11月25日発売 書籍『Arduinoと3Dプリンタでロボットを作ろう』を出させて頂きました!

【M5StickC】これからはじめる電子工作。M5StickCからはじめてみるのはオススメです!

TAGS:

最近巷で流行っている?電子工作ですが、回路設計やプログラムが難しそう?などそんなイメージから手を出すにはなかなか敷居が高いような雰囲気があります。

私もその一人だったのですが、最近ではArduinoやM5Stickなどマイコンボードの登場で比較的簡単に電子工作を楽しむことが出来るようです。

今回は、非常にメジャーな小型端末『M5StickC』を使い始めたのでご紹介したいと思います。

ESP32-PICOを搭載した4.8×2.4×1.4cmと非常に小型な端末となります。
80×160ピクセル(0.96インチ)のカラー液晶画面が搭載され、6軸加速度(ジャイロセンサー)・マイク・LED・ネットワーク機能(Wi-Fi/Bluetooth)・赤外線送信機(IR)・3つの物理ボタン・バッテリーが内蔵されたマイコン端末となります。

PCを使ってプログラム(ファームウェアなども含め)を書き込んであげると端末単体で動かす事も出来ます。


またHATやGROVEと呼ばれるセンサー等のハードウェアが組み込まれたモジュールを組み合わせることにより機能を拡張することも出来たりと、なんとも楽しい端末となります。

こんな機能が付いたマイコンボードが学生時代にあったら便利だったのに・・・なんて思ってしまいますが、これだけの機能が付いてお値段が2,000円ほどで買えるなんてさらに驚きの製品です。

使用するプログラムは、Arduino IDEやUIFlowが使えます。
Arduino(ワンボードのマイコン)を使ったことがある方ならお分かりだと思いますが、Arduinoボードにジャイロやネットワーク機能・液晶画面が搭載された端末と言えばイメージが掴みやすいかと思います。

また、電子工作やプログラミングなんて全くやったことがない!(私もほぼこの状態です)って方でも大丈夫!
UIFlowと呼ばれるM5Stack社が開発した素晴らしい開発環境が用意されています。
ブロックプログラミングっていうのでしょうか?
用意された各種機能が付いたブロックをPC上でドラッグ&ドロップで配置してプログラムしていくことも可能なので、全くプログラミング初心者の方でも直感的にある程度のことなら動かすことが可能となっています!

M5StickC

M5Stack社が開発販売する小型端末M5StickCとなります。
4.8×2.4×1.4cmの非常に小型なスティック型の端末となります。
M5Stickシリーズの端末には、今回ご紹介するM5StickCのほかM5StickやM5StickVなどが販売されているようですが、一番メジャー(一般的な?)端末はこのM5StickCになるかと思います。

MEMO
最近、バッテリー容量や液晶画面の解像度がアップしてスピーカーも内蔵されたM5StickC Plusの販売も開始されたようです。

付属品

それではM5StickCのパッケージ内容を見ていきましょう。
今回は腕時計マウンタやLEGO互換マウンタなどが付属したこちらのモデルを選択しました。

付属品には、M5StickC本体・腕時計マウンタ・ネジ固定用マウンタ・LEGO互換マウンタ・USB Type-Cケーブルが付属しています。

私のところにはオレンジ色のバンドが届きましたが、バンドおよびマウンタの色は入荷時期によって異なるようです。

双方向でやり取り(片方をコントローラーとして使うなど)もやってみたかったので、もう一つM5StickCを追加購入。
2つ目なのでM5StickC端末本体のみの(USB Type-Cケーブルは付属しています)こちらのモデルを選択しました。

ほんとお安いのに機能が豊富なので、これから電子工作を始めてみようとお考えの方にはうってつけの端末となります。

製品外観!

端末本体のサイズは4.8×2.4×1.4cm、重量約15gと非常に小型&軽量で指先にも乗るサイズとなっています。
画面解像度が80×180ピクセル(0.96インチ)のカラー液晶画面が搭載されているので、端末単体で動作チェックやプログラムを走らせる事ができます。

3つの物理スイッチが搭載されています。
まずは向かって左側に電源スイッチがあり短押しで起動、6秒の長押しでOFFとなります。

そして中央に【ボタンA(M5と書かれています)】、右側に【ボタンB】が配置されています。
【ボタンA】および【ボタンB】はプログラムにより機能を割り当てる事が出来ます。
【ボタンA】の下にはマイクも内蔵されています。

上部にはLEDと赤外線送信機(IR)が内蔵されています。

そして8ピン端子があり、HATと呼ばれるM5StickC専用のセンサーなどが組み込まれたモジュールを差し込む事により機能を拡張する事が出来ます。

もちろんジャンパーワイヤーを使ってセンサーやスイッチなどを繋げたり、サーボを動かすことも出来ます。

そして本体下面には、USB Type-C端子(充電およびPCとのデータ転送用)とGROVEと呼ばれるこちらも拡張モジュールを組み込むための4ピンのGROVEポートがあります。

本体裏面には、GPIO(汎用I/Oポート)など各ポート等がラベルされています。

M5StickC特徴
  • 80×160ピクセル(0.96インチ)のカラー液晶画面搭載
  • 6軸加速度・ジャイロセンサー搭載
  • マイク&LED搭載
  • ネットワーク機能(Wi-Fi/Bluetooth)搭載
  • 赤外線送信機(IR)
  • 3つの物理ボタン・Lipoバッテリー(80mAh)内蔵

M5StickC製品仕様

M5StickC 製品仕様
  • 5 V DC電源
  • 0.96インチ 80×160 TFT
  • USB Type-C
  • ESP32ベース
  • 4 MBフラッシュ+ 520 K RAM
  • 6軸IMU(SH200Q or MPU6886)
  • 赤色LED
  • IRトランスミッタ
  • マイクロフォン
  • 2ボタン、1リセット
  • 2.4 Gアンテナ:Proant 440
  • 80mAh LiPoバッテリー
  • 拡張可能なソケット
  • Groveポート
  • ウェアラブル&ウォールマウント
  • 開発プラットフォーム:UIFlow、MicroPython、Arduino
ESP32-PICOの特徴
  • 240 MHzデュアルコア Tensilica LX6 マイクロコントローラ(600 DMIPS内蔵)
  • 統合型520 KB SRAM
  • 統合型802.11b / g / n HT40 Wi-Fiトランシーバー、ベースバンド、スタック、LWIP
  • 統合デュアルモードBluetooth(ClassicおよびBLE)
  • ホールセンサ
  • 静電容量式タッチインタフェース
  • 32 kHz水晶発振器
  • すべてのGPIOピンでPWM /タイマ、入出力が可能
  • SDIO マスター / スレーブ 50 MHz
  • SDカードインタフェースのサポート

どこで購入できるの?

購入方法として当記事内にはスイッチサイエンスのオンラインストアAmazonリンク、海外通販サイトBanggoodをご紹介しています。

他にも秋月電子通商せんごくネット通販などでも購入する事が出来るようです。
このあたり電子工作をやられている方には馴染みのあるショップかと思います。

M5StickCは海外のM5Stack社の製品となります。
M5Stack直販サイトやドローン製品でもおなじみBanggoodで取り扱いされていますが、海外サイトなので到着まで2〜3週間ほどかかります。

また、スイッチサイエンスさんが日本の代理店になっているので、スイッチサイエンスのオンラインストアからの購入や一部の商品はAmazonのスイッチサイエンスウェブショップでも販売されているのでこちらからの購入が良いかと思います。

またHATやGROVEと呼ばれるM5StickCに取り付けて機能を拡張する(センサーユニットなど)モジュールなど関連製品が多数販売されていますが、スティックサイエンスさんのショップで販売されていないものは基本的に国内には流通していないようですね。

そのような製品はM5Stack直販サイトでの購入になるかと思いますが、BluetoothやWi-Fiなど電波を発する製品の日本国内での使用には技適取得が必須となります。
代理店であるスイッチサイエンスさんで取り扱われていない製品もあるということは、そのあたりも関係してくるのでしょうか?
このあたり少し注意が必要?ですが、スイッチサイエンスやAmazonスイッチサイエンスオンラインストアでの購入がいいかと思います。

またM5StackC関連製品以外にもM5StickCで使えるセンサーやモジュール、DIYキット、またArduino関連製品などBanggoodさんでは非常に多くの製品が安く販売されています。
Arduino NANOやUNO、スターターキットなど格安で販売されているので覗いて見る価値はあるかと思います。

M5StickCってどんな事ができるの?

M5StickCを使ってどんな事が出来るか少し見ていきましょう。
M5StickCではArduino IDEUIFlowを使ってプログラムする事ができます
ここでは直感的にできるUIFlowを使って簡単なプログラムを組んで動かしてみました。

まずは電子工作の基礎となるLチカ(LEDをチカチカ点灯させる)をやってみたいと思います。

実回路を組んでLEDを点灯や点滅させる方法はいくつかありますが、今回こんな回路を組んでLEDを点滅させてみました。(動画左)
トランジスタやコンデンサを使っての無安定マルチバイブレーターと呼ばれる回路となります。
抵抗RとコンデンサCの値によりLEDの点灯や消灯時間を計算しなければなりませんが・・・
ここで、やっぱり取っ付きにくい!と思われ電子工作ってやっぱり難しい!なんて思われる方も多いのではないでしょうか?
でも大丈夫です。(動画右ではM5StickCで同じ動作を再現しています)

M5StickCはマイコンが内蔵された端末なので簡単なプログラムで同様な事が出来ちゃいますよ!
UIFlowを使ってのプログラムはこんな感じ。
【Setup】の下に【LED ON】というブロックを繋げるだけでLEDが点灯します。

さらにLEDを点滅させたい場合は、【ずっと】ブロック(繰り返す)を使い【タイマー】ブロックで点灯時間を指定して同様に【LED OFF】ブロックを使えば簡単にLEDを点滅させる事ができます。

LEDを点滅させる簡単なこのような動作でも実回路ではコンデンサや抵抗の値を計算し、トランジスタも使ってと・・・
こんな事も簡単なプログラムで出来ちゃいます。
今回M5StickC内蔵のLEDを点滅させてテストしましたが、もちろん別途LEDを用意すれば(あと抵抗も必要)そちらを点滅させる事もできます。

またジャイロセンサーを搭載しているので、傾きを検知して画面内で球を動かすなんて事も簡単に出来ます。(右に送ると動画があります)

そしてこれを少し応用してI/Oポート(GPIOと呼ばれる入出力で使える汎用ポート)を使ってサーボを制御したりなんて事も簡単です。

この時点で何かロボット的な楽しい事が出来そう?
なんてイメージ出来た方は、私が今楽しんでいる楽しさの少しは伝わったかな?

そしてこんなアナログジョイスティックを使ってカタカタ動いているロボットが想像出来るかと思います。
何か楽しそうでしょー。

このように市販されているセンサーやスイッチなどを組み合わせる事も可能で、さらにM5StickC用に作られたHATやGROVEといったモジュールを使って拡張してやる事も出来ます。

センサーを使って距離を測ったり障害物を検知したり、またサーボを動かしたりと・・・アイデア次第でいろいろと楽しめます。

またM5StickCを接続して動かすことが出来るキットなんかも販売されています。

【追記】書籍『はじめてのM5StickC(I/O工学社)』に記事掲載して頂きました!

本記事及びM5StickC関連の複数記事をI/O工学社『はじめてのM5StickC』に掲載して頂きました。
M5StickCの活用例やトラブルシューティング等掲載されており、これからM5StickCを使い電子工作を始めてみようという方にオススメの書籍となっています。

書籍『はじめてのM5StickC』のご紹介!記事掲載して頂きました。

最後に!

電子工作って回路を組んだり部品の値を計算したりと結構難しそうで敬遠されている方も多いと思いますが(私がそうでした)、最近ではこのようなマイコン搭載の端末があり、さらにはモジュールの組み合わせでいろんな事が出来たり・・・始めてみようとお考えの方にはいい環境にあるように思います。

モノづくりや機械いじりが好きな方にはもってこいの製品で、また小さいお子様の教育商材にもいいかと思います。
親子で電子工作なんてのも楽しそうですね!

またArduino学習用の製品としては非常にオススメで、数多く出回っているArduinoスケッチ(プログラムのことです)が使えるのも魅力的です。

私も始めたばかりですが、電子工作に興味がある方やこの記事を読んで少しでも興味を持たれた方がいれば、まずはこのM5StickCからはじめてみてはいかがでしょうか?
楽しいですよー!

少し話が長くなり今回ご紹介しきれませんでしたが、このM5StickCを使うにはPCに開発環境(UIFlowやArduino IDEでプログラムを作成するソフトが必要)をインストールしたりM5StickC本体にファームウェアを書き込む必要があります。

また、M5StickC用のHATやGROVEなどの拡張モジュールやM5StickCを乗っけて動かせるキットなんかもこれからご紹介出来たらと思います。

コメントを残す