以前、ATmega32U4を使ったファミコンやスーパーファミコンのコントローラーをUSBゲームパッド化するカスタム基板を製作したことがあります。


製作記事を公開したところ、「GP2040-CEに対応させることは出来ないか?」というお問い合わせを当時いくつか頂いたことがあったのを覚えています。
当時はまだ自作基板の製作を始めたばかりだったということもあり、普段電子工作で馴染みのあったATmega32U4やArduino環境で製作を進めていたため、まだGP2040-CEの存在すら知らず・・・
GP2040はアーケードコントローラーの製作などでもよく使われているのを見かける定番ファームウェアのようですね!
機能が豊富かつ評判も良いとのことで、このファームウェアにも触れてみるいい機会だと思い、ファミコンコントローラーのケースのCADモデルを作成しGP2040-CEをベースにType-C端子を備えたカスタム基板や本家ケース以外にカスタムケースとの組み合わせでも使えるファミコンコントローラー型のUSBゲームパッド化基板とカスタムケースを新たに製作しました。
ファミコンらしい懐かしさはそのままに、今風な仕様のゲームパッドとして仕上げることが出来ました!
上記製作したものが非常に良かったので、同様のコンセプトでGP2040に対応したスーパーファミコンのコントローラーをUSBゲームパッド化させるカスタム基板やケースも今回製作してみることにしました。
練習がてらスーファミコントローラーのモデリング🎮
表面の微妙なアールをスケッチで表現すると、計算に時間かかるのかFusion360くんが落ちるのよ・・・😮💨 pic.twitter.com/9Neu4aZ3zP
— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) July 19, 2025
目次
GP2040-CEを使ったスーファミコントローラーUSBゲームパッド化基板の製作!
前回のファミコンコントローラー型のゲームパッドを製作した時は、正確にモデリングしたコントローラーのCADモデルを活用し、GP2040-CEで動作するカスタム基板とType-C端子で使えるカスタムケースとの組み合わせやUSBケーブルを接続して本家ケースとの組み合わせでも使用できる構成としました。

今回はその延長線として、同様なコンセプトでスーパーファミコン版のゲームパッドも製作してみることにしました。
オリジナルのスーファミコントローラーのフォルムやサイズ感を忠実にモデリングで再現しつつ、Type-C端子やRGB LEDを搭載した今風仕様のゲームパッドとして使用出来るようにしています。
シルクのミスとか、3Dモデルの寸法ミスとか結構発見したわ💡
大体8割くらいまでは勢いで作れるけど、最後の仕上げ2割はやっぱ時間かかるよねー! pic.twitter.com/c9hPOGgsf6
— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) July 30, 2025
また製作したカスタム基板は、本家ケースに組み込んでも違和感なく使えるように互換性を確保した設計としました。
カスタムケースのCADモデル作成
今回製作するスーファミコントローラー型のUSBゲームパッドは、GP2040-CEファームウェアで動作する構成で考えています。
GP2040-CE は、Raspberry Pi PicoやRP2040-Zero、XIAO RP2040といったRP2040(マイコンチップ)を搭載した各種市販ボードに対応したファームウェアです。
参考 Multi-Platform Gamepad Firmware for RP2040GP2040-CEこれら既存ボードをそのまま使うことが出来れば、カスタム基板の製作は比較的簡単に出来るのですが・・・
本家コントローラーのケースにそのまま組み込んで使ったり、また本家ケースと同形状のカスタムケースでも使えるという今回のコンセプトでは、上記のような既存ボードを使うことがスペース的に難しくなってくるので、今回もRP2040チップをオンボード搭載するカスタム基板として製作することにしました。
これにより、カスタムケースとの組み合わせで今風にType-C端子&ケーブルを接続して使えるようにしています。
また本家スーファミコントローラーのケースをそのまま活かして使いたい場合は、Type-Aケーブルを基板に接続することにより使うことが出来るようにもしています。
上記2パターンで使えるように、基板サイズや形状、そして取り付け穴位置などは本家基板に合わせ、それにプラスしてカスタムケース向けにType-C端子も搭載出来るようにしました。
これでType-Cケーブルが使えるカスタムケースまたは本家ケースとの両方の組み合わせで使える基板形状が決まりました!
- Type-Cポートを使った「ケーブルレス」スタイル(カスタムケースとの組み合わせ)
- USBケーブル(4ピン)を直付けするスタイル(本家ケースとの組み合わせ)
そしてカスタムケースのCADモデルを製作する際に難しかったのが、スイッチ部分の作り込みでした。
このスイッチ部分は、カスタムケースで使う場合も本家コントローラーで使われているスイッチやラバーパーツを流用する形としています。
そのため、本家コントローラーの内部形状を正確にトレースしておかないと操作感に直接影響が出る部分となるため、上手く作り込んでおきたい部分になります。
夜CAD再開。
試作をプリントして各所調整出来るところまでは持っていけたかな!本家ケースとの組み合わせやカスタム基板入れてType-Cでも行けるように内部を調整中・・・🤤
スーファミくらいのキー数あれば、これを流用してロボ用コントローラーとかも作れそう📝 https://t.co/K3rNccehaR pic.twitter.com/F2jlcdRFyD
— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) July 21, 2025
以前自作ゲームエミュレータを製作した時にスーファミコントローラーのスイッチパーツを使ったことがあり、コントローラー内部のスイッチ構造やクリアランスなどに関して詳細に確認したことがあります。

これらのデータや知見を活かし、何度か自宅の3Dプリンタでモックを作成し本家コントローラーと遜色ない操作感が得られるように調整していきました。
またケース外観に関しても、本家コントローラーのフォルムやサイズを忠実に再現して設計しています。
一発目のモックとしては、かなりいいところまで持って行けた👌
本家ケースとの組み合わせでもピッタリ!曲面のサポートはかなり汚いけど、外注する事前提で設計してるので問題ないでしょう… pic.twitter.com/luxWGsSL7K
— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) July 22, 2025
基板設計
カスタムケースの3Dモデルおよび本家ケースでも使える基板形状、そしてUSB端子を取り付ける最適な位置などが決まったので、3D CAD上で確認しておいたケースとの干渉部分なども含めKiCadの方にインポートして基板設計に移りました。
そして前回製作したファミコンコントローラーの方では、基板背面に搭載したRGB LEDとカラースケルトンケースとの相性が非常に良くいいアクセントになったので、今回もLEDを搭載させカスタムケースはカラー透明ケースとして仕上げることにしました!
PCBWayの3Dプリントサービスを利用してこれまで透明レジンの染色を何度か試したことがありますが、非常に綺麗な仕上がりとなるので今回も期待しています!
僕が最近PCBWayの3DPサービスにハマってる理由③
自作ゲーム機のカラースケルトンケースとか作る時の相性は抜群👌
・・・今後も増えていくでしょう…🤤 https://t.co/i8gcuNkcID
— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) July 19, 2025
これでカスタム基板&ケースの設計が完了したので、発注へと進みます。
PCBWayに基板&3Dプリントケースを発注
基板および3Dプリントケースの製造は、PCBWayを利用しました。
PCBWayでの発注も少し見ておきます。
まだ基板のパーツ実装が完了していないので、実装後の動作テストで問題がなければ基板やケースデータをいつものようにダウンロード出来るようにしておきます。
【追記】
動作確認が完了し問題がなかったので、基板データ(ガーバーファイル)とカスタムケース(STL)をいつものようにダウンロード出来るようにしておきます。
また、パーツの実装から完成までの製作過程はこちらの後半記事で書いているのであわせて見て頂ければと思います。

基板の発注
PCBWayでの基板発注は、[概算の見積価格の確認(仮発注)] → [データチェックを受け最終価格が決定] という流れで進めていきます。
発注項目の選択は特記すべきところはなくデフォルトで選択されている項目から基本的に変更する必要はありませんが、今回の発注では以下2ヶ所に製造オプションを付けて発注しました。(レジストカラーはお好みで選択して下さい!)
1つ目は、基板製造時に入る製造番号を削除するオプションです。
大きなパーツの直下に隠してしまってもいいのですが、透明ケースで使うことを想定して、[Remove product No.]に[Yes(extra+$1.5)]を選択し削除オプションを付けました。(1.5ドルのオプション料金がかかります)
2つ目は、表面処理オプションとして[無電解金フラッシュ(ENIG)]オプションを選択しました。
これは通常の有鉛はんだレベラー[HASL]よりも加工料金がかかってしまいますが、本基板で使っているメンブレンスイッチ部分に有効となります。
ENIGは通常のHASLと比べて表面がフラットかつ耐久性に優れており、メンブレンスイッチといったこのようにパッドがむき出しになったスイッチの接触面と相性が良いとされています。
特に今回のような物理的な押下を伴うパッド構造では、摩耗に強く酸化しにくいENIGが適しています。
また表面が均一なので、リフローでのパーツ実装でブリッジなども起こりにくい印象も受けます。
そして今回はリフローでのパーツ実装を想定しているので、メタルマスク(ステンシル)も一緒に発注しました。
手実装となるので[枠なしメタルマスク]を選択、そしてメタルマスクサイド(実装面)は[裏面のみ]の指定となります。
以上、オプションおよびメタルマスクを選択しカートに入れました。
ここからガーバーファイル(基板データ)をアップロードしてデータのレビューが行われ、最終価格が決定された後に本発注への流れとなります。
PCBWayでの基本的な基板発注方法は、こちらの記事で詳しくまとめています。
あわせて見て頂ければと思います。

3Dプリントケースの発注
次に3Dプリントケースの発注です。
ケースデータ(STL)をPCBWayのサイトにドラッグ&ドロップしてアップロードします。
PCBWayの3Dプリントサービスでは、選択出来るマテリアル(材料)やカラーバリエーションが非常に豊富なので迷いますが・・・
CADの設計段階からカラー透明ケースとして仕上げることをイメージしていたので、透明レジン[UTR-8100(transparent)]をベースにして[Surface finish(表面処理オプション)]から[染色(Dyeing)]を選択してカラーを指定しました。
PCBWayの3Dプリントサービスでは、標準で用意されている色味(Common Colors)以外に、PANTONEカラーを指定してお好みの色味に仕上げることも出来るので、選択出来る色数が非常に豊富です!
そのため、CAD上でイメージしていた色味に近いものを実際に形にすることが出来ます。
今回は青色透明ケースをイメージしていたので、LED点灯の透過性や内部パーツ&基板がいい具合に透けて見えるようにオプションの染色(Dyeing)からPANTONE Blue 072Cを指定して発注しました。
CADのレンダリングイメージでは、このような色味になる予定です。
PCBWayの3Dプリントサービスでは、PANTONEカラーコードを指定して造形を依頼できるため、イメージに近い色味のパーツを実際に製造することが可能です!
オリジナルケースの仕上がりをイメージする理想のものに近づけることが出来ます。
実際に届いたケースは、イメージに近い色味となり非常に綺麗な仕上がりになっていました!
PCBWayでの3Dプリントパーツの発注方法は、こちらの記事でまとめています。
あわせて見て頂ければと思います。

送料も1回分で済むので、同梱で発注するとお得になります!
発注した基板と3Dプリントケースの到着
3Dプリントパーツの製造、特に今回利用した透明レジン(UTR-8100)での製造は結構時間がかかるのですが(オプションにもよりますが通常7-10日前後)、今回配送方法にOCSを選択し発注から9日で手元に届きました。
PCBWayさんから来たやつ🟩
スーファミコントローラーのUSBゲームパッド化基板とType-Cカスタムケースです。レジンの染色、今回4回目だけど・・・これ、やべーだろー!
超絶綺麗👍️Thank you
提供:@PCBWayOfficial pic.twitter.com/f530Fv3YT0— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) August 14, 2025
PCBWayでの透明レジン(UTR-8100)の染色は、今回で4回目となるのである程度仕上がりに関しては予想できていましたが・・・
3Dプリントケースは非常に綺麗な仕上がりとなっていました!
個人レベルの製作物でこのクオリティーのものが作れると今後の工作の幅も広がりそうで、いろいろと活用出来そうですよね!
まだパーツの実装が完了してませんが、仮組の段階ではケースのフィット感、そしてスイッチ操作の感触など特に問題なく完璧な仕上がりでした!
そして基板の方は今回メンブレンスイッチを使っていることから表面仕上にENIGを選択したのですが、PCBWayで製造されるレジストは比較的光沢感が強い方なのでENIGとの相性も良く綺麗に仕上がっていました。
余談ですが、PCBWayでは選択出来るレジストカラーも多いことから、確認用としてPCB定規セットが手元にあると便利です。
PCBWayユーザーならギフトショップで安価で入手することが出来るので、基板発注のタイミングで入手しておくと重宝します!

最後に!
PCBWayから届いたカスタム基板とケースは、仮組みの段階で寸法や取り付け部分に関して問題はなさそうで、狙い通りの仕上がりを確認することができました。
スイッチの操作感も問題ないようで、まだパーツの実装が完了していませんが設計通りに仕上がった点は大きな安心材料となりました!
次はいよいよパーツの実装工程へと進んでいきます。
記事が長くなってしまうため、後半では実装作業からファームウェアの書き込み、そして実際の動作確認までをご紹介できればと思います。




































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