電子工作、特に自作基板(PCB)の製作を始めるようになりポゴピンを使う機会が何かと多くなりました。
PCBにはブートローダーやファームウェア、プログラムを書き込むといった用途でその書き込み用の端子を用意することがよくあります
また同様にテスト用に信号ラインを取り出せる端子を用意することもあります。
特定のテストやファームウェアを書き込むといった限定的な用途で使用するためのこのような使用頻度が低いものは専用端子としてではなく基板にパッドを用意しておく場合も多くなります。
そのようなパッドとの接続にポゴピンを使うと非常に便利です。
例えばこちらの基板ではファームウェア書き込み用のパッドを作っていますが、一度書き込んでしまうと以後使う頻度が低いものとなります。
ポゴピンを使えばピンヘッダーなどを取り付けする必要もなく書き込みの際に利用出来るので便利となります。
ポゴピンには様々なサイズや形状のものがあります。
一般的な用途で使用する場合は、ポゴピンが既に組み込まれた市販されているもがあれば大抵の用途で使うことが出来ると思います。
プローブタイプのものや上記のようなクランプタイプのものです。
ただ市販品を使う場合、ピン数やピッチなど使用する用途によりいくつか用意しておく必要が出てきます。
例えばICSPでの書き込みで使用するなら2×3タイプのもの、UPDI書き込みでは1×3タイプのものが必要になるといった具合です。
また基板に作られたパッドのピッチ(2.54mmや1.27mmピッチなど)に合わせる必要も出てきます。
ポゴピンを使う際にそれに関係するものを自作する事が出来れば便利なのでいろいろと模索していたのですが、海外のPCB関係の方に便利な使い方をいくつか教えて頂きました。
今回はその一例として、2種類のポゴピンを組み合わせIDCケーブルやピンソケットといった既存のものと組み合わせて使う便利な方法を見ていきたいと思います。
ポゴピンプローブ[P75-E2]とレセプタクル[R75-3W]とを組み合わせた便利な使い方
ポゴピンコネクタには形状やサイズなど様々なものがあるようですが、ポゴピンの基本的な構造はプレンジャー・スプリング・バレルから構成されています。
PCBに用意されているパッド部分に押し当ててその状態を保てるようにされた構造です。(参考:ポゴピンの基本構造)
そしてポゴピンの基板実装を何度か試してみたことがあるのですが、プローブといったものを自作するとなると実装が結構難しくなります。
例えばこちらはポゴピン(P50-B1)をPCBに直実装させたUPDIプログラマです。
基板に平でポゴピンを実装出来るようにフットプリントを工夫して、そしてステンシルではんだペーストを塗布する量を調整して実装しました。
ピッチを合わせて(2.54mmまたは1.27mm)綺麗に真っ直ぐポゴピンを実装するのはイメージしていたよりも難しかった印象を受けます。

市販されているこのようなPCBを2枚使い縦挿しするタイプを自作する場合も同様で、真っ直ぐピッチを合わせて実装するのはかなり大変な作業になると思います。
このようにポゴピンコネクタを単体でPCBに実装するのは実際にやってみると結構難しいのですが、あらかじめハウジングに取り付けられたタイプのものもあります。
用途に合ったピン数・ピッチのものを用意することが出来れば基板への実装自体は簡単なので、このような自作プローブを製作することも簡単に出来ます。
大抵の用途では市販されているクリップタイプやプローブタイプのものを使えば対応出来るのですが、自作基板を製作するようになりそれら市販品では対応しづらい場面も出てきたことから自作で作れないものかと実際にテスト的に製作して模索している最中です・・・
自作とは少し方法性が変わってきますが、ポゴピンの便利な使い方としてレセプタクルとの組み合わせで使う方法もあるようです。
ポゴピンコネクタのピンをメス型のコネクタで受けて使うというものです。
これならIDCケーブルといった既存ケーブルやコネクタに差し込むだけで簡易的にはなりますが、自作ポゴピンプローブといったものを作り便利に使うことが出来ます。
ポゴピン[P75-E2]を受けとなる[R75-3W]との組み合わせで使ってみる
ポゴピンを使った上記のようなことを試していたのですが、InstagramでPCB関係の方からこのような組み合わせで使う方法もあるよと教えて頂きました。
その一つとしてポゴピンコネクタ[P75-E2]をレセプタクルとなる[R75-3W]で受けて組み合わせて使う方法です。
こういうポゴピンの組み合わせで使うと便利だぜって海外のPCBニキが言ってた!
とりあえずポチっといた👌 pic.twitter.com/mN12c5muDE— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) October 5, 2024
ちょうど市販されているクランプタイプのポゴピンで使われている方法です。
PCBを2枚使い綺麗にピッチを合わせてはんだ付けするのは結構難しいのですが・・・
ポゴピンのコネクタ[P75-E2]は受けとなる[R75-3W]に差し込むだけで固定出来るので、あとは既存のコネクタに差し込めばある程度安定して使うことが出来ます。
ICSPの書き込みでよく使うIDCケーブルに差し込んでみました。
これだけでICSP書き込み用の簡易ポゴピンプローブとして使うことが出来ます。
これは便利ですね!
ピンソケットに差し込んで使うのもいいかもしれません。(もう少しサイズの大きな組み合わせの方がいいかもしれませんが)
PCBに直接固定されているものより多少ズレなどが生じる場合があるので修正しながら使うといった感じになるかと思いますが、簡単に作れる簡易ポゴピンプローブとしては便利です。
こういう使い方の方が一般的なのかな?
便利なポゴピンの使い方ですね!
最後に!
自作基板の製作を始めて何かと使う機会が多くなってきたポゴピンなんですが、サイズや形状など種類が多くその使い方もいろいろとあるようで・・・
簡易的に書き込み用のプローブとして使う方法としては非常に便利ですね!
何かの参考になればと思います。
















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