JLCPCBのアセンブリサービス(PCBA)を利用して発注していた基板がいくつか届きました。
今回製作したのは、1セルリポバッテリー用充電チップ「BQ24075」と、バッテリー残量管理チップ「BQ27441」の評価・検証ボードです。
比較的実装パーツ数の少ない実験・検証用途の基板ではありますが、PCBAで発注したにも関わらず10日ほどで手元に届きました。
あとはピンヘッダーなどの未実装パーツを取り付ければ、すぐに検証作業に取りかかれます。
このスピード感は毎回かなり助かっていて、「思い立ったらすぐ試す」がしやすいのも、JLCPCBのPCBAサービスの大きな魅力だと感じています!
今回のボードはどちらもブレッドボード上での評価を前提として設計していて、試作回路への組み込みや、今後の自作基板開発時の事前検証などで気軽に使えるようにしています。
特に今回使用したBQ27441やBQ24075はかなり小さなパッケージのチップなので、手作業で扱うには少々難しいものとなりますが…
PCBAサービスを利用することで、チップやピッチ変換基板などの準備、実装の手間を省き、届いたその日からすぐ評価・検証を始められるのも嬉しいポイントです。
まずは到着報告として届いた基板を簡単に紹介しつつ、各ボードの詳しい構成などについては後日個別記事として紹介しようと思います。
今回製作した2種類の検証用ボードについて [BQ24075 / BQ24075]
今回製作したのは、1セルリポバッテリー残量管理IC「BQ27441」と、同じくリポバッテリー充電IC「BQ24075」を使用した2種類の検証用ボードです。
BQ24075は、1セルリポバッテリー向けの充電制御ICで、単純な充電機能だけでなく電源パス管理機能も備えています。
USBから給電しながらシステムを動作させる用途などでも利用でき、自作機器へ組み込む際にも扱いやすそうなチップです。
一方のBQ27441は「Fuel Gauge(フューエルゲージ)」と呼ばれるICで、バッテリー電圧だけを見るのではなく、充放電状況などをもとにバッテリー残量をより正確に推定するためのチップとなります。
リポバッテリーは電圧と残量の関係が単純に比例するわけではなく、放電特性も直線的ではないため、単にセル電圧だけを見て残量などを判断するのは難しくなります。
リポバッテリーを扱う際には、その安全性も考慮しながら適切な充電制御を行う必要があり、それと同時にバッテリー状態を正しく把握することも重要になります。
どちらも非常に小型パッケージが採用されたチップのため、そのままではブレッドボード上で扱うことが難しいチップとなります。
このようなチップを扱う場合、以前は対象チップや対応するピッチ変換基板を探して入手し、自分で実装して評価を行っていたため実際に評価を始めるまでに意外と時間がかかることも少なくありませんでした!
また、今回使用したような小型パッケージのICは、市販のピッチ変換基板では対応品がなかなか見つからないこともあります。
そのためデータシートを読み込み、想定している確認項目を一通り試せる専用の評価ボードとして製作してしまう方が、結果的には手間も少なく使い回しもしやすくなりそうです。

今回製作したボードは、それぞれの機能を単体で確認出来るだけでなく、両者の組み合わせや他のIC・試作回路との接続も行いやすい構成で製作しました。
今後の試作や自作基板開発時にも繰り返し利用出来る、汎用的な評価ボードとして活用していく予定です。
バッテリー残量計IC 「BQ27441」検証ボード
まずこちらは、BQ27441の検証用ボードです。
BQ27441はTI製(Texas Instruments)の1セルリチウムイオンバッテリー専用の残量計(フューエルゲージ)ICで、単純にバッテリー電圧を測定するだけではなく、充放電状況やバッテリー特性などを考慮して残量を推定してくれるICです。
リポバッテリーは放電に伴って電圧が一定割合で変化するわけではなく、同じ電圧値でも負荷状態や残量によって見え方が変わることがあります。
そのため単純な電圧測定だけでは、「まだ余裕がある?」のか「もうほとんど空なのか?」を判断しにくい場合があります。
BQ27441ではI2C経由で様々な情報を取得することが出来ます。
例えば、バッテリー電圧(mV)や充電状態(SOC : %)、平均電流(Average Current : mA)といったものを計測できます。
また、フル充電時の容量(Full Charge Capacity : mAh)やバッテリー残容量(Remaining Capacity : mAh)、バッテリーの経年劣化(SOH : %)の推定といったことも行えるようです。
参考 BQ27441 データシートTexas Instruments今回のボードでは、ブレッドボード上でも扱いやすいように各信号を引き出した構成としていて、I2C通信やアラート出力(GPOUT)などに加え、外部の充電回路や負荷などを接続しながら各種動作確認が行えるようにしています。
以前同様の用途でMAX17048を使ったことがあります。
MAX17048は外付け部品も少なく比較的手軽に利用できるフューエルゲージICで、非常に扱いやすいのが特徴でした。

セル電圧やバッテリー残容量、充放電率といったバッテリーの基本情報を取得出来るため、状態を把握する用途では使いやすいチップです。
このような負荷接続時の状態を監視できるボードを後に製作してみましたが、これは非常に便利に使えています。
ボード完成した!
そしてファームを修正している朝活!
上手く表示出来るようになってきた。
これはちょっと便利なボードだよ🤤 https://t.co/Xs8CYOzziG pic.twitter.com/FUsIGUcXAx— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) June 18, 2026
MAX17048では主にバッテリー電圧変化などを利用して独自アルゴリズムにより残量推定を行う方式でしたが、今回製作したボードで使用したBQ27441では充放電電流をシャント抵抗経由で測定するクーロンカウンタ方式を利用している点が大きな違いになります。
単純にセル電圧だけを見るのではなく、実際に出入りした電流量やバッテリー特性も考慮するため、フル充電時容量や劣化状態など、より詳細なバッテリー状態の把握も行えるようになっています。
リポバッテリー充電制御IC「BQ24075」検証ボード
次にこちらのボードは、BQ24075の検証用ボードです。
BQ24075は同じくTI製の1セルリポバッテリー向け充電制御ICで、充電機能だけでなく電源パス管理(Power Path)機能も搭載したチップとなります。
これまで1セルリポバッテリー向け充電回路では、MCP73831やTP4056、CN3065などを利用したことがありました。
これらは比較的シンプルな構成で扱いやすく、部品点数も少ないため自作基板製作などでも扱いやすいチップです。

ただ、バッテリーを充電しながらシステムも同時に動作させたい場合では、電源の切り替えや負荷の扱いを別途考慮する必要がある場面もありました。
MCP73831などはシンプルに使え非常に便利な充電ICですが、パワーパス機能を持たないため、例えば充電しながら負荷を駆動させる場合、システム側の消費電流によっては充電完了判定が行えなかったり、遅れたりする場合がありました。
それに対してBQ24075には、パワー・パス管理(DPPM)という機能も搭載されています。
これはシステム側の消費電流が大きくなった場合でも、入力電源電圧が過度に低下しないように充電電流を自動的に調整し、システム動作を優先して電力配分を行う機能です。
USB給電中にシステム側の負荷が急に増加した場合でも、単純に充電を続けるのではなく、必要に応じて充電電流を抑えてシステム動作を優先するといった制御が可能となります。
参考 BQ24075 データシートTexas InstrumentsまたBQ24075では、外付け抵抗によって各種動作条件を設定することも出来ます。
例えばILIM端子では入力電流制限、ISET端子では充電電流の設定が可能となっていて、他の制御ピンと組み合わせることにより使用する電源やバッテリーに合わせた調整を行うことも出来ます。
USB給電を前提とする場合や、大容量バッテリーを使用する場合など(最大1.5Aの充電電流に対応)、用途に応じて動作を細かく変更出来るのも特徴の一つです。
このようなPower PathやDPPM、各種設定機能の挙動などを手軽に確認出来る評価・検証用ボードとして製作しました。
最後に!
今回は到着したBQ27441とBQ24075の検証用ボードについて、簡単な概要紹介となりました。
BQ27441ではバッテリー状態のより詳細な把握、BQ24075ではPower PathやDPPMを利用した電源管理など、これまで使用していた構成とはまた違った機能が色々試せそうで、実際にどのような挙動になるのか気になっている部分も多くあります。
今後はそれぞれ単体での評価だけでなく、両者を組み合わせた動作確認や他のマイコン・周辺ICとの組み合わせなども含め、試作や自作基板開発時に活用していく予定です。
また、このようなバッテリー管理ボードの製作も現在考えているのですが…
ちょっとまだ早いけど、イメージ作り…😏 pic.twitter.com/uvTz3kTRNL
— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) July 3, 2026
その前段階として、今回の評価ボードで各機能や挙動を確認し、回路構成や使い勝手なども含めて検証を進めながら、完成まで持っていければと考えています。















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