普段Arduinoを使った電子工作を楽しんでおります。
難しい回路を設計したり組んだりする必要があるといったイメージのある電子工作の敷居がArduinoの登場で一気に下がったような印象を受けます。
最近の電子工作人気の理由も納得できますね!
電子工作に興味はあるけど「なかなか取っ付きにくいんだよなぁー」なんて感じられている方も、Arduino(アルドゥイーノ)やRaspberry Pi(ラズベリーパイ)といった単語を一度は聞いたことがあるかと思います。
Arduinoを使った電子工作を始めて1年半ほどが経ちましたが、「Arduinoとは何なのか?」「Arduinoを使った電子工作を始めるにはどうすればいいのか?」このような内容のことをテーマに今回Arduinoについて紹介していきたいと思います。
目次
これから始めるArduino!何を揃えて何から始めればいいの?
Arduino(アルドゥイーノ)って?
Arduino(アルドゥイーノ)は一言でいうと、オープンソース・ハードウェアのマイコンボードで電子回路やプログラミングなどの知識をあまり持たない電子工作初心者の方でも扱いやすく作られたマイコンボードとなります。
Arduinoにはそのボードサイズや搭載されたマイコンチップの違い、使用用途などにより数種類のボードが用意されています。
こちらはArduino Unoと呼ばれる一般的によく使われるArduinoのボードですが、Arduinoの中では一番扱いやすいボードなのでArduinoを使った電子工作を始める方の多くはまずこのボードを使われることが多いと思います。
上記写真を見ると基盤には様々な電子部品が取り付けられています。
これだけで「なんだか難しそう!」と感じる方も多いと思います。
しかしご安心下さい。
Arduinoはよく考えられて作られたマイコンボードなんです。
電子回路などの知識がない方でも比較的手軽にマイコン(マイクロコンピュータ)を扱えるようにするため、ボード上に必要な機能(回路)が初めから組み込まれています。
そのため、PCと接続しArduinoにプログラムを書き込むだけで動かすことが出来るようになっています。
横長のムカデ型のチップがArduinoのマイコンチップですが、このチップがプログラムを処理し目的の動作を行うArduinoの頭脳にあたる部分になります。(Arduino UnoではAtmel社のATmega328PというAVRマイコンが使われています)
そしてPCと接続してプログラムの書き込みで使われるUSB端子。
さらにマイコンチップを動かす場合安定した電源が必要となりますが、電源を供給するための端子も用意されています。
これらマイコンを動作させるのに必要となるものが複数の電子パーツを使い繋がっています。
これだけの回路を自分で1から設計して組もうと考えるとかなりの知識が必要となってきます。
しかしArduinoではマイコンを動作させるための回路やプログラムの書き込み、その他様々な機能が初めからボードに組まれているため、電子工作初心者の方や全く初めてという方でも最小限の知識である程度のことなら動かすことが出来るように考えられて作られています。
Arduinoを使った電子工作が人気なのはこのためですね!
そしてArduinoには、上記のArduino Uno以外にもサイズや機能・使用用途などにより数種類のボードが用意されています。
例えばこちらはArduino Nanoですが、上記Arduino Unoとほぼ機能は同じですが小型サイズに作られたボードです。
小型サイズのボードなので製作物に組み込んで使いたい場合などで便利に使えます。
他にもArduinoには多くのボードが用意されているので、必要に応じて使い分けたりもできます。
Arduinoを勉強し少し動かすことが出来るようになるってくると、ラジコンに組み込んでみたり、オリジナルの製作物を作ったりしたくなってきます。
まさに電子工作の醍醐味ですね!
Arduinoの各種ボードは入手もしやすく、マイコンボードとして安価な価格設定も手伝い電子工作用途で非常に便利に使えます!
Arduinoに関して雰囲気伝わったかと思います。
Arduinoはマイコン(マイクロコンピュータ)を搭載したボードで、それを動かすのに必要な最低限の回路が初めから組み込まれたボードとなります。
そしてマイコンを動かすにはプログラムが必要となってきます。(Arduinoではスケッチと呼びます)
プログラムと聞くと、これもまた電子工作初心者の方には取っ付きにくい項目ですよね。
しかしArduinoには先述のように多数のボードが用意されているだけではなく、プログラムを書く(作る)のに必要な総合開発環境(IDE)も用意されています。
こちらはPCにインストールしたArduino IDEです。
このArduino IDEを使いプログラムを書き、PCと接続したArduinoのボードにスケッチ(プログラム)を書き込んであげるとArduinoを動作させることが出来ます。
このようにプログラムを作るための環境も用意されているので(無料でインストールして使えます)、マイコンを扱うことやプログラミングも全く初めてだという方でも簡単に始める事が出来るように作られています。
こちらは「Lチカ」と呼ばれるLEDをチカチカと点滅させるためのプログラムです。
電子工作をやっているとよくこの「Lチカ」という単語を耳にしますが、Arduinoに関わらず他のマイコンボードでもその動作確認などを行う際に使われる簡単なプログラムとなります。
こんな数行のプログラムでArduinoに繋いだLEDを点滅させることが出来ます。
これを電子回路だけで組もうと考えると、トランジスタやコンデンサ、抵抗などを使いその値を計算したりと結構大変となってきますが、Arduinoを使えばたった数行のプログラムだけで出来てしまいます。
これは便利ですよね!
専門的な回路の知識があまりなくてもArduinoを使うと少しプログラムの勉強をすればこの程度のことなら出来てしまいます。
下記動画は、電子パーツのみで組んだ回路(左側)とArduino(M5StickCを使っています)で組んだ回路(右側)でLEDの点滅(Lチカ)をやっている動画です。
電子パーツのみでLチカをさせる場合、トランジスタとコンデンサを使った無安定マルチバイブレータという回路が必要となり点灯の周期からパーツの値を計算したりとある程度の電子回路の知識が必要となってきます。
しかしArduinoを使えば(動画右側)、上記の数行のスケッチで動かすことができ回路も簡単となります。
また点灯周期を変えたい場合もスケッチの数値を変更するだけなので簡単です。
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Raspberry Pi(ラズベリーパイ)との違いは?
Arduinoについて雰囲気伝わったかと思います。
ここで少しRaspberry Pi(ラズベリーパイ)についても簡単に見ておきます。
Arduinoを使った電子工作を普段楽しんでいますが、最近Raspberry Piも使うようになりました。
まだまだ勉強中なんですが、電子工作をこれから始めるには「Arduino」それとも「Raspberry Pi」と考える方も多いかと思います。
電子工作をこれから始めるにはどちらを使えばいいのか・・・?
という話になるかと思いますが、結局は使用用途により使い分けるといったところだと思います。
「Arduino」と「Raspberry Pi」は出来る事を見ると同じ部分もありますが、出来ること出来ないことの違いもあります。
先述のようにArduinoはマイコンボードとなります。
プログラムを作りそれをマイコンに処理させて何かしらの動作をさせるものとなります。
対してRaspberry Piは必要最低限の機能に絞ったシングルボードコンピュータと呼ばれるものに分類でき、簡単に言うとコンピューター(パソコン)の部類に入ります。
Arduinoにはプログラムを処理するためのマイコンが搭載されていますが、OS(オペレーティングシステム)は搭載されていません。
Raspberry Piはコンピューターなので、もちろんOSが搭載されています。
そのため、Arduinoのようなマイコンで処理するような事も出来ますし、OSが搭載されているのでブラウザを見たり他のアプリケーションなども動かすことが出来ます。
それではRaspberry Piの方が優秀か?
と言われると決してそういう話ではありません。
一言で説明するのは難しいのですが、やはり使用用途になってくるかと思います。
LEDを点灯させたりモーターを動かしたり、センサーの状態をやり取りしたりなどの用途ではArduinoは非常に適しています。
もちろんこれらはRaspberry Piを使っても出来ます。
さらにRaspberry PiではOSが搭載されていてネットワーク機能やUSBデバイスとの接続なども出来るわけですが・・・
やはり使用する用途になりそうですね。
「Arduino」より「Raspberry Pi」の方が優秀か?
単純な話ではないようです。
ネットワーク機能やカメラなどを接続して何かをやりたいと考えるとRaspberry Piの方が適していますし、センサーの値を検知し何かを動かしたいのであればArduinoの方が扱いやすい場面が多いような気がします。
こちらの記事では電子工作初心者の方やこれから始めてみようとお考えの方向けに書いているので、そのような用途ではArduinoの方が断然扱いやすいかと思います。(電子工作歴1年半の私の感想です)
電子工作を始めたばかりの方の用途としては、入出力端子(GPIO端子)を使いセンサーやモーターなどを繋げてプログラムで動かすといったことがメインとなるかと思います。
Arduinoではこのような用途では非常に扱いやすく作られています。
これがマイコンボードを使う利点だと思います。
もちろんRaspberry Piにも多数のGPIO端子が用意されているので同様な事は出来ます。
しかしこの用途だけで使うことを考えるとRaspberry Piは非常に割高なボードになってしまいます。
Arduinoはマイコンチップと繋がった入出力端子(GPIO端子)での動作に特化しているので、OSが搭載されておらず、例えばネットワーク機能などを使おうと考えると他に拡張ボードと接続する必要が出てきますが・・・これから電子工作を初めてみようという方の目線で言うとArduinoの方が扱いやすく適しているのかな?なんて個人的には思います。
Arduinoでは多数のボードが用意されていますし、価格もRaspberry Piと比べるとかなり安価で入手出来るので敷居も低いかと思います。
またArduinoはオープンソースハードウェアとなっています。
そのため本家のArduinoボード以外にも多数の互換ボードが販売されています。
電子工作を始めて何度か経験しましたが、接続を間違ってボードを破損してしまうなんてことはよく起こります。
安価で入手出来る互換ボードがあるArduinoでは、気兼ねなくいろいろと試すことが出来るため重宝する場面は多いのではないでしょうか。(中には質の悪い互換ボードもありますが)
Arduinoを始めるには何を揃えればいいのか?
ここまでArduinoの概要について簡単にご紹介してきました。
この時点でArduinoに興味を持って頂き、Arduinoを始めてみたいと思われる方がいれば嬉しいのですが・・・。
それではここからはArduinoを始めるにあたり最低限何を揃えればいいかについて書いていきます。
Arduinoボード
Arduinoには先程ご紹介したArduino Unoの他にNanoやMegaなど数種類のボードがあります。
初めてArduinoを使う場合、配線を接続する時にそのままジャンパーワイヤを挿し込めるUnoが一番使いやすいかと思います。
各Arduinoボードの詳細に関しては、以下公式サイトをご覧下さい。
ボードの仕様や回路図など詳細な情報が公開されています。
Arduinoは先述のようにオープンソース・ハードウェアのマイコンボードとなっています。
そのため、本家Arduinoのボード以外にも多数のメーカーが互換ボードを販売しています。
私がこれまでArduinoを使ってきた感覚ですが、互換ボードを使う場合でも本家ボードとほぼ遜色なく使うことが出来ます。
最近の半導体価格の高騰により互換ボードも以前より割高になっていますが、安価で入手する事が出来るArduino互換ボードは電子工作用途では非常に重宝します。
中には質の悪い互換ボードもありますが、Elegoo製やKeyestudio製のボードは非常に質が良いので私は好んで使っています。
Arduino互換ボードを使う場合非常に格安で売られているボードも存在しますが、ある程度名のあるメーカーの互換ボードを使えば本家ボードと全く遜色なく使うことが出来るのでオススメです!
ブレッドボード&ジャンパーワイヤ
Arduinoを使った電子工作を始める場合、Arduinoのボード以外にも最低限必要なアイテムとしてブレッドボードとジャンパーワイヤがあります。
ArduinoにセンサーやLED、モーターやその他デバイスなど繋げる場合、電源や配線が必要となってきます。
ブレッドボードにそれらをジャンパーワイヤを使って接続する事により、はんだ付けの必要がなく簡単に回路を組むことが出来ます。
これがないと何も始まりませんからね!
ブレッドボードやジャンパーワイヤは基本的に消耗品となります。
Arduinoやブレッドボードと接続し何度もテスト回路を組んで動かしたりをしていると、ブレッドボードの接触不良やジャンパーワイヤの断線などが起こってきます。
「プログラムが上手く動かない?」その原因を突き止めるとジャンパーワイヤの断線だったって事はよくあります。
このような場合、原因究明に非常に多くの時間を割かれてしまうので、調子の悪くなったブレッドボードやジャンパーワイヤは新しいものに定期的に交換していくのがいいと思います。
ブレッドボードやジャンパーワイヤも様々なメーカーさんが販売しています。
その多くは中華製品となり、中には質が悪く使いにくいものも多く出回っている印象です。
国産メーカーのもので言うとサンハヤトさんの製品は非常に品質が良く使いやすい印象です。
耐久性も高いことから長く使えると思いますが、その分お値段も高くなります。
ブレッドボードやジャンパーワイヤはある程度の数持っていると作業もしやすくなるため、中華製の安価で入手出来るものは助かるのですが、その品質には注意も必要です。
詳しくはこちらの記事を参考にして下さい!
初めての場合、Arduinoスターターキットがお得です!
Arduinoを使った電子工作を始める場合、Arduinoのボード以外にブレッドボードとジャンパーワイヤがあれば最低限の事はできます。
あとは必要に応じてセンサーやLEDなどその他パーツを入手して接続すればいろいろとテストすることが出来ます。
しかし初めてArduinoを使う場合、これらを個別で入手するのは結構手間となります。
また、Arduinoを使って何をしたいかという明確な目的がなければ、その他パーツの選定も分からないと思います。
Arduinoには『Arduinoスターターキット』という便利なキットが販売されています。
Arduino Unoやブレッドボード、ジャンパーワイヤの他にLEDやサーボモーター、ステッピングモーターやブレッドボード用の電源など初心者の方がかなりの数の作例を試せるパーツ一式がセットになったものとなります。
かなりの数のパーツがセットになったものでこれらを個別で揃えることを考えると非常にお得となり、サイトから多数のサンプルスケッチ(プログラム)をダウンロードして実際に動かして試すことも出来ます。
私もこのArduinoスターターキットからArduinoの勉強を始めたのですが、いろんなサンプルプログラムを動かすことができArduinoの事を理解するための取っ掛かりには非常に良いキットでした。
私はGeekcreitさんのスターターキットを海外サイトさんからご提供して頂いたのですが、Elegoo製ArduinoスターターキットはAmazonなど国内サイトでも入手しやすく人気があるようですね!
Elegoo製のスターターキットからArduinoを始めた方って結構多いのではないでしょうか!
Arduinoの勉強方法
Arduinoの事をどうやって勉強していけばいいのか?
私自身、Arduino歴1年半ほどの初心者でまだまだ勉強途中なのであまり大きな事は言えないのですが、Arduino関連の作例等は国内のみならず海外のサイトでも多数紹介されています。
Arduino入門書など書籍も多数販売されていますが、これから始められる方はそのような高い書籍を購入しなくても世界のArduino Loveな方々がブログやYou Tubeなどにまとめたものを多数公開されているので、これらを見ていくだけでもある程度のことは理解できるかと思います。
そしてさらに高度なことをやりたい場合はそのような書籍を購入して勉強する・・・なんてやり方で楽しみながらArduinoを触るのが個人的には楽しくていいかと思っています。
私も当ブログでArduino入門編記事を少しずつですがまとめています。
個別の事例について詳しくまとめているので、読んで頂ければと思います。
Arduinoを使った電子工作 作例
Arduinoを使って回路やプログラムを少しずつですが組むことが出来るようになってくると、ブレッドボード上のテスト動作だけでは満足できず、いろいろと作りたくなってきます。
こうなってくるとArduinoを勉強するという感覚ではなく、製作物を動かし上手くそれを制御出来るようにするために必要となってくる自分に不足している知識なども分かり非常に楽しくなってきます。
自分で作った製作物って愛着もあり、動かしていてほんと楽しいですね!
時間をおいて動かしてみると、別の機能を付けたいとかこの動作はさらに改善できるな・・・などさらに知識をつけるためのキッカケにもつながります。
ごく一部ですが、これまでArduinoを使って作った電子工作の作例をご覧下さい。
最後に!
これからArduinoを始めてみたいとお考えの方のためにArduinoの概要についてまとめてみました!
Arduinoは、電子工作初心者の方でも難しい回路を組むことなくある程度のことなら比較的簡単に動かすことが出来るように設計された便利なマイコンボードです。
Arduinoを使った電子工作は非常に人気があり、そして私を含め世界中にArduino Loveな方々が多いのも納得できます。
今回はよく使われるArduino Unoを中心に見ていきました。
ArduinoのボードにはUno以外にもNanoやMegaなど多数のボードがあります。
使いやすいArduino Unoを使いスケッチ(プログラム)を作り、製作物に組み込む際には小型なArduino NanoやPro Miniを使うなどボードの使い分けも出来るので便利なマイコンボードとなります。
これからArduinoを使った電子工作を始めてみようとお考えの方の参考になればと思います!
そしてArduinoライフを楽しんでいきましょう!
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