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【電子工作】ボタンひとつでパーツを計測。多機能トランジスタテスターが便利![Multi-function Tester LCR-TC1]

抵抗・コンデンサ・トランジスタ・ダイオード・インダクター・MOSFET・サイリスタなどいろんな電子パーツの特性をボタンひとつでサクッと測定ができる多機能テスター(トランジスタテスター)がやって来ました。
なにげに便利な測定器です。

電子工作を趣味で楽しむようになり毎月何かしらの電子工作キットを作るようになりました。
国内では販売されていないような面白いものが多い海外製の電子工作キットを好んで作っています。

海外製のキットは安くて面白い製品が多いのですが詳細なマニュアルが付属していないものが多く、抵抗値やコンデンサの静電容量など電子パーツの計測にテスターを取り出してプローブを付けて・・・いろいろと手間がかかります。

そんな電子パーツの測定に便利に使える多機能テスター(トランジスタテスター)なるものの存在を知り入手しました。
安価な割になかなか便利な測定器となります。

測定値の誤差は少し気になりますが、精度が必要なものはテスター(デジタルマルチメーター)を使えばよく、おおよその値が分かれば予測が付きますし、パーツの測定値以外にも極性や特性などほぼ自動で計測してくれなかなかスグレモノです!

【トランジスタテスター】 Multi-function Tester LCR-TC1

多機能テスター(トランジスタテスター)とは?

多機能テスター『Multi-function Tester LCR-TC1』のご紹介です。
抵抗やダイオード、トランジスタ、インダクタなど電子パーツの特性をボタンひとつで簡単に計測できる多機能テスターとなります。

最近のテスター(デジタルマルチメーター)には同様な機能が付いている製品は多いのですが、その測定の手軽さとグラフィカル表示で分かりやすく便利なのが特徴となります。

また、インダクタやMOSFET・サイリスタ・トライアックなどテスターでは計測出来ない(回路を組む必要がある)電子パーツも測定することが出来ます。

電子工作を趣味ではじめてからよく電子工作キットを作るようになりましたが、抵抗値やコンデンサの静電容量などを簡単に計測できるので購入してみました。
最近のテスターではこれらを計測できるモードは付いていますが、プローブやジャンパワイヤーを付けて固定したりと結構面倒な場面が出てきます。

トランジスタテスターを使えば、ソケットに電子パーツをセットしてあとはボタンを押せばそのパーツの値や特性などをグラフィカルに表示してくれるので便利となります。

付属品

こちらが付属品一覧となります。

本体充電用のMicroUSBケーブル、テストプローブ(3本)、校正用短絡ピン、取扱説明書(英語表記)、動作テスト用パーツ(LED・電解コンデンサ)が付属しています。

測定パーツを差し込むソケットに入らないパーツは付属のテストプローブを使って接続する形となります。
また基板上のパーツもプローブを使えば測定できますね。

本体サイズは約70mm×85mm×30mm、手の平サイズとコンパクトな形状となっています。

基本的な使い方

使い方は非常に簡単!
ソケットに電子パーツをセットし(極性などは自動で判別してくれます)、[Start]ボタンを押すだけ。
ゼロプレッシャーICソケット式になっているのでパーツをセットしやすくなっています。
そして測定はほんの数秒で完了します。
ディスプレイにグラフィカルにパーツの測定値や特性を表示してくれます。

多機能テスターやトランジスタテスターなどと呼ばれている製品となりますが、ディスプレイのサイズ(カラーなど)や基盤むき出しのものなどいろいろと販売されているようです。

今回ご紹介するのは『Multi-function Tester LCR-TC1』となります。
シッカリとしたケース仕様で9V電池で駆動する製品が多い中、こちらは内蔵バッテリーで駆動できる製品となります。

ソケット差込口について

特にソケットへの差し込み位置を意識する必要がなく(差し込む番号を変えるだけ)電子パーツの種類や極性など自動で判別してくれます。

ソケット差込口には「123」や「KAA」と各ピンに番号が割り振られています。
基本的に何番にパーツを挿してもいいのですが、「KAA」の3ピンはツェナーダイオード専用の端子となっています。
それ以外の抵抗やトランジスタ・コンデンサ・インダクタなどのパーツは「123」と割り振られたソケットのどこに挿しても測定してくれます。

MEMO
同じ数字が書かれたソケットは内部的に繋がっているようなので、2ピンのパーツ(抵抗やダイオードなど)は「12」や「23」「13」のように違う数字になるように接続する必要があります。
3ピンのトランジスタやMOSFETなどは「123」や「231」のように接続します。
極性は自動で判別してくれるので特に意識する必要はありません。

電子パーツを測定してみる

抵抗の測定

まずは抵抗値の測定です。
パーツの名称と測定値、回路記号がグラフィカルに表示されます。
抵抗の回路記号はギザギザ記号ではなく国際規格の四角表示となっています。

画面は1.8インチサイズのカラーTFTスクリーン(160×128)となっています。
差し込む位置を変えれば2本同時に計測もできます。

コンデンサの測定

回路記号とともにコンデンサなので静電容量が表示されます。

電解コンデンサは極性がありますが自動的に判別してくれるので気にする必要はありません。
等価直列抵抗(ESR)なども表示されます。

トランジスタの計測

次にトランジスタを計測してみました。
NPN型の2SC1815を使いました。
トランジスタは3ピンのパーツとなるので「123」に接続します。(「231」や「312」でも可)

このように差し込んだソケット番号に対応した表示となります。
この場合、1番に挿したピンがエミッタ、2番がコレクタ、3番がベースだということが分かります。

PNP型のトランジスタも自動判別で計測し回路記号も正しく表示されています。
そしてhFE(増幅率)やVbe順方向電圧(ベース・エミッタ間電圧)、Ic(コレクタ電流)といったパーツの特性も表示されます。

そしてトランジスタだと思って計測したこちらのパーツ。
トランジスタにダイオードが接続されたように認識されています。
トランジスタによく似たLM35という温度センサーとなりますが回路図的に近く・・・なかなか優秀ですね。

LED(ダイオード)の計測

次にLEDを計測してみます。
LEDはダイオードの一種なので、回路記号はダイオードと表示されました。
こちらもソケット1番に挿したピンがアノード、2番に挿したピンがカソードと極性も自動判別してくれています。

そしてダイオードの順方向電圧(Vf)も表示されています。
電子工作でArduinoなどマイコンボードにLEDを接続する場面はよくありますが、その時の電流制限用抵抗の値を計算するのにも便利ですね。
LEDは色により順方向電圧(Vf)が異なることからデータシートなどを確認したりと手間が省けます。

ダイオードも差し込む番号を変えれば2本同時に計測できました。

極性があるパーツなのでこのように繋いでもちゃんと計測してくれました。
かなり優秀ですね!

これ以外にもインダクタやMOSFET・サイリスタ・トライアックなどの電子パーツを同様に計測することが出来ます。

校正(キャリブレーション)の方法

本機の校正(キャリブレーション)も可能となっています。
付属する短絡ピンを使い「123」ソケットを短絡して電源を入れます。

進行バーが22%で一旦止まり、「短絡解除」の表示が出るので短絡ピンを外すと進行が進み校正(キャリブレーション)が完了します。

IRデコード機能

電子パーツの計測以外にも『IRデコード機能』というものが搭載されています。
IR窓にリモコンの赤外線送信部を当てると赤外線を検知し計測された波形が表示されます。

リモコンのボタンごとの波形を解析出来ますが・・・どういった用途に使えるのかな?
サポートされている規格は、Hitachi IR format となるようです。(詳しくはよく分かりません)

対応パーツ

パーツ測定可能範囲
抵抗0.01-50MΩ
コンデンサ25pF-100mF
インダクタ0.01mH-20H
トランジスタ
ダイオードVf(順方向電圧)<4.5V
ツェナーダイオード0.01-30V(ツェナーダイオード測定範囲)
0.01-4.5V(トランジスタ測定範囲)
トライアックIGT()ゲート-トリガーー電流<6mA
サイリスタ
MOSFETJFET/IGBT/MOSFET

最後に!

抵抗値や静電容量などはテスターがあれば計測出来ますが、電子パーツの値や特性がボタン1つで簡単に計測できるので電子工作用途では重宝するかと思います。
テスターでは対応できないパーツも計測できますからね!

数種類テストで電子パーツを測定してみましたが、抵抗値はほぼ正確な値が出ているようです。
コンデンサの静電容量に関してはデジタルマルチメーターと比べ少し誤差が気になりましたが、おおよその値が分かれば既定値は予測がつくので電子工作用途の簡易チェッカーとしては問題ないレベルかと思います。

そして電子工作キットの組み立てにも役立ちそうです!
海外製のキットでは抵抗値等明記されていないものが多く(カラーコードが読めれば問題ないのですが)、卓上に置いておけばテスターを使うより手間がなく便利に使えます。

あと少し気になったのが内蔵バッテリーの減りの早さです。
1パーツ測定ごとに自動的に電源が切れる仕様となっており起動時に内蔵バッテリーの電圧が表示されますが、その減りは結構早いようです。

充電式リチウム電池が内蔵されていて満充電時は4.2Vとなります。
数パーツ測定すると4Vを切るレベルまでバッテリーの電圧が落ちることから、測定には結構電力を使うようですね。
この点が少し気になりましたが、MicroUSB端子から給電しながらの測定も可能だったので特に問題にはならないかと思いますが・・・

テスターを取り出しプローブを付けて・・・を考えると小型で卓上に置けサクッと測定ができる、電子工作用途では便利に利用できる場面は多くなるかと思います。

Multi-function Tester LCR-TC1特徴
  • パーツの種類や極性は自動判別してくれる
  • 視覚的で表示も見やすく分かりやすい
  • 充電式でお手頃価格
  • 操作が簡単
  • テスターで測定できない電子パーツも計測できる
イマイチなポイント
  • パーツによっては誤差が気になるものもある
  • 内蔵バッテリーの持ちが悪い

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