以前書いたこちらの記事の追記となります。
基板の面付け(パネライズ)方法には同種基板や異種基板の面付け、またそのカット方法にもVカットを入れたものやスリットを入れたものなどいろんな面付け方法があります。
上記記事ではJLCPCBに面付け依頼を行う発注方法を書きました。
JLCPCBでは単一基板データ(ガーバーファイル)を使い面付け依頼を行うことも出来ます。
発注の際に『JLCPCBによる面付け(Panel by JLCPCB)』を選択し単一基板データから行・列の数を指定して1枚の面付け基板として製造してもらうというものです。
面付け基板はKiCadのプラグインKiKitなどを使い面付け基板データを作成することも可能ですが、そのような面付け済みのデータを自身で作成する必要がないため用途によっては便利に使えるサービスで安価で面付け基板を作ることが出来ます。
この『JLCPCBによる面付け』ですが、以前の発注では単一基板データを使い必要な数(行および列の数を指定)してVカットラインを入れてもらい1枚の面付け基板として仕上げるというものでした。
同種基板のVカットによる面付けと限定されますが、基板を発注する際に通常作成する1枚の基板データを用意しておけば、あとは必要な数を指定するだけでJLCPCB側で1枚の面付け基板データにして製造してくれます。
通常作成する単体基板データがあれば、
JLCPCBで面付けしてもらい、このような面付け基板として作ることが出来るということですね!
- 同種基板に限定!
- カット方法はVカットによる面付けに限定!
そしてこのJLCPCBに面付けを依頼をする方法なんですが、パネル間隔も指定出来るようになったようです!(以前は出来ませんでした)
JLCPCBのパネライズの発注が分かりやすくなってる📝
パネル間隔も指定出来るようになってるね! pic.twitter.com/RYSHQylc4u
— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) December 8, 2024
実際に発注して試してみたので簡単に見ていきます。
単一基板データを通常発注する時と同様にJLCPCBのサイトにアップロードし、JLCPCBに面付け依頼を行うので『JLCPCBによる面付け』を選択します。
必要な面付け数(列・行)を指定するのはこれまでと同様ですが、列間隔・行間隔という項目が新たに加わって指定出来るようになっています。
これまでの単一基板を敷き詰めてVカットを入れるというものから、基板間の間隔を指定して配置することが出来るようになったということです。
ちょうどこちらのピッチ変換基板を面付けして発注する予定があったので試してみました。
面付け枚数(列数・行数)を指定するだけならこれまでと同じでVカットラインが入った敷き詰められた基板になります。
基板間の間隔を指定することも出来ます。
列間隔を2mmに指定して3×5の面付け基板として発注してみました。(上下にエッジレールを入れています)
こちらが実際に届いた基板です。
指定通り列方向の基板間に2mmのスペースが空いたVカット面付け基板となって製造されました。
今回テスト的に発注した基板はピッチ変換基板なので必要な時に個別で切り離して使うためあまり恩恵はないのですが・・・
以前同様に面付け依頼して発注した基板では、パーツ実装時に面倒になることがありました。
こちらの基板は電子工作でよく使う充電ボードをカスタムして自作したもので、いくつかまとめて実装して手元に置いておこうと思っていたものです。
以前の面付け依頼では間隔を指定できず単一基板が敷き詰められた基板となっていたため、Type-C端子の先端を基板エッジから少し出っ張るように設計していた部分が次の行の基板と干渉して実装しにくいことから切り離す必要があり・・・
基板のパーツ配置によってはそのような場合が出てくるので、基板間にスペースを開けて面付けが出来るようになったのはいいですね!
JLCPCBに面付け依頼して発注する方法は同種基板のVカットによる面付けに限定されますが、同様な面付け基板データを用意する手間がかからず、自身で作成した面付けデータを発注する場合と比べてもほぼ料金は変わらないので便利に使える場合が多いと思います。
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