Arduinoには「Shield(シールド)」と呼ばれる拡張ボードが多数販売されています。
Arduinoボードに挿し込むだけで機能を拡張する事が出来る便利なボードとなります。
Arduino用のシールドは様々なタイプのものが販売されており、簡単に機能を拡張する事が出来るため使われている方多いと思います。
私も結構多くのArduino用シールドを持っていて使っていますが、その中でもセンサーシールドと呼ばれる拡張ボードは便利なのでよく使っています。
センサーシールド(拡張ボード)にはArduino UnoやNano、Mega用のものがあります。
テスト環境で便利に使えることから、以前こちらの記事でご紹介しました。
このセンサーシールド(拡張ボード)とは何なのか?簡単に説明すると、Arduinoボードに接続する事によりデジタルピンおよびアナログピン全てのI/O端子が取り出せるピンヘッダーが付いていて、それぞれの端子にVCC(5V)端子とGND端子が付いているというものになります。
そのためセンサーやサーボモーターなど他のデバイスとの接続が簡単に行えるようになっています。
その他にもI2C機器接続用端子やシリアル端子(TX/RX)、複数の3.3V端子やGND端子が付いているので、テスト環境以外にも製作物に組み込んで使用する際も便利に使えます!
Arduinoボードとブレッドボードという組み合わせでは配線が面倒となる接続も、シールドを1枚使うだけでシンプルに配線することが出来るようになります。
こちらは3Dプリンタを使って作った初めての2足歩行ロボットです。
以前ブログでもご紹介したロボくんですが、Arduino Nanoとこの拡張ボードを使い8つのサーボモーターを接続して動かしています。
先述のように各I/OピンにはVCCとGND端子が用意されているのでサーボモーターもそのまま接続することができ、Arduino側への給電と接続したサーボモーターへの電力供給が行え、配線もシンプルに接続できるので非常に便利に使えます!
また通信用の端子(I2CやUART)も用意されているので、例えばシリアルで接続するBluetoothモジュールとの接続なども上記画像のように簡単に行なえるようになっています。
また、上記ロボくんに1関節増やした計12サーボで動かすこちらのロボ2号機にはArduino Uno用の同拡張ボードを使っています。
このようにセンサーシールド(拡張ボード)は、Arduinoボードで便利に使えるシールドとなります。
そして今回は、Arduino Nano用のセンサーシールド(拡張ボード)についての上記記事の追記的な話となります。
上記動画の4足歩行ロボットは、2関節の4足となるので合計8個のSG90サーボモーターを使って動かしてます。
8個のサーボモーターをArduinoに接続しようと考えるとその駆動用電源の配線が結構大変となりますが、この拡張ボードを使えばシールドに付いている端子にサーボモーターを接続するだけなので非常にシンプルにする事が出来ます。
この4足歩行ロボットの3DプリントパーツデータはThingiverseに無料で公開しており、多くの方が作ってくれているようです。
Instagramでも海外の作ってくれた方からコメントや質問、DMをこれまで多く頂きました。
そしてその中で特に多い質問&コメントが、サーボ駆動用の電源ラインについてです。
Arduino Uno用の拡張ボードでは特に問題ないのですが、Nano用の拡張ボードでは複数のサーボモーターを繋いで動かす場合、電流不足に陥ることが多いといった内容のものです。
この事は私も上記ロボットを製作している際に感じていました。
今回はArduino Nano用のセンサーシールド(拡張ボード)について詳しく見ていきたいと思います。
目次
Arduino Nano用センサーシールド(拡張ボード)について
Arduino用のシールドと呼ばれる拡張ボードは多数販売されています。
シールドはArduinoボードに挿し込むだけで簡単に機能を拡張する事が出来る便利なボードとなります。
モータードライバが内蔵され複数のモーターを駆動したり、ステッピングモーターを制御しCNCで使えるシールドなど様々なものがあります。
このようにArduino用のシールドには拡張する機能により様々なタイプのものが販売されていますが、その中でもArduinoのI/Oピン(GPIO)との接続が容易に行えるセンサーシールド(拡張ボード)は定番的なシールドになるかと思います。
このセンサーシールドには、Arduino UnoやNano、Mega用のものがあります。
今回はArduino Nano用のものを見ていきたいと思います。
Arduino Nanoセンサーシールド(拡張ボード)とは?
こちらがArduino Nano用のセンサーシールド(拡張ボード)です。
ボードの色が青色タイプのものや赤色タイプのものをよく見かけます。
ボードの色によりスペック等の違いがあるのかよく分かりませんが、一般的にセンサーシールド(拡張ボード)と言えばこのタイプのものになるかと思います。
そしてこちらはKeyestudioさんの同シールドとなります。
冒頭でお話したようにNano用のシールドでは電流不足になることがあるため試しに購入したものとなります。
ボード上の接続端子はほぼ同じ構成となっていますが、レギュレータが強化されているようですね!
結果から言いますと、やはりNano用の拡張ボードではサーボモーターを複数接続するなどした場合電流不足になることがあるため、このような強化版的な互換ボードが登場しているようですね!
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ボード上の端子について
まず簡単にボード構成を見ておきます。
Keyestudio製のボードで見ていきますが、他のボード(赤色や青色)もほぼ同じ構成となっています。
シールドなのでArduino Nanoを挿し込むだけで使えます。
Arduino NanoにはUnoに付いているDCジャックのような外部電源用の端子がありません。(VIN端子は付いています)
この拡張ボードを使うことによりArduino UnoのようにDCジャックから電源を簡単に取ることが出来るようになります。(Keyestudio製のシールドにはDCジャックのほか上記写真のPH2.0プラグタイプのものもあります)
ボードに5Vレギュレータが搭載されているので、DCジャックからの給電(7-12V)によりArduino Nano駆動用の5Vと他の接続端子に繋いだ機器への5Vを供給する事が出来ます。
乾電池からの駆動も可能(1.5V×5~7本)ですが、工作用途では18650などのリチウムイオン電池を使えば2本で駆動できるので便利です!
I/Oピンは、デジタルピンD0からD13までとアナログピンA0からA7までの全てのI/OピンにそれぞれVCC(5V)端子とGND端子が付いています。(Keyestudio製のシールドでは、D0/D1はカットされシリアルポート用の端子に統一されています)
2.54mmピッチの端子となっているので、そのままサーボモーターを接続することやその他センサーやデバイス等の接続が簡単で、それら機器に電力供給する事が出来るようになっています。
またデジタルピンD0とD1はシリアルポート端子として独立した形でTX/RXをこちらから取ることも出来るようになっています。
その際の5V端子とGND端子もセットになっているので接続が簡単です!
また、I2C機器接続用の端子も同様に用意されています。
これらがセンサーシールドの概要となります。
Arduino Nanoの場合、サーボモーターやセンサー、LEDや他のデバイスなどいろいろと接続しようと思うとブレッドボードを用意しそれらを動かす電源も必要となり結構な配線になりますが、このシールドを使えばほぼこれ一枚で完結する事ができ非常に便利となります。
1枚持っているとテスト環境で便利に使え、また製作物への組み込みにも便利に使えます!
Keyestudioのシールドではレギュレータが強化されている!
センサーシールド(拡張ボード)の概要が分かったところで、冒頭でお話した内容についてです。
一般的によく見かける青色や赤色ボードのシールドはいくつか持っていて使っていますが、複数のサーボモーターを接続して動かす場合、電流不足になる場合があるようです。
冒頭で紹介した4足歩行ロボットでは8つのSG90サーボモーターをこのシールドに接続して動かしています。
SG90は小型なマイクロサーボですがさすがに8台繋げて動かす場合、下記動画のような単発での動作くらいでは問題ないのですが連続した動作になると結構な電力を消費します。
上記ロボでは動作時平均的に1.5Aほどの電流が必要で、動作によっては瞬間的に2.5A以上の電流が流れる場合もあります。
さすがにこれだけの電流が流れると電流不足となりArduino Nanoが落ちる時が製作時に多々発生しました!
センサーシールドを使ってこれだけ多くのサーボモーターを動かす用途で使うことはあまりないかと思いますが、上記ロボを作ってくれた方やこのシールドをよく使われている方からこのような電流不足に関するコメントをたくさん頂きました。
便利なシールドなんですが、このような特定の使い方?をする場合はその点注意が必要かもしれませんね!
対策として上記ロボくんの場合は、バッテリー(3セルのリポバッテリーを使っています)をDC/DCコンバーターで5Vに降圧し直接5V端子に接続してArduino Nanoおよびサーボ電源とすることにより安定して動くようになりました。
こんな感じの接続です。
そしてKeyestudioさんのボードでは5Vレギュレータが強化されているようですね!
サーボモーターなど電力消費が大きいものを複数繋げる場合には良さそうです。
サーボモーターで言えば、アナログピンからも動かせるのでこのボードを使えば最大20台まで繋ぐことは出来ますが・・・さすがにここまではテストしていませんが動くかな?
無線モジュールnRF24L01搭載のRF-Nanoが使える!
無線でArduinoを制御したい場合、nRF24L01モジュールを搭載したRF-Nanoを使うこともできます。
RF-NanoはArduino Nanoと無線モジュールnRF24L01が一体化した互換ボードですが、このセンサーシールドに取り付ければ無線機能を持たせることも可能です!
通常のArduino Nanoより少しボードサイズが長くなっているので、シリアル端子やI2C端子と少し干渉してしまいますが簡単に無線機能を持たせることが出来るので、このような使い方も面白いと思います!
最後に!
Arduinoで便利に使えるセンサーシールド(拡張ボード)について見ていきました。
一般的によく使われている?青色や赤色ボードのものはAmazonでも安価で入手する事が出来るので1枚持っているとテスト環境等で便利に使えるかと思います。
また、Keyestudio製の拡張ボードは海外サイトAliexpressから購入しました。
KeyestudioはArduinoやRaspberry Pi関連の互換ボードなどを多数販売されているメーカーですが、非常に品質がよく最近よく使っています。
Keyestudio製のArduino Nano用センサーシールドは、ボードに物理的な電源スイッチが付いているのもいいですね。
ロボくんには便利に使えます!
センサーシールド(拡張ボード)は製作物に使う以外にもブレッドボードレベルでのテストでも便利に使えます。
安価で入手出来るArduino用のシールドですが、今回のように複数のサーボモーターを繋げるなど電力消費が大きくなる場合は強化されたボードを使うのがいいかもしれませんね!
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