11月25日発売 書籍『Arduinoと3Dプリンタでロボットを作ろう』を出させて頂きました!

【JLCPCB】ホールサイズ0.2mm(外形0.45mm)のビアサイズを活用して追加料金なしで基板を作る!

プリント基板(PCB)を設計し、JLCPCBへ発注する際、ビア(Via)のサイズ設定一つで製造コストが大きく変わることがあります。

標準的な設計の基板製造なら5ドル前後と非常に安価に製造できるわけですが、それに対しビアに関するオプション料金は「高度な製造オプション」扱いとなり、基板代を大きく上回る追加費用が発生する場合があります!

特に小型基板や高密度な配線を行う場合にビアサイズを小さくしたくなることがありますが、何も考えずにサイズを設定してしまうと、思わぬ追加料金が発生することもあります。

PCB製造メーカーの多くは、ホールサイズ0.3mm程度を標準的なビアサイズとして扱っていて、JLCPCBでもそのサイズより小さなものになるとオプション扱いとなります。

一方で、0.2mmクラスの小径ビアに関しても、JLCPCBでは条件によっては標準基板として問題なく製造することが可能です!

しかし、ビアサイズだけでなく、ランド径やアニュラリングのサイズによっては「高度な製造オプション」が必要と判定される場合があります。

特に注意したいのが、穴の周りに残る銅箔の幅である「アニュラリング(Annular Ring)」です。

例えば、ビアのホールサイズを0.2mm、外径(ランド径)を0.4mmに設定した場合、アニュラリングは片側0.1mmとなります。

一見問題なさそうに見えるサイズですが、このような小さなアニュラリングは製造難易度が高くなるため、レビュー段階で製造オプションが必要と判定される場合があります。

参考 How to Avoid Pitfalls in PCB DesignJLCPCB

私も過去にこの条件で発注した際、製造前レビューでオプションが必要と判定され、基板代とは別に数十ドルの追加料金が発生したことがありました。(確か40ドルほどだったと思います)

標準的な設計基板にも関わらず、ビアサイズだけの問題で毎回大きなオプション費用が発生するのは避けたいところです!

しかし、設計段階でビアサイズを少し見直すだけで、同等の基板を追加費用なしで製造できるケースも少なくありません。

実際には、ビアのホールサイズ0.2mmに対し外径を0.45mmへ変更するだけです。
わずか0.05mmの違いですが、製造ルール上は大きな差となるようです。

また、このようなコメントを頂きましたが…

このビアサイズに関しては、JLCPCBのサイトに記載されているので、レビューに引っかかったり、また追加費用が発生することはありません!

一般的にビアには、標準ビア(0.3mm~0.5mm)小径ビア(0.2mm~0.25mm)マイクロビア(0.1mm~0.15mm程度)がありますが、趣味用途で製作する標準的な基板設計で追加費用がかからず、0.2mmサイズのビアが使えるというのは、便利な場面は多いと思います。

例えば、最近よく使っていた電源系のDC/DCコンバータやマルチプレクサチップなど、小型のチップ部品では放熱用のサーマルビアとして「ホールサイズ0.2mm / 外形0.40mm」程度の微細なビアサイズのものが使われているのをよく見かけます。

しかし、部品メーカーのデータシートに載っている上記のような推奨フットプリントをそのまま使って設計しJLCPCBへ発注してしまうと、レビュー段階でビアのオプション料金が発生してしまいます!

そこで、ビアの外径(ランド径)を少しだけ大きくし、「0.2mm / 0.45mm」に調整しておけば、これだけで標準料金の範囲内に収めることができます。

サーマルパッドのように、完全に銅箔ベタ(ソルダーレジストが剥がれて銅箔が露出している大きなエリア)に覆われている場所なので、データ上の外径を0.40mmから0.45mmに広げても、すでに周囲が銅箔で満たされているため、完成する基板の物理的な形状(仕上がり)は同じになります。

また最近のマイコンチップで言うと、RP2040やRP2350などのQFNパッケージを採用したチップを使用する機会も増えました。

これらのチップは細かいピンピッチで多数のパッドが並んでいます。

配線を引き出す際に標準的な0.3mmホールのビアでも設計は可能ですが、パッド間の配置が難しかったり、配線の引き回しに制約が生じたりすることもあります。

一方で、0.3mm以下のビアサイズを使えれば、パッド付近へ配置しやすくなり、配線の自由度も大きく向上します。

ただ、先述のように0.2mmホールのビアを使う場合でもランド径の設定次第ではオプション扱いとなり、思わぬ追加料金が発生してしまいます。

そこで、「ホールサイズ0.2mm / 直径0.45mmビア」という設定です。

もちろん基板全体の設計ルールやその他の条件にも左右されますが、少なくともビアサイズだけが原因で製造オプション扱いとなる場合には非常に有効な方法だと思います。

小径ビアを多用する基板では覚えておいて損のないテクニックではないでしょうか。

今回のJLCPCBのビアの扱いに関しては、以前にも詳しく書いているのでこちらも合わせて見て頂ければと思います。

【JLCPCB】標準設計の基板発注でビアサイズによる思わぬ追加料金の発生を回避する!ビアサイズ(ビア径やホールサイズ)による追加料金について

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。