月刊I/O 2022年5月号『Raspberry Piで作る電子工作』に記事を掲載して頂きました!

Arduinoの開発環境を構築する。Arduino IDEのインストール方法!

 

普段Arduino(アルドゥイーノ)を使った電子工作を楽しんでいます。

「電子工作」と聞くと難しい回路を設計したり組んだりする必要があるといったイメージを持たれる方多いと思いますが、Arduinoの登場でその敷居が一気に下がったような印象を受けます。
最近の電子工作、特にArduinoを使った電子工作が人気なのも納得できます。

Arduinoは一言でいうと、オープンソースハードウェアのマイコンボードとなります。
電子回路やプログラミングなどの知識をあまり持たない電子工作初心者の方でも扱いやすいように作られたマイコンボードとなります。

マイコン(マイクロコンピュータ)を動かすには、安定した電源が必要となりその他にもプログラムをマイコンに書き込むための回路などいろいろと必要となってきます。
これらマイコンを動作させるための回路を自分で1から設計して組もうと考えるとかなりの知識が必要となってきます。
しかしArduinoには、それらマイコンを動作させるのに必要な回路や機能が初めからボードに組み込まれているため、電子工作初心者の方やプログラミングの経験がない方でも最低限の知識を習得出来れば比較的簡単に動かすことが出来るように考えられて作られています。
Arduinoを使った電子工作が人気なのはこのためですね!

『Arduinoってどんなマイコン?』
Arduinoの概要やどのように始めればいいのかなど、こちらの記事で詳しく紹介しているので参考にして下さい。

【電子工作】これから始めるArduino!何を揃えて何から始めればいいの?

そしてマイコンを動かすにはプログラムも必要となってきます。
Arduinoにはプログラムを作るために必要な総合開発環境(IDE)というものも用意されています
PCにインストールしたArduino IDEを使ってプログラムを作り、Arduinoのボードに書き込むことによりArduino(マイコン)を動かすことが出来ます。

このようにプログラムを作るための環境も初めから用意されているので(無料でインストールして使えます)、マイコンを扱う事やプログラミングも初めてだという方でも比較的簡単に始めることが出来るようになっています。

これまでArduinoを使った作例などを当ブログでいろいろとご紹介してきましたが、今回はその開発環境となるArduino IDEのインストールや初期設定方法などをご紹介したいと思います。

Arduinoの開発環境を構築。Arduino IDEのインストール方法!

Arduino IDEとは?

マイコンボード用の開発環境はいろいろとありますが、Arduino IDEは世界的にも有名な開発環境の一つになります。
プログラミング初心者の方はもちろんですが、プログラミングの学習用として適した開発環境になります。

ここでArduino IDEとは、マイコンボード用のプログラムを開発するための環境の事を言い、PCにインストールしたソフト(アプリ)になります。
Arduinoなどのマイコンボードを動かすにはプログラムが必要となってきます。
そしてプログラムを作るための環境も必要となります。

Arduino IDEはそのプログラムを作る(開発する)ために必要な環境となり、PCにインストールしたソフトのことを言います。
Arduino IDEでプログラム(Arduinoではスケッチと呼びます)を作り、PCと接続したArduinoのボードにプログラムを書き込むための開発環境となります。

Arduino IDE 開発環境の概要
  1. プログラミング言語を使いプログラムを書く
  2. Arduino(マイコン)が理解できる形式にコンパイル(変換)する
  3. 接続したArduinoにプログラムを書き込む
  4. Arduinoでプログラムを実行する

これが各種ArduinoボードとArduino IDEを使った一連の流れとなります。
Arduinoなどマイコンボードを動かすにはこのようなステップが必要となってきますが、これらを行う開発環境の一つとしてArduino IDEというものが用意されています。

Arduino IDEの特徴

Arduino IDEをインストールする前にまず簡単にArduino IDEの特徴をご紹介しておきます。

先述のように総合開発環境(IDE)にはArduino IDEの他にもいろいろとあります。
例えばこちらはPlatformIOと呼ばれる開発環境です。

ある程度プログラムをやられている方ならArduino IDEよりも使いやすい(機能が豊富)と思われる方も多いと思います。
しかし初めてArduinoを使ってみようとお考えの方からしたら、この画面を見ても分かるように何だか難しそうといったイメージを持たれるかもしれません。

Arduino IDEは、初心者の方やプログラミングの学習を始めてみたいと考えている方でも分かりやすいように非常にシンプルな構成で作られているので、初めてでも取っ付きやすいと思います。

こちらがArduino IDEのメイン画面です。
画面構成は非常に分かりやすく作られています。
プログラムを書くためのエリア、Arduinoに書き込むためのコンパイルや書き込みボタンなどのツールバー、プログラムにエラーがある場合やマイコンへの書き込みの成功や失敗などの情報が表示されるインフォメーションエリアと分かりやすい構成となっているので使っているとすぐに理解できます。

そしてArduino IDEは、公式でサポートする各種Arduinoボード(UnoやNano、Megaなど)にプログラムを書き込む以外にも他のマイコンボードにも多数対応しています。

例えば一例ですが、ESP32やRaspberry Pi Pico、M5Stackなど電子工作でよく使われるマイコンボードで使うことも出来ます。
これらはArduino IDEに搭載されている「ボードマネージャ」を使うことで可能となります。(後述します)

それではArduino IDEをPCにインストールして最低限の初期設定をやっていきテストスケッチ(プログラム)を動かしてみたいと思います。

Arduino IDEのインストール

それではArduino IDEのインストールです。
Arduino公式サイトのダウンロードページから自身のPC環境(OS)に合ったものをダウンロードします。

参考 DownloadsArduino公式サイト

Arduino IDEのインストールはWindows/Mac/Linuxに対応しています。
こちらではMac環境でのインストールで進めていきます。(他の環境でも同じです)

環境に合ったOSを選択するとArduino団体への寄付を求めるページになります。
私のようなArduino Loveな方は[CONTRIBUTE & DOWNLOAD]を選択し寄付をしてからダウンロードをしてもいいのですが・・・
ここは無料となる[JUST DOWNLOAD]を選択して無料ダウンロードしておきましょう!

ダウンロードしたZIPファイルを解凍(ダブルクリック)すると、Arduino.appというファイルが出てきます。
Macの場合は通常通りこのファイルを[アプリケーション]フォルダに移して完了です。

Windowsではインストーラーが立ち上がりインストールを行うと思いますが、この後の設定や操作方法は基本的に同じです。

初期設定

Arduino IDEを立ち上げ簡単に初期設定をやっていきます。
[Preferences(環境設定)]を開きます。

特にデフォルト設定から変える必要はありませんが、[行番号を表示する]にチェックを入れておくとスケッチを書く際に便利だと思います。

また、スケッチ保存場所も自身の環境に応じて任意に変えておけばいいかと思います。(特に変更する必要もありませんが)
これから作っていくスケッチが指定したフォルダに保存されていきます。

Arduinoでテスト動作を行う

Arduino IDEのインストールが完了しました。
これでArduinoの各種ボードにプログラムを書き込み動作させることが出来ます。

ここでテスト動作を行ってみます。
Arduino IDEには様々なテストプログラム(Arduinoではプログラムのことをスケッチと呼びます)が用意されています。
簡単にArduinoボードのテストが出来る[Blink]というスケッチを使いテスト動作させてみます。

電子工作をやっていると「Lチカ」という言葉をよく耳にすることがあると思います。
「Lチカ」はLEDをチカチカと点滅させるものですが、[Blink]というスケッチがそれにあたります。

[Blink]を開きます。
[メニュー]から[ファイル]→[スケッチ例]→[01.Basics]→[Blink]をクリックして開きます。

このスケッチ(プログラム)をArduinoに書き込んで動作させてみたいと思います。

ボード & シリアルポートの選択

Arduinoへの書き込みには[ボード]と接続されている[シリアルポート]の選択(設定)が必要です

ArduinoをPCと接続します。
今回Arduino Unoを使っています。

まず書き込むボードの設定です。
[ツール]→[ボード]に進むと[Arduino AVR Boards]という項目があります。
この中に各種Arduinoのボード情報が入っています。
今回Arduino Unoと接続しこのボードにスケッチを書き込むので[Arduino Uno]を選択します。

次にシリアルポートの選択です。
ArduinoをPCと接続するとシリアルポートにそのボード名が表示されます。(互換ボードではusbserial-◯◯◯と表示される場合もあります)

[ツール]→[シリアルポート]へと進み接続しているArduinoを選択します。

MEMO
Windowsではcomポートの番号(com9やcom10)で表示されていると思います。
また複数のArduinoをPCと接続している場合、シリアルポートには複数のボードが表示されますが、スケッチを書き込みたいArduinoのシリアルポートを選択して下さい!
[ボード]と[シリアルポート]の設定が出来ました。
これでArduinoにスケッチを書き込むことが出来ます。

スケッチ(プログラム)の書き込み

上記書き込む対象となるArduinoのボードと接続されているシリアルポートの設定が完了したら、Arduinoにスケッチを書き込み動かしてみます。

スケッチの書き込みには画面左上の[→]マークをクリックします。
コンパイルが行われエラーがなければArduinoにスケッチが書き込まれます。
無事にスケッチをArduinoに書き込むことが出来れば、下のインフォメーションエリアにこのように表示されます。

また、スケッチの誤りなどエラーが有る場合はエラー内容が表示されます。

これで[Blink](Lチカ)のプログラム(スケッチ)をArduinoに書き込むことが出来ました。
Arduino Unoボード上に付いているLED(オンボードLED)が1秒間隔で点滅しているのが確認出来るかと思います。

お疲れさまです!
初めてArduinoを使ったLチカ出来たでしょうか?

Arduino IDEはシンプルな画面構成で初めてでも分かりやすく使いやすいように作られていますね。

Arduino IDEでRaspberry Pi Picoを使う

冒頭でもご紹介したようにArduino IDEは各種Arduinoボード以外に他のマイコンボードにも多数対応しています。
[ボードマネージャ]機能を使うことにより他のマイコンボードでの開発環境にも使えます。
その一例としてRaspberry Pi PicoでもLチカをやってみたいと思います。

追加のボードマネージャのURLを設定

初期状態では各種Arduinoのボード情報しか入っていません。[Arduino AVR Boards] Raspberry Pi Picoを動かすためのボード情報をインストールしていきます。

[ファイル]→[Preferences(環境設定)]を選択し[追加のボードマネージャのURL]を選択します。

初期状態では空白になっていますが、ここに以下URLを貼り付けます。

https://github.com/earlephilhower/arduino-pico/releases/download/global/package_rp2040_index.json

MEMO
上記のように既に他のボードURLを記載している場合は、改行し新たなURLを追加していきます。

ボードパッケージのインストール

次にRaspberry Pi Pico用のボードパッケージ(ボード情報)をインストールします。

[ツール]→[ボード]→[ボードマネージャ]へと進みます。

検索ボックスに「pico」と入力し検索すると、「Raspberry Pi Pico/RP2040」というパッケージが見つかると思います。
これをインストールします。

これでRaspberry Pi Picoにもスケッチを書き込むことが出来るようになります。

Raspberry Pi Picoのボード設定

先程と同様の手順でRaspberry Pi Picoに[Blink](Lチカ)のスケッチを書き込んで動かしてみます。

まず対象となる[ボード]と[シリアルポート]の選択です。
[ボード]を選択すると上記でインストールしたRaspberry Pi Picoのボードパッケージ[Raspberry Pi RP2040 Boards]が追加されています。
ここから[Raspberry Pi Pico]を選択します。

次に[シリアルポート]の設定です。
[シリアルポート]はRaspberry Pi PicoがPCと接続されると表示される[Raspberry Pi Pico]を選択。

これで準備はOKです。(他の項目はデフォルトで問題ないかと思います)

上部の[→]をクリックしてスケッチを書き込みます。
Raspberry Pi PicoのオンボードLEDが点滅すれば成功です!

最後に!

Arduino IDEのインストールとArduinoへのスケッチの書き込み方法のご紹介でした。
Arduino IDEはシンプルな画面構成で分かりやすく作られているので、Arduinoへの書き込みなど数回触れば理解できると思います。

Arduinoはその開発環境としてArduino IDEが用意されており、Arduinoボード自体も難しい知識がなくてもある程度のことなら比較的簡単に動かすことが出来るように作られています。

マイコンボードにプログラムを書き込む・・・この最初の一歩で躓いてしまうと電子工作ってやっぱり難しいという先入観が付いてしまいますが、Arduinoは電子工作初心者の方でも取っ付きやすく分かりやすく作られた便利なマイコンボードだと思います。
世界中にArduino Loveな方々が多いのも納得ですね!

そして国内のみならず世界中にArduinoを使った電子工作の作例など多数投稿されています。
Arduinoを始めるにあたり難しい専門書など買う必要はなく、Arduinoの先輩たちのブログやYou Tubeなどを見ているだけでもある程度の知識を増やすことが出来ます。

ほんと良く出来たマイコンボードですね、Arduinoって!!

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