KiCadを使った基板製作を始めて半年ほどが経ちました。
KiCadはバージョン6から使い始めたため以前のバージョンの事などあまりよく分かりませんが、早くもKiCad7.0がリリースされましたね!
KiCad6での操作等にもようやく慣れてきた段階でKiCad7.0へのメジャーアップデートを行うのはKiCad初心者としてはトラブルなど起こることが想定されるためアップデートには躊躇していました。
そしてKiCad6で設計していた基板も全て製作し終わり一段落したので、KiCad6からKiCad7へのアップデートを行ってみました。
自作したシンボルやフットプリントライブラリの移行が自動的にうまく行われずインポートし直す手間はありましたが、その他大きなトラブルはなくKiCad7への移行は完了しました。
KiCad7では多くの機能が追加されているようですが、一通り使ってみて個人的に非常に良かったのがSpaceMouseへの対応です。
CADソフトを扱われている方でSpaceMouseを使われている方多いと思います。
私も普段Fusion360をメインにSpaceMouseを使っていますが、KiCadでもこのSpaceMouseが使えるようになったのは操作性がアップして作業効率も上がります!
KiCad6からKiCad7へアップデートしてみました!
KiCad6からKiCad7へのアップデートが完了し一通り使ってみました。
今回のアップデートで最大のポイントとなるのは『3Dconnexion SpaceMouse』への対応だと個人的には思います。
3Dconnexion SpaceMouseへの対応
SpaceMouseはCADソフトの視点操作(切り替え)に特化した左手デバイスです。
Fusion360やSOLIDWORKS、Blenderなど多くのCADソフトに対応しており、視点を操作しながら右手に持ったマウスでコマンドやポイントを選ぶなどマウスとの併用により大きく作業効率が上がるデバイスです。
SpaceMouseは普段主にFusion360で使用しています。
SpaceMouseは多くの動きを1つのホイール操作で行うことが出来るデバイスで、直感的に操作出来るまでは少し慣れが必要となります。
一度慣れてしまうともうCADソフトでは必須アイテムとなってしまいます。
そしてKiCad7でもようやくSpaceMouseが使えるようになったようです。
KiCadは2D CADソフトですが、特定の部分をズームイン/ズームアウトしたり横移動したりとマウスホイールを使ってこのような操作を頻繁に行います。
SpaceMouseを使えばこれら全ての視点操作が全方向ヌルヌルと動かすことができ、右手に持ったマウスはポイントやコマンドを選ぶなどの操作を同時に行うことが出来ます。
KiCadを6から7にアップデートしてみた!
何気にSpaceMouseくんに触れたら動いたのでやってみたら・・・対応したのね👍
これメチャクチャ嬉しい😍
もうヌルヌルと動いてくれるんです👌プレビュー画面の方もぜひ対応して欲しいところ! pic.twitter.com/LCireTRI20
— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) April 5, 2023
2Dとは言えKiCadもCADソフトなので視点操作に特化したSpaceMouseが使えるのは非常に便利で作業効率が上がります!
テキストボックスが充実
KiCad7.0では回路図やPCBエディッタで任意のシステムフォントが利用可能となりました。
また「白抜き文字」も簡単に作れるようになっています。
IOラベル等のシルクプリントにこのような「白抜き文字」を使うことはよくあります。
見やすくなりますからね!
以前のバージョンのKiCadではこのような「白抜き文字」を作るにはフォトショップ等の画像編集ソフトを使って作成しフットプリントとして用意しておく必要がありました。
このような「白抜き文字」を簡単に作成することが出来るのは便利です!
またフォントも同様にKiCadデフォルトフォント以外ではフットプリントとして用意しておく必要がありましたが、任意のシステムフォントを選択できるようになったのも便利です。
細かな機能追加やアップデートはまだまだ多数ありますが、個人的にKiCad7にアップデートしてみて特に便利だったポイントは上記2点です。
KiCad7.0のインストール
KiCadのインストールはこちらから行えます。
初めてKiCadのインストールを行う方も同様です。
使用しているPCのOSを選択。
ダウンロード元を選択します。
私はMac環境でKiCad6にKiCad7を上書きする形で行いました。(アプリフォルダに移動すると上書きされます)
インストール時に[以前のバージョンから設定をインポート]という項目を選択できるので、こちらを選択して行いました。
KiCad6で作成したシンボルやフットプリントのライブラリも自動的にインポートされるものだと思っていましたが、どうやらこれらライブラリは手動でインポートする必要があるようです!
ライブラリ以外は特に大きな問題もなくアップデートは完了しました。
以前のバージョンで作ったファイルを開くと警告が出ますが、保存すればKiCad7に対応したフォーマットに変換されるようですね!
このあたりKiCadの初めてのアップデートだったので少し戸惑いました。
今回KiCad6に上書きする形でKiCad7をインストールしましたが、KiCad6で進行中のプロジェクトがあるなどで心配な場合は前バージョンも残しておくのもいいかと思います。
自分は上書きしちゃいましたが、古いバージョンのKiCadも当面残しておいた方がよかったかな?なんて思ったり!
結局、自分で作ったシンボルやフットプリントライブラリさえ新バージョンにインポートすれば新しいものはすぐ開始出来ますからね😋
— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) April 5, 2023
最後に!
個人的にKiCad7へのアップデートによりSpaceMouseに対応し使えるようになったのが非常にありがたいです。
Fusion360など他のCADソフトを使う時と同じ感覚でKiCadの移動等の操作が出来るのは便利で作業効率も上がります。
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他のKiCad7.0アップデート内容に関しては、こちらにまとめられているようなので参考までに!
参考 Version 7.0.0 ReleasedKiCad
ゾーンの追加がkicad6までのようにきれいな四角形にするのが難しいですが、これはバグですかね?ちょっとずれるとコーナー部が45度になってしまいます。
KiCad歴半年ほどでKiCad6→7にアップデートしちゃったので、何がバグで何が新機能等あまりよく分かってなくて・・・
ゾーンの追加やってみましたが、普通に四角で囲めましたが・・・
KiCad歴が浅すぎてあまり詳しいこと分からなくてすいませんm(_ _)m