試作やテストでよく使われるタクトスイッチをブレッドボードにそのまま挿して動作確認すること多いと思いますが、
「なんだかすぐ抜ける」「押しても反応が悪い」「接触が不安定…」
そんな経験をしたことはないでしょうか?
ブレッドボードでのテストでは、6mmタイプ(6mm×6mm)や12mmタイプ(12mm×12mm)の4ピンタクトスイッチがよく使われると思います。
一応ブレッドボードにそのまま挿すことも出来るのですが、2.54mmピッチでは作られておらずピンピッチが若干異なるため、特に6mmサイズの小型スイッチでは足の保持力が弱いため抜けやすく、また接触不良なども起こりやすくなります。
テストで複数のスイッチが必要な場合、12mmタイプはブレッドボード上で場所を取りすぎてしまいその配置方法も限られてしまいます。
そのため、より多くのスイッチをコンパクトに並べる必要がある場合は6mmタイプのスイッチを使うことが多くなると思います。
しかし先述の通り、6mmスイッチはブレッドボードにそのまま挿すには不向きで使い勝手があまりよくありません。
そのような理由から、ブレッドボード上で安定して使えるようにタクトスイッチ用(6mm角タイプ)のピッチ変換基板を自作してみました!
うん、このアイデア大正解だわ👌
好きな所にタクトスイッチ配置出来て、絶対抜けない…今後便利に使えるわ、これ🤤 https://t.co/nTwtyIAG8l pic.twitter.com/XZ1g6k7HQL
— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) June 18, 2025
基板を介することでスイッチ1個あたり横幅が1ピッチ分だけ大きくなってしまいますが、これはピッチ変換基板として作れる最小サイズになります。
基板の小型化にも配慮し、しっかりと固定されて抜けにくく接続も安定する構成で作ってみました。
また、接点の位置を通常のタクトスイッチとは異なり対角に配置することで配線の引き回しがしやすくなり、ブレッドボード上でのレイアウトの自由度も向上しました。
目次
タクトスイッチをブレッドボードで快適に!ピッチ変換基板を作ってみました
ブレッドボードのテストでよく使われるタクトスイッチは、一般的に6mm角タイプと12mm角タイプのものだと思います。
12mmタイプのタクトスイッチをブレッドボードで使う場合では、サイズ的な問題でどうしてもセンターをまたぐ設置方法になってしまいます。
ある程度多くのスイッチが必要になる場合ブレッドボードを大きく占有してしまい、その配置の自由度は低くなってしまうことから6mm角タイプの物を使うことが多くなります。
しかし6mmタイプのタクトスイッチをそのままブレッドボードに取り付けると、冒頭でお話したように抜けやすく接触不良も起きやすくなってしまいます。
そこでブレッドボードで安定して使うためにピッチ変換基板を探したのですが、販売されているものではコンパクトで配置の自由度が高いものが無かったので自作してみることにしました!
タクトスイッチの基本
簡単にタクトスイッチの構造を見ておきます。
タクトスイッチの4本足は内部でこのように繋がっています。
つまり、スイッチとして機能させるには以下のように配線を接続する必要があります。
スイッチが押されると赤線部分が繋がり、導通することになります。
下側の足を使い接続しても同様です。
また斜めに接続して使うことも出来ます。

ボードコンセプト & 基板設計
ブレッドボードで使用するものなので、ピッチ変換基板としてはなるべくコンパクトに作りたいところです。
6mmタクトスイッチだと、ブレッドボードのピッチ(2.54mm)で4×3ピッチが取れる最小ピッチとなります。
ピンヘッダーのハウジング部分の厚みもあるので、ボードとして作れる最小サイズは12.70mm×7.62mmということになります。
今回この最小のボードサイズで製作することにしました。
タクトスイッチ単体の時と比べると横方向に1ピッチ分大きくなりますが、ブレッドボードへはピンヘッダーで固定出来るので安定性は格段に向上し、接触不良なども起きにくくなると思います。
そして上記のような通常のタクトスイッチと同じ接続方法ではなく、配置の自由度を上げるために接点を対角に配置しました。
白マークのシルクが入った部分がスイッチとしての接点となります。
対角に配置することによりブレッドボード上での配置の自由度が高くなります。
最適解かな🤤 pic.twitter.com/UDVgRIqUKF
— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) May 28, 2025
例えばこのような配置にしても各スイッチの接点にワイヤーを差し込めるので、単体でスイッチを使う場合よりも専有面積は1ピッチ分大きくなっていますが、そのサイズを補う自由度を確保しつつ安定性もアップします。
また、私がよく使うブレッドボードにサンハヤトさんの6列タイプのブレッドボードがあります。
6列タイプを使う場合は、縦方向に配置してもワイヤーを挿すスペースも確保出来るのでさらに自由度が上がります。
ブレッドボード上に配置された他のパーツとの兼ね合いもあるので、マウントする向きを変えることも出来るので便利です!
テスト回路を組む際に、例えばこのようにコントローラーを模した実際のスイッチ配置に並べたいといった場合などでも便利に使えると思います。
JLCPCBに基板を発注
基板の発注は、JLCPCBを利用しました。
基板データ(ガーバーファイル)をダウンロード出来るようにしておきます。
興味ある方はぜひ!
JLCPCBでの発注項目も見ておきます。
特記すべきところはありませんが、基板製造時に任意の位置に入ってしまう発注番号は現在無料で削除することが出来ます。
小さな基板なので余計なシルクプリントが入ってしまうのを避けるため、[PCB上のマーク]は[マーク除去]を選択して下さい!
あと本ボードは12.70mm×7.62mmと非常に小さな基板となるため、[デバリング/エッジの丸め]の項目は[はい]を選択しておくといいと思います。
小型ボードの場合フライス加工後にバリが発生しやすくなり、その除去に対する追加オプションとなります。
製造する基板枚数により変わってきますが、僅かな追加料金となり届いた基板は綺麗に製造されていたので、選択しておくのをおすすめします。
あと欲しい数にもよりますが、かなり小さな基板サイズとなるため面付けで発注すると15ドルほどの追加料金がかかってしまいます。
JLCPCBでは単体基板の1辺のサイズが15mm以下の場合、製造の難易度が上がるため面付けを行うと追加料金がかかってしまいます。
欲しい数により単体基板で発注?または面付け依頼をする?と発注方法が変わってきますが、必要な数が50枚以下なら単体基板として発注した方が料金はお安くなると思います。
私はテスト用途で20個ほどあれば十分なので、今回単体基板として30枚発注しました。
単体基板として30枚発注した場合の料金は、製造料金と送料(OCS NEP)を合わせても6.6ドルほどとなります。
非常にお安いですね!
パーツの到着・実装
発注から8日ほどで基板が手元に届きました。
30枚発注していましたが、なぜだか40枚近く入っていました。(サービスかな?)
6mmタクトスイッチで設計出来る最小サイズで基板を設計したのでパッドとのクリアランスが結構狭いのですが、問題なく綺麗に製造されていました。
パーツの実装は、タクトスイッチとピンヘッダーを取り付けるだけなので簡単です!
一般的に6mm角タクトスイッチは5mm高(PCB面からスイッチトップまでの高さ)のものが多いのかな?
私の使用感では、少し背が高い8mm高のものがブレッドボードとの相性が良さそうだったので、8mm高のタクトスイッチを取り付けました。(これはお好みで!)
タクトスイッチは何かとよく使う使用頻度の高いパーツなので、このようなセットモノがあると便利です。
以上で完成です!
最後に!
ブレッドボードでタクトスイッチを使う時の抜けやすさや接触不良などのちょっとした不満・・・
今回作ったピッチ変換基板は、そんな問題を解消しつつ、配線のしやすさやレイアウトの自由度も高めることが出来たと思います。
ブレッドボード上でのタクトスイッチの取り扱いを快適にしてくれる小さな便利アイテムとなり、ちょっとした工夫ですがスイッチの配置や配線がしやすくなり、テストや試作でのストレスも軽減されると思います。
見た目もスッキリして扱いやすいので、今後活用していきたいと思います。
















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