【追記】実物が届き、問題なく機能することが確認できたので追記記事を書きました。

先日、Type-C形状のエッジコネクタPCBのテスト基板を製作しました。
プリント基板(PCB)の端(エッジ)にゴールドフィンガーと呼ばれる金メッキ処理された導電パターンを配置し、それをメス型のソケットに挿し込むことで電気的に接続するというものです。
テスト基板としては問題なく機能し、用途によっては非常に便利に使える手法であることが確認できました。
通常使用時にはUSBコネクタを頻繁に使うことはあまりないけど、ファームウェアの書き込みや更新など、特定のタイミングでのみ必要になるといった用途には特に相性が良さそうです。
今後製作する基板でも、このようなエッジコネクタ形状を活用する機会は多くなりそうです!
どの程度のケーブル保持力が得られるのかCADだけでは分からなかったけど、完璧やん!
かなりしっかりとケーブルをマウント出来る・・・
これは使えるね👍️ pic.twitter.com/Zzj4pGw5kS— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) April 2, 2026

そして今回は、同様の手法を利用して、microSDカード形状のエッジコネクタのテスト基板を製作してみることにしました。
上記USB Type-C(レセプタクル)の時と同様に、コネクタ部品を使用せず基板のエッジ部分に接点パターンを配置することで、microSDカードスロットに直接挿し込める構造のものを考えています。
microSDカードはそのままデバイスとして扱われるため、これがうまく機能すれば、より実用的な用途にも応用できそうです。
現在テスト基板を発注済みで、まだ実物は手元に届いていませんが、設計から発注までの流れについて先にまとめておこうと思います。
また実物が届いた際には、動作確認や使用感なども含めて改めて追記記事としてまとめる予定です。
microSDエッジコネクタPCB テスト基板の製作
冒頭でもお話したUSB Type-C(レセプタクル)形状のエッジコネクタは、実際に製作してみたところ問題なく機能することが確認できました。
用途によっては非常に便利に使える手法であり、「必要な時だけ使うコネクタ」としては十分実用的だと感じています。
この結果を踏まえて、同様のアプローチをmicroSDカードにも応用できないかと考え、今回テスト基板を製作してみることにしました。
microSDカード形状のエッジコネクタPCBについて調べてみると、主に延長用途のものが市販されているようです。
自作基板として自身で製作できれば、デバイス側のSDカードスロットからの延長用途だけでなく、例えば直接挿し込んでストレージとして利用するなど、応用の幅が広がりそうです。
また、これまでの自作基板製作においてmicroSDカードを扱うことはよくありましたが、PCでデータを書き込み、対象基板にSDカードを戻して動作確認を行う…といった作業が手間に感じる場面が結構あります。
そこで対象基板にエッジPCBを接続したまま、SDカードをPCと対象基板間で共有できるような、簡易的なブリッジ(またはパススルー)ボードのようなものを製作できないかといったことも考えています。
これは少し先の話になりそうですが、まずはmicroSDカード形状のエッジコネクタPCBが実際に上手く機能してくれるのか?ということで、今回はそのテスト基板の製作です。
フットプリントの作成
UHS-II以降に対応したSDカードでは、高速通信に対応するため追加のピンが設けられているものもありますが、今回製作を考えているものは一般的なmicroSDカードと同様の8ピン構成のものです。
まず、microSDカードの図面を参考に、外形やパッドサイズ・配置などをもとにエッジコネクタ部分のフットプリントを作成しました。
前回のType-CエッジPCB製作時と同様に気になったのが、カードの厚みに関する仕様です。
microSDカードのエッジ部分の厚みは、規格上0.7mmとされています。(参考画像)
一方で、PCB製造メーカーで選択できる一般的な基板厚は、0.6mmや0.8mmなど0.2mm刻みで設定されていることが多く、パッド部分のメッキ厚も含めて図面通りの0.7mm厚ピッタリで製作するのは難しいのが実情です。
そのため、「0.6mm厚と0.8mm厚のどちらのPCBを選ぶべきか?」という点で今回も少し悩みました。
調べてみると、同様のプロジェクトでは0.8mm厚のPCBで製作されている事例が多く見られましたが、一方でSparkFunが公開しているEagleファイルを確認すると、PCB厚を0.75mm以下にする必要がある!といった記述もあり、この点は少し気になるポイントでした。
参考 SparkFun microSD SnifferGithubそこで実際の感触を確かめるために、自宅の3Dプリンタを使って0.6mm / 0.7mm / 0.8mm相当のダミーを作成しスロットへの挿し込み具合をテストしてみたのですが、0.6mmではやや緩く、0.8mmでは少しきつめではあるものの、実用上は問題なく挿し込めそうな感触でした。
3Dプリントでは造形の特性上わずかに寸法が太り気味になる傾向があり、また実際のmicroSDカードを測定すると約0.75mm程度であったことも踏まえ、最終的にPCB厚は0.8mmで製作することにしました。
これでうまく機能してくれると良いのですが、このあたりは実際に製作して確認してみないと分からない部分でもあります。
テスト基板の作成
作成したフットプリントを使い、シンプルなテスト基板として製作することにしました。
microSDカードはSPIモードおよびSDモード(SDIO通信)の両方に対応し、接続用途によってはプルアップ抵抗等が必要になる場合もありますが、今回製作したテスト基板ではmicroSDカード形状のエッジ部分を再現し、各ピンをFFCケーブルを介してそのまま外部に取り出せるシンプルな構成のものとしました。
まずはこの構成で、エッジコネクタとしての接触状態や挿し込み具合といった物理的な評価に加え、カードとして正しく認識されるか?といった基本的な動作の確認を行う予定です。
基本的にはSDカードの8ピンをそのまま引き出す構成でも問題ないと思いますが、今回はFFCケーブルで信号を引き出すことを考慮し、10Pコネクタを使い両サイドにGNDラインを配置して簡易的なシールド構成としています。
特にCLK(クロック)ラインは信号の基準となる重要なラインであり、エッジの立ち上がりも速いため、周囲をGNDで挟むことでノイズやクロストークの影響を受けにくくなるよう配慮しました。
以上、シンプルなテスト基板として設計しました。
JLCPCBに発注
基板の製造は、前回同様、今回もJLCPCBを利用しました。
【追記】
問題なく機能することが確認できたので、製作した基板データ(ガーバーファイル)をダウンロードできるようにしておきます。
[microSD_Edge_Connector.zip / FFC_10P_0.5mm_DIP.zip]
何かの参考になればと思います。
発注時の設定項目についても簡単に触れておきます。
まず基板厚は、検討段階でも触れたとおり0.8mmを指定しました。
また必須ではありませんが、エッジコネクタ部分はパッドが露出した構造となるため、[表面仕上げ]オプションにはENIGを選択しています。
ENIGは耐腐食性に優れており、時間の経過によるパッド表面の酸化や腐食による接触不良のリスクを抑えることができます。
さらに一般的なHASL(はんだレベラー)では表面に凹凸が生じやすく接触が不安定になる可能性がありますが、ENIG(金メッキ加工)であれば表面が非常に平滑になるため、エッジコネクタ用途においては安定した接触が期待できそうです。
表面処理の違い!
←ENIG HASL→比べてみると平らで綺麗ね! pic.twitter.com/l9TZgdpUhp
— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) April 7, 2024
加えて、エッジ部分を端子として使用するため、オプションの[金端子/カードエッジコネクタ]も選択しています。
これにより、接点部分に適したメッキ処理が施されます。
テスト基板ということもあり通常の単体基板として少量発注でもよかったのですが、コスト差がほとんどなかったため、今回はJLCPCBの面付けサービスを利用しました。
エッジコネクタ部分にVカットが入るのを避け、5×3面付けでこのように選択して発注しました。
以上で発注完了です!
JLCPCBの基本的な基板発注方法については、以下の記事で詳しくまとめていますので、あわせて参考にしていただければと思います。

まだ実物は手元に届いていませんが、この設計でしっかり機能してくれるのか…?楽しみです!
最後に!
前回のUSB Type-Cに続く形で、microSDカード形状のエッジコネクタPCBのテスト基板を製作しています。
コネクタ部品を使わず、基板そのものを端子として利用するという少し変わったアプローチですが、用途によっては非常にシンプルかつ実用的な構成になるのではないかと考えています。
現時点ではまだ実物が手元に届いていませんが、基板厚や接点部分など、実際にどの程度うまく機能してくれるのか楽しみなところです!
さらに、FPC(フレキシブル基板)とFR-4製のスティフナー(補強板)を組み合わせることで、柔軟性を持たせつつエッジ部分の強度を確保したこのような1枚構成のエッジPCBといった形でも実現できそうで、このあたりも今後試してみたいと思っています。
別バージョンのテスト!
PIとFR-4スティフナーを合わせたら、リジットFPC基板ライクなやつ出来るのかしらと… https://t.co/O6Ue1y6tZs pic.twitter.com/ZDCraYk1lU— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) April 9, 2026
実物が届き次第、挿し込み具合や接触の安定性、実際の通信動作などについても確認し、改めてまとめてみようと思います。(動作確認ができたので、以下記事を追記しました)

























[…] 前回製作したmicroSD形状のエッジPCB基板は、0.8mm厚のPCB端面にゴールドフィンガー(接続パッド)を設け、FFCケーブルで外部へ引き出す構成で作りました。 […]
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