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【自作基板 / JLCPCB】自作microSDカードリーダーの製作![GL823Kコントローラー]

先日、microSDカードのピッチ変換基板を製作しました。

市販されている変換基板の多くはSPIモードでの使用を前提として設計されたものが多く、SDカード本来のネイティブ通信であるSDIOモードに対応したものは意外と少ないようで、手軽に試せる環境が手元にありませんでした。

そこで、ブレッドボードで扱いやすいようにピッチ変換基板を自作した、という流れになります。

【自作基板 / JLCPCB】SPI / SDIO両対応 microSDカードピッチ変換基板の製作

そして現在、マルチプレクサを用いて1枚のSDカードをPCと対象基板間で切り替えて使用できるボードの製作を検討しているのですが・・・

その前段階として、上記ピッチ変換基板を使いコントローラーチップと組み合わせてSDカードリーダーをブレッドボード上で構成し、動作テストや検証を行っていました。

実際に試してみると、USB2.0のカードリーダーとして問題なく動作することが確認でき、構成もシンプルで低コストに収まりそうな印象でした。

これなら、ひとまず自作SDカードリーダーとしてそのまま実用基板としてまとめてしまっても良さそう…

ということで今回は、GL823Kコントローラーチップを使った自作microSDカードリーダー(USB2.0)の製作についてまとめてみました。

GL823Kコントローラーを使った自作microSDカードリーダーの製作!

冒頭でお話したように、SDIOモードでも使えるピッチ変換基板を製作し、その動作テストとしてブレッドボード上でSDカードリーダーを組んでみました。

使用したコントローラーチップはGL823Kを使っています。
USB2.0対応のシンプルなカードリーダー用チップです。

あくまでテスト用として構成したものではありましたが、実際に動かしてみると安定して動作し、ブレッドボードレベルでも十分実用的に扱えるものでした!

外付け部品も少なくシンプルに構成でき、今後の自作基板製作でも活用できそう?
ということで、この構成をそのまま基板化して製作したのが、今回の自作microSDカードリーダーとなります。

GL823Kについて

GL823Kは、SD/MMC/MSPROといったフラッシュメモリカードに対応した、USB2.0(High-speed, 480Mbps)接続のカードリーダー用コントローラです。

シングルLUN構成のため、1つのメディアをシンプルに扱う用途に適しています。

実際にベンチマークを取ってみたところ、USB2.0接続としては標準的で妥当な速度が確認でき、一般的なUSB2.0対応のカードリーダーと同等レベルの性能は十分に出せる印象です。(100均リーダー並みには出てると思います)

電子工作で扱う自作基板製作では、用途にもよりますが十分活かせる場面はあると思います。

パッケージは小型のSSOP-16で、ピン配置もカードスロットへの接続を意識した構成となっているため、PCBレイアウトがしやすく、省スペースでまとめられる印象です。

また、5V→3.3Vおよび3.3V→1.8VのレギュレータやオンチップのパワーMOSFETを内蔵しており、さらに内部クロックも備えているため外部に12MHzクリスタルが不要など、周辺部品を大幅に削減できる構成にもなっています。

そのため、最小構成でも動作させやすく、自作基板用途での相性は良さそうです。

シンプルかつ低コストにまとめられる点も含め、自作用途では扱いやすいコントローラーチップだと思います。

ただ、基本的なピン機能についてはデータシートに記載があるものの、具体的な回路例の掲載が無く、一部挙動が分かりにくい部分もありました。

特に11番ピンのGPIOポートについては詳細な説明が見当たらず、用途が不明でした!

参考 GL823K USB2.0 SD/MSPRO/Card Reader ControllerLCSC

そこでブレッドボード上で検証してみたところ、このピンをプルアップした状態ではPCに認識されず、プルダウン(または未接続)とすることで正常に認識されることが確認できました。

この挙動から、カード挿入検知やイネーブル制御に利用できるピンのようですね!

MEMO
内部プルダウンが入っているようなので、通常は未接続で問題無いようです!

基板設計

ブレッドボード上で動作確認や検証を行っていたため、基本的な回路構成はそのまま踏襲し基板化しました。

GL823Kは電源レギュレータやクロックを内蔵しているため、外付け部品が非常に少なく、USBまわりとカードソケット周辺を中心とした最小限の構成でまとめることができました。

専用チップということもあり配線もシンプルに収まり、基板サイズの小型化やレイアウトの自由度向上にも繋がりました。

SDカードソケットにはカード挿入検知用のCDピン(CARD_DETECTION)が用意されており、これをプルアップして先ほどのGL823Kの11番ピン(GPIOピン)に接続することで、カードの抜き差しに応じてPC側への認識を制御することが出来ると思いますが、今回の用途ではこの機能は必要ないのでGPIOピンはプルダウンさせています。(内部プルダウンがあるので未接続でもよさそうですが)

部品点数が少ないこともあり、コストも100均並の価格で作れることから試作を兼ねて実際に基板を発注してみることにしました。

JLCPCBに発注

基板の製造は、今回もJLCPCBを利用しました。

今回製作したGL823Kを使ったSDカードリーダーの基板データ(ガーバーファイル)をダウンロード出来るようにしておきます。
何かの参考になれば幸いです。

JLCPCBへの発注も少し見ておきます。

発注時の設定については特記すべきポイントもなく、一般的な設定で問題ありません。

ある程度はんだ作業に慣れた方なら手はんだでも十分対応可能な構成となっていますが、今回はステンシルもあわせて発注しました。

作業しやすいようにステンシルサイズをカスタムすると、ステンシル料金および送料がお安くなるのでお得です!

microSDカードソケットはピンピッチが細かく端子も密集しています。

手はんだでフラックスを多用すると、構造上どうしても内部に流れ込みやすくなります。
その結果、カード挿入時のベタつきや接触不良の原因になることもあります。(経験談です)

ステンシルを使ってあらかじめ適量のはんだペーストを塗布し、リフローで一気に実装してしまうことで、こういったトラブルを避けつつ仕上がりも綺麗にまとめることが出来ると思います。

なお、JLCPCBへの基本的な基板発注方法については、以前書いたこちらの記事で詳しくまとめています。
あわせてご覧頂ければと思います。

【電子工作 / 基板製作】これから始める自作基板。JLCPCBでの基板発注ガイド(2025年版)

パーツの実装

配送方法にOCS Expressを選択し、発注から約8日で手元に基板が届きました。

ボードサイズをかなりコンパクトにしたので手はんだでは少し手間かもしれませんが、ステンシルも発注していたのでサクッとパーツを実装させました。

ステンシルを使いはんだペーストを塗布します。

実装にはいつも愛用しているミニリフロー装置MHP50を使いました。

ホットプレートに収まる基板サイズだと、リフロープロファイルを使った実装が行えるのでとても便利です!

【電子工作 / PCB】ミニリフロー装置『Miniware MHP50』を使ってみる!加熱性能や安全設計はMHP30から全て引き継がれ使い勝手がさらに向上した便利なリフロー装置です

通電前の短絡チェック、これまでテスターを使って行っていましたが、最近は自作したType-Cブリッジチェッカーを使っています!

とても便利なチェッカーくんです!

【自作基板 / JLCPCB】USB Type-C ブリッジ(短絡)チェッカーの製作!【②基板設計・JLCPCBに発注】

PCと接続し、データの読み書き等のテストを行ってみましたが、特に問題ありませんでした!

以上、自作microSDカードリーダーの完成です!

使用パーツ一覧

本ボードに使用したパーツの一覧です。

パーツ定数入手先
コンデンサ
(0603)
C1/C2 100nF
C3/C4 10μF
AliExpress
LED
(0603)
D1 Access_LED
D2 PWR_LED
AliExpress
ヒューズ
(0603)
F1 500mAAliExpress
microSDソケットJ1 microSD(SMD)AliExpress
USB端子J2 Type-C(16P)AliExpress / 秋月電子
抵抗
(0603)
R1/R2 5.1kΩ
R3/R4 2kΩ
R5 100kΩ
AliExpress
SDコントローラーICU1 GL823K-HCY04(SSOP-16)AliExpress / LCSC

最後に!

今回は、microSDカードのピッチ変換基板をきっかけに、GL823Kを用いた自作microSDカードリーダーの製作についてまとめてみました。

もともとはSDIOモードの検証環境を手軽に用意するためのテスト的な構成でしたが、実際に動かしてみるとUSB2.0カードリーダーとして十分実用的な性能が確認でき、シンプルな構成かつ低コストで製作することが出来ました。

ブレッドボードでの検証からそのまま基板化できる手軽さもあり、自作環境におけるちょっとしたツールとしても活用できそうです。

今後は当初の目的である、マルチプレクサを用いたSDカードの切り替えボードの製作などにも発展させていきたいと考えています。

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