電子工作用途であると便利なアイテムはいろいろとあります。
その中でも必須アイテムとしてまず挙げられるのはデジタルマルチメーター、いわゆるテスターだと思います。
電圧や電流・抵抗値の測定、導通や短絡のチェックなど・・・これがないと電子工作では作業が進まないですからね!
最近のデジタルマルチメーターは安価でも高性能なものが多く販売されています。
私が普段メインで使っているデジタルマルチメーターは、KAIWEETS HT118Aという6000カウントのものを使っています。
レンジ切り替えによるプローブの挿す位置をLEDが点灯して知らせてくれるので、作業でゴタゴタしている時など何気に便利で重宝しています。
もちろん電子工作用途で使うのに必要な機能は全て揃っています。
デジタルマルチメーターは一般的によく使われているこのような箱型?のものは1つ持っておけばオールマイティーで大抵の用途で使うことが出来ます。
そして今回は小型なペン型デジタルマルチメーター『MT007PRO』のご紹介です。
ご覧の通り非常に小型なデジタルマルチメーターなんですが、これがかなり優秀で使いやすいんです!
電子工作用途でデジタルマルチメーターを使う時って大抵の場合、作業デスクは組んだ回路や配線・電子パーツなどに占領されて計測器を置くスペースが確保できない・・・なんてことはよくあります。
このデジタルマルチメーターはペン型でサイズも小型になっているので便利に使える場面は多く、手元のLCDモニターで数値を確認出来るので使いやすくなります。
形状を見て想像出来るかと思いますが、プリント基板に実装されたパーツの計測や製作物に組み込んだ回路の計測などでは特に便利に使えます!
またこのペン型デジタルマルチメーターはオートモードが非常に優秀なんです!
電子工作用途でのデジタルマルチメーターを使った計測でよく使うモードは用途にもよるかと思いますが、電圧や抵抗値の測定、回路の導通や短絡チェックが主になると思います。
基本的にこれらの項目はモードを切り替えることなくオートモードで自動判別して計測することが出来ます。
レスポンスも早くこれがなかなか優秀で、私が普段やっているArduinoやESP32などのマイコンボードを使った電子工作用途ではほぼオートモードで完結してしまいます!
通常のデジタルマルチメーターでは、電圧や電流、抵抗値や静電容量の測定、導通チェックなど対応するモードやレンジを切り替えて、さらにプローブを挿す位置を変えて測定する必要があります。
このようなモード切替をほぼオートで切り替えてくれるかなり便利なデジタルマルチメーターとなります。
目次
オートモードが便利な小型ペン型デジタルマルチメーター!
今回ご紹介するのは小型のペン型デジタルマルチメーター『MT007PRO』です。
このシリーズのペン型デジタルマルチメーターの上位モデルとなり(さらに音声通知が出来るバージョンもあるようですが)LCDディスプレイがカラーとなっていて計測値も見やすくなっています。
またLCDディスプレイがモノクロの下位モデルやツールキットなどが付属したモデルも販売されているようです。
1年ほど前に海外サイト様からご提供して頂いたものとなり、現在は国内Amazonなどでも取り扱われている製品となります。
普段便利に使っているものですがブログでご紹介するのをすっかりと忘れていました!
冒頭でもお話ししたようにオートモードが優秀で、電子工作用途で便利に使えるデジタルマルチメーターだと思います。
Arduinoなどのマイコンボードを使った電子工作をメインに普段楽しんでいますが、このような私の使用用途ではほぼオートモードで完結するので非常に重宝しています。
付属品一覧
今回ご紹介するものは型番が『MT007PRO』というものです。
LCDディスプレイがカラータイプのモデルとなります。
形状は全く同じですが型番が異なっているOEM製品かな?も販売されているようですね。
付属品は、ペン型デジタルマルチメーター本体とプローブ、取り扱い説明書(英語と中国語表記)が付属しています。
プローブは本体側がプラス、取り付け側がマイナスとなっています。
使用する単4電池は確か付属していなかったと思います。
キャップを外して先端を延ばす形状は通常のデジタルマルチメーターに付属のものと同じです。
また本体先端のプローブを取り外し交換することも出来るようです。
ツールキットが付属したモデルでは形状の違うものに交換出来るようですが、個別販売はされているのかな?
あまり必要性を感じたことはありませんが、ツールキット付属モデルの写真が掲載されているので商品リンクから確認してみて下さい。
製品仕様
本デジタルマルチメーターの基本スペック・製品仕様はこのようになっています。
製品仕様&スペック | |
直流電圧(DC) | 0.8~1000V |
交流電圧(AC) | 0.8~700V |
抵抗値 | 0.1~60MΩ |
静電容量 | 10nF~60mF |
周波数 | 1Hz~10MHz |
温度 | -20~50℃/0~122F |
導通チェック | 3.0V |
ブザー(短絡チェック) | 0.1~50Ω |
電源 | 1.5V(単4電池1本使用) |
照明 | あり |
LCDバックライト | あり |
自動シャットダウン | あり |
サイズ | 171mm×21mm×21mm |
重量 | 約80g |
電源のON/OFF
使用方法は非常に簡単です。
マイナス側のプローブは本体上部に取り付けて使います。
本体に付いている物理ボタンは、[select(電源)]・[HOLD]・[N/L/P(ライト)]の3つだけです。
電源のON/OFFは赤色の[select(電源)]ボタンの長押しで行います。
[Auto]モードでの計測
電源投入時は[Auto]モードで起動します。
[Auto]モードでは、直流電圧・交流電圧・抵抗値・導通(短絡)チェックを自動的に識別し計測することが出来ます。
Autoモードでの計測(自動切り替え) | |
直流電圧(DC) | 0.8~1000V |
交流電圧(AC) | 0.8~700V |
抵抗値 | 0.1~60MΩ |
導通(短絡)チェック | 0.1~50Ω |
計測対象にプローブを当てると自動認識で計測する事が出来ます。
50Ω以下の低い抵抗値の場合、抵抗値の表示とブザーによる警告音が鳴り短絡や導通チェックが出来ます。
マニュアルモードでの計測
上記オートモード以外に個別項目を設定してマニュアルモードで計測する事も出来ます。
[Select(電源)]ボタンを短押しすると、[直流電圧]→[交流電圧]→[静電容量]→[導通(短絡)]→[温度(℃)]→[温度(F)]→[周波数]→[Auto]の順に計測項目が切り替わっていきます。マニュアルモードの測定項目や範囲は本体右横に書かれています。
マニュアルモードでの計測 | |
静電容量 | 10nF~60mF |
温度 | -20℃~50℃ |
周波数 | 1Hz~10MHz |
導通チェック | 3V |
コンデンサの静電容量の計測や周波数の測定はよく使う項目ですね。
マニュアルモードでの導通(短絡)モードでは3Vが出力されるので、例えばLEDの極性のチェックなどを行うことも出来ます。
何気に便利な機能です。
3Dプリンタ用のLEDライトをふんずけて動かなくなったので、以前サンプルで頂いた秘密兵器を使って調べてる!
コイツ使える🤩 pic.twitter.com/jSVR9hqG4H
— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) December 4, 2021
またVF(順方向電圧)も測定し表示されるようです。
測定値を固定(ホールド)する
ペン型デジタルマルチメーターの利点は、小型で手元のモニターで計測値を確認しながら作業できるところだと思います。
通常のテスターではプローブのケーブルを延ばして計測する必要がある場合でも手元のモニターで計測値をサクッと確認する事が出来るわけですが、使用用途などによってはモニターが見えにくい位置になることもあります。
通常のデジタルマルチメーターにも付いていますが、[HOLD]ボタンを押すことにより現在の測定値を固定する事が出来ます。
ライトの点灯
[N/L/P]ボタンを長押しする事により先端のLEDライトを点灯する事が出来ます。(再度長押しで解除)
また、[N/L/P]ボタンを短押しして[NCVモード]→[Liveモード]→[Pモード]に切り替えることが出来ます。
この3つのモードは電子工作用途となる弱電を扱う場合ほぼ使うことはないと思います。
EF(NCVモード)は検電器として使えるモードですね。
AC電圧が検出されると点灯の色(赤 or 緑)とブザーで知らせます。
ホットとコールド側(アース)を見分けるのに使用します。
Pモードは3相電源のフェーズ検出機能ですが・・・私の用途では使うことはないので試せていません!
【追記】KAIWEETS KM601スマートマルチメーターも試してみました!
本記事でご紹介したペン型デジタルマルチメーターはオートモードが搭載されているので、各所連続して測定したい場合などで便利に使えます。
そしてオートモードが搭載されたKAIWEETS KM601も試してみました!
一般的なデジタルマルチメーターでオートモードが搭載された機種はあまり見たことがありませんが、KM601は綺麗な大型カラーLCDディスプレイ搭載で表示が見やすく、オートモード(SMART)機能も搭載された非常に使いやすいデジタルマルチメーターです。
最後に!
一般的によく使われるデジタルマルチメーターにはトランジスタの増幅率(hFE)の計測が出来るものなど付加機能がいくつか付いたものも多いのですが、電子工作用途でよく使われる項目はカバーされていて小型でオートモードが便利なので使いやすいと思います。
そしてオートモードでの切り替えも早く、測定値も問題ないようです。
特に直流電圧に関しては安定化電源からの出力と比較してみましたが、測定値はかなり正確で電圧変化の追従も早いようです。
そして1年ほど使ってみて感じるデメリット的な部分は、電流値の測定が出来ないことやプローブ先端をバナナプラグに変えたりコネクタ形状のものを使ったりなど用途によって使い分けるといった事が出来ない点も挙げられます。(マイナス側は出来ます)
手持ちで使うことを前提で作られた製品なので当然なんですが・・・
すでにデジタルマルチメーターをお使いなら、小型で使えるサブ機として便利に使える場面は多いと思います。
私の場合、普段使用でこちらの方が出番が多くなりました!
かなり前にご提供して頂いたものとなりますが、現在国内サイトでも扱われており安価な価格で販売されているのもいいですね!
そんな事で小型ペン型デジタルマルチメーターのご紹介でした。
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