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【自作基板 / JLCPCB】FPC + スティフナー構成によるmicroSDエッジPCB テスト基板の製作② [基板の到着・動作確認]

前回のこちらの記事の続きとなります。

【自作基板 / JLCPCB】FPC + スティフナー構成によるmicroSDエッジPCB テスト基板の製作① [設計・JLCPCBに発注]

FPC(フレキシブル基板)スティフナー(補強板)を組み合わせることで、microSDカードソケットやFFC/FPCコネクタへ直接挿し込めるエッジPCBを、シンプルな1枚構成の基板として作れないか……?
と考えて設計・発注したのが、上記前回の記事で紹介したものです。

microSDカード側にはFR-4スティフナーを組み合わせてカード厚と剛性を持たせ、反対側はPI(ポリイミド)スティフナーによってFFC/FPCコネクタへ適合する厚みに調整した構成のものとなります。

前回は、その設計からJLCPCBへの発注までの流れをご紹介しました。

そして、JLCPCBから製造された基板が届いたので、その仕上がりや使用感、動作確認などについて見ていこうと思います。

今回はテスト的にmicroSDカードソケットおよびFFC/FPCコネクタ向けの構成として製作しましたが、これが問題なく機能するのであれば、例えば各種エッジコネクタ形状の変換基板や、薄型の延長基板、特殊形状の接続基板なども比較的自由に製作することが出来そうで、今後の自作基板製作の幅も広がりそうです!

FPCとスティフナーを使ったmicroSDエッジPCBの製作

以前、PCB厚を調整することにより、microSDカード形状のエッジPCBを製作しました。

microSDカードソケットへの挿し込みや、接触・認識などについても問題なく機能し、実用的に使えるものとなりました。

【自作基板 / JLCPCB】microSDを基板エッジで作る!エッジコネクタPCB テスト基板の製作[設計 – JLCPCBに発注]

そして今回は、その別バージョンとして設計していたものもテスト的に製作してみることに…

今回製作したものは、通常のPCBではなくFPC(フレキシブル基板)をベースとし、スティフナー(補強板)との組み合わせによって、よりシンプルな1枚構成として考えていたものです。

結果的には大成功!

microSDカードソケットへの挿し込みや保持感も非常に自然で、接点部分(エッジコネクタ)の電気的接触も問題ないようでした。

FPC + スティフナー構成でありながら、単なる柔らかいケーブルという感じではなく、必要な部分にはしっかり剛性があり、かなり実用的な構成になった印象です。

設計 & 発注について

前回の記事でも書いたのですが、設計およびJLCPCBへの発注内容について、もう一度簡単に見ておきます。

FPC + FR-4スティフナーでmicroSDエッジコネクタを作る

一般的なmicroSDカードの厚みは、図面上0.7mmとなっています。

FPC(フレキシブル基板)の厚みは、一般的に約0.1mm〜0.2mm程度(JLCPCBでは0.11mm / 0.12mm / 0.2mmから選択可能)となっているため、これにFR-4製のスティフナーを組み合わせることで、microSDカード相当の厚みとなる構成で製作しました。

今回は、0.11mm厚のFPCに対し0.6mm厚のFR-4スティフナーを配置し、カード厚を調整するとともに、microSDカードソケットへ挿し込む際に必要となる剛性も確保する構成としています。

また、JLCPCBではスティフナー側へシルクスクリーンでテキスト等を印刷することも出来るようなので試してみました。

通常シルクスクリーンは基板側(今回はFPC側)へプリントされるため、補強板に隠れる部分は見えなくなってしまいますが、スティフナー側へ直接シルクを入れられるのは面白い機能ですね。

FPC + PIスティフナーでFPCケーブルを作る

反対側のデータ取り出し部分については、FFC/FPCコネクタへそのまま接続できるよう、こちらはPI(ポリイミド)スティフナーを入れました。

FFCコネクタは、適合するFFC(FPC)ケーブル厚みとして0.3mmが要求されています。

この部分については、0.11mm厚のFPCに対し0.225mm厚のPI(ポリイミド)スティフナーを貼り付けることで、約0.3mm厚となる構成としました。

ロック機構が正常に機能するよう、コネクタ仕様に合わせて厚みを調整しています。

FPC外形およびFR-4スティフナー外形について

あと設計時に少し迷った部分として、FPC外形とFR-4スティフナー外形を同一寸法(形状)として問題ないのか?という点がありました。

通常、FPC単体ではレーザーカッティングによる加工、FR-4についてはルーター加工(CNC加工)によるカットが行われます。

そのため、今回のようにFPCへFR-4スティフナーを接着する構成の場合、FPC側の加工公差やスティフナー側の加工公差、また貼り合わせによる位置ズレなどによってエッジ部分に段差やズレが発生してしまう可能性はないのか?という点が少し気になっていました。

microSDカードソケットへの繰り返しの抜き差しによってエッジ部分に力が加わり、長期的には補強板端部から剥がれなどが起きる可能性も考えられます。

そのため、FPC側を若干小さく設計したり、エッジ位置を少し逃がすような設計にした方が良いのかな?と、設計段階で迷っていました。

今回は初めての試み、テスト的な製作ということもあり、まずはシンプルにFPC外形とFR-4スティフナー外形を同寸法・同形状で設計し、実際どのような仕上がりになるのか確認してみることにしました。

結果としては、大きな加工公差や貼り合わせによる位置ズレなども感じられない綺麗な仕上がりとなっており、抜き差しなど特に問題なく使用出来るようですが・・・

エッジ部分をよく観察してみると、わずかではありますが、FR-4スティフナーよりもFPC側の方が若干大きくなっているようでした。

今回の製造工程では、FR-4スティフナーをFPCへ接着した後、レーザーカッティングによって最終外形加工を行っているようなので、その際の加工条件や材料特性の違いなどによって、このような僅かな差が発生しているのかもしれません。

ただ、実際の使用上は全く問題ないレベルで、microSDカードソケットへの挿し込みや動作についても特に影響はありませんでした!

長期的な耐久性については実際に繰り返し使用してみないと分からない部分ではありますが、少なくとも今回の試作レベルではかなり精度良く製造されている印象です。

以上が、今回の設計・発注内容となります。

詳しい設計内容や、KiCadでのスティフナー設計方法などについては、前回の記事もご覧頂ければと思います。

【自作基板 / JLCPCB】FPC + スティフナー構成によるmicroSDエッジPCB テスト基板の製作① [設計・JLCPCBに発注]

動作確認

FPC基板の製造、特に今回はFR-4スティフナーとPIスティフナーの2種類を組み合わせた少し特殊な構成の基板となりますが、製造期間については通常の基板と大きく変わらず、配送方法にOCS Expressを選択して、発注から9日ほどで手元に届きました。

非常に早いですね!

まず気になっていたmicroSDカードソケットへの挿し込みについてですが、厚みや保持感なども非常に自然で、引っ掛かりやガタつきなど特にありませんでした。

また、FFCコネクタ側についても、PIスティフナーによる厚み調整は問題なく機能しており、ロック機構もしっかりと機能してくれました。

物理的な使用感については全く問題なさそうだったので、続いて接点部分が正常に機能するか電気的な動作確認も行ってみました。

こちらについても全く問題ないようです!

microSDカードとして正常に認識され、データの読み書きについても特に問題なく行うことが出来ました。

今回テスト的に製作したものなので、FR-4スティフナー部分についてはmicroSDカードと同サイズとなるよう設計しましたが、ケース内部に埋め込まれた機器や、microSDカードを奥まった位置へ挿し込む構造のものなどでは、取り外し時に指が掛かりづらく、少し使いにくく感じる場面もありました!

用途によっては、下側(FPCケーブル側)のスティフナーの長さを数mm程度延長し、指でつまめる部分を増やした方が使いやすいかもしれませんね!

今回テスト的に製作したものは、microSDカードの延長用途として使える構成のものとなっています。

同様な構成の市販品については、比較的安価なものも販売されているようですが…

自身で設計できると、必要な長さに調整したり、特殊な形状のものやケース内部の狭いスペースで使えるようにしたりと、用途に合わせて自由にカスタマイズ出来るのが大きなメリットだと思います。

今後の自作基板製作でも、用途によってはかなり活用できるのではないかと考えています。

MEMO
設計意図通り問題なく機能することが確認できたので、今回製作した基板データ(ガーバーファイル)についても、ダウンロード出来るよう前回の記事へ追記しておきました。
同様な構成のものを試してみたい方や、FPC + スティフナー構成による特殊形状基板に興味のある方など、何かの参考になれば幸いです!

最後に!

今回は、FPC(フレキシブル基板)とスティフナー(補強板)を組み合わせることで、microSDカードソケットおよびFFC/FPCコネクタへ直接接続できるエッジPCBを製作してみました。

設計段階では、

補強板との組み合わせで、上手く厚み調整をして機能してくれるのか?

FPCとスティフナー外形を同寸法とすることにより、貼り合わせによる位置ズレ等が発生しないか?

など、気になる部分もありましたが、結果としては綺麗な仕上がりとなり、動作についても問題ありませんでした!

特に今回面白かったのは、単なるFPCケーブルというよりも、「必要な部分だけ剛性を持たせた構造体」として作れる点です。

そもそも、それがFPCにおけるスティフナーの役割なわけですが、microSDカード相当の厚みや強度を持たせつつ、反対側はPIスティフナーによってFFCコネクタへ適合する厚みに調整することで、自由度の高い構成のものが実現出来ました。

市販品では見かけないような形状やサイズのものでも、自分で設計してそのまま製造出来るのはかなり面白いですね!

何かの参考になれば幸いです。

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