11月25日発売 書籍『Arduinoと3Dプリンタでロボットを作ろう』を出させて頂きました!

【追記】ファミコンコントローラー型 カスタムESPboyの製作 [一部修正・リベンジ]


ようやく完成したファミコンコントローラー型のカスタムESPBoyですが・・・

実際に組み上げて動作確認を進めていく中で、いくつか気になる部分が見つかりました。

そこで今回はリベンジとして基板を再設計し、気になっていた部分を全て修正した完成版を製作することにしました!

上記前回の記事では、4層基板へ設計を変更することで、長らく保留状態となっていた本プロジェクトをようやく形にすることが出来たという内容を書きました。

しかし、実際に組み立てて確認してみると、動作面やデザイン面でいくつか改善したいポイントがあったので、今回修正基板を発注し納得いく状態で完成させました。

前回の設計から修正した箇所
  1. USB-シリアル変換チップまわりの回路を修正
  2. オリジナルロゴのベタパターンの修正
  3. NeoPixelまわりの回路を一部追加

①USB-シリアル変換チップまわりの回路を修正

まず、ESPBoyのコアとなるESP8266のブートストラップピン(GPIO0)まわりの回路にミスがありました。

ESP8266のGPIO0は起動モードを決定するブートストラップピンとなっており、起動時にLOWレベルと判定されると通常起動ではなく書き込みモードへ移行してしまいます。

前回の設計では、この部分の電圧レベルがUSB給電なしの状態(通常のバッテリー駆動時)ではUSB-シリアル変換チップの影響を受けてしまいLOW判定の閾値付近になってしまっていたようで、起動時の状態によっては正常に立ち上がらず、不安定になるという問題がありました。

この問題については、基板パターンを一部カットして配線をバイパスすることで正常に動作させることが出来ましたが…

今回製作した修正基板では、この部分の回路を見直しました。

USB-シリアル変換チップにはFT232RLを使用していたのですが、内蔵オシレータを利用する場合はVCCに4V以上が必要となることから、それを考慮した回路構成としていました。

しかし、USB接続時のバスパワー動作と、バッテリー駆動時のセルフパワー動作が混在する構成だったため、電源周りや信号ラインの状態が少し複雑になってしまい、その影響もありシリアル周りの挙動が想定と異なる状態となっていいました。

修正版ではUSB-シリアル変換チップをCH340Cへと変更し、回路をよりシンプルにしました。

②オリジナルロゴのベタパターンの修正

次に気になっていたのが、基板上にプリントしたロゴです。

カスタムボードということもありオリジナルのロゴを作成していたのですが、ソルダーマスクを抜いてENIG(金メッキ)を露出させていた部分の下地がハッチングパターンのままになっていました。

その結果、ロゴ部分にも格子状のパターンが見えてしまい、思っていたよりも文字やデザインが見えにくい状態になってしまいました!

機能面では全く問題ありませんが、せっかく作ったロゴなので、やはり綺麗に見せたいところです。

修正基板の方では、綺麗にロゴ部分が浮き出るように修正しました。

自作のオリジナルロゴなので、こちらの方がやはり気持ちいいですよね!

③NeoPixelまわりの回路を一部追加

最後にNeoPixel部分の回路を一部修正しました。

ESPBoyにはRGB LEDとしてNeoPixelが1つ組み込まれています。

プレイするゲームや動作状態によって点灯パターンが変化するため、視覚的にも分かりやすく、ちょっとした演出としても面白い機能です。

オリジナルの回路構成では、このNeoPixelの電源(VDD)ラインはバッテリーへ直接接続されています。

しかし、NeoPixel系のLEDは点灯していない状態(マイコンがオフの状態)であっても、内部制御回路が動作しているため待機電流が流れてしまいます。

1個あたりでは0.5mA~1.0mA程度あり、今回のようにファミコンコントローラー型の小型サイズへ全てを収める構成では、バッテリー容量も約300mAh程度の小型なものを採用しているため、この容量に対しては無視出来ない消費電流となってしまい、電源を切って保管している間にも少しずつバッテリーが消費されてしまいます。

せっかくリベンジ基板を製作するのであればと、この部分の回路構成も少し見直し、未使用時にはNeoPixelへの電源供給自体を停止出来る構成へと変更しました。

問題点を修正し無事完成!

これらの問題点をまとめて修正し、今回リベンジ基板として再設計して無事完成させることが出来ました!

基板の発注は、前回同様、今回もJLCPCBを利用しました。

基板の発注やパーツの実装、組み立てなどの話は前回の記事を参考にして下さい。

【自作基板 / JLCPCB】ファミコンコントローラー型 カスタムESPboyの製作!

JLCPCBに発注した、修正基板データ(ガーバーファイル)とケースデータ(STL)をこちらからダウンロード出来るようにしておきます。
何かの参考になれば幸いです!

諸々気になっていた部分を修正出来たことで、ようやく納得のいく完成形となりました。

自分で設計したオリジナルのカスタムESPBoyで遊べるのは、なかなか感慨深いものがありますね!

ちなみに、トップケースはプレートをはめ込める形状にしています。

オリジナルのファミコンコントローラーで使われているプレートをそのまま使えるようにサイズ調整しています。

今回は、復刻版として販売されているものを入手し、ディスプレイ部分を切り取って利用しました。

雰囲気が出ていいですね!

また、ESPBoyはESP8266ボード(WeMos D1 miniなど)とディスプレイ、スイッチ類などのパーツがあれば、ブレッドボード上でも比較的簡単に組み立てて試すことが出来ます。

興味ある方は、ここから試してみるのも面白いと思います!

【電子工作】ESP8266(WeMos D1 Mini)で動かすオープンソースの携帯ゲーム機『ESPboy』が面白い!

使用パーツ一覧

今回の修正基板で使用したパーツの一覧です。

パーツ定数入手先
コンデンサ
(0805)
C8/C11 1μFAliExpress
コンデンサ
(0603)
C1/C2/C6/C9 100nF
C3/C7 4.7μF
C5/C10/C12 10μF
AliExpress
ダイオード
(SOD-123)
D1 1N5819WAliExpress
フューズ
(1206)
F1 500mAAliExpress
USB端子J1 Type-C 16PAliExpress / 秋月電子
バッテリー端子J2 JSH-PH(2P/THT)L型AliExpress
拡張端子J3 ピンソケット2×10P(2.54mm) L型秋月電子
LED
(0603)
LED1 RX(緑)
LED2 TX(青)
LED3 チャージ(オレンジ)
LED4 チャージ完了(緑)
AliExpress
NeoPixelLED5 WS2812B(5050)AliExpress / 秋月電子
トランジスタ/MOSFETQ1/Q3 AO3401A(SOT-23)AliExpress / 秋月電子
Q2 SS8050(SOT-23)AliExpress
抵抗
(0603)
R1/R2/R4/R6/R11/R22 10kΩ
R3/R5 5.1kΩ
R7/R8/R14/R15 2.2kΩ
R9 220kΩ
R10/R16/R17/R23/R24 100kΩ
R12/R13 4.7kΩ
R18 2.7kΩ
R19 470Ω
R20 12kΩ
R21 10Ω
AliExpress
可変抵抗
(SMD)
RV1 470Ω(TC33X-501E)AliExpress / 秋月電子
タクトスイッチ
(SMD)
SW1/SW11 3mm×4mm(SMD)AliExpress
SW7/SW10 6mm×6mm×10mm(THT)AliExpress
スライドスイッチSW2 SS12D10AliExpress
ディスプレイTFT1 1.44インチ 128×128
ST7735 SPI / 8P
AliExpress / Amazon
コアU1 ESP-WROOM-02秋月電子
USB-シリアル変換ICU2 CH340C(SOP-16)AliExpress
3.3V LDOU4 ME6211A33PGAliExpress
デュアルNPNU5/U9 UMH3NAliExpress
充電ICU6 MCP73831-2ATI/OTAliExpress / 秋月電子
I/OエキスパンダーU7 MCP23017-E/SOAliExpress
D/AコンバータU8 MCP4725(SOT23-6)AliExpress / 秋月電子
その他スイッチパーツ & M2ビス
※本家コントローラーのものを流用(または互換品)
AliExpress

最後に!

前回の記事では、4層基板への設計変更によって長らく保留状態となっていた本プロジェクトをようやく完成させることが出来たよ、といった内容を書きました。

しかし実際に組み上げて使ってみると、起動が不安定になる問題やロゴ部分のベタパターンのミス、またNeoPixelの待機電流など、細かな部分では気になる点も残っていました。

機能的には十分動作していたのですが、せっかく長い時間をかけて製作してきたプロジェクトなので、今回リベンジ基板として修正版を製作することで、自分の中で納得出来る完成形まで持っていくことが出来ました。

頭の中で思い描いていたイメージが、実際に手に取って遊べる一つの作品として完成する…

こうした過程を楽しめるのは、自作ハードウェアや電子工作ならではの大きな魅力だといつものように感じています!

今回製作したオリジナルのカスタムESPboy、特にファミコンコントローラー型というのはとても気に入り、ゲーム機としての操作性も非常に良かったことから、今後別バージョンのものの製作も考えています。

こちらについても、製作が進めばまた新しいプロジェクトとして紹介出来ればと思っています。

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