今回はEnder3 V2の標準構成で出来るカスタマイズをご紹介したいと思います。
ホットエンドまわりのカスタマイズなんですが、Ender3 V2(他のEnder3シリーズでも同じです)では標準構成ではホットエンドカバーが取り付けられており内部にホットエンド冷却用と造形物冷却用の2機のファンが内蔵されています。
そして造形物冷却用ファンから出た風は向かって右側から排出され冷却する構造となっています。
前々からこの冷却ファンを2機に増やしたり、またファンは1機で冷却ブローの排出口を左右2ヶ所に増やしてる方をよく見かけ気にはなっていたんですが・・・
Twitterで何気にこのことに関してつぶやいたところ、いろいろとためになるご意見を頂きなるほどなぁっと・・・
みなさんお優しい、感謝でございます。
興味ある方、以下のタイムラインのぞいてみて下さい!
みなさん?やられてるけど、ノズルから出たフィラメントの冷却ファンってEnder3は片側だけだけど、ダブルファンかシングルファンでも両サイドから風出るようにした方がいいのか🤔
なんて考えてみたり・・・
— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) August 26, 2021
ホットエンドまわりのファンのカスタマイズってファン自体を大型化等する事により静音化などの効果もあるようですが、冷却ファンのブロー排出口を増やしノズルから排出されたフィラメントを両サイドから冷却するのは大きな効果があるようですね!
オーバーハングなどで造形物の向きによる違いなどは薄々は感じてはいたのですが、ファンの交換やそれをマウントするためのブラケットの作成等のことを考えるとなかなか着手出来ない所がありました。
今回Ender3 V2の標準ファンの構成で出来るカスタマイズをやってみました。
結果は非常に良好でした。
新たにファンを購入したりという手間がなく標準構成で試すことができ、場合によっては元に戻すのも簡単なので興味ある方は試してみてはいかがでしょうか?
目次
【Ender3 V2】標準構成で出来るホットエンドまわりのカスタマイズ
FDM方式の3Dプリンタは1層ずつレイヤーを積み上げていく事からオーバーハングさせたり何もない層の上に層を作るブリッジ形状などは、スライサーでの適正な設定等必要で難しいと言いますか苦手とされる造形になるかと思います。
オーバーハングやブリッジ形状では基本的にノズルから排出されたフィラメントを瞬間的に冷却しその形状の維持や下層レイヤーと定着させるのが望ましくなります。
そんな事からファンをカスタマイズされる方が多いのでしょうかね!
3Dプリンタ関連の事を調べているとよくこの辺りをカスタマイズされている方を見かけ以前から気にはなっていましたが、理屈等含め違いが分かるようになってからと後伸ばしになっていました・・・
Twitterでたまたまつぶやいたところ、みなさんいろいろとご意見を頂き試してみることにしました!
Ender3 V2のホットエンドまわりには標準で2機のファンが搭載されています。
正面にあるホットエンド冷却用と右側にある造形物冷却用のファンですね!
ともに24Vの40mmタイプの小型ファンとなっています。
小型ファンのため冷却という本来の機能を果たすためには回転数を高く上げる必要があり、それがEnder3の騒音が高いと言われる理由なんだと思います。
サイズの大きなファンに交換し回転数を下げるなどのカスタマイズは以前からやってみたい静音化対策だったのですが、今回は造形物冷却用ファンのブローの話となります。
Ender3 V2の片側排出から両側排出タイプのブラケットに交換してみました。
お試しでやってみたのですが、これがなかなか効果があるようで私でも違いが感じられたのでご紹介します。
ファンの交換など必要なら上記の静音化などの事も踏まえいろいろと他にも検討したいところではありますが、今回のカスタマイズでは標準ファンの構成で出来るので元に戻すのも簡単なので試してみる価値はあるかと思います。
ブラケットの選定
Thingiverseには無料でこの手のブラケットが多数公開されていまが、Ender3 V2標準ファンの構成でカスタム出来るブラケットとなると数が限定されてしまいます。
私のEnder3 V2は現在BLTouchを取り付けオートレベリング化しており、さらにTitanエクストルーダーを取り付けダイレクト化もしています。
この構成で上手く取り付けが可能なものということでBLTouch用にリミックス作成されたこちらのデータを使わせて頂きました。
ダイレクト化またはBLTouchを取り付けオートレベリング化されている方はこのデータを使われるのがいいと思います。
また標準構成の方は上記データのリミックス元となるこちらのデータを使われるのがいいかと思います。
参考 Satsana Ender 3 Fan DuctThingiverseオーバーハングやブリッジ部分が多い形状の造形となりますが、サポート無しで綺麗に造形できました。
よく出来ていますね!
ブラケットの取付
標準カバーをバラしファン2機を取り外します。
ファンの固定には標準で使われていたビスを使い回すことは可能?ですが固定しにくかったので新たにサイズの違うビスを用意した方がいいかもしれません。
まず造形物冷却用ファンの固定には標準でM2×4ビスが2本使われています。
このサイズのビスでも固定は出来ましたが、少し長い方がガッチリ固定はしやすいようです。
私はM2×5を4本使って固定しました。
次にBLTouchの固定です。
私が使ったデータにはBLTouch固定用マウンタも付属していました。
BLTouchの固定にはM3×6とM3ナットで固定します。(各2本)
次にメインブラケットへの固定にはM3×12を2本使って固定します。
そしてベースプレートへの固定です。
標準で使われていたM3ビス2本で固定するのですが、どうもEnder3 V2のベースプレートでは1ヶ所ネジ穴位置が微妙に合わず1ヶ所のみで固定しました。(他のEnder3では合うのかな?)
数時間動かしていますが特に問題はないようです!
最後にホットエンド冷却用ファンの固定です。
標準で使われていたM3×12ビス2本で上手く固定できます。
手元にこのサイズのビスがあったので2本追加して全4ヶ所固定しました。
以上で取り付けは完成です!
ガタツキもなくいい感じです!
今回に限らず、3Dプリンタの各所固定にはM3系のビスは多く使われています。
サイズが豊富なこのようなセットものを1つ買っておくと便利となりますね!
BLTouchプローブのオスセット値の調整
次にBLTouchを取り付けされている場合、X方向・Y方向のプローブオスセット値の調整が必要となってきます。
私が使ったBLTouchを取り付けられるバージョンのものは、その取り付け位置がノズルからX方向に-28.00mm、Y方向に-15.00mmとなっています。
BLTouchのプローブオスセット値を上記に変更する必要があります。
プローブのオスセット値の調整方法はこちらの記事で詳しく紹介しているので参考にしてみて下さい!
【追記】各所修正したリミックスバージョンを公開しました
本記事でご紹介した上記データを使った場合、先述のようにFANカバーの固定にはビス1ヶ所のみの固定となります。
これでも使用した感じ特に問題はありませんでした。
調べてみたところEnder3 V2では他のEnder3とベースプレートのネジ穴の位置が微妙に違うようですね。
データを修正しEnder3 V2にも完全に対応したものをリミックスとして公開しました。
こちらのデータではビス3ヶ所に加えローラー部分の固定と合わせ計4ヶ所での固定が可能となっています。
使用に伴い1ヶ所のみでの固定ではズレなどが生じる可能性もあるので、これからFANカバーを製作される方は以下追記記事で紹介しているデータを使われる方がいいかと思います。
またダイレクトエクストルーダー(Titan)でも使えるように修正しているので参考にして下さい!
【追記】Ender3 V2に対応した『Hydraファンダクト』リミックスを製作しました!
静音化&冷却能力向上のため『Hydraファンダクト』をEnder3 V2でも使えるようにリミックスとして製作しました!
最後に!
今回ホットエンドまわりのブラケットを交換し造形物冷却用ファンの吹出口を2ヶ所にしてみました。
それほど効果が大きいものではありませんが、オーバーハングやブリッジ形状のものを何度かテスト出力してみましたが違いは感じられました。
今回行ったカスタマイズは標準構成で出来るので、3Dプリンタを買ってある程度出力回数を重ねその違いも少し分かってきたかな?という方が試されるとその効果も確認できていいかと思います。
そしてファンがむき出しになるので少しファン音はこれまでより大きくなるかな?っていう感じですが、標準カバーで囲っていた時より風切り音っていうのでしょうか、気になるノイズみたいな音は軽減される印象です。
ファンの風量を大きくし冷却性能や騒音化対策をするにはファン自体を交換したりと少し敷居が上がってしまいますが、今回のカスタマイズでは標準構成で出来るのでまず試してみるのはおすすめです。
かなり良好です!
そしてSNSで教えていただきましたが、最終的にはこんな感じにカスタマイズさせたいと思っていますが・・・
いろいろと一気にやっちゃうと違いが分からないまま終わってしまうので今後の目標としてとどめておきます。
[…] 【Ender3 V2】標準構成で出来るホットエンドまわりのおすすめカスタマイズ!(ファンカバーの交換) […]