dプリントサービスでは、扱われているマテリアル(材料)の種類が多く、さらにカラーオプションや表面仕上げなどの選択肢も非常に豊富です。

現在製作中の自作ゲームエミュレーター用の基板をPCBWayに製造依頼した際に、3Dプリントしたケースも一緒に発注しました。
イメージしているのは、半透明のスケルトンカラーのケースです。

PCBWayでは、透明レジン(UTR-8100)に色を付けるDyeing(染色)というオプションを選択することが出来ます。

PANTONEカラーで色味を指定することが出来るので、膨大なカラーサンプルからCADのレンダリングイメージに近いカラースケルトンケースが作れそう・・・

ということで試してみたのですが、予想を上回る出来に正直ちょっと感動してしまいました!

PCBWaayの透明レジン『UTR-8100』の染色(Dyeing)を試してみる!

以前、PCBWayを利用してUSBハブ機能が付いた自作テンキーパッドを製作したことがあります。

その際に初めて利用してみた同社の3Dプリントサービスのテストも兼ねて、スプレー塗装したケースと透明レジンにカラー指定して染色したケースも作ってみました。

その仕上がりはとても綺麗で、自宅の3Dプリンタでの試作パーツと比べ完成度が一気に高まり製品のように引き締まった印象になりました。

お気に入りのガジェットとして作業デスクで愛用しています。

【自作キーボード / 電子工作】4ポートUSBハブ機能を持ったテンキーパッド『NumDock』を製作しました!

PCBWayの3Dプリントサービスでは、スプレー塗装メッキ処理染色といった表面仕上げオプションが多数用意されています。

またカラーバリエーションも非常に豊富で、標準で用意されているよく使われる一般的な色以外に、PANTONEカラーコードを指定しお好みの色を使いスプレー塗装やレジンの染色といったことが出来るので、その組み合わせは膨大になりそうです!

前回製作したケースが予想以上に良かったので、今回はその流れで自作ゲームエミュレーター用のカラースケルトンケースを新たに製作してみることにしました。

果たしてどこまでイメージ通りの色味や透明感が再現出来るのか・・・
一度試しているのでその仕上がりに関しては十分分かってはいるのですが、それでもやはり今回もどんな風に仕上がってくるのか楽しみです!

CADで色味を確認

RP2350を使った自作ゲームエミュレーターの製作を考えていて、ブレッドボードでのテストも終えました。
せっかく形にするので、ゲーム機っぽいイメージでモデリングしてみたのですが・・・

以前試したPCBWayの透明レジンを使えば綺麗なカラースケルトンケースとして仕上げることが出来そうで、レンダリングイメージに合う市販されているゲーム機のような可愛いものが作れそうです!

PCBWayの3Dプリントサービスでは、UTR-8100という透明レジンが扱われています。
さらに表面仕上げのオプションとして、色を付けカラースケルトン仕様に出来るDyeing(染色)というオプションも用意されています。

標準で用意されている一般的によく使われるベーシックなカラー以外に、PANTONEカラーコードを指定して色味を付けることが出来ます。

PANTONEカラーとは、世界で使用されている色見本帳のひとつで、印刷やデザインといった製造工程の色指定を行う際に使用されるものです。

色見本なので膨大なカラーが用意されているわけなので、CADのイメージに近い色味のものも当然再現出来ることになります。

PCBWayの色見本サンプルが紹介されたページにも多数掲載されています。(下写真はごく一部です)

参考 PANTONE - High GlossPCBWay 参考 PANTONE - MattPCBWay

3D CAD上でもPANTONEカラーコードを指定すればレンダリング画像で確認することが出来ます。
完成品のイメージをするために、色味を変えいくつかCAD上で試してみました。
一気にゲーム機っぽくなりましたね!

今回エメラルドグリーンをイメージしていて、さらに内部の基板や電子パーツなどが映えるように少し色味を薄くしたPANTONE 360Cを指定して、グリーンスケルトンケースになるように発注してみました。

PCBWayさんのサンプルカラープレートでは、この色味になるものです。

PCBWayに発注

PCBWayでの発注方法も少し見ておきます。

3Dモデルデータ(STL / STEP / OBJ等)をPCBWayのサイトにドラッグ&ドロップしてアップロードします。

今回製作したケースは、透明レジンUTR-8100(transparent)をベースにしています。
ベース料金は18.28ドルとなり、無色の透明ケースとして仕上げるだけならお手頃価格です!

選択する材料により変わってきますが、UTR-8100では表面仕上げ(Surface finish)オプションが一つ用意されています。

Dyeing(染色)という色を付けるオプションです。

MEMO
選択する材料により複数オプションが用意されているものもあります!

標準で用意されている色味を選択する以外に、[Custom Color]で任意のPANTONEカラーコードを入力して色味を指定することも出来ます。

先程のベース料金にオプション料金が追加されて表示されます。

MEMO
標準カラー or PANTONEカラーコードで指定、ともに追加されるオプション料金は変わりません!

マテリアル(材料)やオプションとなる色の指定は以上です。
ここからカートに入れて発注へと進みます。

PCBWayの3Dプリントサービスの利用方法は、こちらの記事でもまとめています。
あわせて見て頂ければと思います。

【PCBWay】PCBWayの3Dプリントサービスを試してみました![スプレー塗装・透明レジンの染色]

3Dプリントパーツの到着

発注後、データのレビューが行われ問題が無ければ製造に進みます。

UTR-8100は素材の特性もあってか、他のマテリアルと比べると製造には比較的時間がかかります。
サイズにもよりますが、今回のモデルでは約8〜9日程度の製造完了予定となっていました。

配送方法にOCSを選択し発注からちょうど2週間で手元に届きました。

そして実物を見てまず驚いたのがその美しさと完成度です。

非常に綺麗な仕上がりで、正直感動しました!

表面・裏面ともにサンディング処理が施されているようで表面はツルツル、サポート材の跡といったものも一切なく、アクリル成型品のような滑らかな透明感あるカラー仕上げのケースになっていました。

今回トップケース・ボトムケースをそれぞれ2mm厚ベースで設計し、同じ色味(PANTONE 360C)で製造してもらっています。

トップケース側はボタンや内部に仕込むラバー、ディスプレイ等の関係で一部壁厚を薄く設計している部分があるためか、比べてみると同じ色指定でも厚みによって若干色味(見え方)が異なるという発見もありました!

特にトップケースの薄い部分では、やや色味が淡く感じられ、厚みの違いによる染色の濃淡の変化がよく分かります。

「厚みが増すほど色も濃くなる」当たり前の話ですが、実際に手に取ってみてまさにそんな印象を受けました。

透明レジン + 染色ならではの面白さでもあり、また別パーツ(異なるライン)として製造されていると思うのでそのあたりで若干色味も変わってきているのかな?とも思います。

最後に!

PCBWayの3Dプリントサービスで提供されているUTR-8100は、レジン系マテリアルの中では高価格帯に位置する素材ですが、表面仕上げの美しさや色味の再現度などを考えると、その価格に見合うだけの価値があると思います。

実際に届いたパーツも、CADのレンダリングで描いたイメージに近い仕上がりで、色味や透明感の再現性の高さには驚かされました!

透明仕上げだけでなく、今回のようにPANTONEカラーを指定して色味を付けることも出来るUTR-8100は非常に魅力的な素材ですね。

プロトタイプの完成度を一段引き上げたいときや、ビジュアルにもこだわりたいプロダクト制作において重宝しそうです!

そして本題であるゲームエミュレーターとしてはまだ完成に至っていないものの、こうしてイメージ通りの外装が手元にあると完成へのモチベーションも一気に高まりました。

ケースひとつで作品の見え方や気分なども大きく変わるものですね!
製作が無事完了したら、こちらも記事を追記しておきます。

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