電子工作で自作基板の製作を始めて、気が付けば3年ほどが経ちました。
学生時代の感覚では、プリント基板(PCB)を国内の製造メーカーへ依頼するとなると、ちょっとした基板でも数万円、場合によってはそれ以上かかるイメージがあり、個人で気軽に作れるのもではないと思っていました。
ところが最近では、海外の基板製造サービスを利用することで、僅か数ドルという驚くようなコストで自作基板が作れてしまいます。

初めてJLCPCBに自作した基板の製造を依頼し、実際に届いた基板を手にした時の感動は今でもよく覚えています!
そこから気が付けば、自作基板製作にすっかりハマってしまい、ユニバーサル基板で配線しながら試作していた頃には、もう戻れない状態になりました。
そして基板製作に慣れてくると、次第に基板そのものだけではなく、作業環境や周辺ツールにも目が向くようになります。
初JLCCNCを利用してみた!
そして人生初の板金加工、これちょっと感動🤩
動画でしか見たことなかったけど、こんなのが数ドルで作れちゃうんだね👌アルミ5052で表面仕上げにアルマイト、カラーはグレー・スカイブルー・ピンクでテストしてみました
Thank you
提供@JLCPCB_Japan @JLCCNC_Official pic.twitter.com/ptsgSbEFZV— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) November 28, 2025

はんだ作業やリフロー作業では、ペーストタイプのはんだやフラックス、ステンシル、リフロー関連の道具など、作業デスクの上にはどうしても道具が散乱しがちになります。
気が付けばデスクが手狭になり、使いたい道具を探したり置き場所に困ることも少なくありません!
そこで今回は、JLCCNCの板金加工(シートメタル)を利用して、シリンジタイプのはんだペーストやフラックスをスマートに収納できる、専用スタンドを製作してみました。
作業時はもちろん、使用後の保管場所としても、デスクの上をすっきり整理できる便利なアイテムになりました。
はんだペースト&フラックス スタンドの製作
JLCCNCの板金加工サービスは、昨年末あたりから利用するようになり、気が付けばかなりの頻度で活用するようになりました。
自作基板用のケースやプレート、ちょっとした治具など、必要な時に手頃な価格で気軽に製作できるのも大きな魅力の一つです!
JLCCNCの板金加工でPCB用のプレートを作ってみたよ!
シルクプリントも綺麗👍️(絵心全くないけど)シルク印刷やレーザー加工も出来るなら、電子工作用途で今後かなり活用出来そうよね。
アルミのアルマイト仕上げも質感よく、これはいい👌Thank you
提供@JLCCNC_Official @JLCPCB_Japan pic.twitter.com/0Tv7IYHztz— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) December 9, 2025

3Dプリントでは、樹脂ならではの自由度があり、試作や複雑な形状の製作にとても便利です。
一方で、工具やスタンドのように日常的に使うものでは、剛性や質感の面で金属製に魅力を感じる場面もあります。
今回製作したはんだペーストスタンドも、作業時にデスク上で繰り返し使う実用品ということで、ある程度の重量感と安定性、そして見た目の質感も重視して金属パーツとして製作することにしました。
3Dプリントパーツでは剛性の面で少し不安が残るような用途でも、金属パーツであれば2mm厚の曲げ加工品でも十分な剛性感があり、そして安定して使えるのも嬉しいところです。
板金加工で製作したパーツは、こうしたデスク周りの小物製作にも非常に相性の良いサービスだと感じています。
スタンドの設計 & 実物の確認
シリンジタイプのはんだペーストやフラックスは、メーカーによって全長や外径に若干の違いはあるものの、一般的によく使われているものは比較的近いサイズ感にまとまっています。
そこで特定メーカー専用ではなく、手元にある様々なシリンジで使えるように、収納穴のサイズには少し余裕を持たせて設計しました。
あまりタイトにしすぎると出し入れしにくくなってしまうため、スムーズに抜き差しできる使い勝手も意識しています。
また普段の作業環境を考えると、高温はんだペースト、低温はんだペースト、さらに用途によって使い分ける粘性違いのフラックスを2種類ほど手元に置いておくと便利です。
そのため、計4本をマウントできる構成とし、作業時に不自由なく使えつつ、デスク上でも邪魔になりにくいコンパクトなサイズにまとめました。(約126mm×76mm×67mm)
必要なものをすぐ手に取れ、使い終わればそのまま戻せる、実用性重視のサイズ&レイアウトを目指しています。
作業時の利便性を考え、全体的に約20度の傾きを入れました。
自然な角度で手が届きやすく、デスク上でも扱いやすい配置になったと思います
ディスペンサ(押し出し棒)の位置は使っていくうちに変わってきますが、高い位置にある状態でも重心が安定するよう、底面の長さや接地面積も調整しています。
立った🤩
PLA 2mmだと反っちゃうけど、板金アルミプレートなら大丈夫… https://t.co/OPbGKa9OHa pic.twitter.com/4DfO8w9Szz— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) April 4, 2026
また、シリンジ先端に取り付けるニードルの長さも考慮して、自宅の3Dプリンタで何度か試作を行い、全体サイズ(高さ・サイズ・傾斜角)を微調整しました。
シリンジタイプのはんだペーストやフラックスは、粘性の違いや使用するニードルの太さによっては、横置きにしていても先端から少しずつ垂れてしまうことがあります。
今回このようなスタンドを製作したのは、そうした液だれを気にせず作業したいというのも目的の一つです。
スタンド底面にはキムワイプなどを敷いておける広いスペースとニードルまでの高さを少し多めに設けました。
以上でスタンド本体の設計が完了しましたが、ワンポイントとしてレーザーマーキングも入れることにしました。
天面の見える部分に、製品名やシンプルなグラフィックを配置し、工具らしい雰囲気が出るようにデザインしてみましたが・・・、いかがでしょうか?
機能面には直接関係しない部分ではありますが、無地のままよりも完成品らしさが増し、デスク上に置いた際の見た目もかなり良くなりました。
板金パーツは実用品として使いやすいことが第一ですが、こうした少しの装飾を加えるだけでも所有感が高まり、自作アイテムならではの楽しさを感じられるポイントでもありますね!
今回はスタンドというシンプルな形状だからこそ、レーザーマーキングとの相性も良く、見た目と実用性の両方を満たす仕上がりになったと思います。
JLCCNCに発注
JLCCNCへの板金発注方法なども、参考程度に見ておきます。
今回製作した、はんだペースト&フラックス板金スタンドの設計データ(STEP / DXFファイル)をダウンロードできるようにしておきます。
何かの参考になればと思います。
シートメタル(曲げ加工)を考慮して設計したCADデータ(STEPやDWGなど)を、JLCCNCのサイトにアップロードします。
今回製作したものは、ベース材料にアルミニウム[Aluminum 5052]を選択し、表面仕上げオプションとして[アルマイト(Anodizing)]を追加しています。
アルマイト仕上げのカラーは、マットなシャンパンゴールド(Champagne)を選択しました。
JLCCNCの板金加工では、表面仕上げにアルマイト(Anodizing)やパウダーコーティング(Powder Coating)を選択する場合、多くのカラーが用意されています。
JLCCNCのガイドページには、上記のような各カラーの写真が掲載されています。
参考 Materials Supported in Sheet Metal FabricationJLCCNC正直、表面仕上げに関しては、実際の質感等が分かりにくいため、私はこのようなサンプルプレートを以前製作しました。
JLCCNCの板金加工って、今かなり人気ですよねー!
自分もこれまで2回試してみて、かなり使える!となったので、来年もっと活用しようと考えてまして…って事で、アルミ・アルマイトの全カラーサンプル(9カラー全18種)🤤
Thank you@JLCPCB_Japan @JLCCNC_Official pic.twitter.com/OUHikW3fiZ
— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) December 21, 2025

実際のカラーや質感を確認しながら発注もできるので、仕上がりのイメージを掴みやすくてとても便利です!
そして今回は、さらに表面仕上げオプションとして[レーザーマーキング(Laser marking)も追加し、アルミ表面にロゴやテキストをレーザー彫刻で入れました。
レーザーマーキングやシルクプリント(UV印刷)を入れる場合は、その図面データ(DXFまたはDWG形式)を別途入稿する必要があります。
レーザーマーキング用のデータですが、JLCCNCのガイドラインでは線幅0.2mm程度の二重線フォントの使用が推奨されているため、それに従って作成しました。
参考 板金加工ガイドラインJLCCNCまた、どの面にマーキングするのかが分かるように、輪郭や穴位置なども含めた形でデータを作成しています。
今回の印刷面は、トップのこの部分になります。
データの作成方法はいろいろあると思いますが、今回はマーキング用のテキストやロゴに加えて外形エッジと穴位置を投影し、それを1枚のDXFファイルとしてまとめたものを入稿しました。
以上で発注は完了です。
今回のスタンドでは、ベース料金(材料+機械加工)が約6.7ドル、表面仕上げオプションとなるアルマイト加工およびレーザーマーキング料金15.19ドルがプラスされ、トータル約22ドル程度の価格となりました。
非常にお安いですね!
なお、JLCCNCの基本的な板金発注方法については、こちらの記事も参考になると思います。

また、レーザー彫刻やシルクプリントに関しては、以前試したこちらの記事もあわせてご覧いただければと思います。


JLCCNCの板金加工は、今年に入ってからも引き続き人気があるようですね!
今回の発注では、データ入稿後のレビュー(データチェック)に2日ほど、その後の製造に約1週間、そして最終的に手元に届くまで発注からトータルで2週間前後かかりました。(配送方法はOCS Expressを選択)
昨日届いたやつ🟦
JLCCNCの板金で、はんだペースト&フラックス用スタンドを作ってみた!
めちゃんこカッコよく仕上がってた👌基板実装作業で前々から欲しかったので自作してみたが、これはすごく良いっす🤩
レーザーマーキングもかっこいい!Thank you@JLCPCB_Japan @JLCCNC_Official pic.twitter.com/UjJZPRtzCz
— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) April 24, 2026
昨年から始まったJLCCNCの板金加工サービスですが、まだまだ人気があるようで、レビュー・製造には少し時間がかかるようです。
発注するタイミングや混雑状況にもよるとは思いますが、板金加工の発注はある程度余裕を持って行うのがいいと思います。
・・・にしても、非常に綺麗な仕上がりで、いつもながら満足度の高いものとなりました!
最後に!
今回製作したはんだペーストスタンドは、非常にシンプルなアイテムではありますが、日頃よく使う道具だからこそ、専用の置き場があるだけで作業の快適さが大きく変わりました。
はんだペーストやフラックスをすぐ手に取れて、使い終わればそのまま戻せる…
デスクの上もすっきり整理でき、ちょっとしたことですが作業効率の向上にもつながります。
また今回は、金属パーツで製作したことで十分な剛性や安定感があり、見た目や質感についても非常に満足度の高い仕上がりとなりました!
こうしたデスク周りの実用品と板金加工の相性はかなり良いと、改めて感じています。
市販品ではなかなか見つからない、自分の使い方に合わせたものを製作できる、これは完全に自作ならではの魅力の一つですね!





























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