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【電子工作】意外と簡単!?ファミコンをAV出力(コンポジット出力)に改造してみる!

ジャンクで400円ほどで購入したファミコン本体が手元にあったので、AV出力(コンポジット出力)出来るように改造してみました。

ファミコンをプレイしたいというより、以前ファミコンのコントローラーのCADモデルを製作していた際にその寸法等の確認のために入手したものです。

【電子工作 / 3Dプリンタ】ファミコンコントローラーの自作透明ケースを製作してみました!

動作未確認、そしてACアダプターや映像・音声出力用のケーブルといったものが一切付属していない状態で販売されていたもので、そのため正常に動作するのか確認も出来ない完全にジャンク扱いとなるものです。

ケーブルがあったところで我が家にはブラウン管テレビといった古いテレビが無いのですが・・・
調べてみるとファミコンのAV化改造関連の記事を多数見つけることが出来ました。

コンポジット出力(黄・赤・白のRCAケーブルを使った出力)なら比較的簡単に改造することが出来るようですね。
学生時代に同様に改造したファミコンを研究室で作り遊んでいたのを思い出し、やってみることにしました。

結果は大成功、普段使っているPC用の4Kモニターでプレイ出来るようになりました!

旧ファミコンのAV出力化改造をやってみる!

リアルな世代から少し離れているのでファミコンに関しては全然詳しくないのですが・・・

AV仕様のNewファミコンというものも販売されていたようですが、ファミコン世代の方なら少年時代に遊んだ懐かしの旧ファミコンをお持ちの方も多いはず!
しかし当時の規格(付属しているケーブル)で接続することが出来る古いブラウン管テレビなんて、ゲームマニアな方でもない限り今どき持っている方ってそう多くはないと思います。

RCAケーブルを使い映像・音声を出力できるように改造する旧ファミコンのAV化なら比較的簡単に出来ました!

改造の準備

ファミコン本体のケースを開けてみると、基板はホコリまみれでビックリ!

・・・でも当時の少年達の夢が詰まっていそうですけどね。

旧ファミコン本体内には、カセットを差すCPUが乗ったメイン基板とACアダプターからの電圧を5Vに降圧する回路やRF変換する回路が乗ったサブ基板の2つが接続された状態で入っています。

私がジャンクで購入したファミコン本体にはACアダプターやケーブルが付属していなかったので、電源供給は今回USB端子を取り付けそこから行うことにしました。
そのためサブ基板は必要なくなるので、メイン基板から取り外しました。

基板があまりにも汚かったので、まずIPAを使い基板洗浄を行いました。
見た限りではパーツの破損などもなさそうなので動くとは思うのですが・・・

ここから映像・音声をコンポジット出力できるようにブレッドボードを使い回路を組み、メイン基板と接続して動かしてみたいと思います。

ブレッドボードで回路を組む

RF変調を行うサブ基板はカットしているのでメインボードから出力される音声信号から直流成分をカット、そして映像信号も同様に取り出し75Ωにインピーダンス変換を行う簡易回路を組んでこれをメインボードと接続してモニターに映像&音声を出力させます。

RCAケーブルからの出力で映像・音声をモニターに映し出すところまではスムーズに出来たのですが、映像が酷く音声も結構ノイズが入る状態でした。

信号を見ながら回路構成や定数を調整していきました。

最終的にこのような回路構成となり、綺麗に映像と音声を出力させることが出来ました。

ブレッドボードで組んだ回路をメイン基板と接続

上記回路をブレッドボードで組みファミコン本体のメイン基板と接続します。

接続で必要となるラインは、メイン基板に電源供給を行う[VCC(5V)]と[GND]、そしてメイン基板からの[映像(VIDEO)出力]と[音声(AUDIO)出力]の4つのラインが必要となります。
この4つのラインは、メイン基板とサブ基板とを接続していた部分から取ることが出来るので接続自体は簡単です。

下記写真の向きでメインボードにある端子は左から[VIDEO出力][GND][AUDIO出力][—][5V入力][5V入力][GND]の順となっています。
ブレッドボードで組んだ回路と接続しやすいようにピンヘッダーを取り付けました。

ブレッドボードで上記回路図のものを組み、メイン基板と接続したのがこちらです。

RCAケーブルは、黄色ケーブルが映像(VIDEO)・そして白色ケーブルと赤色ケーブルが音声(AUDIO)となっています。
ファミコンの音声はモノラル出力なので、使用するのは映像用の黄色ケーブルと白色(または赤色)ケーブルの2本となります。

ケーブルはセンターの出っ張りが映像(または音声)ラインとなり、まわりはGNDとなっています。
ワニ口クリップが付いたケーブルを使いこのように接続しています。

これで映像・音声共にかなり綺麗に出力する事が出来ました。

ちなみにRCAで接続出来るモニターが自宅になかったので、こちらのRCA→HDMI変換ケーブルを使いPCモニターに出力させています。

ユニバーサル基板を使い基板を作る

上記は簡易的にブレッドボードで組んだものとなります。
動作確認といったテスト用途では問題ないのですが、ゲームをプレイする際にパーツや配線が外れやすく面倒なのでユニバーサル基板を使いこのように小さくまとめてみました。
回路自体はブレッドボードで組んだものと同じです。

Type-C端子のピッチ変換基板を使いUSB経由で5Vを供給するようにしています。
モバイルバッテリーからの駆動も出来るので便利です!

本体ケースに再度収納してもいいのですが・・・ひとまず今回はこのままの状態で使っています。

基板がむき出しの状態もなかなかカッコよくて電子工作的には良いかもしれません。
学生時代、研究室ではこの状態で遊んでいました!

使用したパーツ

今回使用したパーツです。
ごく一般的なパーツ構成なので入手もしやすいかと思います。

電子工作をやられている方ならこのようなパーツセットをお持ちの方も多いと思います。
単品でパーツを購入するより、コスパが良くあると便利です!

抵抗・コンデンサ

抵抗値は系列(E6系列・E12系列・・・など)により上記回路図と同値のものが揃わない場合があると思いますが、近い値のもので問題ないと思います。(または複数本の組み合わせで使う)

コンデンサは電解コンデンサがほとんどなので、こちらもセットものがあると便利です。(C2の0.1μFコンデンサはカットしても問題ありません)

トランジスタ

使用しているトランジスタは1本のみで汎用性の高い2SC1815を使いました。
2SC1815は定番トランジスタですが、今ではもう製造されていないのかな?
このようなトランジスタセットには今でも付属しているようです。

Type-Cピッチ変換基板

Type-C端子から5Vを取り出せる基板です。
2.54mmピッチで作られているので、ブレッドボードやユニバーサル基板で利用することが出来ます。

TRRSコネクタ&ケーブル

ユニバーサル基板ではTRRSコネクタを使いました。
ピンピッチが異なるので足を差し込むことが出来ませんが、折り曲げるとはんだ付けすることが出来ます。

このようなケーブルとセットで使うと差し込むだけで使えるので便利です。

【追記】ファミコン本体ケースを加工することなく使えるAV化基板の製作を考えています

今回ユニバーサル基板を使いコンパクトにまとめたのですが、ファミコン本体ケースを加工することなく綺麗に収めることが出来る自作基板の製作を考えています。

【電子工作 / PCB】ファミコン本体のケース加工無しで出来るAV出力化基板の製作を考えています!

最後に!

ファミコンやNESといったクラシックゲームは今ではエミュレータを使いPCやESP32などのマイコンがあれば動かすことも出来るのですが、実機を使いプレイしてみるのも面白いものです!

【電子工作】ESP32でファミコンエミュレータを動かすオープンソースプロジェクトに挑戦![NESCAT]
【電子工作 / PCB】ファミコンのコントローラーをUSBゲームパッド化する基板を作ってみました!

今回やってみた旧ファミコンのAV化は簡単に出来るので、眠っているファミコンをお持ちなら引っ張り出して復活させてみるのは面白いと思います。

作業するにあたりこちらの記事を参考にさせて頂きました。

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