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【電子工作】エンジニア はんだ吸取器 SS-02。コンパクトで吸引力が高く、はんだ作業で便利に使えます!

はんだ作業の際にあると便利な道具を以前ブログ記事としてご紹介しました。
一般的な電子工作用途でのはんだ作業では、これくらいのアイテムがあると作業もしやすく便利だと思います。

【電子工作】はんだ作業にあると便利な必須アイテムたち!

そしてブログ記事を読んで頂いた方から、『エンジニアのはんだ吸取器 SS-02もあると便利だよ!』といった内容のメールを頂きました。

エンジニア はんだ吸取器 SS-02をおすすめして頂いたのですが、実はこの製品の存在自体は以前から知っていたのですが、実際に使えるのか疑問だったのでこれまで購入には至っていませんでした。

こちらがエンジニア SS-02 はんだ吸取器ですが、非常にコンパクトな手動式のはんだ吸取器となります。(約15cm)
使用の際にレバーを押し込んでセットして、上部のボタンを押すと内部のスプリングの力によりはんだゴテで溶かしたはんだを一気に吸い込むという至ってシンプルな構造のものです。

この手のはんだ吸取器は学生時代によく使っていましたが、吸引力があまり強くなくはんだ吸い取り線を使って仕上げる必要があるといったイメージを持っていました。
また海外製の安価なタイプのものも買ったことがありましたが、やはり同じ感じでした。

そんな事からこの手動タイプのはんだ吸取器は使うことがなかったのですが、エンジニアさんのSS-02は吸引力が強く非常に良く出来た製品のようですね!
コンパクトなので片手でセットできるのもグッドです!

以前買った500円程で買える中華製のものと比べると全く吸引力が違いました。
かなり強力に吸い取ってくれ、スルーホールも一発で貫通させることが出来ます!

コンパクトなので、はんだ作業のお供として非常にいいアイテムだと思います。

エンジニア はんだ吸取器 SS-02

こちらがエンジニアのはんだ吸取器 SS-02です。
SS-01からシリンダ容量がアップした改良版のようですね。(5cc→9cc)
はんだを吸い取る先端部分のパーツが密着性の高いシリコンチューブに変更されています。
お問い合わせメールに便利だというコメントを頂いたので試しに購入してみました。

手動式のはんだ吸取器に関してはこれまであまり良いイメージを持っておらず、はんだ吸取り線を使った方が確実、そしてこのタイプのものを購入するなら白光さんなどが販売している少し高価になってしまいますが電動タイプの物を使った方がいいのかな?なんていうイメージを持っていましたが・・・、実際に使ってみるとこれがかなり便利なんです。

昔使っていたものよりかなりコンパクトなサイズとなっています。
ボディーサイズはレバーが伸びた状態で約15cm、はんだ作業中に持っているはんだゴテを置かなくても片手でレバーを押し込むことが出来るサイズ感です!

このサイズ感は使いやすく、片手でセットできるのは非常に便利です。
そしてさすが国産品、エンジニアさんの製品ということで製品クオリティーは非常に高い印象を受けます。
金属ボディーの感触は良く高級感があります!

本体は上下ネジ形状になっており簡単にバラす事が出来るので、内部の清掃もしやすい構造となっています。
そして先端に取り付けるシリコンチューブとゴムパッキン、内部のOリング以外は全て金属製となっています。(アルミ製かな?)

MEMO
取説には上部のピストンユニットは分解しないようにという注意書きがあります。
しかし内部に付着したはんだカスにより正常に動かなくなってしまう時があり、この部分も分解&メンテナンスした方がいい場合もあるので後述します。

付属品として交換用シリコンチューブが1本付属(5cm)しています。
先端に取り付けるシリコンチューブは直接はんだゴテのコテ先が接する部分なので、熱による劣化等により定期的に取り替えが必要な消耗品となっています。
付属のシリコンチューブを適度な長さにカットして交換することが出来ます。

使用方法

使い方は簡単です。
レバーをカチッと固定される位置まで押し込みます。
何気にこの作業を片手で出来るのは便利でグッドなサイズ感ですね。(スプリングは少し硬いですが)

あとは上部に付いているボタンを押すとスプリングの力で内部の密閉された空間に溶けたはんだが一気に吸い込まれるという構造になっています。

ポイント
本体サイズはコンパクトなのに吸引力はかなり強力、そしてレバーを押し込む操作が片手で出来るのは非常に使い勝手が良い!

以前購入した中華製のものはレバーを押し込む際に両手を使う必要があり、一旦はんだゴテをコテ台に戻してからレバーを押し込み、そして再びはんだゴテを持つといった作業が必要で効率が悪いものでした。

はんだゴテではんだを溶かしながらこの作業を行いますが、付属のシリコンチューブは柔らかく密着性が高くなっています。
密閉された状態となるので吸引力を維持する事ができ、上手くはんだを吸い取ることが出来るようになっています。(コツがつかめると綺麗に除去出来ます)

そして次に使う際にレバーを押し込むと先端から内部に吸引されたはんだカスが排出されるようになっています。
数回作業しただけで結構な量はんだカスが出てきます。

作業の際にゴミ箱や小さな容器などを作業デスクに用意しておかないと結構大変です!

MEMO
吸引したはんだカスはレバーを押し込むと排出されますが、定期的に内部清掃をしないとレバーが押しにくく定位置まで押し込めなくなる場合があります。

先端のシリコンチューブは交換が可能

付属シリコンチューブは柔らかく密着性が高いので作業はしやすくなりますが、消耗品となるので定期的な交換が必要となってきます。

付属のSS-02専用シリコンチューブの耐熱温度は製品ページには350℃と記載されています。
コテ温度は作業用途によって変わってきますが、通常の電子工作で行うはんだ作業では問題ないと思います。

ちなみにコネクタの金属足部分やベタ塗りGNDなどは熱が逃げやすいのでコテ先の温度を高く設定する場合がありますが、白光のFX-600で420℃に温度設定して使ってもシリコンチューブが溶けるようなことはありませんでした。

この温度でも溶けることがないので安心して使えますが、熱による劣化や変形、断面の裂けなどは当然使用により発生してくるので定期的な交換が必要となります。

SS-02専用のシリコンチューブが本体に1本付属しています。
これを適度な長さに(数mm)カットして使いますが、5cmの長さがあるので結構な回数使えます。

また、この交換用シリコンチューブはオプション品としても販売されています。
安価な価格で消耗品も入手しやすいので、製品としては安心して使えますね!

定期的な内部清掃が必要

シリコンチューブの密着性が良く、そして吸引力が結構強力なので電子パーツを外す際に便利に使えます!
そしてスルーホールも綺麗に貫通させることが出来ます。

はんだ吸取り線を使う場合、スルーホール内にはんだが残ってしまい綺麗に貫通させることが出来ない事はよくあります。
先の細いコテ先を使い直接スルーホールに挿し込みながらはんだ吸取り線で吸い取る・・・なんて事をよくやっていましたが、吸引力が高いので上手くコツがつかめると一発で綺麗に貫通させることが出来ます。

吸引力が弱い製品だとこれがなかなか上手くいかない事からこのタイプのはんだ吸取器を使わなくなったのですが、エンジニアさんのこの吸取器はかなり優秀です!

国産の他社製品(ホーザンや白光など)と比較したわけではありませんが、製品として申し分なく、はんだ作業のマストアイテムとなりました。
ほんと綺麗にスルーホールを貫通させることが出来ます。

そして面倒なポイントをあげるとしたら、定期的な内部清掃が必要となることです。
使用時にレバーを押し込むと前回除去したはんだカスは自動的に排出される構造にはなっていますが、完全には排出しきれなく使用回数とともに徐々に内部に溜まっていきます。

本体内に残ったはんだカスによりレバーが定位置まで押し込めなくなったり(カチッと固定されます)、レバーの動作が重くスムーズに動かなくなることがよく発生します。

以前、こちらの自作基板のピンヘッダーの色を間違えて取り付けしてしまい取り外しを行ったのですが、15ヶ所くらい連続ではんだ除去をしていると上記のような症状が出てきました。

構造上これは仕方がないのですが、大量にはんだの除去が必要な場合には不向きかもしれません!

本体内部の分解清掃は簡単に出来るようになっています。

円筒内部やスプリングに付着したはんだカスは、ケバケバが出にくいキムワイプなどを使って拭き取ればいいと思います。
ノズル先端内部に付着したカスも綺麗に除去しておきます。
この残りカスによりレバーが押し込めなくなる場合がよくあります。

そして本体上部のピストンユニットは分解しないようにと取説には書かれていますが・・・どうしてもレバーが押し込めなくなる場合は分解&清掃を行う必要があります。

使用回数が多くなるとピストンのOリング部分にはんだカスが付着して、これにより動きが重くなったり最終位置までノズルを押し込むことが出来なる場合があります。

これを除去し、密閉性を保つためにグリスを塗っておけば購入時のようにスムーズに動いてくれるようになります。
また、先端のゴムパッキンにも同様に塗っておくと吸引力が維持できます。

どのようなグリスが最適なのかはよく分かりませんが、ゴムパッキンなのでシリコン系のグリスが傷めずに良いのではないでしょうかね?
手元にあったタミヤのグリスを使っています。

CRC(556など)を使ってもいいと思います。
これらをゴムパッキン部分に少量塗っておくと購入時のようになめらかにノズルを押し込むことが出来ます。

MEMO
556など粘性が弱いものは付けすぎると作業中に先端からタレてくるので注意が必要です!

最後に!

エンジニア製のSS-02はんだ吸取器を教えて頂き、はんだ作業のマストアイテムとなりました。
慣れればスルーホールの貫通やパーツの取り外しも一発で出来るので、これは便利ですね!(表面実装パーツには向いていないです)

調べてみると白光さんやホーザンさんなど他の有名メーカーさんも同様なタイプのはんだ吸取器を販売されているようですね。

エンジニアさんのSS-02は金属ボディーでコンパクトサイズなので使い勝手が良く、はんだ作業であると便利なアイテムになるかと思います。

定期的に内部清掃を行わないとスムーズに可動しなくなったりと手間がかかる部分もあるので、大量にはんだ除去がしたいなどの用途にはあまり向かないように思いますが、このタイプのはんだ吸取器として吸引力は申し分がないくらい強力なので便利に使えます。

白光さんの電動タイプのはんだ吸取器は結構高価なのではんだ除去作業のためだけに購入するのは少しためらわれますが、一般的なはんだ作業で行う失敗時やパーツの変更などちょっとした除去では便利に使え作業効率も上がる良い製品だと思います。

便利に使えるいい製品を教えて頂きました!

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