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【iSDT Q6 Nano】小型バランス充電器iSDT QシリーズのニューバージョンiSDT Q6 Nanoレビュー

ドローンのバッテリー充電ではいつもお世話になっているバランス充電器。
私は複数台バランス充電器を所有していますが、全てiSDT製のものを使っています。

特にこだわりみたいなものはないのですがドローンを飛ばすようになり初めて使ったバランス充電器がiSDT製のものだったのが大きく、そしてメーカーとしての信頼性も高く操作感やUI的なものも直感的に使う事ができ非常に使いやすい充電器なので統一させている感じです。

バランス充電器はいろんなメーカーさんが出されており価格等も含め実際に選ぶとなると非常に迷うところではありますが、バッテリーまわりの話なので少しお高くても信頼できるメーカー製のものを買われるのがいいかと思います。

そして今回ご紹介する充電器は、iSDT製のコンパクトなバランス充電器Qシリーズの新しいバージョンにあたるQ6 Nano充電器となります。
Q6 ProやQ6 Liteの後継機的な充電器になり比較対象となるかと思います。

屋外にも持ち出せる小型バランス充電器としてQ6 Proを普段使っていますが、Q6 Nanoではさらに小型化しています。

【iSDT】コンパクトなバランス充電器『iSDT Q6 Pro』を野外充電用に導入!

そのためか画面サイズもかなり小さくなっており(1.5インチ240×240 IPS LCD)使い心地はどうだろう?なんて当初考えていましたが、IPS液晶となり解像度が上がっているんでしょうか?
以前のQ6の画面と比べると非常に綺麗で見やすい液晶画面となっています。(とは言ってももう少し画面サイズは大きい方がありがたいのですが!)

また以前のQ6充電器にはなかった充電モードとしてDC電源(DC Power)バッテリーを破壊する(Destroy)モードなんていう少し怖い?モードが加わっています。

さらに電圧校正(Calibration)機能も追加されており、大きくアップデートされている印象です。

Banggoodさんの製品ページでは旧Q6充電器が検索には引っかかりませんでしたが、全て新タイプのこのQ6 Nanoに置き換わったのでしょうかね?
充電性能的には最大充電容量が200WのQ6 Liteの方と同性能になるかと思いますが、上記の機能が追加され価格も$30くらいと非常にお安くなっているのでオススメです!

それでは新しいiSDT Q6 Nano充電器を見ていきましょう!

iSDT Q6 Nano バランス充電器

コンパクトなパッケージとなっています。
付属品は、マニュアル(英語と中国語対応)にいつものiSDTステッカー、画面保護用フィルムが付属。
本体カラーはイエロー・グリーン・ホワイトの3色から選べます。

外観チェック

本体上面にはあらかじめ仮の保護フィルムが貼られているので付属のフィルムを貼り直す形となりますが・・・
端に付いているテープ(青いやつ)を引っ張ってもなかなか外れなく綺麗に貼られているのでこのままでも問題なさそう・・・とりあえずこの状態で今は使っています。

Q6 Pro(Q6 Liteもサイズは同じ)と比べると本体サイズは少し小さくなっています。
それに伴い画面の方はかなり小さくなっている印象です。

しかしバッテリーを繋げて実際に画面を見るとIPS液晶が採用されているため非常に綺麗で逆にQ6 Proの画面の粗さが目立つ感じです。
個人的には画面サイズはQ6 Proくらい大きい画面の方が良かったんですけどね!

そして操作用のボタン。
これまでのiSDT製充電器ではクルクル回るジョグホイールが使われていましたが、Q6 Nanoではアップダウンと押し込むタイプのボタン(名前が?)が採用されています。

基本的にはこれまでのジョグホイールと操作は同じなんですが、これが非常に操作しづらい!
これまでのiSDT製充電器に慣れている方は操作がかなりやり難く感じるかもしれません。(私だけかな?)

完全に慣れの部分だと思いますが、慣れてくるとジョグホイールのように回しすぎて目的の場所から行き過ぎたりなんて事が減りますが・・・個人的にはこれまでのジョグホイールのままが良かったかななんて思います!

そして左側面に入力用のXT60プラグとMicroUSB端子があります。
このMicroUSB端子は本体ファームウェアのアップデートで使用します。
最近のiSDT製充電器はPCとダイレクトに接続しファームウェアのアップデートが出来るようになったのがいいですね。

入力側はXT60プラグとなりますが、はじめてiSDT製充電器を使うという方のために少しご説明しておきます。

一般的に入力側には、ACアダプターや安定化電源を使いDC(直流電圧)での入力となります。
もちろん大容量なリポバッテリーを入力側に使えば屋外に持ち出して使う事も出来ます。

iSDT製バランス充電器に関してはD2や608ACなどAC入力に対応した充電器もありますが、Q6 Nanoでは入力はDCのみとなっているので使用にはACアダプターや安定化電源等を別途用意する必要があります。

そして右側面には出力用(充電するバッテリーを繋ぐ)のXT60プラグとバランス端子があります。
2〜6セルまでのバッテリーに対応しています。

そして底面には滑り止め用のラバーが付いており、奥にはファンが内蔵されています。

製品仕様

入力電圧:DC 10-30V
最大入力電流:9A
出力電圧:DC 1-30V
充電電流:0.1-8.0A
放電電流:0.1-1.0A
最大充電容量:200W
最大放電容量:10W
バランス電流:0.5A /セル最大
バランスセル:2-6S
カラー:グリーン/ホワイト/イエロー
サポートバッテリー:LiFe、Lion、LiPo、LiHV:1-6S
Pb:1-12S、NiMH:1-16S
ディスプレイ:1.5インチ(240X240 IPS LCD)
サイズ:72x72x32mm
重量:120g

初期設定

まず本体の初期設定をやっていきます。
上部のボタンを長押しすることにより【初期設定画面】に入る事が出来ます。

スペック&価格的にはじめて選ぶ方のバランス充電器としても良さそうなので少し細かく見ていきます。
少し項目が前後しますが、重要なものや新たに加わった機能から見ていきます。

自己診断テスト(Self-test)

本体ハードウェアに問題がないか自己診断するモードとなります。
購入時、まず一度チェックしておくのがいいかと思います。

MEMO
充電側バッテリーは外した状態で実行して下さい。
エラーが出て自己診断が進みません!

言語(Language)

これまで海外サイトで入手したiSDT製充電器では言語設定に[日本語]が選択出来なかったのですが、今回のQ6 Nano(Banggoodレビュー品)では日本語設定が出来るようです。

他の充電器で英語表記に慣れちゃったのでこのまま英語表記で進めていきます。

最大入力電圧(Lowest Input Voltage)

このQ6 Nano充電器は基本的に入力側にACアダプターや安定化電源を使って充電する形となり、使用している機器に応じ電圧を設定する形となります。

そして役立つのがリポバッテリーからの充電になります。
屋外などに持ち出して使用する際に容量の大きなリポバッテリーから充電する場合がありますが、その際に電圧を設定しておくことにより充電側バッテリー(親バッテリー)の過放電防止にも役立ちます。

こんな感じで設定電圧を下回ると警告を出す事が出来ます。

システム情報(System info)

Q6 Nano本体のファームウェアのバージョンをチェックします。

これまでファームアップをしなくても不具合等はありませんでしたが、やり方は簡単なのでこちらを参考にして下さい!(Windows PCからのみ可能

【追記】
iSDT製充電器のファームウェアアップデートがMacにも対応したようです。
Q6 Nano充電器もMac経由でアップデートをやってみました。

iSDT製バランス充電器のファームウェアアップデートがMacにも対応したようですね!【iSDT Q6 Nano / 608AC】

電圧校正(Calibration)

新たに加わった機能ですが、入力電圧・出力電圧・各セル電圧の校正(キャリブレーション)を行います。

テスター等でバッテリーの実値を計測&入力して補正するという使い方だと思います。
0.001V単位で細かくキャリブレーション出来るようです!
バッテリーチェッカー等の計測値と大きく違ってきた場合などに有効ですね。

その他 設定

その他の初期設定項目に関しては音量や画面の輝度などの設定となり特に解説の必要はないかと思いますが、他のiSDT製充電器と共通な設定項目なのでこちらを参考にして下さい!

【iSDT D2】iSDT D2充電器の基本操作&設定方法!

DC電源(DC Power)やバッテリーを破壊する(Destroy)モード!

以上、初期設定が完了したら実際にバッテリーを充電してみたいと思います。
バッテリーの充電(Charge)・放電(Discharge)・ストレージ(Strage)・充電電流の設定は過去詳しくご紹介しているのでこちらを参考にしてみて下さい!

【iSDT D2】iSDT D2充電器の充電(放電・ストレージ)設定方法!
【iSDT D2】パラレルボード接続時の充電電流の設定!

そして新たに追加された充電機能として、DC電源(DC Power)』モードと『バッテリーを破壊する(Destroy)』モードが加わっています。

DC電源(DC Power)モード

新たに加わった機能としてまずは『DC電源(DC Power)』モードがあります。
このモードではバッテリーに充電するのではなく、設定した電圧及び電流をリミットとして設定し出力する事が出来ます。

電圧は2.0〜30V、電流は0.2〜5.0Aの範囲で設定できます。

出力側のXT60プラグに何かしらの変換ケーブルを繋げれば目的の電力を取り出す事が出来ます。
DCプラグに変換してFPVモニターの駆動で使ったりといろいろと使えそうですね!

適当な負荷がなかったのでもう1台充電器を繋いで試してみました。
問題なく電力供給が出来ました。

バッテリーを破壊する(Destroy)モード

次に『バッテリーを破壊する(Destroy)』モードも新たに加わった機能です。
手持ち充電器ではiSDT 608ACにもこの機能が付いているのですが、名前からして何だか怖そうでよく分からない機能、そしてあまり解説されている方がいなくて使っていませんでしたが・・・
使ってみると結構便利な機能なのかな?

廃棄バッテリーが出ると塩水に浸けてブクブク・・・なんて事をやるかと思いますが、このモードを使えばバッテリーを完全放電する事が出来るようなんですが・・・

試しに使い古したバッテリーを使ってやってみましたが、処理後バッテリーの各セル電圧はまだ1.2V程度あり充電器側で電圧を認識出来るので再度充電することも可能でした。

完全に放電(0Vまで)させると言うよりは放電(Discharge)では3.20Vあたりまでしか設定出来ないので、充電器が出来る限界まで放電させるという意味合いになるんでしょうかね?
そして一応ここから塩水に浸けて廃棄に・・・

以上、Q6 Nanoで加わった2つの新しい充電モードでした。

ACアダプターや安定化電源について!

AC(コンセント)からの使用ではACアダプターや安定化電源が必要となってきます。
このような先端がXT60プラグとなっているACアダプターでも使用できます。(写真のものは定格12V 3A)

充電するバッテリーのセル数や容量により充電電流が変わってきますが、例えば2セル300mAhとか小さい容量のバッテリーならパラレラボード等で複数本同時に充電は可能ですが、充電側のバッテリーに応じてACアダプターでは不足するようなら安定化電源などを用意する必要があります。

今回Banggoodさんでレビュー用でご提供頂きましたこのQ6 Nano充電器と安定化電源やパラレラボードなどがセットになったモデルも販売されているようです。
検討されている方はこちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。

またこちらはサイズが少し大きくなりますが、AC/DC両充電に対応したiSDT 608ACは個人的に非常に使いやすい充電器なのでオススメです!

【iSDT 608AC】電源ユニットが取り外せコンパクトに持ち運べ、AC/DC充電対応と便利なバランス充電器です!

最後に!

旧Q6充電器から機能が追加されアップグレードされたQ6 Nano充電器をご紹介しましまが、小型サイズで機能がアップされ安価な価格設定がされている点は非常に好感がもてます。

しかしながら以前のジョグホイールが変更され操作がしずらくなった点は個人的には残念に思います。

はじめてのバランス充電器という方はACアダプターや安定化電源などを別途用意する必要がありますが、もう使い慣れている方は小型な充電器なので屋外持ち出し用に1台持っておけば便利かと思います。
何よりiSDT製のバランス充電器でこの価格設定はいいですよね!

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