11月25日発売 書籍『Arduinoと3Dプリンタでロボットを作ろう』を出させて頂きました!

【電子工作】直流安定化電源『Wanptek DPS3010U』レビュー!電子工作用途では十分な性能で便利に使えます!

電子工作を趣味で楽しんでいますが、あると便利な必須アイテムといえばいろいろあるかと思います。
その中でまず思い浮かぶものといえばデジタルマルチメーター、そして次に直流安定化電源ではないでしょうか?
この2つがないと何も出来ませんからね!

デジタルマルチメーターは『KAIWEETS HT118A(6000カウント) 』を使っていますが、次は安定化電源が欲しくて探してはいたのですが・・・価格や付加機能等様々なものが販売されておりずっと迷っていました。

電子工作の必須アイテム!私が使っている便利なデジタルマルチメーター(テスター)のご紹介!【KAIWEETS HT118A】

私の場合、ドローンを趣味としてやっているのでドローン用のバランス充電器に付いている簡易的な安定化電源機能を使って騙し騙しでこれまでやってきました。

電子工作用途でいろいろやろうと考えるとちゃんと使える(使いやすい)直流安定化電源を1つは持っておきたいということで今回『Wanptek DPS3010U』が来ました。

直流安定化電源は調べてみると国産の高価なものから中華製の比較的安価なものまで多数販売されています。
今回来たものは中華メーカーWanptek製のDPS3010Uという機種となります。
電圧0~30V、電流0~10Aで最大300W出力と電子工作用途では性能的には十分なものだと思います。

電源周りの製品なので中華製って大丈夫か?
なんて不安もありましたが、Amazonなど国内でも販売されている機種なのでそのあたりは大丈夫かなと思います。

学生時代は工学部にいたこともあり結構高価な安定化電源や機材などまわりにありましたが、趣味で電子工作用途で使うならまずは必要最低限の機能が問題なく使える機種ということでレビュー等多く上がっていた本機を選びました。

直流安定化電源 Wanptek DPS3010U(30V 10A 最大300W出力)

電子工作用途で使いやすい直流安定化電源についていろいろ調べてみると国産の高機能&高精度なものがもちろん候補として上がって来るのですが、国産のいいものは非常にお高く!

そこそこのお値段で私が想定しているような電子工作用途で便利に使えるものとなると、ほぼ中華製のものとなってしまいます。
その中でいくつか絞っていくと今回ご紹介するWanptek製のものとHANMATEK製、そしてRockSeed製のものがレビューが多く候補として考えていました。

まずは今回ご紹介するWanptek製の直流安定化電源はFINEボリュームスイッチが付いていて電圧や電流調整がしやすそうで、OCP(OVER CIRCUIT PROTECTION)機能があり短絡や過負荷でアラーム音やLEDの点灯で表示させる機能が付いています。
またUSBクイックチャージ端子がありUSB 5V 3.6Aで最大18W出力も可能となっています。

そして最後まで迷っていたのがHANMATEK製の安定化電源。
こちらは主電源スイッチの他にOUTPUTスイッチが付いていて出力のON/OFFが出来ます。
この価格帯の安定化電源でこの機能が付いているものは他に見当たりませんでした。

またRockSeed製のものはエンコーダーで設定できるプログラマブル電源となっていて出力電圧をキーに記憶出来る機能が付いているのですが・・・こちらはノイズが多くて電子回路用途ではあまり向かないといったレビューが数件書かれていたので除外しました。

この価格帯の製品なので欲しい機能を全て満たすとなると・・・なかなか難しく!
ってことで今回Wanptek製の安定化電源にたどり着きました。

Wanptek製 直流安定化電源シリーズ

Wanptek製の直流安定化電源は、出力電圧・出力電流・クイックチャージ対応USB出力機能の有無などにより数タイプ販売されています。

今回ご紹介するWanptek DPS3010U出力電圧0~30V・出力電流0~10AUSB急速充電機能(QC3.0)が付いたタイプとなります。

電子工作用途でよく使われる電圧は3.3Vや5.0V・9.0V・12.0Vあたりだと思うので5A出力のDPS305Uでも良かったのですが、10Aまで出力できる(最大300W)こちらのDSP3010Uの方を選択しました。

同等性能のNPSシリーズもありますが、こちらはUSB急速充電機能が付いていなかったのも本機を選ぶ大きな理由となりました。

付属品

それではまず付属品から見ていきます。

付属品は、取扱説明書(英語)とACケーブル(USタイプを選択)、ミノムシクリップケーブルが付属しています。

今回こちらの製品は海外サイトBanggoodさんからご提供していただいたものとなります。
Amazonなど国内サイトでも販売されている機種となりますが電源ケーブルはおそらくUSプラグタイプのみだと思います。

Banggoodなど海外サイトでの購入では複数プラグタイプを選択することが出来ます。
とは言っても国内で使用するならUSプラグタイプを選択する形となりますが。

USプラグの場合このようにアース端子が付いた3ピンタイプのプラグとなっています。

電源タップ等が3ピンタイプに対応していない場合、このような2ピン変換アダプタを事前に用意しておく必要があります。

また付属でU型シェイプのプローブが付属していますが、横に向けると端子に少し干渉して固定しにくい感じです。

個人的にはバナナプラグタイプのものが付属している方が良かったのですが・・・
安定化電源用のプローブは多数販売されているので使いやすいものに変更していくのがいいですかね!

外観チェック

L225mm×W90mm ×H145mmで重量は約1.8kgとかなりコンパクトに収まっていて外観は結構カッコいいですね!
このサイズなら作業デスクに置いて丁度いいサイズ感です!

スイッチ関係は電源ボタンのほか、電圧調整用V-COARSE・V-FINE、電流調整用A-COARSE・A-FINE、短絡および過負荷アラームスイッチOCPとなっています。

使い方は他の安定化電源と同様、V-COARSEでザックリ出力電圧を調整しV-FINEで細かく調整するといった感じとなります。(A-COARSEとA-FINEも同様)

またCC/OCP(OVER CIRCUIT PROTECTION)スイッチで短絡および過負荷でアラーム及びLEDの点灯で表示させることが出来ます。

そしてWanptekの直流安定化電源では本機DPS3010UとDPS305UにはUSBクイックチャージ端子が付いています。
QC3.0に対応し最大18W出力(5V 3.6A)に対応しています。

そして本体裏側です。
電圧切り替えスイッチ(230V/115V)が付いています。
日本国内での使用では115V側に合わせて使う形となります。

そして電源プラグ差込口の下がヒューズボックスとなっています。

上部に付いているファンは55℃以上になると自動的に回転する仕様となっているようです。

ちなみに底面はラバー製の脚が付いており滑り防止にもなっています。

内部チェック

趣味でやっているドローン関係のものは中華製のものが多いのですが、いつもはんだがあまい箇所が多くトラブルになることもしばしばあったので内部もチェックしてみました。

作りは悪くない感じではんだもしっかりとされていますね!

電解コンデンサはChengという台湾メーカー製のものが使われています。
海外製の製品や電子工作キットなどでたまに見かけますが・・・性能的にはどうなんでしょうか?

内部構成で一番の特徴といえば放熱板でしょうか!
放熱のためのアルミ板が取り付けられていますが、かなりサイズが大きいのが特徴です。
約150mm×115mm×3mmとかなり大きく熱対策としては非常にいい感じです。

安定化電源の機種選びで他社製のものもいろいろと調べていましたがこれだけ大きなものを付けている製品は他にはなく、この放熱板の大きさもこの機種を選ぶきっかけとなりました。
他製品のものと比べ圧倒的に大きい印象です。

安定化電源の基本的な使い方!

実際に使ってみました。
折角なので基本的な安定化電源の使い方とともに見ていきたいと思います。

まずは電源スイッチを入れる前に電圧および電流を最小の位置まで下げておきます。(COARSE及びFINEツマミを左側に回しておく)

それでは定電圧モードで使ってみたいと思います。
ある程度電流値を上げておかないと電圧がかからないのでC.Vランプが点灯するまでA-FINEつまみを回します。
C.Vランプが点灯し定電圧モードに入るとあとはV-FINEでザックリ電圧を合わせV-COARSEで細かく設定していく感じとなります。

定電圧モード:C.V(Constant Voltage)
定電流モード:C.C(Constant Current))

電子工作でよく使われる低電圧で試してみましたが、ダイヤルツマミの回転に対する電圧値の追従反応は少し遅い感じです。
0.01V単位でピッタリと合わそうと思うとなかなか大変です。

電圧と電流はデジタルマルチメーターと比べても誤差の範囲内で収まっている感じでした。
オシロスコープ等持ち合わせていないのでリップルノイズなどがどれくらい出ているか分かりませんが・・・簡易オシロを入手したので後日確認してみます。

また主電源スイッチの他に出力をON/OFF出来るOUTPUTスイッチがあればもう最高だったのですが、この価格帯の製品なので全てを望むのは・・・です。

Wanptek DPS3010U 製品仕様

入力電圧110V / 220V調整済み ±10%60Hz / 50Hz
出力電圧0-30V
出力電流0-10A
最大出力300W
その他の機能USB急速充電(複数の急速充電プロトコルをサポート)
表示電流(0.001) / ワット数(0.01) / 電圧(0.01)表示
保護機能電流制限保護 短絡アラーム停止出力 自己回復
電圧/電流の安定性0.1%±3mV
負荷安定性0.2%±3mV
リップル電圧≤0.5%Vp-p
回復時間≤500μs(50%の負荷変動、最小負荷0.5A)
リップル&ノイズ≦5mVrms、100mVp-p
温度係数≤100ppm/℃
動作温度と湿度0°C~40°C、<80%
サイズL225mm×W90mm×H145mm
 重量1.8kg

【追記】OUTPUTスイッチが搭載された新モデルが出ました!

WANPTEKの直流安定化電源を使うようになり数ヶ月が経ちました。
電子工作用途ではかなり使用頻度が高いアイテムとなっています。
別系統でUSB端子から5Vを出力できるのも何気に便利です。

WANPTEKの安定化電源を1年近く使ってきましたが、性能的にはこの価格帯で買えるものとして非常に満足できるものだと思います。

本記事でも書きましたが、直流安定化電源選びで最後まで迷ったのがOUTPUTスイッチの有無。
本製品には搭載されていませんが、WANPTEKの新モデルにはこのOUTPUTスイッチが搭載されたモデルが販売されたようですね!

最後に!

これから電子工作用途でバリバリ使っていこうと思っています。
はじめて使ってみて感じたところを今回ご紹介しましたが、また気付いたことがあれば追記していこうかと思います。

中華製の安定化電源となり国産の高精度のものと比べると???ですが、電子工作用途で使えるこのクラスのものとしては私には十分で問題なく使える性能だと思います。(欲しい機能を言うときりがないので)

また安定した電圧を出力できるのでドローンをやられている方も1台持っていると便利かと思います。

そして安定化電源って卓上など作業スペースに置くことが多いと思いますが、何気にUSB急速充電機能も便利ですね!
スマホやタブレットなどの充電にも使えますし、何より5V出力なのでArduinoなどのマイコンボードの駆動にサクッと使えそうです。
USB出力のACアダプタではノイズが多いのでマイコンなどデジタル回路にはあまり向かないといった話を聞きますが、安定化電源からのUSB出力なのでそのような用途でも使えるかなと思っています。

使い出したばかりなのでリップルノイズの程度や長時間使用での安定性など未検証な部分もありますが、はじめて使ってみて感じたところを最後にまとめてみました!

Wanptek DPS3010U 特徴!
  • 低価格&コンパクトで電子工作用途では機能的には問題なし!(30V 10A出力)
  • FINEツマミがあって電圧(電流)調整がしやすい!
  • USBクイックチャージ出力が便利!
  • 放熱板が大きく熱対策はよさそう!
不便なところ
  • ダイヤルツマミの回転に対する電圧値の追従反応は少し遅い感じ!
  • 電源スイッチのほかにOUTPUTスイッチがない!

コメントを残す