電子工作でDC/DCコンバータやレギュレータを使い電圧を変換することはよくあります。
DC/DCコンバータには入力側に印加された電圧を上げて出力させる昇圧型のものと、逆に出力電圧を下げる降圧型のものがあります。
対応電圧や電流値・効率など様々なものが販売されています。
一般的によく使われるものではこのようなものがあります。
ポテンショメーター(ノブ)を回して任意の出力電圧が作れるタイプのものです。
例えばUSB端子からの5V電圧で12VのFANを動かしたい場合、昇圧型のDC/DCコンバータを使い出力側の電圧が12Vになるように調整して使います。
また、降圧型のものでは逆に出力側の電圧を下げることが出来ます。
6Vのバッテリーで3Vのモーターを動かしたい場合などですね!
そしてDC/DCコンバータには特定の電圧を作る(出力させる)タイプのものもあります。
マイコンでよく使われる5Vや3.3Vの電圧を作る事が出来るタイプのものなどです。
今回ご紹介するものは、3.3Vの三端子レギュレータ(AMS1117-3.3)が搭載されたもので、出力側の電圧を3.3V固定で出力できるタイプの非常に小型なDC/DCコンバータ(低電圧レギュレータ)です。
マイコンを扱う電子工作で非常に便利に使えるモジュールなんです!
普段Arduinoを使った電子工作をやっていますが、Arduinoは基本的に5Vのロジックレベルで動作するマイコンとなっています。(3.3V動作のArduino Pro miniなどもあります)
しかし接続するセンサーや電子パーツによってはその動作電圧が3.3Vのものも多く存在します。
Arduinoにはボードによって[3.3V端子]が搭載されているものもあります。
Arduino UnoやMega、Nanoなどですね。
この[3.3V端子]を使えば、それら3.3Vで動作するセンサーなどを安全に接続して使えるわけですが、接続するものによっては電流値が不足する場合も出てきます。(3.3V端子は50mAほどしか流せません)
例えばESP8266やESP-WROOM-02などの無線通信を行うモジュールでは、Arduinoの3.3V端子からの供給だけでは電流不足となり不安定になる(動作しない)場合が出てくることもあります。
また、ESP32シリーズのマイコンボードやRaspberry Piでは動作ロジックがArduinoとは違い3.3Vでの動作となっています。
このように3.3Vで動作するマイコンとのやり取りやセンサーなどのモジュールに電源供給したい場面はマイコンを使った電子工作をやっていると結構出てきます。
もちろん安定化電源やブレッドボード用の電源などを使えば3.3Vの電圧を作り出すことは出来ますが、このような用途で便利に使える非常に小型な降圧型ステップダウンモジュールに『AMS1117-3.3ステップダウンモジュール』があります。
ブレッドボードに挿し込んで使うことも出来るので、マイコンを使った電子工作で非常に役立つ便利なモジュールです。
目次
3.3V固定出力ステップダウンモジュール[AMS1117-3.3]がマイコンを使った電子工作で便利に使えます!
こちらがAMS1117-3.3 DC/DCステップダウンモジュールです。
入力電圧4.5V~12Vを降圧し3.3Vを固定出力出来る降圧型のモジュールとなります。
AMS1117-3.3という定番の3.3Vタイプの三端子レギュレータが使われています。
基盤サイズは約8.6mm×12.3mmと非常に小型な降圧型のDC/DCコンバータモジュールとなります。
端子はVIN/VOUT/GNDの3ピンとなっています。
ピンヘッダーが取り付けられているので、そのままブレッドボードに挿し込んで使うこともできます。
入力側に電圧を印加(4.5V以上)するとLEDが点灯して通電状態を確認することが出来るのも便利です。
ブレッドボード上に3.3Vの電圧を作りたい場合に役立ちます!
AMS1117-3.3ステップダウンモジュール 製品仕様
AMS1117-3.3ステップダウンモジュールの主な製品仕様はこのようになっています。
AMS1117-3.3 ステップダウンモジュール 製品仕様 | |
入力電圧 | 4.5V~12V |
出力電圧 | 3.3V(800mA) |
搭載レギュレータ | AMS1117-3.3 |
モジュールサイズ | 約8.6mm×12.3mm |
入力電圧に関しては、製造メーカーによって表記されている数値に違いがあるようです!
リンクを貼っているものは製品サイトに入力電圧4.5V~7Vと書かれていますが、AMS1117-3.3のデータシートを見る限り最大定格は12Vまでは対応しているようです。
一応入力電圧を10Vまで上げてテストしてみました。
仕様にあるように入力電圧が4.5V付近から出力電圧が3.3Vとなり、それ以降安定して3.3Vの電圧出力が出来ています。
三端子レギュレータAMS1117のデータシートはこちらを参考にして下さい!
参考 AMS1117 LOW DROPOUT VOLTAGE REGULATORAdvanced Monolithic Systems, Inc.使い方&接続方法
使い方&接続方法は非常に簡単です。
GND端子を共通に取り、入力側VIN端子に印加した電圧(4.5~12V)が出力側VOUT端子に3.3V固定で出力されます。
搭載されている三端子レギュレータAMS1117はドロップアウト電圧(入出力間の最低電位差)が1.2Vと低くなっています。
そのため入力電圧が5Vに対しても3.3Vをしっかりと出力できるようになっています。
これは便利ですね!
入力電圧が4.5V付近に達した時点で出力側の電圧が3.3Vとなり、定格の12Vまで安定した3.3Vを出力できるようになっています。
5V or 3.3Vの動作電圧が違うマイコンボードを一緒に扱う場合や、動作電圧が3.3Vのセンサーやモジュールなどの電源として使うことが出来ます。
使用例
簡単に使用例を見ておきます。
ブレッドボード上で3.3Vの電源が欲しい場合に私はよく使っています。
マイコンを使った接続にこのようなセンサーモジュールを使いテストや動作確認などすることは多いと思います。
動作電圧が3.3V~5Vに対応しているものもありますが、中には3.3V動作のものも多くあります。
3.3V動作するモジュールの電源として使えます。
またESP32シリーズのマイコンは3.3V動作なのでその電源としても使えますね。
またArduinoの場合[3.3V端子]が付いているボードもありますが、例えばArduino Unoの[3.3V端子]から出力できる電流は50mA程度となっています。
大抵の3.3V動作のデバイスはこの端子に接続して使うことが出来るのですが、ESP8266など消費電力が高いモジュールを接続して使う場合、電流不足となり使えない場合も出てきます。
互換ボードなどメーカーによって搭載されているレギュレータは異なっていますが、ESP8266(ESP-01)の接続でいくつかボードを試してみましたが、動かないものもありました。
搭載されているレギュレータの電流不足によるものだと思いますが、[5V出力端子]からの電圧をAMS1117モジュールを使い3.3Vに降圧する事により使うことが出来ました。
このようにブレッドボード上で3.3Vの電源が必要な場合、何かと重宝します!
マイコンを使った電子工作で、5Vから3.3Vに電圧を変換して電源として使えると非常に便利です。
また、ブレッドボード用電源に関してはいろんなタイプのものがあります。
こちらの記事も参考にして下さい。

ピンヘッダーが取り付けられていますが、これを外してしまえば3.3V電源用の降圧モジュールとして製作物に組み込んで使うなんてことも出来ます。
非常に小型なので用途によっては便利に使えるかと思います!
【追記】ミニサイズの5V昇圧モジュールも便利です!
3.3V降圧モジュールをご紹介しましたが、小型な5V昇圧タイプのものではこのようなモジュールがあります。
5V以下の低電圧を5Vに昇圧出来るモジュールもマイコンを駆動するための電源電圧の変換モジュールとして便利です。
リポバッテリーやリチウムイオン電池などの3.7V(満充電時4.2V)を5Vに昇圧して使ったりと何かと便利に使えます。
5Vに昇圧出来るDC-DCコンバーターはサイズを問わなければいろいろとありますが、このサイズのものはなかなかなく限られたスペースしかない製作物に組み込む際にも便利に使えますね!
秋月電子さんで売られている『5V出力昇圧DCDCコンバーター』は以前何度か使ったことがありますが、このクラスのサイズのものはなかなか見つけることが出来ず、セット販売で安価で入手出来るのは助かります!
最後に!
定番的な三端子レギュレータAMS1117が搭載された非常に小型な3.3V降圧モジュールです。
DC/DCコンバータは電子工作でよく使うパーツなので昇圧型・降圧型モジュールを含め定番的なものはいくつか持っています。
出力側電圧を可変させて任意の電圧に設定できるタイプのものは便利でよく使っていますが、3.3Vの電圧が欲しい場合の降圧型モジュールとしては非常に小型で、そして安価な価格(1個単価50円ほどです)で便利に使えるモジュールだと思います。
入出力間の電圧降下が低いので、5V電源ラインから3.3V動作のマイコンやセンサー、モジュールなどの駆動用電圧を作ることも出来るのでマイコンを使った電子工作で便利に使える場面は非常に多いと思います。
手元にストックとして持っていると何かと重宝しますね!








コメントを残す