11月25日発売 書籍『Arduinoと3Dプリンタでロボットを作ろう』を出させて頂きました!

【自作基板 / JLCPCB】ESP32-S3 ミニボードを自作してみました![ESP32-S3 Ant]

こちらの記事の追記となります。

【自作基板】ESP32-S3を使った自作ボードやオートリセット機能付きプログラマの製作を考えています!

上記記事で書いたように、以前からESP32-S3ボードを使って遊ぶことが多かったことから、自作ボードをいくつか製作していました。

前回は、USB-OTGとUARTの両方に対応した開発用ボードを紹介しました。

【自作基板 / JLCPCB】ESP32-S3でUSB-OTGとUART、バッテリー駆動に対応した自作ボードを製作しました!

また、ESP系ボード全般で使えるオートリセット機能付きのプログラマーなども製作しています。

【JLCPCB / 電子工作】オートリセット(自動書き込み)対応!ESPマイコン書き込みボード(プログラマ)の製作

ESP32-S3は、ネイティブUSBやPSRAMなど便利な機能を搭載したマイコンですよね!

ただ、ちょっとした電子工作や組み込み用途では、すべての機能を引き出す必要がない場合もあります。

そこで今回は、用途や機能をある程度限定し、よりコンパクトにまとめたESP32-S3ミニボードも製作してみることにしました。

ブレッドボードを使った試作や、センサーやディスプレイなどを接続したちょっとした電子工作用途で使える小型で扱いやすいボードの方が便利な場合も多いと思います。

そこで、必要な機能を絞り込みつつ、ブレッドボードでも扱いやすいサイズにまとめたミニボードとして製作してみました。

ESP32-S3 WROOM-1を使ったミニボードの製作

前回製作したボードは、USB-OTGやUARTなどを含めてESP32-S3を開発ボードとして幅広く使える構成としました。

【自作基板 / JLCPCB】ESP32-S3でUSB-OTGとUART、バッテリー駆動に対応した自作ボードを製作しました!

一方、今回製作したESP32-S3ミニボードは、そこまで多くの機能を必要としない場面を想定し、必要な部分に絞って小型化しています。

引き出すGPIOについても、実際の電子工作や試作で使用することが多いピンを中心に選定しました。

今回はミニボードとしてのサイズ感を優先し、ある程度用途を限定することで、必要十分なI/Oを確保するという考え方でピン配置等を決めています。

USB-シリアル変換ICは搭載せず、ESP32-S3のネイティブUSBを利用して全体的にシンプルにまとめました。

また、電源まわりについては、USBからの給電だけでなく1セルリポバッテリーからの駆動や充電にも対応させています。

USBケーブルを接続している場合はUSBからの給電を利用し、ケーブルを外すと自動的にバッテリーで動作させることができるため、ブレッドボード上での試作だけでなく、ある程度完成した組み込み用途でも使いやすい構成としています。

USB接続、必要なGPIO、電源機能などをコンパクトにまとめることで、ちょっとした電子工作や試作時にサクッと使えるESP32-S3ボードを目指して製作しました。

同様のESP32-S3を使った市販ミニボードとしては、例えばSeeed Studioの「XIAO ESP32-S3」などが販売されており手元にもあるのですが・・・

XIAO ESP32-S3は21×17.8mmと非常にコンパクトなボードで、単純に小型のESP32-S3ボードが欲しいだけであればこのような市販品を購入した方が安価で手軽です!

それでも今回のようなボードを自作する最大の理由は、自分の開発環境で扱いやすいようにI/Oの配置や基板の構成を自由に決められることだと思います。

私が自作するボードでは、特にGPIOラベルなどのシルク印刷をできるだけ大きく見やすくすることを毎回意識して製作しています。

市販の小型ボードでは、限られた基板サイズの中に多くの機能やI/Oを詰め込む必要があるため、ピン番号やGPIOラベルの表示が小さくなっているものがほとんどです。

実際に使用していると、配線を変更するたびにピン配置図を確認することも多いため、基板のシルクを見ただけでどのピンなのかが分かることは個人的にはかなり重要なポイントです。

また今回は、リポバッテリーでの駆動にも対応させるなど、自分が実際に使いたい機能も追加しています。

自作するとコスパ的には悪くなってしまいますが、既製品にはない「自分にとって使いやすい構成」にできること、これがコストや製作の手間を考えても、自作ボードを作る大きな理由の一つだといつも感じています。

JLCPCBに基板を発注

基板の製造は、今回もJLCPCBを利用しました。

今回製作したボードは、GPIOラベルを極力大きく見やすくプリントすることを優先して、両面実装基板として設計しています。

製作したESP32-S3ミニボード「ESP32-S3 Ant V1.1」の基板データ(Gerber / BOM / CPL)をダウンロードできるようにしておきます。
何かの参考になれば幸いです!

自身でパーツを実装してもよかったのですが、両面実装基板ということもあり、今回はPCBAサービスを利用しパーツの実装まで全てJLCPCBにお願いすることにしました。

今回のような小型基板では、実装するパーツ数こそそれほど多くありませんが、0402サイズといった非常に小さなチップ部品を使用し、さらに両面実装基板なので自宅でのリフロー環境では手間と時間がかかります。

PCBAサービスを利用することで自身で実装する場合と比べて当然コストは上がってしまいますが、パーツの調達から実装までをまとめて任せられ、届いた基板ですぐに動作確認へ進めるのは大きなメリットだと感じています。

一方で、今回のように両面PCBAとなると、エコノミックPCBAが使えず、標準PCBA扱いとなってしまいます。
そのため、コストとの兼ね合いを考えると、両面にパーツを配置する必要が本当にあるのか?片面実装にできないか?など、基板設計の段階から考えておくことも重要だと今回感じました。

JLCPCBのパーツ実装サービス『エコノミックPCBA』と『標準PCBA』について!

とはいえ、今回のように基板の表裏をうまく使い分けることで、限られた基板サイズの中でもレイアウトの自由度を高められるのは、両面実装ならではのメリットでもあります。

特に今回のような小型基板では、自分で実装する手間を減らしながら、設計した基板をそのまま完成品に近い状態で手にできるのは大きな魅力だと感じています。

JLCPCBのPCBAサービスを利用し、両面実装基板を試してみました!

JLCPCBのPCBAサービスの利用方法などは、こちらの記事が参考になると思います。
これからPCBAサービスを利用してみようとお考えの方は、あわせて見て頂ければと思います。

【自作基板 / 電子工作】JLCPCBのパーツ実装サービスPCBAを試してみました!自作基板の製造からパーツ実装までをおまかせ発注

基板の到着

両面実装PCBAとして発注していた本基板は、発注から10日かからずに手元に届きました。(配送方法はOCS Expressを選択)

JLCPCBのPCBAサービスは、ほんと納期が非常に早く、今回も発注してからあっという間に実装済みの基板が届いてしまいました!

未実装としていたピンヘッダーとバッテリー端子(スルーホールタイプのJST-PHコネクタ)を取り付けてボードは完成です!

USB駆動とバッテリー駆動の切り替えやバッテリーの充電、またESP32-S3の基本動作についても特に問題なく、ひと通り動作確認することができました。

製作してから半年ほど経っていますが、現在も試作や検証用途などで使っています。

ちょっとした試作や動作確認などの際にもサッと使えるので便利ですね。!

ということで、自作ESP32-S3ミニボード「Antくん」の完成です!

使用パーツ一覧

今回使用したパーツの一覧です。

先述のとおりBOMファイルもダウンロードできるようにしていますが、自身でパーツを実装される場合や、自作ボードの回路・パーツ選びなどの参考にして頂ければと思います。

またPCBAを利用する場合は、在庫状況によって同じ型番のパーツを選択できないこともあるため、必要に応じて代替パーツの参考等になればと思います。

パーツ定数入手先
コンデンサ
(0402)
C3/C9 100nF
C4 1μF
AliExpress
コンデンサ
(0603)
C5 100nF
C6 22μF
C7 4.7μF
C8 10μF
AliExpress
コンデンサ
(0805)
C1 4.7μF
C2 10μF
AliExpress
ダイオードD1/D5 1N5819W(SOD-123)AliExpress
D2/D3/D4 LESD5D5.0CT1GAliExpress
LED(0402)D6 PWR(Green)
D7 Charge(Orange)
D8 On Board(Blie)
AliExpress
USB端子J1 Type-C(16P)AliExpress / 秋月電子
バッテリー端子J4 JST-PH(2P/THT) L型AliExpress
MOSFET
(SOT-23)
Q1/Q2 AO3401AAliExpress / 秋月電子
抵抗
(0402)
R1/R2 5.1kΩ
R2/R7/R8 2.2kΩ
R4 10kΩ
R5 2.7kΩ
R6 100kΩ
AliExpress
タクトスイッチ
(SMD)
SW1/SW2 3mm×4mm(SMD)AliExpress
3.3V LDOU1 TLV75733PDBVRAliExpress
ロードスイッチICU2 XC8111秋月電子
コアU3 ESP32-S3 WROOM-1秋月電子
充電ICU4 MCP73831-2-OTAliExpress / 秋月電子
その他ピンヘッダーーーー

最後に!

今回は、ESP32-S3 WROOM-1を使った自作ミニボードを製作してみました。

ESP32-S3を使った小型ボードは、XIAO ESP32-S3をはじめ安価で優秀な製品がいろいろと販売されているため、コストや手軽さだけを考えれば市販の開発ボードを使った方が良い場面も多くあると思います。

それでも、自分が実際に使うことを考えて、必要なGPIOだけを引き出したり、I/Oラベルを見やすく配置したり、バッテリーで駆動できるようにするなど、用途や開発環境に合わせて自由に構成できるのは、自作ボードならではの面白いところではあります。

今回のAntくんも、前回製作したUSB-OTG / UART対応のESP32-S3ボードとは役割を分け、ちょっとした電子工作や試作などで気軽に使えるボードとして活用していきたいと思います。

本ボードを製作して半年ほど使っていますが、コンパクトなボードなのでブレッドボードなどと組み合わせても扱いやすい印象です!

ESP32-S3はネイティブUSBやPSRAMなど便利な機能も多く、今回のように用途を絞って小型化しても、いろんな用途で活用できるのも魅力ですね。

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