【追記】製造された基板が届き動作確認ができたので、追記記事を書きました。

先日、USB Type-Cコネクタ形状のエッジPCBのテスト基板を製作しました。
基板端面にゴールドフィンガーと呼ばれる金メッキ処理された導電パターンを配置し、それをメス型コネクタへ直接挿し込むことで電気的に接続するというものです。
テスト基板としては問題なく機能し、ファームウェアの書き込みや更新など、必要なタイミングでのみUSBコネクタを使用したいといった用途と相性が良く、今後便利に活用できそうなものでした。

その流れで、microSDカード形状のエッジPCBについても、テスト基板を製作し試してみました。
おおー、いいっすねー!
フィット感完璧👌
読み取りも全く問題なし👌
やったね!
これは使えるぞ🤩 pic.twitter.com/v2vtetFVM2— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) April 22, 2026

このようなエッジコネクタ形状は、用途によっては便利に使える場面も多そうで、今後製作する自作基板でも活用する機会は多いと思っています。
そして、上記microSDエッジPCBのテスト基板製作時に、別バージョンのものも設計していました。
上記記事で製作したものは、microSDカードソケットの厚みに合わせ、0.8mm厚PCBを使いゴールドフィンガー(接続パッド)を設けた構成でした。
そして別バージョンのものは、FPC(フレキシブル基板)とスティフナー(補強板)を組み合わせることで、よりシンプルな1枚構成として実現できないか?と考え設計していたものとなります。
別バージョンのテスト!
PIとFR-4スティフナーを合わせたら、リジットFPC基板ライクなやつ出来るのかしらと… https://t.co/O6Ue1y6tZs pic.twitter.com/ZDCraYk1lU— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) April 9, 2026
こちらは、設計およびJLCPCBへの発注までは完了しており、実物はまだ手元に届いていませんが、FPCとスティフナーを組み合わせた構成のものがmicroSDカードソケットでどの程度実用的に使えるのか、非常に楽しみなところです!
特に、接点の位置精度や挿抜時の感触、保持力など、上記構成とは違った部分も気になるポイントです。
目次
FPCとスティフナーを使ったmicroSDエッジPCBの製作
前回製作したmicroSD形状のエッジPCB基板は、0.8mm厚のPCB端面にゴールドフィンガー(接続パッド)を設け、FFCケーブルで外部へ引き出す構成で作りました。
microSDカードの延長基板としてや信号の取り出し、テスト用途などで使えるものです。
シンプルな構成ながら、microSDカードソケットへ直接挿し込めるため、用途によっては便利に活用できそうです。
そして、今回製作を考えている別バージョンとして設計したものは、FPC(フレキシブル基板)とスティフナー(補強板)を組み合わせることで、これをよりシンプルな1枚構成として実現できないか?と考えたものとなります。
FPC + FR-4スティフナーでmicroSDエッジコネクタを作る
一般的なmicroSDカードの厚みは、図面上0.7mmとなっています。
FPC(フレキシブル基板)の厚みは、約0.1〜0.2mm程度(JLCPCBでは0.11mm / 0.12mm / 0.2mmから選択可能)となっているため、これにFR-4製のスティフナー(補強板)を組み合わせることで、microSDカード相当の厚みとなる構成で考えています。
0.11mm厚のFPCに0.6mm厚のFR-4スティフナーを配置し、カード厚を調整するとともに挿抜時の剛性も確保する構成としました。
フットプリントの作成などについては、以前のこちらの記事が参考になるかと思います。

FPC + PIスティフナーでFPCケーブルを作る
反対側のデータ取り出し部分については、FFCコネクタへそのまま接続できるように端子を設けました。
FFCコネクタの図面では、適合するFFC(FPC)ケーブルの厚みとして0.3mmが要求されています。
これより薄すぎる場合はコネクタをロックしてもケーブルがしっかり固定されず抜けてしまう可能性があり、逆に厚すぎるとコネクタのロック自体が閉まらないといったことになってしまいます。
そのためこの部分については、0.11mm厚のFPCに対し0.225mm厚のPI(ポリイミド)スティフナーを貼り付けることで、約0.3mm厚となる構成としました。
なお、この構成については、以前自作FPCケーブル単体として製作し動作確認ができているため、今回も同じ組み合わせで問題なく使用できると思います。
詳しくはこちらの記事もご覧頂ければと思います。

以上の構成により、片側は[FPC + FR-4補強板]の組み合わせによるmicroSD形状のエッジPCBとし、もう片側は[FPC + PI補強板]の組み合わせでFFCコネクタ接続用端子としました。
これにより、シンプルに1枚構成の基板として実現できるのではないか?と考えています。
販売されているものでは、ちょうどこのようなイメージのものとなります。
今回のmicroSD形状に限らず、FPCと補強板との組み合わせでこのような特殊形状の基板を自作できれば、今後の基板製作で通常のPCBでは難しい薄型構造や省スペース設計、コネクタ一体型のような構成など、アイデア次第で様々な応用が出来そうです。
KiCadでのスティフナー(補強板)設計
EasyEDAで設計する場合、スティフナー用レイヤーを追加しそのままJLCPCBへガーバーファイルをアップロードすることで自動的に認識されるようですが、私は普段KiCadを使って設計しています。
KiCadでは標準でスティフナー専用レイヤーが用意されていないため、新たに追加して対応しました。
[基板の設定] → [基板編集レイヤー]から[F.Stiffener]というレイヤーを作成しています。このレイヤー上に補強板の外形を作成し、塗りつぶした図形としてスティフナー領域を定義しました。
また、発注先(JLCPCB)のエンジニアさんが分かりやすいように、材質・厚み・サイズなどの情報もテキストで記載しておきました。
特に今回は、PI(ポリイミド)補強板とFR-4補強板の2種類を使用する構成となり、それぞれ厚みも異なるので、ここまで書いておけば製造データを作成するエンジニアさんの見落としなどもないでしょう!
JLCPCBに発注
上記構成・設計のものを、今回もJLCPCBへ発注しました。
まだ製造された実物は手元に届いていませんが、今回のFPC + スティフナー構成について、意図した設計通りに製造されてくるのか気になるところです!
実際に届いた際には、使用感なども含め追記記事として改めて書こうと思います。
今回の設計内容を踏まえ、発注時に指定した項目についても見ておきます。
まず、[ベース素材]はフレキシブル基板(FPC)を使った設計なので、基板種別は[フレキシブル]を選択。
[PCBの厚さ]は0.11mmとし、[カバーレイの色(FR-4基板でいうレジストカラーにあたる部分)]については、今回は黒を選択しました。JLCPCBのFPC基板製造では、標準の黄色以外にも黒や白を選択することが出来ます。
次に、FFCコネクタへ挿し込む端子を作っているので、[金端子/カードエッジコネクタ]は[Yes]を選択。
FPC本体とPI補強板を合わせた厚みを0.3mmで設計しているため、[金端子の厚み]についても[0.3mm]を指定しました。
補強板(スティフナー)については、PI(ポリイミド)補強板とFR-4補強板の2種類を使用する構成としているため、それぞれ追加しました。
PI補強板の厚みは0.225mm、FR-4補強板の厚みは0.6mmで指定しています。
あと、JLCPCBでは補強板の上にシルクプリントを入れることも出来るようです。
これも試したことがなかったので、テスト的に入れてみることに…
通常、文字などのシルクスクリーンは基板側(今回はFPC側)へプリントされます。
そのため、補強板が貼られる部分については、シルクが隠れて見えなくなってしまいます。
発注時の選択で、[スティフナーのシルクスクリーン]を選択することで、基板側ではなく補強板側へシルクをプリントできるようです。
データを追加して指定しておきました。
今回のように、補強板が大きく配置される構成では便利なオプションです。
設計内容を踏まえ、今回選択した主な項目は以上となります。
複数の補強板を使用した少し特殊な構成としているため、製造前に内容を確認できるように、[Confirm Production file]も選択しておきました。
これを選択することで、入稿したガーバーデータをもとに実際の製造工程用として作成された製造ファイルを事前に確認してから製造へ進めることが出来ます。
発注後、数時間で製造ファイルの確認メールが届きました。
発注画面にも[製造用ファイルの事前確認]という項目が追加されるので、これをクリックしてプレビューや製造データをダウンロードして確認を行います。
問題ないようなので、このまま製造に進んでもらいました。
以上でJLCPCBへの発注は完了です。
これまでの設計意図通りのものが仕上がってくるのか、非常に楽しみなところです!
また、設計についてはまだ検討の余地もあり、例えば今回のようにFPCへ補強板を貼り付ける構成の場合、使用時の挿抜や曲げ等によって補強板端部へ力が加わり、長期的には剥がれなどが起きないか?という点も少し気になるところです。
今回のようにFPCと補強板の外形を同寸法とするよりも、若干FPC側を小さくしておいた方が良いのか?など、実際に使用しながら検証してみたいと思っています。
最後に!
今回は、FPC(フレキシブル基板)とスティフナー(補強板)を組み合わせた、microSD形状のエッジPCBテスト基板を設計・発注してみました。
以前製作した0.8mm厚PCBベースのものとは異なり、今回はFPCをベースとすることで、よりシンプルな1枚構成として実現できないか?という内容となっています。
microSDカード側はFR-4スティフナーによってカード厚と剛性を持たせ、反対側はPI(ポリイミド)スティフナーによってFFCコネクタへ直接接続できる構成としてみました。
実物はまだ届いていませんが、microSDカードソケットへの挿し込み具合や接触の安定性、スティフナー構成の仕上がりなど、実際どのような感じになるのか非常に楽しみです!
将来的には、FPCとリジット基板(FR-4)が一体化された「リジットFPC基板(Rigid-Flex PCB)」も使ってみたいと思っているのですが、今回のようにFPCと補強板を組み合わせることでも、通常のPCBでは難しい薄型構造や特殊形状のものなどを比較的自由に作れそうなので、アイデア次第で面白い応用もいろいろ出来そうです。
実物が届いたら、microSDカードソケットとの相性なども含め、改めて追記記事として紹介しようと思います!


































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