こちらの記事の追記となります。

先日、リポバッテリーの残量や接続した負荷の放電率などをモニターできる自作ボードを製作しました。
負荷に接続した評価回路などが、どれくらいバッテリーを消費しているのかをリアルタイムで確認できるため、リポバッテリーを使用した自作基板の評価や動作確認などで役立つボードです。
製作当初は、ケースやパネルといったものを取り付けて使用することは考えていませんでしたが、実際に使い始めてみると予想以上に使い勝手が良く、試作品の評価だけでなく今後製作するバッテリー搭載基板の開発や試作段階での評価でも活躍してくれそうな予感がしています。
そうなってくると、基板をむき出しのまま使い続けることによる、見た目や使い勝手なども気になってきました。
電子工作的には基板だけの状態でも十分実用になりますが、操作ボタンやコネクタの名称が分かりにくかったり、OLEDディスプレイに傷が付きやすかったりと、長く使っていく上では気になる点も少なくありません。
そこで今回は、このバッテリーモニターボード専用のアルミ製プレートを、JLCCNCの板金加工を利用して製作してみることに。
見た目を良くするだけでなく、各部のラベル表示や操作性、ディスプレイの保護など、実用性の向上も目的としています。
目次
自作基板用アルミプレートをJLCCNCの板金加工を利用して製作する!
メインとなるリポバッテリー残量計モニターボードですが、基本的にはボード単体で使用することを前提で設計しています。
操作スイッチや各端子の名称など、最低限必要な情報はシルクプリントで記載しており、このままでも十分実用的に使用することができます。
ボードサイズも約64mm×38mmとコンパクトに仕上がっているため、デスクの上でも場所を取らず、試作回路や評価ボードへ気軽に接続して使用できるのも特徴です。

ボード製作後、想像していた以上に便利なツールとして活躍してくれそうだったので、長く快適に使えるよう、今回は専用のアルミプレートも製作してみることにしました。
プレートあるとどうだろう…な朝CAD pic.twitter.com/tbhipLfXw6
— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) June 22, 2026
実際にプレートを装着してみると、基板をむき出しのまま使用するよりも適度な厚みが生まれ手に持った際の操作性が大きく向上し、何より各端子の名称や極性、インジケーターLEDの表示意味などがひと目で分かるようになり、視認性も大幅に向上した感じです。
見た目の印象も大きく変わり、試作基板というよりもちょっとした専用の測定機器のような見た目にもなり、実用性だけでなく所有感という面でも満足度の高いものになったと思います!
プレートの設計
JLCCNCの板金加工サービスを利用して製作することを前提に、専用アルミプレートの設計を進めていきました。
設計と言っても、今回は曲げ加工などは行わず、シンプルなフラット形状のプレートです。
そのため形状自体はそれほど複雑ではありませんが、基板上の各部品にぴったり合うよう、寸法や開口部の位置を細かく調整しています。
基板を設計していた段階では、このような専用プレートを使用することは考えていませんでしたが、しかしあとからプレートやケースを追加する可能性も考え、PCB側のシルク印刷の配置や端子・スイッチ・ディスプレイ・ビス穴などのレイアウトは、それを意識した設計にはしていました。
特にスイッチや各端子は部品ごとに高さが異なるため、単純な四角いプレートに穴を開けるだけでは高さ調整が難しく、操作性も悪くなってしまいます。
そこで、この部分は大きく開口するデザインとすることで、操作性を確保しつつ、見た目にもアクセントのある仕上がりを目指しました。
また、開口部分からPCB側の操作スイッチや説明用シルクが見えるようにし、プレート側にはレーザーマーキングで端子名など、その他必要な情報を追加しています。
PCBを設計する段階で、プレートやケースを取り付ける可能性も考慮してレイアウトを決めておくことは意外と重要です。
あとから追加しようとすると、部品配置やシルク印刷の位置が制約となり、思い通りのデザインに仕上げられないことも少なくありません。
今回はそのあたりも事前に考慮してPCB側は設計していたため、大きな修正を行うことなく、イメージ通りのアルミプレートに仕上げることができました!
以上、プレートにはレーザーマーキング加工を利用して、各端子の名称や極性表示、インジケーターLEDの説明文字などを追加し、操作スイッチ周辺についてはPCB側のシルクを活かすレイアウトとしました。
写真では比較的大きく見えますが、実際のサイズは約64mm×38mmとかなりコンパクトなボードです。
そのため、3D CAD上で実際の見え方を確認しながら、文字サイズや配置を細かく調整してマーキング用データを作成していきました。
JLCCNCでは、レーザーマーキングやシルクプリント用のデータは、DXF形式(またはDWG形式)で入稿する必要があります。
また、文字は塗りつぶしや枠付きの中抜き文字など、二重線フォント(アウトラインデータ)で作成することが推奨されています。
参考 板金ガイドラインJLCCNC今回は、このように作成したレーザーマーキング用の文字やイラストに加え、プレート本体データ(STEPファイル)と位置合わせができるよう、外形エッジを投影したガイドラインも含めて、1枚のDXFファイルにまとめたものを発注時に入稿しました。
なお、ボトムプレートについては、ビス穴のみを開けたシンプルな形状にしています。
JLCCNCに発注
上記設計したプレートは、JLCCNCの板金加工(シートメタル)サービスを利用して製造してもらいました。
今回製作したプレートデータ(STEP / DXF)についてもダウンロードできるようにしておきますので、同様のプレートを製作したい方やデータ作成時の参考として頂ければと思います。
製作したプレートは、素材にアルミニウム(Aluminum 5052)、また表面仕上げオプションとしてアルマイト(Anodizing)のマット・ピンク色を選択しました。
また、トッププレートにはレーザーマーキング(Laser Marking)オプションもさらに追加し、文字やイラストの刻印も。(ボトムプレートは同色のアルマイト処理のみとしています)
レーザーマーキングのオプションを利用する場合、プレート形状(STEP)とは別にマーキング用のDXF(またはDWG)ファイルもアップロードする必要があります。
プレート本体のデータと位置が正しく合うよう作成しておけば、今回のように文字やイラストもきれいにマーキングしてもらえます。
JLCCNCでの板金発注方法は、初めて発注した時に書いたこちらの記事が参考になると思います。

また、レーザーマーキングやシルクプリントに関しては、こちらの記事も参考にして頂ければと思います。


昨年末頃からJLCCNCの板金加工を利用する機会が増えましたが、今回のようなPCB用のプレートをはじめ、簡単な治具やブラケット・パネル類などを比較的安価そして手軽に製作できるため、電子工作との相性は非常に良いと感じています。
ただ、アルミ素材だけでも表面処理やカラーの選択肢が豊富なため、発注の際に「どの色を選べば良いだろう?」と毎回悩んでしまうことも少なくありません!
ダークグレーあたりが無難だろうなぁー! https://t.co/juTRbR397v pic.twitter.com/U9b6lhgGPV
— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) June 23, 2026
選択する素材やカラーリングはいつも迷うことが多いので、アルミ素材で選択できる全ての表面仕上げ&全カラーのサンプルプレートを以前製作しています。
表面仕上げにアルマイトやパウダーコーティングを選ぶ場合選択できるカラーの種類が非常に豊富なため、実際の色味や質感を確認できるこのようなサンプルがあると、発注時のイメージがつかみやすくておすすめです。


到着・組み立て
発注後、データレビューを経て製造が行われ、手元に届くまでの期間はちょうど2週間でした。(配送方法はOCS Expressを選択)
JLCCNCから来た板金プレート、いつもながらいい仕上がり
レーザーマーキングの質感、すごくいいよねそして多色シルクのテストとして、KiCadキーホルダーを作ってみたが…
4色プリントも出来ちゃうってことは、今後少し凝ったプレートとか作れるよな👌Thank you@JLCCNC_Official @JLCPCB_Japan pic.twitter.com/y3Fq4xX7B5
— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) July 14, 2026
JLCCNCの板金加工サービスは昨年後半頃に開始された比較的新しいサービスです。
当初は利用者が多かったこともあり、曲げ加工や各種表面処理オプションを追加すると、製造までに結構な時間がかかる印象がありました。
今回利用してみた限りでは、データレビューから製造開始までの流れもスムーズで、全体的な納期も以前より短くなったように感じます。
以前と比べるとかなり利用しやすくなった印象です。
これまでJLCCNCの板金加工サービスは何度も利用しているので、仕上がりについてはある程度予想できていましたが…
今回も期待どおり綺麗に製造されていました!
アルマイト処理の質感も非常に良く、レーザーマーキングについても文字やイラストが鮮明で、とても綺麗な仕上がりです!
CAD上でイメージしていたとおり、プレート単体で見ても十分満足できる完成度でした。
それでは、基板へ組み付けていきます。
プレートはM2ビスとスペーサーを使用して組み立てます。
今回はトッププレート・ボトムプレートともに5mmのスペーサーを使用しました。
トッププレートは5mm(または4mm)程度のスペーサーがちょうど良い高さですが、ボトムプレート側は用途に応じて変更するのがおすすめです。
例えば、基板の下部にリポバッテリーを収納したい場合は、バッテリーの厚みに合わせてスペーサーの長さを変更することで、用途に合わせた構成にすることができます。
これで完成です!
設計時にサンプルプレートで実際の色味を確認しCAD上のレンダリングでイメージはできていたものの、アルマイト処理のピンク色は自作基板と合わせる色味としては少し冒険的なカラーかな?とも思っていましたが…
実際に組み立ててみるとブラックPCBとの相性も良く、想像していた以上に引き締まった印象に仕上がり、試作基板というよりも製品の評価機器のような雰囲気にも感じられます。
非常に満足度の高い仕上がりになりました!
また見た目だけでなく、プレートを取り付けたことで適度な厚みが生まれ、手に持った際の操作性も大きく向上しました。
最後に!
今回は、以前製作したリポバッテリー残量計モニターボード用の専用アルミプレートを、JLCCNCの板金加工サービスを利用して製作してみました。
ボード単体でも十分実用的に使用できますが、プレートを追加することで見た目の完成度が向上するだけでなく、端子名称やインジケーターの視認性、手に持った際の操作性など、実用面でも多くのメリットを感じることができました。
一見すると何か専用機器のような…、個人製作とは思えないほど、とても満足度の高い仕上がりになったと思います!
今回のようなシンプルなプレートであれば設計のハードルもそれほど高くなく、PCB設計の段階から少し意識しておくだけで、あとからプレートを追加する場合でも違和感なく組み込むことができます。
電子工作では「基板が完成したら終わり」となりがちですが、そこへプレートを1枚追加するだけでも、使い勝手や所有感は大きく変わるものですね!
JLCCNCの板金加工サービスは、今回のようなPCB用プレートだけでなく、ブラケットや治具、パネル類などの製作にも手軽に利用できます。
自作基板の完成度をさらに高めてみたいと思われる方は、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。


























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