こちらの記事の追記となります。

上記記事で書いたように、以前からESP32-S3ボードを使って遊ぶことが多かったことから、自作ボードをいくつか製作していました。
前回は、USB-OTGとUARTの両方に対応した開発用ボードを紹介しました。

また、ESP系ボード全般で使えるオートリセット機能付きのプログラマーなども製作しています。

ESP32-S3は、ネイティブUSBやPSRAMなど便利な機能を搭載したマイコンですよね!
自作のESP32 S3ボードのテストを兼ねてこの前作ってた動画プレーヤーで遊んでる!
キーボードとか繋いで操作したいんだけど、ホスト機能が上手くいかない…
単体だとシリアルモニタに表示は出来たんだけどなぁ・・・な朝活🤔 https://t.co/JaVv6L60CE pic.twitter.com/00l1dOnZPM— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) March 2, 2026
ただ、ちょっとした電子工作や組み込み用途では、すべての機能を引き出す必要がない場合もあります。
そこで今回は、用途や機能をある程度限定し、よりコンパクトにまとめたESP32-S3ミニボードも製作してみることにしました。
ブレッドボードを使った試作や、センサーやディスプレイなどを接続したちょっとした電子工作用途で使える小型で扱いやすいボードの方が便利な場合も多いと思います。
そこで、必要な機能を絞り込みつつ、ブレッドボードでも扱いやすいサイズにまとめたミニボードとして製作してみました。
ESP32-S3 WROOM-1を使ったミニボードの製作
前回製作したボードは、USB-OTGやUARTなどを含めてESP32-S3を開発ボードとして幅広く使える構成としました。

一方、今回製作したESP32-S3ミニボードは、そこまで多くの機能を必要としない場面を想定し、必要な部分に絞って小型化しています。
引き出すGPIOについても、実際の電子工作や試作で使用することが多いピンを中心に選定しました。
今回はミニボードとしてのサイズ感を優先し、ある程度用途を限定することで、必要十分なI/Oを確保するという考え方でピン配置等を決めています。
USB-シリアル変換ICは搭載せず、ESP32-S3のネイティブUSBを利用して全体的にシンプルにまとめました。
また、電源まわりについては、USBからの給電だけでなく1セルリポバッテリーからの駆動や充電にも対応させています。
USBケーブルを接続している場合はUSBからの給電を利用し、ケーブルを外すと自動的にバッテリーで動作させることができるため、ブレッドボード上での試作だけでなく、ある程度完成した組み込み用途でも使いやすい構成としています。
USB接続、必要なGPIO、電源機能などをコンパクトにまとめることで、ちょっとした電子工作や試作時にサクッと使えるESP32-S3ボードを目指して製作しました。
同様のESP32-S3を使った市販ミニボードとしては、例えばSeeed Studioの「XIAO ESP32-S3」などが販売されており手元にもあるのですが・・・
XIAO ESP32-S3は21×17.8mmと非常にコンパクトなボードで、単純に小型のESP32-S3ボードが欲しいだけであればこのような市販品を購入した方が安価で手軽です!
それでも今回のようなボードを自作する最大の理由は、自分の開発環境で扱いやすいようにI/Oの配置や基板の構成を自由に決められることだと思います。
私が自作するボードでは、特にGPIOラベルなどのシルク印刷をできるだけ大きく見やすくすることを毎回意識して製作しています。
市販の小型ボードでは、限られた基板サイズの中に多くの機能やI/Oを詰め込む必要があるため、ピン番号やGPIOラベルの表示が小さくなっているものがほとんどです。
実際に使用していると、配線を変更するたびにピン配置図を確認することも多いため、基板のシルクを見ただけでどのピンなのかが分かることは個人的にはかなり重要なポイントです。
また今回は、リポバッテリーでの駆動にも対応させるなど、自分が実際に使いたい機能も追加しています。
自作するとコスパ的には悪くなってしまいますが、既製品にはない「自分にとって使いやすい構成」にできること、これがコストや製作の手間を考えても、自作ボードを作る大きな理由の一つだといつも感じています。
JLCPCBに基板を発注
基板の製造は、今回もJLCPCBを利用しました。
今回製作したボードは、GPIOラベルを極力大きく見やすくプリントすることを優先して、両面実装基板として設計しています。
製作したESP32-S3ミニボード「ESP32-S3 Ant V1.1」の基板データ(Gerber / BOM / CPL)をダウンロードできるようにしておきます。
何かの参考になれば幸いです!
自身でパーツを実装してもよかったのですが、両面実装基板ということもあり、今回はPCBAサービスを利用しパーツの実装まで全てJLCPCBにお願いすることにしました。
今回のような小型基板では、実装するパーツ数こそそれほど多くありませんが、0402サイズといった非常に小さなチップ部品を使用し、さらに両面実装基板なので自宅でのリフロー環境では手間と時間がかかります。
PCBAサービスを利用することで自身で実装する場合と比べて当然コストは上がってしまいますが、パーツの調達から実装までをまとめて任せられ、届いた基板ですぐに動作確認へ進めるのは大きなメリットだと感じています。
一方で、今回のように両面PCBAとなると、エコノミックPCBAが使えず、標準PCBA扱いとなってしまいます。
そのため、コストとの兼ね合いを考えると、両面にパーツを配置する必要が本当にあるのか?片面実装にできないか?など、基板設計の段階から考えておくことも重要だと今回感じました。

とはいえ、今回のように基板の表裏をうまく使い分けることで、限られた基板サイズの中でもレイアウトの自由度を高められるのは、両面実装ならではのメリットでもあります。
特に今回のような小型基板では、自分で実装する手間を減らしながら、設計した基板をそのまま完成品に近い状態で手にできるのは大きな魅力だと感じています。

JLCPCBのPCBAサービスの利用方法などは、こちらの記事が参考になると思います。
これからPCBAサービスを利用してみようとお考えの方は、あわせて見て頂ければと思います。

基板の到着
両面実装PCBAとして発注していた本基板は、発注から10日かからずに手元に届きました。(配送方法はOCS Expressを選択)
JLCPCBのPCBAサービスは、ほんと納期が非常に早く、今回も発注してからあっという間に実装済みの基板が届いてしまいました!
JLCPCBから来たやつ🟦
両面実装、いいっすね〜👌 pic.twitter.com/nz1NJQO9gD— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) March 25, 2026
未実装としていたピンヘッダーとバッテリー端子(スルーホールタイプのJST-PHコネクタ)を取り付けてボードは完成です!
USB駆動とバッテリー駆動の切り替えやバッテリーの充電、またESP32-S3の基本動作についても特に問題なく、ひと通り動作確認することができました。
製作してから半年ほど経っていますが、現在も試作や検証用途などで使っています。
ちょっとした試作や動作確認などの際にもサッと使えるので便利ですね。!
ボクのWebラジオくん📻
だいぶサクサク動くようにはなってきたが…
タイトル長い場合にスクロールさせてて、このモード入ると音声が途切れたりノイズが入ったり…
コアの割り振りは問題ないからハードの限界だろうとAIさんは言うんだけど…なわけゃねえだろ、な朝活! pic.twitter.com/d0olquLejs— ガジェット大好き!! (@smartphone_jp1) June 27, 2026
ということで、自作ESP32-S3ミニボード「Antくん」の完成です!
使用パーツ一覧
今回使用したパーツの一覧です。
先述のとおりBOMファイルもダウンロードできるようにしていますが、自身でパーツを実装される場合や、自作ボードの回路・パーツ選びなどの参考にして頂ければと思います。
またPCBAを利用する場合は、在庫状況によって同じ型番のパーツを選択できないこともあるため、必要に応じて代替パーツの参考等になればと思います。
| パーツ | 定数 | 入手先 |
| コンデンサ (0402) | C3/C9 100nF C4 1μF | AliExpress |
| コンデンサ (0603) | C5 100nF C6 22μF C7 4.7μF C8 10μF | AliExpress |
| コンデンサ (0805) | C1 4.7μF C2 10μF | AliExpress |
| ダイオード | D1/D5 1N5819W(SOD-123) | AliExpress |
| D2/D3/D4 LESD5D5.0CT1G | AliExpress | |
| LED(0402) | D6 PWR(Green) D7 Charge(Orange) D8 On Board(Blie) | AliExpress |
| USB端子 | J1 Type-C(16P) | AliExpress / 秋月電子 |
| バッテリー端子 | J4 JST-PH(2P/THT) L型 | AliExpress |
| MOSFET (SOT-23) | Q1/Q2 AO3401A | AliExpress / 秋月電子 |
| 抵抗 (0402) | R1/R2 5.1kΩ R2/R7/R8 2.2kΩ R4 10kΩ R5 2.7kΩ R6 100kΩ | AliExpress |
| タクトスイッチ (SMD) | SW1/SW2 3mm×4mm(SMD) | AliExpress |
| 3.3V LDO | U1 TLV75733PDBVR | AliExpress |
| ロードスイッチIC | U2 XC8111 | 秋月電子 |
| コア | U3 ESP32-S3 WROOM-1 | 秋月電子 |
| 充電IC | U4 MCP73831-2-OT | AliExpress / 秋月電子 |
| その他 | ピンヘッダー | ーーー |
最後に!
今回は、ESP32-S3 WROOM-1を使った自作ミニボードを製作してみました。
ESP32-S3を使った小型ボードは、XIAO ESP32-S3をはじめ安価で優秀な製品がいろいろと販売されているため、コストや手軽さだけを考えれば市販の開発ボードを使った方が良い場面も多くあると思います。
それでも、自分が実際に使うことを考えて、必要なGPIOだけを引き出したり、I/Oラベルを見やすく配置したり、バッテリーで駆動できるようにするなど、用途や開発環境に合わせて自由に構成できるのは、自作ボードならではの面白いところではあります。
今回のAntくんも、前回製作したUSB-OTG / UART対応のESP32-S3ボードとは役割を分け、ちょっとした電子工作や試作などで気軽に使えるボードとして活用していきたいと思います。
本ボードを製作して半年ほど使っていますが、コンパクトなボードなのでブレッドボードなどと組み合わせても扱いやすい印象です!
ESP32-S3はネイティブUSBやPSRAMなど便利な機能も多く、今回のように用途を絞って小型化しても、いろんな用途で活用できるのも魅力ですね。





















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