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【MiniWare MDP-P906】コンパクトサイズでPD入力が使える便利な電源モジュールです!

MiniwareさんからUSB PDに対応した超便利な電源モジュール『MDP-P906 Mini Digital Power Supply』を頂きました!

電子工作用途で必須アイテムと言えば直流安定化電源がまず挙げられると思いますが、MiniwareさんのMDP-P906はUSB Type-C PDから電源を取ることが出来るPD版ミニ安定化電源といったモジュールです。

PDに対応した電源やモバイルバッテリーなど最近身の回りにもだいぶ増えてきたきましたが、これらPDに対応した機器に接続して任意の電圧を取り出すことが出来ると便利なことから、先日このような自作PDトリガーモジュール基板を製作していたのですが・・・
このPDモジュールの製作過程をSNSで見て頂いたMiniwareさんからMDP-P906をご提供して頂きました!

【電子工作/自作基板PCB】CH224Kを使ったUSB PDトリガーモジュールを自作してみました!

MDP-P906はPD機器から直接電源を取ることが出来るミニサイズの安定化電源モジュールとなります。
入力側はQC3.0/PD2.0 20V 5A(最大)またはDCジャックからの4.2V~30V 14A(最大)に対応し、出力側は0~30V/0~10A(最大300W)となっています。

普段Wanptekの30V 10A(300W)の直流安定化電源を使っているのですが、スペック的にはほぼ同等でPD入力に対応したミニサイズの直流安定化電源として使うことが出来ます。

【電子工作】直流安定化電源『Wanptek DPS3010U』レビュー!電子工作用途では十分な性能で便利に使えます!

据え置きで使う以外に、コンパクトボディーなのでPDに対応したモバイルバッテリーなどからの使用も可能なので電子工作用途で便利に使える場面は多いと思います。

電子工作の製作物を作る過程で電源の確保は結構面倒で手間がかかります!
例えば、現在製作しているこちらの6足ロボットはMG996Rという少し大きなサーボモーターを18個使い動かしているのですが、このサイズのサーボモーターを18個動かすには大きな負荷がかかる時には瞬間的に最大7Aほど電流が流れることもあり、製作過程では直流安定化電源に接続してテスト動作させるのが必須となります。

ロボットのサイズも大きいため動作テストが出来る場所に設置すると安定化電源から長いケーブルを延ばす必要があり、製作過程のテスト動作は結構大変でした。

MDP-P906はこのような環境で特に便利に使える電源モジュールになるかと思います。
PD電源からの入力が可能となりコンパクトなので好きな場所でテストすることが出来ます。

このロボットではサーボモーターを6Vで動かしているので最大7Aとして計算すると42W以上の電力が必要となるわけですが、MDP-P906を使いモバイルバッテリーから駆動することも出来ました。
これ非常に便利ですね!

PD電源から使うことが出来る安定化電源はあまり見かけたことがなく、使ってみると非常に便利だったのでご紹介したい思います。

【MiniWare MDP-P906】コンパクトサイズでUSB PD電源が使える便利な電源モジュール!

ハンディータイプのオシロスコープやロジックアナライザ、はんだゴテなどMiniWareさんの製品は電子工作をやられている方なら一度は見たことがあるのではないでしょうか?

私も最近になりいくつかMiniWareさんの製品を使うようになりました。
ミニリフロー装置MHP30は基板製作をされている方には結構定番的な製品のようですね!

【電子工作】コンパクトボディーで安全設計!ミニリフロー装置『Miniware MHP30』を使ってみる!

MiniWareさんの製品はデザインセンスが良く製品としての性能も非常にいい印象を受けます。

そして今回はUSB PD電源が使える電源モジュール『MDP-P906』です。
PD機器から電源が取れる安定化電源モジュールとなります。
正確にはPDからの直流(DC)を任意の電圧・電流に変換して出力させているので、高精度のDC-DCコンバーターと言った方がいいかもしれませんね!

QC3.0/PD2.0(最大20V 5A)またはDCジャック(最大4.2V~30V 14A)からの入力に対し、DC0~30V 0~10A(最大300W)までの出力が可能となるPD電源に対応した安定化電源モジュールとなります。

モジュールサイズは112mm×66mm×20mm、重量約180gと片手に収まるほどコンパクトなボディーサイズとなっています。

金メッキ&シリコンコーティングされた質感のいいケーブルが付属していました。

操作系は、[SET][MENU][RUN/LOCK]の3つのスイッチとロータリーエンコーダーというシンプルな構成になっています。

本体底面には滑り止めラバー、そして高負荷時の冷却用FANが取り付けられています。

出力は側面のジャックから行います。

出力端子はバナナジャックを差し込む以外にU字型プラグやジャンプワイヤーを差し込んで使うことも出来ます。

[RUN/LOCK]スイッチで出力のON/OFFの切り替えを行いますが(安定化電源のOUTPUTスイッチと同じです)、出力時には端子のLEDが点灯するので視覚的に状態が分かりやすくて便利です!

背面には入力端子となるType-C端子とDCジャックがあります。
USB PDからの入力は最大20V 5A(100W)、DCジャックからの入力はDC4.2V~30V 14Aまで対応し、出力性能は0~30V 0~10A(最大300W)となっています。

入力側電力にもちろん依存しますが、65Wや100Wなど高いPD出力が出来るモバイルバッテリーを使えば場所を選ばずハンディーで使うことも出来るので便利です!

入力電源はUSB PDからの使用がメインになると思いますが、DCジャックからの入力も可能となっています。
DCジャックからの入力だとリポバッテリーから駆動するといったことも可能となります。

DCジャックの形状は一般的に国内でよく使用されている?外形5.5mm×内径2.1mmタイプではなく、内径が2.5mmタイプのものが使われています。
内径が2.1mmのジャックだと差し込めないので注意して下さい!

高機能な電源モジュールですが非常にコンパクトに作られています。
MiniWareさんの製品をいくつか使って感じるのは、通常比較的サイズが大きくなるこのような機器を最低限の機能縮小に抑えながらハンディータイプとして使える製品に仕上げるのが得意、というかそれに特化した製品を出されているようですね!

MiniWare MDP-P906 製品仕様

入力QC3.0/PD2.0 20V 5A(最大)
DC 4.2V~30V 14A(最大)
出力DC0~30V 0~10A 300W(最大)
変換効率95%
出力分解能10mV / 2mA
出力精度0.03%+5mV / 0.05%+2mA
調整率負荷調整率 <±0.01%
電力調整率 <±0.01%
リップルノイズ<250uVrms , 3mVpp; < 2mArms
過渡応答<4uS
入力保護過電圧・低電圧・逆接続
出力保護過電流・逆流・過熱
その他自動シャットダウンとマイクロパワーモード
USBファームウェアアップデート
製品サイズ112mm×66mm×20mm(ゴム足含まず)
重量181g
参考 MDP-P906 Mini Digital Power SupplyMiniWare

基本操作方法

電源モジュールとしての使用方法は一般的な直流安定化電源と同じなので詳しくは割愛しますが、スイッチ操作など基本的な操作方法を簡単に見ておきます。

MiniWareさんの製品はどれもコンパクトに抑えるためか操作系のスイッチは上手く考えられ最小限の構成で作られています。

ボタン短押し長押し
SET電圧・電流値の設定押しながらエンコーダーを回して粗調整
MENU各種設定の確認各種設定の変更
RUN/LOCK電源ON
出力のON/OFF
設定値のロック

電源のON/OFF

Type-C端子またはDCジャックに電源を接続し、[RUN/LOCK]スイッチを押すと電源が入ります。

[SET][MENU]ボタンを同時に3秒間長押しで電源のOFF(シャットダウン)です。

MEMO
6分以上出力がONにならなければ自動的にシャットダウンします。
前回の電圧・電流値等の設定項目は保持されます!

電圧・電流値の設定

駆動時の基本表示画面です。

項目表示内容
A設定電圧(出力ON時は実電圧を表示)
B設定電流(出力ON時は実電流を表示)
C< I > 電流調整モード
< U > 電圧調整モード
DON: 出力ON
OFF: 出力OFF
CC: 定電流出力
CV: 定電圧出力
E※ディスプレイモジュール(MDP-M01)使用時のデバイスチャンネル
F出力電力
[SET]ボタンで電圧 or 電流モードを切り替え(項目C)、ロータリーエンコーダーを回して設定値を変えます。
電圧は10mV、電流は2mA刻みで調整が出来ます。

また[SET]ボタンを押しながらエンコーダーを回すと、電圧は0.3V刻み、電流は0.1A刻みと粗調整が出来ます。

出力のON/OFF

出力値の設定が出来たら、[RUN/LOCK]ボタンを押すと出力端子のLEDが点灯し出力が開始されます。

MEMO
出力中でも[SET]ボタンで電圧調整・電流調整モードを切り替えて同様にロータリーエンコーダーを回して設定値を変えることも出来ます。
MEMO
[RUN/LOCK]ボタンの長押しで設定値のロックが出来ます。

プリセットの値を使う

電圧・電流値の設定はプリセットを使うことも出来ます。
10通りのプリセットが事前に用意されています。
電源モジュールとしてよく使う設定値をすぐに呼び出して使うことが出来るのは便利な機能です!

プリセットされた設定値を使う場合は、[SET]ボタンを押した状態で[MENU]ボタンを押すとプリセットを呼び出し選択して使うことが出来ます。

また、デフォルトで設定されているプリセットの値を変更することも出来ます。
MDP-P906をPCに接続し電源をONにするとUSBモードで立ち上がりデバイスとしてPCに認識されます。

認識されたデバイスを開くといくつか設定ファイルがあります。
その中の[Q_SET.TXT]というテキストファイルにプリセットされている値が書かれています。

テキストエディッタ等でこのファイルを開き、数値を変更&保存する事によりプリセット値を変更することが出来ます。

メニュー項目

[MENU]スイッチを短押しすると現在の電圧・電流値の横に、入力電圧・入力電流・入力電流の制限・デバイス温度・ファームウェアバージョンの表示&確認が出来ます。

MDP-P906を駆動しているPD電源(またはDCジャック)からどれくらいの入力電圧および電流が供給されているかの確認が出来ます。

また、[MENU]スイッチを長押しすると入力電流のリミットや音量、TX/RXのアドレス等の確認&変更が行なえます。

MDP-P906単体で使う場合はあまりメニュー項目を変更することはありませんが、例えば接続しているPD電源が他のデバイスでも使われていてその配分で電流リミットを設定したい場合などで有効ですが・・・基本的に入力として使える最大値の設定で問題ないと思います。

MDP-P906の詳しいマニュアルおよび最新のファームウェアはMiniWareさんのフォーラムで随時更新されているようなのでこちらもチェックしてみて下さい!

参考 Material Download for MDP Digital Power SupplyMiniWare

複数台スタックさせたりディスプレイモジュールとの接続が可能

MDP-P906は複数台スタックさせて使用したり、ディスプレイモジュール(MDP-M01)とワイヤレス接続して使うことも可能なようです。

MDP-P906を1台単体で使う場合はあまり必要なさそうですが、ディスプレイモジュールがあるとスタックした複数台の電源モジュールをモニター&制御するといったことが可能になるようです!

上記メニュー項目のアドレスや電流リミットの設定は、このように複数台同時に使う場合の設定になると思います。

最後に!

通常のACから使う直流安定化電源ではなく、MDP-P906はUSB PD電源が使えるミニサイズの電源モジュールです。

USB PDからの入力なのでPDに対応した電源モジュールやモバイルバッテリーが使え、そしてコンパクトで持ち運びが可能なため場所を選ばず電源モジュールとして使えるのは非常に便利です!

MiniWareさんにご提供して頂いたため本記事を書くまで特に価格に関しては意識していなかったのですが、調べてみるとそこそこお高い製品となっています!

通常の据え置き型の直流安定化電源は1万円ほど出せば一般的な電子工作用途としては十分使えるものが手に入るわけですが・・・MDP-P906の価格帯に関しては悩むところではあります。

【電子工作】直流安定化電源『Wanptek DPS3010U』レビュー!電子工作用途では十分な性能で便利に使えます!

私のように既に直流安定化電源を持っていて、場所を選ばず使えるセカンド電源モジュールとして考えると非常にベストな選択肢になるかと思います。

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